表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
果ての大地 召喚編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

676/2252

第562堀:父は頑張る

父は頑張る




Side:ユキ




さーて、俺は一時の娘たちとの休日を経て、再び職場に戻ってきたわけだ。

今の俺は活力に満ちている。


「さて、仕事を片付けるか!!」


やらなければいけないことは山ほどある。

バイデの方での指示や補給物資の要請書、ハイデンでの経過報告書を終えたら、ウィードの方に戻って大陸間交流に復帰だ。

やはり、家でゴロゴロというのはよくないな。

仕事のできる男、父の背中を見て子供たちは育つというし、娘たちからの声援もあって頑張らないとかありえないよな。

そんなことを考えながら、いつもの五割増しで仕事を片付けていると、不意に声がかかる。


「……あのー、大将」

「ん? ああ、スティーブか、どうした?」

「いや、あの、ハイデンのハイレ教会の監視報告書っす」


何かおどおどしいスティーブに少し疑問を持ちつつも報告書を受け取る。


「おう。ありがとう」


ふむ。特に動きは無しか。

ま、監視だけだからな。

ここで大蛇が出てもウィードやハイデンの処理能力を超えるから、藪をつつくのは今ある仕事が落ち着いてからだと結論が出ている。

幸い、ハイデン王都の動きはダンジョン化してあるので監視ができるから、物騒な物の持ち込みはすぐにわかる。

で、ハイデンの王都の動きを監視しているのが……。


「ども、失礼します。大将って、スティーブもいるのか」

「あ、ああ。ジョンっすか」

「ん? どうしたんだ。お前? ま、いいや。大将報告書です」

「ナイスタイミングだ。ジョン。ありがとう」

「んん??」


今まさにハイデンの王都監視の報告書が欲しかったところだ。

さて、頑張るか。

しかし、なんかジョンも変な感じだな。

いや、今はまず仕事だな。

ハイデン王都のマジック・ギアはこの前の大捕物でダミーが全て回収され、今日に至るまで新しいマジック・ギアの存在は確認されず。

変な位置から持ちこまれたものも、突然出現したものもなく、俺たちの知らない侵入経路が存在するということはなさそうだ。

一番怪しいハイレ教会の方も、ダンジョンによるコール画面で個室の数までしっかり把握できるから、隠している可能性は低い。

宝箱のようなものに魔力遮断とかをかけて保管しているとかならありそうだが、今のところハイレ教会からマジック・ギアが出現したことはないから、可能性は低いだろう。

ハイデンでのダミー、マジック・ギア回収騒ぎがあったのだ。

関わっているのなら、確認のためや身の安全のために取り出そうとしても不思議ではない。

だが、その様子が一切なかったので、ハイレ教会は今のところ白。

あの手紙はブラフ、捜査かく乱のためという線が濃厚だ。


「2人とも、報告書は読んだ。今のところ怪しい動きはない。だが、本格的な捜査はウィード、ハイデンが落ち着いてからだ。俺はここの書類仕事が終われば大陸間交流の方に戻る。ハイデンの方の監視は今後とも2人にまかせるから頼むぞ」

「あ、ういっす」

「りょ、了解」


俺の言葉に返事をする2人。

だが、なぜかその言葉には違和感がある。

これは、上官として、友人として少し相談に乗ってあげるのがいいだろう。


「2人とも。さっきから様子がおかしく見えるが、なにかあったか?」


俺は気遣いのできる娘たちが誇れる立派な父として声をかけたのだが、2人は……。


「「いや、おかしいのは大将だから!!」」


ズビシッ!! って効果音が似合いそうな片腕でツッコミしながら、そんなことを言いやがった。


「どこがだ? 普通に仕事しているだけだろう?」

「いやいや、いつもの仕事の表情じゃないっすよ。なあジョン?」

「ああ。明らかにおかしい。いつも、やる気のない表情でカリカリやってるのが、今日は、バリバリやってる」

「気分の落差って奴だろう?」

「いやー、大将はゲームとかでテンションが上がっても、仕事で上がることはないからな。今は仕事をやるぞーってなってるだろう?」

「いや、俺だって仕事で……って」


何たる言い草かと思い反論しようとすると、いつの間にか、隣で書類仕事を手伝っていたリーアとデリーユがスティーブとジョンの後ろに立っていて……。


「スティーブ。ちょっとこっちに来ようねー。補給書類で聞きたいことがあるんだ」

「ジョン。少し話をしようではないか。妾の方もこの内容がちょっとな」


そういって、2人を執務室の外へと連れ出してしまった。

なんで、部屋の中で話をしないんだと首を傾げたが、息抜きも兼ねているのだろう。

なにせ、朝からもうすぐ昼だというのに、休みなしでやってたからな。

いつもなら、お茶やコーヒーでも飲みながらやっているのだが、今後が押しているので今日はそういうのは無しで頑張っていたのだ。

俺は日本にいた時は午前中お茶なしのデスクワークは当たり前、たばこも吸わないから一服もなしで平気だったのだが、ウィードではそういう休憩はちゃんととっていたからな。嫁さんたちは今日の仕事のやり方は辛かったのかもしれない。

上司が頑張ってるのに部下が休むのはなかなかつらいものがあるからな。

夫婦ならなおさらだろう。

昔のノリでやってはだめか。

良い仕事ができる男というのは、ルールを逸脱して頑張るのではなく、ルールの中で最大限の成果を出すことだ。

自分一人が突っ走っても周りが付いて来れなくては意味がない。

反省だな。

スティーブやジョンの言うようにちょっと頑張り過ぎていたのかもしれない。

と、そんなことを考えながら仕事をしていると、4人が休憩を終えたのか戻ってきた。


「あ、スティーブ、ジョン。さっきの話だけど……」

「いやー、大将。おつかれさまっす!! 頑張ってください!! やる気って大事っすね!!」

「そうだな!! 仕事が早く終わることが悪いわけがない。いやー、大将申し訳ありませんでした!!」

「「では、これ以上いてもお仕事の邪魔になるので、失礼します!!」」

「俺が少し頑張り過ぎたかも……って、あ、うん」


なんかすごい勢いで喋って出て行く2人。

そしてそれを笑顔で見つめるリーアとデリーユ。

なんだったんだ? と思っていると扉の向こうからぼそぼそとだが話し声が聞こえる。


「……あれっすね。大将もかわいそうに」

「だな。……結婚は墓場とよく言ったもんだよ」


結婚は墓場? すごく懐かしいような……俺の青春が詰まったような、いま実感して……。

俺が扉向こうの声でそんな不思議な感覚に陥っていると、リーアとデリーユが勢いよく扉を開け。


「あーっと、グダグダ喋ってる人に雷がー」

「おっと、こっちもなぜか人の結婚観に文句をいう奴に拳圧が」

「「みぎゃーー!?」」


何やってんだよ。

いや、あの程度じゃかすり傷ぐらいだろうけどさ。


「おい。流石に、スティーブ、ジョン。大丈……」

「あ、ごめんなさい。2人とも大丈夫ですか?」

「いやー、すまんのう。けがはないか?」


流石にやりすぎたと思ったのか、2人はスティーブとジョンに駆け寄る。

ま、案の定この程度で怪我をするわけもなく、すぐに立ち上がる。


「だ、大丈夫っすよ!! さ、仕事にいくっすか、ジョン!!」

「そ、そうだな!! さあー、仕事だ!!」


そういって、2人は走り去っていく。

だが、先ほどの2人の凶行を注意しないわけにはいかない。


「なあ。2人とも流石にあれはないと思うが……」

「いえ。駄目ですよユキさん。扉の向こうにいた、2人の声が聞こえたんですよ? そんなバカでかい声で話しているとかありえません」

「そうじゃな。ここは軍事施設じゃ。機密事項も多いし、そういう場所で、無神経に大声で話しながらというのはまじめに働いている連中から見れば邪魔でしかない」

「でもなー……。いきなりあれは……」

「一般兵なら注意ですむじゃろうが、あの2人は魔物軍の将軍じゃ。それがあの様で、口頭注意では示しがつかんじゃろう?」

「部下が付いてこなくなりますよ? ユキさんが言ってたじゃないですか。それは2人もわかってたから、大人しく言うことを聞いていましたし大丈夫ですよ」


うーん。

そういうことならいいのか?


「ま、そういうことならいいか。とりあえず、仕事の手が止まってしまったから、さっさと片付けよう。休憩は取れただろう?」

「はーい」

「うむ。さっさと終わらせて、ウィードの大陸間交流へと向かわんとな。クリーナやサマンサ、ジェシカも向こうで大変じゃからな」


そう、そうだった!!

頑張らなくてはいけない理由はあったのだ。

子供たちに働く父の姿を見せると同時に、他の仕事で忙しい母たちを助ける父の姿もみせるのだ。

そして、みんなで仕事を終わらせて休みに一家団欒で遊んですごす。

これこそ、完璧。

やることはやってるから、何も後ろめたくはない。堂々とした休み。

それを目指しているんだ!!


「……これだと、ミノちゃんとかにも話をしておく必要がありそうだね」

「……うむ。スラきちさんの方は妾が後で行く。キユの方はコヴィルに連絡を入れておけばいいじゃろう」


うんうん。

2人とも、ウィードに残っているミノちゃんやスラきちさんやキユの方への連絡準備もしているようだし、俺も頑張って終わらせて大陸間交流に合流しないとな。

2人の打ち合わせを無駄にしかねない。

母の頑張りを無駄にするような父の姿を娘たちに見せるわけにはいかないからな!!



それからは特に問題も無く、溜まっている仕事を片付けていく。

まあ、あとは事後処理みたいなものだしな。

バイデへの補給物資の要請とかそのぐらいだ。

バイデ自体の運営はキャサリンの手に戻っている。

既に、フィンダールとハイデンの停戦は結ばれて、キャサリンはこちらの部下になっており、バイデの交易も復旧し始めた。

最初はシェーラという仲介役が必要だったが、一月近くも経てばキャサリンも慣れてくる。

キャサリンはハイデンで会議中だが、ゲートで戻っては仕事を処理するような感じで、どんどん俺たちのような仕事漬けの生活スタイルになっている。

もう、立派なウィードの部下と言った感じだ。

それらを考えると、召喚された当初よりは仕事は減っている。

ハイデンの馬鹿共は捕まえたし、動きがあるのは当分先。

その結果、本日頑張って仕事をしたら、溜まっていた仕事はほとんど処理されていた。

いや、人って頑張ればできるんだと思い知らされる。

そして、大事な娘の声援というのは、すさまじい効果だと言わざるをを得ない。


「よーし。新大陸の溜まってた仕事は大体終わった。今日はちょっと早いけど、仕事は終わりにして明日のウィードでの仕事に備えて休もう」

「はーい。よーし、久々のウィードだー」

「うむ。最近妾たちはバイデでの生活じゃったからな。ま、ダンジョンの中だからそこまで変わらんのじゃが」


そんなことを話しながら、仕事が終わったあとの一息中に執務室にタイキ君から連絡がくる。


「どうしたー? 何かあったか? 会議が終わるには早いだろう?」

『まだ会議は続いてますよ。で、何かあったのは当たりです』

「なんだ?」

『ミリーさんの出産で、ハイデンの方がお祝いを持参したので使者を受け入れて欲しいらしいです』

「は? ミリーって特に貴族でもないし、ハイデンメンバーに面識もなかったよな?」


召喚されてすぐに、ダンジョンの奥深くに匿ったから、ミリーの姿を見たことがあるのは、召喚をしたキャリー姫とカグラぐらいのものだ。


『あれですよ。心証をよくしようってやつです。侮られるよりはいいでしょう?』

「まあなー。でも、知らないやつを派遣されても面倒なだけだぞ?」

『いえいえ。そこは知り合いですよ。使者はカグラさんです』

「ああ、なるほど。ウィード外交官に押し込むにはちょうどいい理由だったのか」

『そうそう。キャリー姫やカミシロ公爵になにとぞよろしくお願いしますっていわれましたよ』

「ま、必要なことか。わかった。明日にはウィードに戻るしある意味ちょうどいい。受け入れ許可するから、ゲートでバイデにカグラを送ってくれ」

『了解。で、そこで疑問なんですけど、フィンダールの方々は? バイデで待機中ですか?』

「ああ、そっちはジョージンがフィンダール帝都に戻ることになった」

『あれ? 道中の襲撃やハイレ教の動きが心配とか言ってませんでした?』

「まあな。でも、ハイデンの話が付いたのにいつまでも連絡しないのはダメだから、ジョージンが部下を護衛として1000人ほど連れて戻ることになった。指輪もあるし、人数もいる。最悪、1人で逃げるぐらいはできるだろうさ」

『ま、それもそうですね。あの爺さんが簡単に死ぬわけないし。でも、これから大陸間交流ですかー。大変ですね』

「タイキ君も顔出すことになるけどな」

『はぁー。なんとかパスできません?』

「ルースを説得できたらな」

『そりゃ無理ですよ』


と、カグラがバイデに到着するまでのんびり雑談することになった。

さてさて、カグラを連れて大陸間交流ねー。

ま、この新大陸の人の現状を伝えるのにはいいか。

カグラの頭がパンクしないことを祈ろう。






世のお父さんは大変や。

スプラトゥーン2が出た日、朝買いに足をすすめると、お父さんが子供を連れてトイザらスで長蛇の列に並んでいた。

あれは真似できん。


俺はスイッチでた日に買ってたらよかったと思った。

ユキも同じような感じなんだろう。


そして、今回投稿を忘れなかった俺はすごくね?

イカ2の誘惑に勝った!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ