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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
果ての大地 召喚編

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落とし穴109堀:正月明けの戦争 重力戦線

正月明けの戦争 重力戦線



万有引力


それは、物体間に常にはたらく引力。

現代では重力と呼び名がよく使われている。

この万有引力を発見した1665年のアイザック・ニュートンという稀代の天才が広く知られているが、実のところは、同じ時代に生き、ニュートンと激しく争ったロバート・フックも後年ではあるが1666年に慣性の法則の始まりともいえる論文を提出しており、どちらがオリジナルかという点で激しい論争が起きている。

それ以前にも、アリストテレス、ガリレオ・ガリレイなども万有引力とは言ってないが、引力に関する考察がされていたとうのは、記録がはっきりと残っている。


さらに、リンゴが地面に落ちたのを見て発見したという逸話は、実のところ、ニュートンが直接書いた、記録されたわけではなく、晩年、ニュートンの家を訪れた、ウィリアム・ステュークリがニュートンから聞いたとされる回想録に存在するものであり、しかも、それで万有引力を発見したのではなく、他の月や惑星にも、あるのではないかと着想を得た話であり、元々、引力、重力の存在は、ガリレオの時からすでに理解されていたところである。つまり、地上に存在する物体が地面に引き寄せられる引力、重力はすでに認められていて、他の月や惑星にも引力が存在するというのを証明したのが万有引力であるので、地球だけが引力を持っているのではないという話である。


しかし、万有引力の発表にともないニュートン力学に基づく数式という、目に見える計算ができるようになり、数式からの証明というのは非常に近代科学においては重要な出来事であるのは間違いない。


だが、この重力というのは、現代科学においても詳しくことはわかっていない。

いや、全て物事を知るというのは傲慢ということなのかもしれないが、まだまだ、伸びしろの多い、あるいは謎の多い分野であるというのは間違いないだろう。

今では、別の形での重力へのアプローチ、研究が行われているというのも事実である。



Side:エリス



私はそういいながらホワイトボードに、アイザック・ニュートンの万有引力の説明を書き記していく。

いま自分で書いて、驚きの連続だ。

かの天才は、人の身でありながら、この事実に気が付き、数式に起こすという偉業を成し遂げた。

それに比べ、我がエルフという種族の堕落ぶりはなにか!!

ただ長生きしているだけの、ごく潰しではないか。


「いやいや。エリス。こっちの世界と地球を比べるのは色々間違っているんじゃないか? こっちには魔力をつかった魔術という技術もあることだし……」


そういって、ユキさんはエルフが腐っていたことをフォローしてくれますが、私はその優しさに甘えるわけにはいきません。


「いいえ。それは甘えです。私たちエルフは長生きしていることにより、知識が豊富だと勘違いしているのです!! ですから、ですから!! 私たちは何としても重力に立ち向かい、やせなくてはいけません!!」

「……」


そう。先代たちがちゃんと、体重を制御、あるいはやせる方法を編み出していれば、ここまであしざまに言うことはなかった。

そして、ユキさんを悪くいうつもりはありませんが、体重を計るという悪魔の機械を持ち出さなければ、私たちはこんな苦しみを味わうことはなかったはず……。


「いや、それってさ。ただの正月食い過ぎ……」

「重力が悪いのです」

「「「そうそう」」」


万有引力、それが私たちの体重を決めている諸悪の根源。

私たちが体重計にのる時ぐらい融通を利かせてくれればいいものを!!

他のみんなも同意しているから、間違いない。


「……まあ、趣旨は分かったけど。それでどこに、万有引力の話が関係あるんだ? というか、よく知ってたなエリス」

「読書は好きですから。と、そこはいいとして、その万有引力や医学的に体重を減らす魔術の開発をしていたのです」

「はぁ。話は分かったが、数式までよくもまあ……」

「それは、ちゃんと協力を得ていますから」

「……ん。がんばった」

「そうですわ。地球の偉大な学問を学ぶことに何をためらうことがあるのでしょうか」

「はい。旦那様。私も協力させていただきました」


そういって、今回の作戦を遂行するために協力してくれた、魔術師であるクリーナ、サマンサに、医者であり元聖女でもあるルルアが前に出てくる。


「あー、なるほど。魔術師組が頑張ったわけか。魔術師様は地球で言う学者様と同じだしな」

「もちろん。私たちだけではなく、ヒフィーさん、ノノアさん、コメットさん、ザーギスさん、ナールジアさんも快く協力してくれました」

「うちの技術開発部門のトップ連中が全員集まって何をしているんだか……」

「一応、汎用性の高い浮遊魔術の開発という名目になっていますよ。重力を操る系になりますから」

「まあ、有用性はあるよな」


ユキさんが納得してくれたところで、研究成果を見せることにしましょう。


「では、これが体重を軽くする魔術です」

「へえ。できたんだー」


なにかユキさんの目が胡散臭い物を見るような目つきだけど、これを見れば驚くに違いない。

私はそう確信して、体重軽減の魔術を発動すると足元に魔術陣が浮かび、私にエンチャント、効果が施される。


「できました」


私はそういって、ユキさんの前で来るっと回ってみる。


「見た目はかわらないな」

「じゃあ、私を抱き上げてください。いつものように、お姫様だっこで」

「了解」


すぐにユキさんは私をいつものように華奢に見える両腕でしっかりと抱き上げてくれる。

うん、今日もユキさんは素敵です。


「へー。本当に軽いな。人の重さじゃない」

「そうでしょう。すごいでしょう」


私はユキさんの首元に抱き着きながらそう言う。

これで、ユキさんは私がのっかっていても疲れることがないの。

つまりは、やりたい放題というわけ。

ぐふふふ……。と、次はサマンサたちに代わらないと、みんなにちゃんと効果があることを証明しないと。

というか、私だけお姫様だっこではみんなが嫉妬するからね。平等にしないと。


「じゃ、次はサマンサをお願いします」

「ああ、そうだな」


ユキさんも1人だけ特別扱いはあれだというのはわかっているので、すぐに私の意図を察してサマンサを抱きかかえてくれます。


「お、お、重くはありませんか?」

「いや。全然。というか、サマンサもクリーナ、エリスも別に元から重くないだろうって言うのはだめか?」

「……ん。だめ、女は常に美しくありたいもの」

「だよなー」


そんな話をしつつ、ユキさんはサマンサやクリーナをお姫様だっこして、軽量化の魔術の確認をしていきます。


「確かに、風とかの作用ではないな。どういう理屈だ?」

「先ほどの説明通り万有引力を一時的に受けなくしているんです。その理屈は難しくて説明しにくいですが、ザーギスやコメットに聞けば詳しく説明してくれるはずです」

「いや、いい。聞いても半分ぐらいしかわからん。実際に起こっているから、それでいい。あ、あと一番大事なのは人体に悪影響はないな?」


相変わらず、石橋をたたいて渡るのを忘れない人だ。

如何に便利だとはいえ、人にひどい悪影響を及ぼすものを認めるわけにはいかないのは当然。

そこは、我慢して、耐えてこそという意見もあるが、それでは人の命が文字通りいくつあっても足りない。

そういう所も含めて、地球の文明、技術レベルはすごい。

そして築き上げたことをちゃんと学んで、実践できるユキさんがそれだけすごいということ。

と、いけない。ユキさんに返事をしないと。


「はい。すでに実証実験は何度もやっていて、人体への影響は認められていません。まあ、元から人体を弄るのではなく、人体、物体に影響する引力を魔力により軽減するという話ですから」

「あー、そっちか。まあ、とりあえず、何か具合が悪くなったら言うように。しかし、まあ、すごいじゃないか。よくやったな」

「ありがとうございます」


そういってユキさんが私たちを褒めてくれる。

だが、ユキさんは少し足りないところがあって……。


「でもさ、結局のところ。これってさ、別に脂肪を減らすとかじゃないから、シェイプアップやダイエットにはならないよな?」

「「「……」」」


そう言われて私たちは沈黙する。

……いや、ユキさんが悪い、足りないというわけではないのです。

私たちが目をそらしていたということなのですが……。


「結局、やせたというより、体重をごまかしたってことにならないか?」

「そ、それは……」

「……痛いところを突く」

「ですが、事実ですわよね? ルルアさま。この魔術で体脂肪などの変化はあるのでしょうか?」

「……いいえ。残念ながら、体脂肪が燃やされるということはないですね。言いにくいですが、旦那様のいう通り体重をごまかしているということに変わりはありません」


ルルアにそう事実を言われて、3人とも膝をつく。


「……ふふふ。わかっていましたよ? でも、でも、やせたと思いたかったんです」

「……減量の道は遠いですわね」

「……ユキはもうちょっとそこらへんに気を使うべき。私たちはこの日の為に頑張ってきたのに」

「いや、減量に関してはごまかしても仕方ないだろう……。まあ、幸い、この魔術が色々使えそうなのが救いだな。で、お医者様のルルアさん。ダイエットするにあたって、望ましい方法は?」

「そうですね……。やはり、食事制限などはストレスの原因となりますし、そうなると、食べた分以上にカロリーを消費するしかないですね。つまり運動しかありませんね」


さらに追い打ちをかけるようにルルアは無情な答えを口にする。

そんなことが出来るのであれば、私たちは最初からこんな魔術の開発など行っていないのに!!


「まあ、それしかないよな。俺も付き合うから、頑張ろうな」

「「「うう……」」」



こうして、私たち魔術師のダイエット秘術開発作戦は失敗に終わり、原始的な方法にすがることとなった。


「ほら、頑張れ。今まで本や研究でデスクワークばかりだったろう? こういう運動もいいもんだから」


そういいながら、ユキさんが前を走る。

そして、私たちはその後をついていく。

皆ジャージ姿で、所謂ランニングというやつだ。

しかし、普通であれば、なんてことのないランニングなのに、今回は……。


「はぁ、はぁ、身体強化もなしというのは、なか、なか……」

「で、すわね。わたし、たちも、普段なまけていた、ということでしょう……」


私とサマンサは、ほぼ息も絶え絶えになりながら走っている。

が、ルルアとクリーナはそんな素振りはない。


「な、なんで、ルルアとクリーナは、平気なの?」

「私は普段から健康づくりの為に走っていますから」

「……私は今は外交官という形になっているけど、普段はユキの護衛。基礎訓練は良くしている。あと、2人は重たい脂肪の塊が前方に2個ついていて、その反動になれていないのもある」

「……くっ。こんな時に、女性の象徴が枷になるとはおもいません、でしたわ。ぜぇ、ぜぇ」


サマンサの意見に同意。

今だけは、自慢の胸がおもりに見える。

いや、普段から肩こりの原因だとは思っているけどね!!


「とりあえず。あと、10周はするからな。あんまり喋っていると息が上がって辛くなるぞ」


ユキさんはそんなことを言って、走るペースを上げる。

それを私たちは必死に追いかけて、ダイエットの厳しさを改めてしり、楽なダイエット方法を、魔術の探究を再開するのであった。






はい。これにてお正月スペシャルは終わりです。

これより本編を再開いたします。

しかし、子供の落とし穴が実は1個あったりしますので、それはご了承ください。


そして、みんな正月に食いすぎた分は、動いて減らしましょうね。



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― 新着の感想 ―
[一言] タイトルで大体ネタバレだった ダイエットでいかに身体への負担を減らしつつ効率化するかというのは女性にとって大きな課題ですよね 健康診断で肥満体指摘されてる全人類もそうなんですが熱量とモチ…
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