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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第791堀:突然の案内

突然の案内



Side:ユキ



「久しぶりだ。レイク将軍」

「はっ。ハイデン王もご健勝のこととお喜び申し上げます。陛下からも、手紙を託されております」

「ふむ。いただこう」


只今、俺たちはシーサイフォ王国の復興支援軍の代表、レイク将軍がハイデン王に謁見している様子を見ている。

あれから、軍の駐留地点に案内しした後、物資の引き渡しを始めるまえにまずは、ハイデン王に挨拶をということで、こうして謁見室にいるというわけだ。

因みにウィードだけでなく、フィンダールのスタシア殿下、ハイレのエノラも一緒に立ち会っているので、ハイデンはシーサイフォ王国との謁見内容を公開する方向になったようだ。

カグラが頑張ったのか、それとも、元々そのつもりだったのかはわからないが。

と、そんなことを考えている間に、ハイデン王は受け取った手紙に目を通す。


「ふむ。この度の復興支援に来てくれたこと。そして、シーサイフォ王の手紙を届けてくれたこと、感謝する」

「いえ。これも臣下の仕事であります」

「相変わらず実直だな。そちらは驚いたのではないか? あの時の若造が今では王だ」

「いえ、ハイデン王は昔から只者ではございませんでした。前王。兄君が亡くなられたことは残念ですが、ハイデン王が後を継ぐのであれば安心だと、陛下も仰っていました」


どうやら、ハイデン王とも面識があるみたいだ。

まあ、キャリー姫たちの子供のころを知っているということは、その親の世代と面識があって当然だな。

しかし、ハイデン王は手紙の内容には一切触れなかったな。

何か口にできない話でもあったんだろうか?


「そうか。その期待を裏切らないよう今後も頑張らせてもらおう。しかし、こうして手痛い失敗をしてしまったからな、復興で大忙しだ」

「いえ。事情を知る限り、ハイデン王がいなければ、まだまだ戦争は続いていたかと。このように早期解決を迎えたのは、王の手腕によるもので、それこそを陛下は称賛されております」


確かに、戦争で勝つことよりも、戦争を速やかに終結させ、その被害から素早く立ち直ることの方が難しく、それを成し遂げた為政者の評価が高くなることが多い。


「その評価うれしく思うが、残念ながら、それは私一人の力によるものではない。臣下たちはもちろん、フィンダール、ハイレ教の協力、そして何よりも、ウィードの尽力あってこそだ」

「……なるほど。ウィードという国はそれほどですか?」


ハイデン王はここで俺、というかウィードについて話題に乗せてきた。

早いうちにシーサイフォに認識させた方がいいと思ったんだろうな。


「ああ、今までの常識を吹き飛ばすしろものだ。シーサイフォ王から受け取った手紙の内容に対して、最も効果的な答えを持っているだろうと私は確信している」

「ほう。そこまでですか」


ふむふむ。シーサイフォ王国の狙いを教えてくれるってことか。

まあ、このナイスな紳士が素直に機密を話すかどうかにかかっているが……。


「疑う気持ちはよくわかる。私も同じだったからな。だが、ユキ殿についてウィードを訪れれば、レイク将軍の疑問はたちどころに解決することだろう。言葉で聞くよりも、その目で確かめる方がいい」

「ふむ。陛下がそうおっしゃるのであれば、この仕事が終わった後に、ウィードへお伺いするといたしましょう。かなり遠方の国のようですので」

「ああ、そうだな。そう思うのが当然だな。だが、騙されたと思って私の話を聞いてくれないか?」

「なんでございましょうか?」


ハイデン王の反応に多少首を傾げつつも、レイク将軍はちゃんと紳士として受け答えをする。


「ユキ殿が許可すればだが、ウィードへは、今日中に赴くことができるのだ」

「は?」


ハイデン王はやはりウィードのことをさっさと教えた方がいいと思っているようだな。

ここは、早急に迎え入れの準備をしないといけないか。

だが、話をまったく理解できないレイク将軍は、すぐに驚いた顔をもとに戻し……。


「はは。ハイデン王も冗談を言われるのですな。ウィードという国を私は寡聞にして知りませぬが、おそらくはあの絶壁の山を越えたその向こうにあるのでしょう? そこに今日中に到着するなど……」


ま、常識的に考えりゃそうだよな。

シーサイフォ王国の名将とか言われる人が、たとえ小国とはいえ、近隣の国であれば名前すら知らないというのは、本来あり得ないからな。

だからこそ、遠方の国だと思うのは当然で、ハイデン王のいうことは冗談としか思えないのだ。


「うむ。冗談と思われるのは分かるが、先ほども言ったように、まずは騙されたと思ってユキ殿に同行して行ってみてはくれないか? その後に、この手紙の話を検討しようかと思う」

「……陛下がそうおっしゃるのであれば、騙されるのもやぶさかではございません。しかし、兵たちを長期間放っておくことはできませんので、精々3日ほどが限界でございます」


おお、ハイデン王はゴリ押しして、ウィードに行く約束を取り付けたな。


「なに、3日もあれば十分だ。なあ、ユキ殿」

「ええ。3日あれば、全部を見ていただくのは無理でしょうが、ウィードをある程度知ってもらえるでしょう」

「……わかりました。ではユキ殿。物資の引き渡しの手配をいたしますので、そのあと同伴の者を何名か連れていってかまわないということでなら、ウィードへ伺うことにいたしますが、よろしいでしょうか?」

「構いませんよ。多くの人に見てもらいたいですからね」


これは真実。

ウィードがどのようなところかをこの新大陸で広めたいというのは事実だ。

なるべく速やかに大陸間交流に入ってもらった方がいい。

わざわざ手探りで伝手もなく他国と交流を持つというのがどれだけ面倒か。

この流れは、俺が待ち望んだものに近い。

そこをハイデン王はよくわかっているんだろう。

というか、さっそく貴族への協力要請の件の借りを返したってところだろうな。


「……ではさっそく、物資引き渡しの手配をさせていただきましょう。ウィードにいくのは、なるべく早くに出なければ間に合いそうにないですからな」


うん。流石の紳士であるレイク将軍も疑っているというか、嘘と思っているな。

いや、この話を信じるという方が、頭を疑うよな。

ここで下手をすると、シーサイフォ王国とウィードの関係は最悪ってことになりかねない。

ここはしっかりもてなす準備をしろってことか。



「ということで、いきなりで悪いが、歓迎の準備はできるか?」

『できないことはないけど。規模というか、扱いはどうするの?』

「今回はいわば先遣部隊の見学だからな、特に歓迎もそこまで大々的にしないでいいだろう」


俺は、レイク将軍が物資の引き渡しの手配など、兵への指示をしている間に、ウィードに残っている嫁さんたちに連絡を取っていた。


『いやー、さっき初めてあったばかりの国の人をいきなり連れてくるってのは驚きですねー』

『ミリーから見た感じはどうなの? 交流国が増えるかもしれないというのは、大陸間交流同盟からすれば、喜ぶべきことだけど、それが問題を起こすなら、逆に迷惑極まりないわ。その参加を認めたウィードの評判も落ちるのだけれど……』

「エリスの心配はわかるわ。だから、こっそり連れてくるんだし、ラッツやエリスも様子を見て判断すればいいわ。どのみち、大陸間交流同盟に参加するなら、各国の同意もいるんだし」


ミリーの言う通り。

レイク将軍がウィードを見定めると同時に、俺たちにとってもシーサイフォ王国がこれから付き合いを始めるのにふさわしいかどうかを見極める機会でもあるのだ。


『シーサイフォ王国の思惑がわかる可能性もありますから、来てもらうのは悪い判断ではないでしょう』

『そうですわね。ウィードでレイク将軍を、そしてハイデンでは他のシーサイフォの指揮官から色々事情を伺えるチャンスですわ』

『ん。ジェシカやサマンサの言う通り。ここでシーサイフォ王国を探る。それが今後のためにも大事』


イフ大陸の外交官組もシーサイフォ王国のレイク将軍をウィードに連れてくるのは賛成のようだ。


『調査は僕たちに任せてよ』

『そうそう。私たちは警察官だからねって、だめだよリエル。私たちは子供たちの面倒を見ないといけないんだから』

『……ユキ。リエルが育児放棄』

『うえっ!? ち、違うよ!!』

『うん。わかってるって、リエルはちゃんとやってるよ。ユキさん』


どうやら、リエル、トーリ、カヤ、リーアもちゃんと子供たちのお世話や家事をこなしているようだ。


「気持ちだけ受け取っておくよ。トーリたちはそのまま子供たちの面倒を頼む」

『『『はい』』』



そんな感じで、レイク将軍とシーサイフォ王国のご一行を受け入れる準備はラッツやエリスが引き受けてくれたので、特に心配することなく、レイク将軍が諸々の指示を終えるまで待つことになり、とりあえず様子を見に駐留地に行くと、さっそくレイク将軍の指示のたまものか、駐留軍はきびきびと物資を引き渡す準備を行っている。


「真面目なことで」

「迅速なことで何よりですよ。冒険者の連中に指示をするとこうはいかないですからね」

「まあ、冒険者は基本的にパーティー単位で動くからな。こうした大規模な軍隊行動には向いてないだろうな。そして、上下関係もそこまで厳しくない」


だからこそ、まとまりがないんだよな。

上の指示に従わなくてはいけないという、認識がないからな。

まあ、一応パーティーリーダーの指示には従うが、それでも絶対ではない。

あくまでも、自分の意思と判断と言うものがあるからな。

だから、動きは非常に速いし、予想外の事態などへの対応力も高い。

逆に軍隊はそういった、個人の判断は絶対許されない。

だからこそ、こうした人数を集めた仕事や戦争などでは、鉄の規律と上下関係を守る軍人の動きは機敏だ。

代わりに、動き出すまでは、命令書などの準備などで非常に長いがな。

一長一短といったところだな。

と、そんなことを考えていると、キャリー姫やカグラたちがレイク将軍を伴って、こっちにやってくる。


「お待たせいたしました。手配に手間取って申し訳ない」


やってくるなりいきなりそう言って、レイク将軍は頭を下げてくる。


「いえ。ここまで素晴らしい指揮は見たことが無いです」


謝るようなことではないので、褒めておく。

この人数に手配をぱっぱと済ませてしまうのはすごいことだから、別に褒めても何も問題はない。

普通は指揮官が空けるようなことになると、その間の指示を出すのはかなり時間のかかることだ。

というか、この素早い動きを見ると、こういうことは予測していたか?


「お褒め頂き光栄です。では、ユキ様さえよろしければ、ウィードでへ案内していただければと」


そんなことを考えているうちに、お礼を言って、早速ウィードに連れて行けと言い出す。

せっかちな気もするが、まあ、そんな簡単に行けるはずが無いと疑っているというのもあるんだろうな。


「わかりました。失礼かと思いますが、指示漏れなどは大丈夫ですか? 連絡は取れるとは言え、どうしても伝達は遅れがちになりますので」

「お心遣いありがとうございます。まあ、この老骨故に何か忘れている可能性もあるかもしれませんが、ウィードへの行き来が簡単なのであれば、1日2日ぐらいであわてる我が軍ではございません」

「そうですか。いや、失礼いたしました。では、こちらにどうぞ」


本当に疑っているよな。

……ここまで疑われると連れて行ったあとで、夢だとか、幻だとか言いだしたら面倒なんだよなー。

まあ、そういうことを言い出さないような人には見えるし、大丈夫と信じておこう。





まあ、信じない人には見せるのが一番。

その信じていない人を説得して連れて行くのが一番大変なんだけど、ハイデン王のお陰で簡単にすんだ感じ。

ということで、ユキはたった3日でウィードのことを信じさせることが出来るのか!?


みんな心配だよね!?

シーサイフォ王国の狙い、そしてウィードを見せて何が変わるのか!!


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