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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
果ての大地 召喚編

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落とし穴104堀:年末戦争INゲーム

年末戦争INゲーム




Side:ユキ



さて、世の中、年末はどこも忙しい。

掃除、年越し、その前の仕事納め、年明けの祝い事の準備。

もうてんやわんやだ。


そして、それはゲームにも及んでいる。

所謂、商売の範疇でいう、年末商戦というのがある。

年末に目玉商品を売り出し、年末に備えて色々財布のひもが緩くなっている相手をターゲットにした商売方法である。

これは上記の通りゲームもその年末商戦に乗っていて、ビッグタイトルの販売が年末に集中することはよくあるのだ。


お陰で、年末はジングルベルであろうが、シングル(1人)ベルであろうが、暇になることはない。

むしろ、年末にでたゲームをすることで他の事が手に着かないという人が続出する。

ネトゲーにいたっては、クリスマスに年越しの時限イベントまでやって、課金や集客を目論見るのは当たり前という感だ。


まあ、そんなのは現代日本であればの話だ。

異世界で少しは近代化しているとは言え、ウィードでテレビゲームが普及などしているわけがない。

が、ある一部の人たちには多大な事件を引き起こしていたのだ。


それは、今年もあと半月で終わろうかというある日の年末のことだった。



「はい? コメットが研究室からでてこない?」

「ええ」


俺がいつものように……。いや、来る年末に合わせて増える書類の山と格闘していると、ヒフィー神聖国の神聖女様がたずねてきたのだ。

内容は上記の通り、研究室からコメットが出てこないとのこと。

ヒフィーはコメットと組んで活動していることが多いので、良く面倒をみているのだが、ここしばらく顔を見せてくれないという話だった。


「いや、普通に忙しいんじゃないか? 新大陸のことの研究もあるし」


コメットはザーギスと並んで、研究者としては超がつくほど優秀だ。

あと、その手の研究者にはありがちの、没頭能力で、気が付けば3日何も食ってなかったというのはよくあるので、今回もそんなところじゃないかと思っていたのだが、どうもヒフィーの顔色がよろしくない。


「……何かあったのか? 言えないことか?」

「……身内の恥なのですが、実は、コメットがその……、最近、携帯ゲームをやめないので、ちょっときつく言ったら研究室に籠ってしまって」


……ゲーム?

ゲームのやり過ぎで叱られて、自分の拠点に引きこもったと?


「子供か」

「私もそう思うのですが、止めた時の状況がわるかったのか……」



『触るんじゃない!! 私はポケモンマス○ーになるんだ!! レート戦でトップになるんだー!!』



「と、怒ってしまいまして」


ああ、そういえば11月にバージョンアップが出たな。

あいつもやり込んでたのか。

確かに、ポケモ○勧めたのは俺だけどさ。

しかし、レート戦トップとか無理じゃね?

いや、タイキ君と一緒にコメットをボコったのは悪かったと思うよ?

でもさ、挑まれたからには全力でお相手しないといけないだろう?

それ以降、彼女はポケ○ンへとのめり込んでしまったわけだ。


「しかし、ゲームをしていい時とそうでない時の分別ぐらいつくはずだけどな」

「はい。前はそうだったんですが、最近は食事の時間だろうとゲームを片手にくるので……」

「いや、それは叱って当然だと思うぞ」


下手に厳しい家庭だとゲーム没収どころか、へし折られるぞ。


「あ、いえ。注意すれば、すぐにやめるんです。でも、食事が終われば、また開いてやるので、何かまた試合の準備かと思って画面を覗いてみると……」

「覗いてみると?」

「なにか、ゲームの電源をつけたり、消したりを繰り返しているんです」

「電源を?」

「はい。正直何をやっているのか怖くて聞けなくて、何か、こう幽霊なようなものにとりつかれたんじゃ……」


……女神様が幽霊怖がっているよ。って、それは前の肝試しからわかっているからいいとして、なんとなく話が見えてきた。


「それってさ、なんかこう戦う場面になって、すぐ消す?」

「あ、はい。なぜか特定のモンスターと会う場所で、ずっとそれを繰り返しているんです。一度だけならともかく、でも気が付けば、他のモンスターにかわっていて、それを延々と……」


……いや、たぶんそれ厳選中。おそらく色違いという厳選。

廃人の中でも上級の方。

なにも知らない人が見れば気が狂ったと思うわ。

そして、ヒフィーにそういう風にみられていたとしって、研究室に逃げたと。

機械音痴のヒフィーに触られて、色違い一度逃がしたからなー。

あの後、しばらくコメットは灰になってたな。

まあ、当時は色違いにそこまで思い入れがなかったから、数日で復帰したけど。


「とりあえず、話はわかった。俺の方で様子を見るから、ヒフィーは安心してくれ」

「はい。よろしくお願いします」


これさ、ヒフィーにただの色違い厳選しているって言ったら、ゲーム機ぶっ壊すかもな。

そして、コメットは悲鳴と共に倒れるだろう。

価値のわからない人にとっては、ゲームはただのおもちゃでしかない。

自分たちで育て上げたポケ○ンも所詮おもちゃの一環。

だが、そこには思い入れがあるのだ。所詮ゲームの中の存在と侮ることなかれ。

遊びだからこそ、真剣になるのだ!!



と、そこはいいとして、俺は今後の円滑な人間関係を続けるために、コメットの所に顔を出すことになった。


「おーっす」

「おや? ユキじゃないですか、何か会う約束でもありましたっけ?」


そういって、研究室に入ると、ザーギスが休憩しているのか、コーヒー片手にくつろいでいた。

ついでに、今話題というか、問題のゲームを片手に持って。


「お前って、ゲームしたっけ?」

「いや、何度か一緒に遊んだでしょう? モリノカートとか、人生体験ゲームとか、爆弾マンとか」

「ああ、それはあったけど、そこまで興味あったか? それ、携帯ゲーム機だろ?」

「ああ、いや、当時はそこまで興味はなかったのですが、最近は楽しくやらせてもらっていますよ? 対戦は奥が深いですからね。RPGというのも楽しいです。ああ、このポケ○ンはポケ○ンというジャンルでしたが」

「お前も随分と気が付かないうちに、どっぷりはまっているな」

「研究以外での趣味ができるとは思いませんでしたから、私としては楽しい限りですよ。あ、それはいいとして、コメットさんが色違いが出るたびに自慢するのでうっとおしいです。何とかしてください。そして、私にも色違いください」

「コメットのことをなんとかするために来ているからそれはわかった。だが、色違いはやらん。それ相応に時間をかけて、自分で色違い探せ。色違い一匹に当たり何時間かかってると思う」

「……確率的には数十時間かけて一匹見つかればいいところでは?」

「分かっているのに、それをよこせとは、ザーギスも太くなったよなー!?」


そういって、ヘッドロックを掛ける。

心血注いで手に入れた色違いをよこせとは、こいつは死にたいらしい。


「ちょ、ちょっと待ってください!! ちゃんと対価は用意してありますから!!」

「ほう。色違いを要求するからには、相応の対価があるのだろうな? 一応、言っておくが、伝説系は全て揃えているからな? しかも最低5匹ずつだ」

「多いですよ!? って、対価はそういう伝説を交換するってことじゃないです」

「ん? ゲーム外のことで対価って言うのは、ルール違反だぞ?」


ネトゲーでよくある、レアアイテムを現実通貨で譲ってもらうとか言う行為は嫌いなのだ。

大抵の所で、ちゃんと規制しているぐらいだ。

だが、そういう行為は往々として無くならない。

昔、俺もグラっと来た時があったからな。


「いや、私も色違いは、一匹二匹は遭遇していますから捕まえているんですが、対戦用のガチではないんですよ。ですから……」

「ああー。その対戦で使えない色違いを渡すから、対戦で使えるガチが欲しいと」

「ええ」

「それならいいぞ。俺は色違いを対戦で酷使しようとは思ってないからな」


俺は、色違いはあくまでも観賞用やコレクションとしてでしか集めていない。

色違いで対戦に耐えられる確率となると、気が遠くなる時間がいるからな。

と、そんな感じで、コメットの事をわすれて、そのまま交換しようとしていたら……。


「ひゃっはー!! ザーギス!! でた!! でたよー!! 色違い!! どうだー!! 羨ましいだろう!!」


バカが天岩戸から勝手に出てきやがった。

そして、ゲーム画面をこちらに押し付けてくる様は非常にうざい。


「って、ユキじゃないか。やっほー」

「やっほー。じゃねえよ。ヒフィーがお前を心配して幽霊にでもとりつかれたんじゃとか言うから様子を見に来れば、やっぱり色違い厳選かよ」

「幽霊にとりつかれた? ぶははははっ!! んなわけないじゃん。私がリッチなんだし。ま、そこはいいとして、ここで会ったんだし、一勝負といこう!! 視線が合ったら勝負するのがルールだろう?」


だめだこいつ。完全に染まってやがる。


「……コメット。俺がヒフィーから派遣された理由はわかってるだろう?」

「ん? そりゃ、私が心配だからだろう? でも、無事だったんだからいいだろう?」

「それで終わりじゃねーよ。理解できない人にとっては、未だにお前は画面を点けたり消したりするおかしい人なんだよ」

「だからと言って、ヒフィーに説明してわかるわけないじゃないか。あれ、かなりの機械音痴なのはしっているだろう?」

「別に爆発させるわけでもないだろう」

「そんな漫画みたいな能力もってたら、私はヒフィーと絶縁してたね。愛情込めて育て上げた子たちを爆散とかブチ切れものですよ?」


そりゃそうだ。

と、今はそこの話じゃない。


「とりあえず。過度なゲームのやり過ぎはやめとけ。一人暮らしならともかく、世話を焼いてもらっているんだろう? それで、干渉するなは、道理が通らんぞ」

「むぐっ。しかし、だね。色違いが……」

「ほしいのはわかるが、せめて食事の時とか、話し合いの時はゲームから手を放せ」

「でも……」


何をおれは、当たり前のことを言っているのだろうと思う。

しかし、コメットは言わないとわからない状態に陥っている。

お前は子供か!!

と、言いたいが、俺もこういう経験はある。

地球のゲーム文化の業の深さがわかるな。

人を駄目にするソファーよりも、ゲームの方が人を駄目にしている気がする。

しかし、これ以上ごねられると困るので、超必殺技を使うことにする。


「あまりごねると……」

「ごねると?」

「ルナに頼んで、ゲームの支給の禁止に、ネット禁止」

「そ、そんな横暴な!?」

「それか、ルナに頼んで、リアルLUKを上げてもらって、一発で全部色違いにしてもらうか」

「やーめーろー!! 絶対やめろよ!! そんなクソゲー認めないからね!!」


どっちも、ゲームを愛している人にとっては、死刑宣告である。


「じゃ、大人しく。自分の時間だけにしとけ」

「……ぶー。わかったよ」


ということで、コメットは渋々ではあるが、ゲームを常識ある範囲だけですると承諾してくれた。

そのあとは、やっぱり対戦をしたり、交換をして別れたのだが、わずか数時間後にコメットが我が家の方に襲来してきた。


「ユキ!! なんか、さっき一発で色違い来たんだけど!! そしてその次も100回以内に来たんだけど!! リアルラック上げただろう!?」

「……いや。上げてないぞ。ゲーム三昧の日々を改めたから神様が運でもくれたんじゃね?」

「ぬがー!? 自分の運と信じたいのに信じられない要素が周りにうようよと!!」

「ま、一先ず喜んでおけ。俺もたまにあるから。まあ、それがあと4回ぐらい続くなら怪しいけどな。所詮は確率論だし」

「まあ、そうか……。今日の所は様子をみるよ」


近くに神様がいることで、ゲームの運要素が信じられないってつらいよな。

そんなことを思いながら、帰るコメットの背を見つめていると、あることを思い出した。


「ああ、コメット。そういえば、年末年越しに身内で大会開こうって話になってるけど、参加するか?」

「もちろん!! よっしゃー!! 首洗ってまってろやー!!」


と、吼えて、コメットは帰っていき。

再び、ヒフィーから相談がきて、へし折られたゲームを見せられたときには、コメットが悪いと思いつつも、号泣していたことを聞いて、どうしようもない気分になった。


ちなみにデータ、ソフトは無事であったが、育成中に自然遭遇した色違いはヒフィーの手によって消失したのが号泣の原因だったそうな。


……ゲームは程よくな。



年末、年明けは休みがもらえる人が多くて、ゲーム好きの人はもちろんゲームに時間を割くでしょう。

しかし、ちゃんと常識的なルールは守ってゲームはしましょう。


ポケモンウルトラサンムーンで、自分はコメットと同じく色違いを探す作業中(白目)

でもね、色違いが出ると嬉しいんだよ。だから頑張れるんだ。(廃人思考)

4096分1だっけ? まあ、これを永遠と繰り返す人が世の中にはいるんだ。

あ、永遠であってるから、延々の皮肉。

理解できる人もいれば、理解できない人もいるだろう。

それが、この世界なんだ。

最近対戦には力は入れていない。(育成する時間がない)


とまあ、ポケ○ンに限らず、PUBGだったり、スィッチのゲームだったり、1月にでるモンハンワールドだったりと、ゲームに力を入れ過ぎないように。


え? おれ? もちろん、伝説のポケモ○全部色違い手に入れるんだ。


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