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進級まで


「…ほぇ?卒業生を送る会?」

「あぁ、今日サッカー部であってな。皆結構泣くもんだな」

「へぇ…僕の部活にはいなかったからなぁ…卒業生…知らなかったよ」

「そうか…しかしあれだよな。俺達もいつかは卒業するんだよなぁ…」


…卒業かぁ…卒業したら…真司とも離れ離れになっちゃうのかなぁ…いや!僕が真司のレベルにあわせれば!


「…というか、真司は卒業の前に進級を考えなよ。このままじゃ先生とマンツーマンのランデブーが待ってるよ?」

「ぬぐぅ!…べ、勉強教えてくれ…」

「仕方ないなぁ…」


…真司だってやれば出来るのにねぇ…サッカーに打ち込み過ぎなんじゃないかな…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「んくーっ!疲れたぁ…でも真司飲み込み早くて助かるよぉ〜」

「教える先生が優秀だからな」

「ふふっ…どやぁ?学年1位ですし?」

「くっそー!前は同じくらいだったのになぁ…」

「むふふ…さて、そろそろ遊ぼ?」

「ほいほい。」



…あれ?もしかして真司の時間を1番奪ってるのは…僕!?


…ま、まぁいいや。むしろその方がいいや。こうやって真司と触れ合う時間が増えるしね…うん。


「…そろそろ進級だね…」

「そうだな…」

「…次は真司と一緒になれるかな?」

「どうだろうな?…どうだ?やっぱ1年生終わるのはさみしいか?」

「…まぁね。まぁ、結構楽しかったんだけど…やっぱり真司と一緒に居れる時間が少なかったのがさみしかったな…」

「…そうか?結構居た気がするんだが…」

「全然だよ!クラスも違うし部活も違うし寝る時も一緒じゃない!」

「…いや、寝る時は普通別々だろ…?」

「うぅ〜!僕は一緒がいい〜!」


じたばたじたばた。


「…まぁまぁ。ほれ、撫でてやるから。」

「…むにゅふふ。」


撫でられたら仕方ないね。


「…そうだなぁ…クラスは先生が選ぶから仕方ないとして…部活は…そうだ!僕がサッカー部のマネージャーになるというのは…?」

「いや、うちにマネージャーいねーから。」


ずどーん。ショック…


「よし!勝った!」

「むぅ…マネージャー無いのか…」

「そっちかよ!?」

「ああっ!?負けてる!」

「遅え!」


…じゃあますますクラスが一緒になる事を祈るしかないよね…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「進級かぁ…思えばこの1年…色々あったなぁ…」


女になって、吸血鬼で。部活やったり、体育祭やったり、文化祭でなんか変なコスプレしたり、第三勢力として色々かき回したり、魔物の中で日本一になったり幼女になったり。


そして、いつも僕の側には真司が居て…僕を支えてくれた。きっと、真司がいなければ僕は何も出来なかった。1歩踏み出す事さえできなかった。


真司がいてくれたから…僕は僕でいられた。



でも、そんな僕ももうすぐ進級!つまり2年生!


…そうか、後輩とか出来るのか…それはなかなか…大変かもしれないなぁ…


きっと、2年生になったら真司もサッカー部の先輩として1年に教える事になったりして…


僕と会う時間だって減ってく。


…寂しい…僕は、真司とずっと一緒にいたい…


「…ううん。それじゃ…ダメなんだ!」


僕だっていい加減独り立ちしなきゃ…ね。真司に頼らなくても…1人で、頑張っていけるようにならなきゃ!


いつまでも、真司に頼ってる訳にはいかないもの!真司だって自分の時間が欲しいだろうし!



…うぅ…でもやっぱ寂しいよぉぉ…今でも少ない時間がもっと減るなんてぇぇ…ううぅ…


ふんす!しゃきっとしろ!僕!よし、かんばるぞー!えいえいおー!


…取り敢えず、今日から出来るだけ真司の部屋に行くのを減らそう!


…今日から…今日からかぁ…うぅ…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…明日から頑張りまひゅ…♪」

「…どうしたんだ?」


本能には勝てなかったよ!


し、仕方ないんだ!僕の本能が真司を求めるんだもの!


…きっと麻薬ってこんな感じなんだろうな…


「…なでてー♪」

「…ほれ。」


…むふふ…真司のなでなでは麻薬級だよ…1回だけなら大丈夫とか思ってるとズブズブとはまっていっちゃう…


「…はひゅ…♪やっぱり真司から離れるなんて無理だったんだよ…♪」

「…よく分からんが…離れなくていいぞ。別に迷惑でもなんでもない…むしろ、楽しいからな。」


ぎゅ。



…あ…あばばばば!ぎゅーが!ぎゅーが追加されたよ!これは…これはまずい!真司からぎゅーはまずい!頭バカになっちゃうぅ!


「…きゅう…♪」


「…おい?…おい!…大丈夫か!?夜!?夜ッ!!」

「もうらめ…」


体が熱い…さすが真司…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「そっかー。進級したら光とも別れちゃうかもしれないんだよねー」

「そうね。…まぁでも、ライフでも繋がってるし…喫茶店もあるし…大丈夫なんじゃない?」


「まぁ、それでもちょっと寂しいよね〜。橘さんとか、本田さんとか…小林君は部活一緒だからいいとして、皆一緒になれる確立なんて0みたいなもんだもんねぇ…」

「そうだね…ちょっと、寂しいかもね…」

「…うん」


「…まぁ、元気だそうよ!きっと新しい出会いだってあるかもしれないよ!」

「…そうだね。光も頑張っていい女の子見つけてね!」



「…そ・れ・は。どういう意味かな夜ちゃ〜ん?」


ぎゅ〜


「ぐぐぐ…首が…首が締まる…」

「私はレズじゃないって何度言ったら…!」


「…きゅぅ。」

「え?夜?…しまった!やり過ぎた!夜!夜ぅぅ!!」


「…もうらめ…」


なんか…デジャヴ…


ガクッ。


進級まで、後4日…!

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