はじめてのおでかけ。(ふたりで!)
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「ぅ〜…」
…朝か…しかし…なんか…体が軽いような重いような?
「…ていうか…なんか…とってもしあわせなゆめをみてたような…?」
…なんか、真司と一緒にずっといれる夢を見た気が…?
…うぅん…思い出せない…まぁいいか。起きよ。ゲームしよ。
「……ふとんがおもい…なんだこれ…」
…僕の布団はこんなに大きかったっけ?
…うむむ…?なんか変な気が…
「うわっ!?」
ズテン!
「…いたいよぉ…」
……?ズボンを踏んで転んだ…?おかしいな。寝た時はこんなでは…?あれ?…僕の部屋ってこんなに大きかったっけ…?
…なんか色々とおかしいなぁ?鏡見よう鏡…
そういえば吸血鬼は鏡に映らないっていうあれ。あれは迷信だよね。世の中には吸血鬼に対する誤解と偏見で満ちてるよ!
…そんなより鏡を…
・・・・・・・。
「にゃぁぁぁぁ!?」
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「ぐおぉ!?…なんだ夢か…!」
…恐ろしい夢だった…なにがどう恐ろしかったか細かくは覚えてないが恐ろしい夢だった…!
…ふぅ…まぁいいか。丁度いい時間に起きれたな。
汗も凄いし、風呂でも入るかぁ…そして、今日はのんびり…
ガチャ!
「たいへんだしんじ!ぼくがようじょになってる!」
…のんびりは諦めよう…
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「…かくかくしかじか!」
「まるまるうまうま。全く分からん。ちゃんと説明しろ。」
…説明しろとか言われても…説明しようがないんだよね…
「あさおきたらようじょになってたんだよ。…それだけ。」
「…原因に心当たりは?」
「ない!」
「…まぁ、1日経てばいつも通り元に戻るだろ?今日は家でゆっくりして…」
「いやだ!」
「……そういうと思ったぜちくしょう。…どうする?ゲームでもするか?」
「………よし、しんじ。でーとしよう、でーと」
「デート…?」
「そう!いえにひきこもってばかりじゃにーとがはえるよ!」
「ニ…ニートが生える……?」
「うん。ということででーとにいきましょう!」
「…はぁ…まぁいいけどさ…(その姿じゃデートというより兄とお出かけする妹みたいなもんだろ…)」
「わぁい!よし!早速行こう!」
「はいはい…」
…真司とデートとかどきどきするね。
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「ふふんふーん。ふーふふーん♪」
「なぁ、どこ行くんだ?」
「わかんない!」
そう。目的地を決めているデートなんてデートじゃないんだよ。街中をフラフラするのがデートなのだよ!
「…わかんないって…ただ歩いてるだけじゃつまらんだろ?なんか見たい物とか…」
「ぼくはただあるいてるだけでもたのしぃっ!?」
「おっと!…セーフだな。」
「ありがとー…」
…そういえば小さい頃ってよく転んだっけ…成長したら転ばなくなったけど、なんでだろうね?
「…ちいさいところびやすいんだね…」
「頭と体のバランスが何とか…って話を聞いたことがあるな。」
「うーん…きをつけないとぉ!?」
「危ない!…気を付けてなんとかなるものなのか?」
「…いや、いまのはちょっときがぬけただけであって?」
「…まったく…ほれ。」
「……?なんでてをさしだすの?」
「繋いでろ。そうすりゃこけないだろ」
「…………うん!」
わーい。真司あったか!ふふふ…手を繋いだままずっとフラフラしててもいいかな…えへへー。
「…よし、その店にでも入るか。」
「…………………はっ!?ごめんしんじ!なんかいった!?」
「そこの店にでも入るか?」
「うにゅ!」
ぼーっとしてて聞いてなかった…
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「…お?真司じゃねーか?」
「ん?おお。隆か。」
「…だれ?」
「部活の友達だ。」
「…ん?なんだその子…まさかお前…!その歳で子持ちに…!」
「バカ言ってんじゃねぇよ!」
ばしん!
「…いってぇ…で?真面目に誰だ?」
「……親戚の子だ。遊びに来ててな。名前は…」
「さよです。ちいさいよるでさよといいます。」
「ほー。小夜ちゃんか。可愛いな。こりゃ将来が楽しみなんじゃないか?お?お?」
「なんだよ。お?お?って…ま、そうだな。」
「…しょうらいのゆめはおにいちゃんのおよめさんです!」
「ぶふぅ!?何言ってんだお前!?」
「…おうおう。もうこんな小さい子の心を掴んだか。流石だな。…さて、俺はそろそろ帰るぜ。お邪魔しても悪いしな?またなー」
「おい!誤解したまま行くな!こら!?」
にやにやにや。
ぺしん!
「…いたいよぉ。」
にやにやしてたら叩かれました。理不尽。
「お前は何を言ってるんだ?こら…」
むにむに。
「…ひひつをのへへるはへはよ。ひたひからひゃめへ?(事実を述べてるだけだよ。痛いから止めて?)」
「…ったく…」
…むぅ。少しくらい反応を示してくれてもいいのに…
「俺ちょっとトイレ行ってくる。ここで待ってろよ?」
「ついてく!」
「男子トイレに入る気か!?いいか。ここで。待ってろよ?」
「…はーい…」
あぁ、真司の手の温もりが離れてく…
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…まだかなー。もしかして大きいのかなー。暇だなー。
「…ねぇ。お嬢ちゃん?ちょっといいかな?」
「にゅーにゅー♪」
「お嬢ちゃん?」
「…にゅ?なんですか?」
誰だろ?…はっ!まさか…誘拐犯!?
「君、1人?お母さんは?もしかして迷子なの?大丈夫?」
…違った。ただの親切なお姉さんだった。
「ちがいます!おにーちゃんが『とおれいってくるからちょっとまってるのよぉ?うふん。あはん。』と言いながらトイレに行ってしまったので待ってるのです。」
「…え?お姉ちゃん?」
「おにーちゃんです!」
「…そ、そうなんだー。じゃあ、大丈夫なんだね?」
「はい!そのうちおにーちゃんが『あらおとなしくまってたのねぇ?えらいわぁ?うふん。』とか言いながら…」
「おい。」
「…ぴっ!?」
…この声は…
「…俺がいつオカマになったんだ?あ?…すいません。面倒見てもらってて…」
「いえいえ…面白い妹さんですね?…では、私はこれで…」
「さよならー」
「…いやぁ。しんせつなおねえさんでした」
「………………」
「…お、おねえさんかわいかったですね?」
「………………」
「…そ、そんなにおこらないでくださいよ…」
「………………」
「…ふ…ふぇ…うぇぇ…」
「うおお!?怒ってない!怒ってないから泣くな!OK?」
「……にやり。」
幼女の涙には誰も勝てないね。
「…今にやりって言わなかったか?」
「いってないです。ところでしんじ、ぼくはあまいものがたべたいです。」
「甘いもの…そんなもの近くに…お、あったな。」
「おー。くれーぷです!たべよう!」
「はいはい…」
「…もっもっ。」
「…ごちそうさま」
「はやい!」
「…いや、お前が遅いっていうか…」
「…もっ。…えふ…」
…お腹いっぱい…そうか。体が小さいから…
「…あげる」
「ん?いいのか?」
「うん。」
「んじゃ遠慮なく…」
…はっ!これは間接キスなのでは…!?
「…むふふ」
「…どうした?」
「なんでもない!…あ、ひとくちください!」
「腹一杯なんじゃ…?まぁいい。ほら」
「あーん。」
ぱく。ふへへ…あーんされちゃった…これはもう恋人と言っても過言では…
「…さて、そろそろ帰るか?」
「…そうだね」
…もう少しなんかしてたいけどね…
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「おやすみ!」
「おうお休…ちょっとまて、ここは俺の部屋でそこは俺のベッド…」
「きにするな!」
「いや、おい…うわ。もう寝やがった」
「…すー…」
…おやすみ…
100話に到達いたしました。皆様ありがとうございます。という訳で幼女夜を登場させました。殆ど本筋が進まないまま100話に…このペースで行くと200話を軽く超えてしまいますね…