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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
果ての大地 召喚編

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第565堀:大陸間交流動き出す

大陸間交流動き出す




Side:ユキ




「そうか。ミリーは家族に話したか」

『はい。ミリー様の妹、シェリー様が少し取り乱しましたが、ご家族に諭されたようです。他は特に問題ありませんでした』


あー、シェリーはまだ幼いからな。

学校の高学年ではあるが、勉強をしている子供の一人だ。

ま、そこは今後成長していくだろう。

未来のウィードのことは未来の子たちにだ。

そんな面倒なことまで考えてられるか。ってのが本音だけどな。


『ああ、忘れていました。今回の新大陸のことを聞いた冒険者ギルドのお二方は、顔を引きつらせていましたね』

「そりゃそうだろうな。仕事がまたわんさか増えたのと同義だ。俺だったら聞かなかったふりだな」


このクソ忙しい中で、なにが悲しくて追加の仕事を増やしたりするかよ。


「引き続き、ミリーの護衛はよろしく頼む」

『はっ。主様お任せください』


そういって、霧華からの連絡が終わる。

しかし、張り切ってるな。

デュラハン・アサシンの霧華はアンデッド枠だからな、新大陸に行けなくてイライラしているみたいだった。

仕方ないんだよ。他の任務を与えようにも、霧華は俺直下の諜報部隊だから、いつでも新大陸で動けるようにウィード待機を命じていたんだ。ここ一か月はずっとウィード待機。

更に、アスリンも守れずウィードで待機という名の放置状態だからなー。

ああ、まあ、アスリンの十魔獣たちは、元が生物なので魔石が無くなっても活動できるから、ついて行っている。そういうのもイライラの原因なんだろう。自分だけ置いてけぼりだからな。

今回のミリーの検診護衛については真っ先に手を挙げたからな。

と、霧華の機嫌は改善されているからいいとして、大陸間交流の方だな。


「まずはどの国も、俺との顔合わせをって話だっけ?」


今日はいつもの執務室ではなく、庁舎の会議室にて仕事が進められている。

主に、ウィードの外交官メンバーを主軸に、他の重役も全員出そろった会議だ。


「はい。そうです。ロガリ大陸からは4大国の内、ロシュール、ガルツ、リテアの王が今後の事について話し合いの席を持ちたいといってきています。そして、イフ大陸からは6大国全部の王からの面会が求められています。ジルバ、エナーリア、エクス、アグウスト、ローデイ、ホワイトフォレスト。そして国ではありませんが、ランサー魔術学府も面会の希望があります」


エリスが俺の質問にすらすらと答える。

今回エリスは会計、財政管理としてではく、俺の秘書役として横に立っている。

会計はティファニアが今は仕切ってるからな。


「小国からも、面会の要請はありますが、まずはこの9大国と会談を行い、それから小国とするべきでしょう」

「タイキ君のランクスは?」

「タイキ様は私たちの探索、調査に協力していましたので、その時に築いた独自のパイプがあります。なので、下手にこの面会に加われば他の国々からいらぬ嫉妬を買いかねないので辞退するとのことです。後日、小国への面会の時でいいと言われています」


くそー。

あいつ、絶対新作やり込むための方便だなちくしょう。

まあ、未だ見ぬボスへの攻略情報収集先発隊として使ってやろう。

俺はその事前情報を得て、スムーズに攻略を進めていく。

と、そこはいいか、今は大陸間交流の話だ。


「それって全部、俺との面会だよな? セラリアとじゃなくて?」


俺はわずかな希望をこめてエリスに聞いてみるが、とてつもなくいい笑顔で……。


「全て、ユキさんへの面会、会談希望です。こと、イフ大陸に置いては、セラリア様以上にユキさんの方が顔が利きます。それもあって、ロガリ大陸の王たちもユキさんとの会談を望まれています」


やっぱり俺か。

他の誰かだったらいいなーとか思ったけどそうもいかないか。

エリスも笑顔であきらめてくださいって威圧放ってたしな。


「ま、話はわかった。で、ウィードとしてはどういった順番で巡ってほしいんだ? それとも呼び寄せるのか? 予算とかは?」

「はい。まずは会談の場所ですが、ロガリ大陸の王たちとの会談はこのウィードで。イフ大陸の王たちとはベータンの方で会談予定です。順番につきましては、全員一緒に会談を行うということで、優劣をつけないようにしようと思っています」

「まあ、それがいいだろうな」


わざわざ、面倒なお国巡りとか時間の無駄だし、巡る順番によっては顔をしかめるところもあるだろう。

面子はどの国も大事だからね。面倒だね。

というか、ウィード抜きで話ぐらい進めろや腑抜け共が。と言いたいが、流石に無理か。

俺がイフ大陸にとっては共通の縁だし、俺を通すからこそ穏便にできるわけだ。


「予算につきましては……会計代表のティファニア殿からお願いします」

「はい。今回の大陸間交流、事前会議の為に使えるのは……」


そこから、資料を見ながら今回のロガリ大陸ウィード会談、イフ大陸ベータン会談の予算説明が始まる。

もう、ここまで細かいかというぐらいで、人件費は当たり前、驚きの筆記用具費とかまで書いてある。日本のように雑費その他とかで濁すことはしないらしい。

足りなくなったらどこで補填するんだと思っていたが、一応予備費用もあるので、そこから足らない場合は補填されるらしい。

しかし、十分に余裕を持って予算を立てているので、足らなくなる場合はかなり細かい申請書が必要になるそうだ。

まあ、税金だから仕方ないね。

で、予算の方についての説明が終わり、質問などの時間になるが、特に問題はないのでそのまま次の話になる。

いや、テファは文句あるかああっ?って感じになってたから質問がなかったわけではない。

皆納得しての結果である。


「次は、この予算から、商業区への発注の件ですが……」


ここからは、ラッツの後輩、ノンが説明を始める。

こっちも資料を使っての説明だが、特に問題があるようには思えない。

しかし、ロガリの王たちウィード舐めてんな。俺は資料を見てそう思っていると、警察代表で今回の事前会議で警備を務めるポーニ所長から質問が上がる。


「お出しする料理の予算についてイフ大陸の方はいいのですが、ロガリ大陸の予算が大幅に少ないのはなぜですか? これでは、せいぜい10人から20人程度の材料費だと思うのですが?」


そう、ポーニの言う通り、商業区へ発注している各国の王や重臣へ出す料理の材料費がイフ大陸に比べてロガリ大陸の方は10分の1以下なのだ。

王様が移動するんだから、それ相応の人数がいて当然で、ロガリ大陸の参加国が少ないとはいえ、3か国で20人いないというのは少なすぎる。と、ポーニのように思うのは当然だ。


「ああ、ポーニ。ロガリ大陸の王様たちはすでにウィードに何度も足を運んでいるし、お忍びで度々来ているのは話を聞いているだろう?」

「あ、それは聞いていますが。何か関係が?」

「今回の事はユキさんと話し合うためだからね。無駄に予算を掛けたくないんだって。ウィードで何か起こるならどうしようもないだろうしって」

「……なるほど。信頼してくれているのですね」


ポーニが苦笑いしながら、ノンの話に理解を示す。

そう、ウィードだし、すでに身内みたいなもんだし、本会議でもないし、人なんていらねー。

というか、会議後にのんびりできないから、付き人最小限で行こう!! って感じなんだろう。

俺と同じ結論に至ったであろう、セラリア、シェーラ、ルルアは頭を抱えている。


「あんのクソ親父」

「……お父様」

「アルシュテール様。何事にも威厳というものが……」


そして、その警備をすることになるであろうポーニは、各国の王達への護衛配置を決めなくてはならないということだ。

ほぼ護衛がゼロなので、ポーニの双肩にロガリ大陸の平和がかかっていると言っていい。

苦笑いしかでないよなー。


「まあ、ロガリ大陸に関しては今までのノウハウがあるだろうし、先方もウィードの事を知ってくれているから、そこまで問題はないだろう」


とりあえずロガリ大陸の会談の話は一旦切る。

今話したところで、ゲートで適当に行ったり来たりする他国の王とか俺たちでどうしようもない。

一応、あとでロシュール、ガルツ、リテアに見栄の護衛ぐらいつけろと手紙を送るぐらいか。

問題はこのロガリメンバーより……。


「イフ大陸の方もこれぐらい気楽に移動できたら、会議も楽なんだけどな」

「それは無理ですね。表向きにはベータンに存在するゲートはウィードに繋がるもののみ。各国へのゲート設置もエクス王国ノーブル王の主導で行われていますが、まだ数か月、ようやく各国の王都間にゲートが設置されたぐらいです」

「お、思ったよりも移動は楽そうだな」

「はい。そこは思ったよりも移動は楽です。ノーブル王が頑張ってゲート設置を行ってくれたおかげですね」


ノーブルはまじめだからなー。

神様の中では一番しっかりしていると思っている。

王としても配下は粒ぞろいだしな。

俺たちウィードの介入がなければ、たぶんイフ大陸を制していたんじゃないかと思う。

ああ、ヒフィー率いる神聖国と泥沼戦争になっただろうから勝負はわからないか。

タイゾウさんもいるからな。あのままほっとけば、戦闘機とかも出てきそうだった。

うむ。あの時、介入できてよかった。あと10年20年遅れていたら、二次大戦レベルの戦いに巻き込まれていたかもしれない。


「つまり、イフ大陸の各国の王たちは一旦、ベータン寄りのジルバかエナーリアに寄ってから、ベータンへ移動ということになるのか?」

「はい。その通りです」

「しかし、ロガリの王たちならわかるが、なんでまたイフ大陸の王たちもわざわざベータンに足を運ぶのかね?」


適当に代表でも送ればいいじゃん。

まだこっちのことも詳しくわかってないだろうに。

ノーブルから俺の情報を聞いただけで、半信半疑の国もあるだろう。

俺がそんなことを考えていると、今回、ジルバ外交官としてのジェシカが口を開く。


「それは何度か言いましたが、ユキの立場が絶妙に変で扱いづらいからです。我がジルバでは交渉の末、王位継承権はないとはいえ王族の血縁と正式に認められています。さらに、イフ大陸で起こっていた魔剣事件を解決。エクス王国からノーブル王直々、功労者として名前が挙がっています。つまり、王の知り合い、身内という立場がすでに存在しており、ジルバ、エクスは王が出てくることによって、ユキとの親密な関係を他の国に見せつけることができるのです。そうすればゲートによる交流も優遇されて当然だと思わせることもできるでしょう」


あー、そういえばそんな立場だったね。

そして、ノーブルのやつが俺のおかげで、魔剣事件も収まりましたと発表したのも一端か。

王が自ら出向く理由ができたわけだ。

国益になるならそれぐらいはするか。

ち、当時は動きやすくなるから、王位継承権なしの王族の立場は便利だったんだけどな。

ここにきて面倒になってやがる。


「ローデイも同じですわ。ゲートでもたらされる国益を逃すわけにはいきません。そしてすでに、私とユキ様は夫婦。ローデイ公爵家と繋がりがあり、ローデイ王家の方々ともすでに顔見知り。来ないわけがないですわ」

「ん。アグウストも同じ。ユキと私が結婚しているから、その伝手をつかって王家が出張ってくる」


サマンサは公爵次女、クリーナの育ての親は王女相談役の宮廷魔術師顧問ときたもんだ。

どこも同じような手を使うよね。


「……はぁ、王様たちの見え張り誇張対決か。別に誰が出てきても話の内容は変わらんだろうに」

「それは私たちだから言えることですね。イフ大陸の国々からすれば、ウィードの機嫌を損ねれば、ロガリ大陸と全面戦争となりかねませんし、国益などを鑑みても、この繋ぎは何よりも大事にすべき事柄ですから」


わかってる。エリスのいうことは尤もだ。

だからこそ、どの国も最大限に俺を認めている優遇しているということを行動で見せなければいけないのだ。

少しでも、今後の大陸間交流でいい条件を引き出すために。


「そういえば、外交官がいない、エナーリア、ホワイトフォレストの方はどうなってるんだ?」

「エナーリアの方は、何度か連絡のやり取りの末、エージル将軍がウィード外交官になったそうです。プリズム将軍はセラリア様と手合わせしてましたので、どうにも……」


まあ、そうだろうな。

セラリアがウィードの女王陛下と知らなかったとはいえ、剣を交えていたからな。エナーリアの上層部は顔真っ青になったことだろう。

となると、あとは一緒にランサー魔術学府で仲良くやっていたエージルだろうな。


「いや、ホワイトフォレストは元々私たちの属国みたいなもんだしね。私があがめられているし。というか、あそこはいつでもゲートで行き来できるじゃん」


コメットが一応ホワイトフォレストとの繋ぎ役としてこの会議にいるが、下手をするとこのコメットがホワイトフォレストの代表なので迂闊なことは言ってほしくない。


「属国じゃなくて、ちゃんと同盟を結んでいるんだ。間違えるなよ。コメットが属国なんて言えば、あそこの王とか重鎮たちは従うからな。そうなれば他の国が不信感もつからな!? あくまでも普通に会議に参加するってことをちゃんと伝えろよ?」

「あー、わかってるって。流石に面倒ごとは勘弁だよ」


手をひらひらさせて理解を示すが、どうもコメットはこういうことはなー。


「はぁ。まあ、大体各国の様子はわかった。一度、ジルバ、エナーリアに連絡を入れて、そのあと残りの大国へゲートを通じて連絡が行くだろうから、イフ大陸事前会議は一か月後ってとこぐらいか?」

「それぐらいになりますね。普通ならもっと時間がかかりますが、すでに各国は準備に入っていますから。その間に、ロガリ大陸の事前会議を終わらせることになります」

「それが最短だな。……ほかに何かみんな話すことはあるか?」


俺はそういって、周りを見渡すが、特に質問を口にする者はいない。


「よし!! これから、一気に動き出すぞ。みんなよろしく頼む!! 行動開始!!」

「「「はい!!」」」


慌ただしく去っていく皆をみて、俺はこれからさらに地獄が待っているのかと憂鬱になる。

しかし、やらねば仕事は終わらない。

地道に一個ずつやっていくしかない。

人にできるのはせいぜいそんなもんだ。


「さて、俺たちも戻って、話し合う内容についてまとめておこう」


そう、護衛のリーアとデリーユに仕事をやるぞと声をかけるが、なんか反応しておらず、後ろを向いている。


「どうしたんだ?」

「あ、ユキさん。えーっと……なんていっていいのやら」

「まずは、とりあえず。起こすぞ」

「起こす?」


俺はなんのこっちゃ? と、思い2人が覗いている場所を見ると……。


「……意味わからない。イフ大陸? 6大国? ユキが他の国でも王族の血縁? なんて報告すればいいのよ……」


そんなことを呟きながら卒倒しているカグラがいた。


「うん。聞いてる限り意味不明だよね」

「そうじゃな。これをまとめて報告しないといけないカグラには同情を禁じ得ないのう」


……そうか、俺もカグラのように新大陸にロガリ、イフ大陸の詳細説明をするときが来るんだな。

その時、少しでも楽をするためにカグラには頑張ってもらおう。


「よし、手厚くそのまま運んでやろう。カグラには今後役立ってもらわないといけないからな。これを機に逃げられないように恩を着せるんだ」

「うわー。ユキさん鬼だー」

「ま、かといってカグラ以外に務まるわけもないからのう。今は手厚く、優しくして外交官の職を放棄しないようにしてもらわんとな」

「デリーユの言う通り。新しくハイデンから外交官が来ても面倒なだけだ。ここはカグラに頑張ってもらうしかない」


頑張れカグラ!!

俺は応援しているぞ!!

俺の平和な日常の為に!!




いきなりオッケーだよといって簡単に首脳会談ができるわけじゃないからね。

そこら辺の調整も大変だ。


ここからようやく本番だー。

夏も本番だー。

あっついわー。

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