2月13日
「…よし、これでOK!」
後は冷やせば…おっと、その前にちょっと味見…塩とか入れてたら悲しいものね…ぱくりっと。
…うん。美味しい!けど熱い!さてと…型は何処にいったかな?
あ!そうだ…愛情を入れ忘れてたよ…
…1…2の…3!
ズバッ!
ポタポタポタ……
「…痛い…」
やはり人を愛する事には痛みが伴うんだね…こんなに辛いなら!苦しいなら!愛など…やめておこう。
混ぜて〜混ぜて〜流して〜冷蔵庫に入れる!
…よし、これで完璧…明日には渡せ
ないよ!むき出しで渡せる訳ないじゃないか!ラッピングをしなくては…
…う〜ん?なんか買ってこようかな…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ピンクのラッピング用の袋に…黄色いリボン!
…メッセージカードか…どうしようかな…
…よし、書こう。日頃の感謝を込めて…ね…
「おーい?夜ちゃんじゃないですか〜?」
「…君は…確か…本…本……伊東さんだっけ?」
「なんでよ!?本田よ!本まで出てたのになんでイキナリ伊東になるの!?」
「…じょうだんだよ?」
「…分かってるわよ…?で?その包み紙とリボンとメッセージカードは何かな?ん?」
「チョコを渡す為のやつだよ?…本田さんこそ、その袋なにさ?」
「あ、普通に言っちゃうんだ…え?これは…まぁね?」
…なるほどなるほど。というか、バレンタインデー特設コーナーにいる地点で大体察しが付きますけどね?
「…ズバリ…小林君!」
・・・・・・・・・・・・
……あれ?
「ち…違うぅ!全っ然違う!」
ドンピシャじゃないですか…
「…違うの?」
「違う!」
「小林君の事なんてなんとも思ってない?」
「うん!もちろん!」
「小林君の事なんて嫌い?」
「嫌い!」
「……小林君に言っちゃお〜っと本田さんが嫌いって言ってたって!」
「えっ!?ちょっと待って!」
「やだねー!」
ダッシュ!
「…そんな事言うなら!佐々木君に夜が本当は嫌いだって言ってたって言うわ!」
「ぬぅふぅっ!?」
ドンガラガッシャーン!
「…ぬぐぐぅ…」
「いいの?言うわよ?言ったら言うわよ?」
「よし。分かった。この件については痛み分けという事にしよう。小林君と真司に光がレズだって言う事で手打ちにしないかい?」
「そうしましょうか…」
…光には犠牲になって貰おう…まぁ光だからいいよね。光だもんね。
「…じゃあ、がんばろーね?」
「ええ。」
ふぅ…帰ろーっと
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「光はレズだよ!」
「……なんだいきなり。」
「いや、これは本田さんとの約束なんだよ。光はレズだって言いふらすっていう…」
「どんな約束だよ…何があったらそうなるんだ?」
「女の子同士の秘密れふ!」
「……そうか。」
女の子同士の秘密って言葉は凄く使いやすいよね。これさえ言っておけばOK!みたいな?
「…ところでさ。本田さんは小林君にチョコ渡すんだって。…これって告白するのかなぁ?」
「…どうだろうなぁ?まぁ、告白したら成功するだろうって気がするけどな…」
「だよねー。むしろ小林君、待ってました!って感じかも…」
「だな。ところでチョコは…」
チョコチョコ煩いなぁ…まぁ、解るんだけどね?男の子にとってバレンタインデーっていうのは一大事だから…。
あぁ、女の子っていいなぁ…気分一つで男を振り回せる…楽しいなぁ…
「催促する男の子はモテないよ!…ちゃんと作ったもん!もう冷やしてあるもの。カカオから手作りなんだよ!凄いでしょ!」
「おー。凄い凄い」
…むぅ。カカオから手作りって所に突っ込んでくれてもいいのに…
「リアクション薄いよ!真司の為に頑張って作ったのに…!」
「いや、ここでテンション上げてお礼言ったらチョコもらった時になんて言えばいいか分からないだろ?だから、とって置いてるんだよ」
「…なんだそうか。真司は僕からのチョコが嬉しくないのかと…」
「そんな訳ないだろ!」
うるさっ!?
「…いきなり大声出さないでよ…いや、そんなに僕からのが欲しいのは嬉しいけどさ…僕達はあくまで親友であって…そういうのは…間違いが…いやでも真司がいいって言うなら僕は…」
「…まぁ、楽しみに待ってるぜ」
「うむ!楽しみにしてるがいい!」
…むふふ。自信作だもんね〜♪愛もたくさん込めたし…えっへへへ…♪食べてもらうの楽しみだなぁ…♪
ところで光って本当に誰にもあげないのかな?僕も本当にレズだとは思ってないんだけど…まぁ、近くに男いないしねぇ…
…真司にあげたりしたら殺す。いやむしろ殺さずに永遠に痛めつける。
…おっと。ちょっと物騒な考えが脳裏に…まぁいっか♪
本田さんは告白するのかなぁ…ちょっと楽しみだね。