2月10日
お知らせ。完全復活!
「2月10日はNEETの日!」
「………お、おう?」
「210でにーとだよ。分かる?」
「そういう事じゃない。何故いきなりそんな事を言い出したのか疑問なんだ。」
「その疑問はもっともだね。…だが!答える訳にはいかない!」
「なんでだよ!?」
…こんな事を言ったのには理由がある…!そう、真司にある事を意識してほしいのだ…ある事とは…
『2月14日が近い』という事だ!
…ふはは!真司がバレンタインデーに親からしか貰えないと嘆き続けていたのを僕は知っている!今から暗い気持ちになればいい!
…え?僕?…僕はもらえなくて当たり前だったから別に悲しくないよ?
「2月10日…あぁ、そろそろバレンタインデーか…」
「そうだね〜真司はいつも通りお母さんからだけでしょ?にやにや。」
「ぐ…あれ?お前はくれないのか?」
「………はいぃ?」
…なんか変なフレーズが聞こえたような…気の所為か?…うん。多分気の所為だよね…?なんか、僕が真司にあげる…みたいな?そんな幻想が聞こえてきたような?
「…いや、夜はくれねーのかなーって」
「…えっ…えっ?なんで僕があげなきゃいけないの?何?チョコ欲し過ぎてなりふり構わなくなっちゃったの?女ならTSっ娘でもいいんじゃね?とかいう思想にいたっちゃったの?」
「……俺は…夜に貰いたいんだ!」
…僕に…僕に!?そ、それってつまり僕からの本命チョコが欲しいって…つまり僕の愛が…?いやでも僕男だし?男が男にチョコとか普通あげないし?うん。ここはきっぱり…
「なんで僕があげなきゃいけないのさ!あげないよーだ!」
「……くれ……ないのか………」
「なっ…なんでそんな落ち込むの!?分かった!あげる!あげるから!」
…そうかあれだね?真司は実はチョコ大好きな乙女系男子だったとか、『俺夜からもらったんだぜー?』とか言いたいとか、そういうオチだね?うん。これなら納得が…あれ、なんかさみしい。
「マジか!?」
「うぇい!?…全く…そんなにチョコが欲しいの…?」
「俺は夜からのチョコが欲しいんだ」
「…仕方ないなぁ!そんなに欲しいならあげるよ!デパートとかで売ってるやつでいい?」
「…ああ。」
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「ダメに決まってるでしょ!?」
「…えっ?」
…光に真司とのやり取りを伝えたら凄い剣幕で怒られなう。なんで?
「いい?バレンタインデーにチョコをあげる…たったそれだけかもしれないけど、それに込められた気持ちは生半可な物じゃダメなのよ!チョコは手作り!分かった!?」
「そんな…そんな事言ったって!カカオを手作りするなら今からなんて無理だよ!まず種か何かを買わなきゃいけないじゃないか!それに後2日3日で育つのか!?無理だよね!?だったら仕方ないじゃないか!」
「誰がカカオから手作りしろって言ったのよ!市販の物を買ってきて溶かして固めなおすの!」
「それは手作りって言わないだろうが!溶かして固めるとか氷溶かして水にしてそれを更に凍らせて氷にするようなものじゃないか!最初の時点で出せよってなるでしょ!?」
「そういう理論的な事じゃないのよ!気持ちなの!」
「気持ち気持ちって!まず市販のチョコを買って何が悪いのさ!変に凝って意味分からないチョコ作るよりよっぽど相手も嬉しいんじゃないですかぁ!?お金払ってるんだからそれが気持ちって事になると思うんですけど!」
「…ぬぐぐ…」
…勝った!僕は勝ったぞ!喜べ!『市販の物溶かして固めた物なんて手作りチョコじゃないよ』派の人々よ!
「…いいの?」
「何が?」
「…もし、夜が手作りを渡さなくて、佐々木君が他の女の子から手作りをもらったとする!」
「うん。」
「佐々木君はこう思うわ…『手作りの方がやっぱり愛されてるって感じするなぁ…夜のは唯買ってきただけだしな…やっぱ義理なのかなぁ…』…と!いいの?他の女の子の方を佐々木君が選んじゃうかもよ…?」
「……つくる。」
「…え?」
「僕も…僕も手作りするっ!真司が取られるなんてやだっ!」
「よしよし泣かないの…大丈夫。気持ちは伝わるわ」
「それじゃあ早速…」
「どうする?一緒にデパート行く?」
「…行かない。」
「…え?じゃあコンビニ?スーパー」
「……ガーナに行ってカカオをもぎ取ってくる!そして僕の魔力で育ててチョコにするっ!」
「…えっ?」
「じゃあね光!僕はガーナまで行かなくちゃならない!」
「…えっ?ちょ…もういない…夜、ガーナまでの道分かるのかな…?」
…僕の力を使えば1から手作りなんて簡単なんだ…!ふふ…14日を楽しみにしててね真司っ!
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「おらぁ!カカオよこせぇ!これか!貰った!帰る!」
バヒュン!
「…おい!ここに置いといたカカオどうした!」
「し…しらねぇよ!俺は確かにそこに置いたぞ!」
「誰かがとってったてのか!?くそっ!1番いい奴だったのによぉ!」
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よ〜し…カカオget…ってあれ?今とってきちゃったら腐っちゃうかな?いや、流石にそれはないか…でも今作ってもなぁ…
う〜ん…仕方ない。このカカオはここに置いといて…真司の所に行こう。
「真司〜♪遊びにきたよ〜♪」
「よう。」
「真司!バレンタインデーの僕のチョコは手作りだよ!」
「おぉ!?マジか!?」
「わぁ…凄いテンションだね…そんなに嬉しい?」
「まぁな!やはり男に生まれたからには誰かからチョコを貰いたいもんだ!」
…僕は男に生まれながら結局親からしか貰えないままあげる側になってしまった訳ですが。
「……チョコを貰えれば誰でもいいの?」
「……いや、まぁ…誰から貰っても嬉しいが…夜から貰えるのが多分1番嬉しいぞ?」
「そっ…それってやっぱり…僕を…そーいう目で見てる…とか…そういう…ごにょごにょ…」
「…ん?何か言ったか?すまん外の珍しい鳥に気を取られてた…」
「僕より鳥の方が見る価値があると!?」
「だって…どっかの館の鬼みたいにブルーベリー色してたんだぜ…?」
「えっ?本当?どこどこ?」
ブルーベリー色の全裸の鳥!?きっとファンファン鳴くんだろうなぁ!
「…ほら、あれ。」
「うぉぉぉ!マジだ!ブルーベリー色だ!すごい!」
「可愛い。」
「…真司…遂にケモナーになったの?いや、それはいいとして普通犬とか何じゃないの?イキナリ鳥ってどうよ?しかもブルーベリー色…」
「…そっちじゃねぇよ…」
「じゃあどっち?他になんか飛んでた?」
「…ああ。蝙蝠が1羽な。」
「……ふっ。真司、蝙蝠は夜飛ぶものだよ?こんな真昼間っから飛んでる訳ないじゃないか?真司はバカだねぇ…そんなだから理科で20点とか取っちゃうんだよ?」
「うるせぇ!?あれはたまたまだ!その次はちゃんと上がっただろうが!?」
「へーほー。今の発言聞いてるとそれもどうだかって気がしてくるよ?」
「ぐぬぬ…」
でも、蝙蝠なんて飛んでないよね?何と見間違えたんだろ…
「…う〜ん。僕眠くなってきちゃった…」
「なら家に帰って…」
「ふっ…真司よ、僕の敷布団となることを許そう」
「断る。」
ばっさり断られた…!
「じゃあ僕を抱きしめながら撫でる事を許すぞ!さぁ!」
「断る。」
…真司が意地悪です。
「…抱きしめて撫でて下さい…」
「…仕方ないな。」
ふふん。…あ、そうだ…砂糖はどうしよう…サトウキビからつくるのかな…それとも甜菜…?
まぁ…いいか。寝よ…
夜と真司がくっつかないと終わりに全く近づけない事に気付きました。