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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
果ての大地 召喚編

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落とし穴第96堀:海で泳ぐ以外の遊び方

海で泳ぐ以外の遊び方




ミーンミーンミンミン……


世間は気が付けばもう夏真っ盛り。

蝉が日中鳴き響、耳障りになり、暑い季節となった。

喉元過ぎれば熱さを忘れるとはよく言って、何度経験しても夏の暑さの不快感になれることはないのだろう。

毎年毎年、暑いと言っている気がする。

さて、今年の夏はどう過ごすかなー。

そんなことを冷房の効いた部屋で書類仕事をこなしながら考えるのであった。



Side:ユキ



「どもー。ユキさん」

「やあ、ユキ君。今日も暑いね」

「あ、えーと、今日はよろしくお願いします」


そういって、待ち合わせ場所に来たのはタイキ君、タイゾウさん、そして初参加のエオイド。

エオイドは新大陸の調査に入ってから、ウィードへ正式に招待してポープリからの要請で鍛えているのだ。

無論、手伝いをしてもらうことが条件だが。

ま、そこはいい。

本日はそういう集まりではない。

なにせ、3人とも持っているのは、釣り竿だからだ。

今日は休み。

ウィードは年中無休のブラックではないのだ。

こうやってちゃんと休む時は休む。


「よし。みんな揃ったな。じゃ、行くか。乗った乗った」

「荷物は後ろでいいですか?」

「ああ」

「よし、さっさと積み込もう」

「こっち、ですよね?」


そんな感じで荷物を積み込んで、車でビーチではなく、釣り場の防波堤の方へとやってきた。

泳ぐ為のビーチがあるのだから、無論、釣りをする場所もちゃんと用意している。

海の遊び方は泳ぐだけではないのだ。

いや、晩御飯も採れるのだから泳いで遊ぶことより素晴らしいかもしれない。

いつも泳いでいるビーチを通り過ぎて防波堤の方へと車を進める。


「うわー。すごいですね!! 海ですか!! 初めて見ましたよ!!」

「あー、そういえばエオイドは海を見たことなかったっけ?」

「ランサーは山の窪地にあるんで」

「なるほどな。なら今日は楽しむといい」

「はい。でも、アマンダに恨まれそうな」

「大丈夫だ。あっちは俺の奥さんたちとウィードで楽しくやってるだろうからな」

「あ、そういえばそんなこと言ってました」


もちろん、エオイドだけでは不公平になるので、アマンダもちゃんと他の嫁さんがエスコートをしている。

まあ、一応誘ったのだが、アマンダは海で遊ぶよりはウィードで美味しいものを食べる方がよかったらしく、奥さんたちとケーキの食べ歩きをしている。


「でも、エオイドはなんでまた釣りについてきたんだ? ぱっと聞いた感じ特に面白そうとは思えないだろう?」

「いや、アマンダの買い物に付き合うのは辛いので」

「「「あー」」」


3人同時に納得した。

女性の食事や買い物に付き合うのはなかなか我慢がいる。


「あーって、言われるのは心外です。そこまで長くないですよ」

「ん。心外。私も買い物は長くない」


今回の護衛はリーアとクリーナで、同じように釣り竿を装備している。

リーアは村娘で釣りとかは良くしていて、クリーナも前回海釣りに参加していたので、釣り経験者のチョイスだ。

ジェシカはそこまで釣りに興味がなく剣の調整でナールジアさんのところへいっており、サマンサは外交官としての仕事があってついてこれない。まあ、元々生の魚は苦手なようで無理してついては来ない。

泳ぐのは好きなのだが、今回は釣りがメインだからな。


「ま、2人はそこまで長くないが、他のみんなは長いだろう?」

「うー、そういわれると否定できないです」

「ん。サマンサとか長すぎる。あの無駄な脂肪をつけてよく長時間動ける」

「クリーナ。あの脂肪は柔らかくていい感じでしょう? 私たちももにもにしてるんだから」

「むう。そういわれるとそう。あの脂肪は無駄ではない。癒し」

「そうそう。おっぱいの大きさに良いも悪いもないんです」

「リーアのいう通り、おっぱいに貴賤なし」

「「「……」」」


その雑談に俺たちは口を出すわけにはいかない。

俺は奥さんのおっぱい戦争に火をつけることになるし、タイキ君もタイゾウさんも、そしてエオイドも奥さんに聞かれたら家庭内裁判は必至だろう。

こういう答えようない質問をぶつけられても困るのだが、奥さん方としては夫の理想を知りたいというのもあるのだろう。

だが、隣の芝生は青く見えるというやつで、ないものに価値を見出すのであって、奥さん自体に不満があるわけではないのだ。

といっても無駄だろうな。

さて、そんな微妙な雑談をしつつも、目的地にたどり着く。


「海だー」

「海だな」

「へー、凄いですね。一面水だー」

「いや、エオイド。あれ全部海水だからね」

「仕方ない。エオイドはランサー育ち。海水という意味は知っていても理解が追いついていない」

「よし、さっさと荷物を降ろして各自好きに釣っていいぞ」

「「「おー!!」」」

「一応車はエンジン点けておくから、暑かったり休みたかったりしたら車で休むといい」


日本じゃこういう贅沢な燃料の無駄遣いはしたくはないが、こっちならこういうのは余裕があるからできる。

というか、そもそも海にきて、車の中で過ごすとか馬鹿の所業である。

流石に、釣りをするということを理解してついてきたメンバーだけあって車に引きこもるのはいなかった。


「そういえば、夏の旬の魚って何でしたっけ?」

「旬? なんですかそれ? ユキさん知ってますか?」


タイキ君の質問に首を傾げるリーア。

内陸の村で過ごしていたリーアにとっては季節ごとにとれる魚の種類とかを気にしたことはないのだろう。


「あれだよ。季節ごとに美味しい魚ってやつだ」

「なるほどー。海だと魚は豊富ですし、そういうのがあるんですね。村だと釣れた魚はなんでも食べてましたし」

「ん。そういう話は本で見たことがある。確か、夏の旬の魚はウナギ、スズキ、キス、マゴチ、アジ、カツオ、アナゴとかだったと思う」

「ほお。流石クリーナ君だ。よく勉強している。だが、ウナギは夏バテ防止の魚であって、旬は12月頃だ」

「ん。流石タイゾウ。その通り。引っかからない」


タイゾウさんの称賛と説明に、感心するクリーナ。


「でも、ウナギは川ですし、カツオやスズキも大物だしな。防波堤だとキスかアジぐらいが狙い目かな?」

「タイキ君、スズキも案外釣れる。流石にカツオは無理だがな。まあ、楽しむのが目的であるし、普通にハゼなどを釣ってもいいだろう。旬ではないとはいえ、不味くはない。というか普通にうまいからな」

「そうですね。というか、ユキさん、カツオとかスズキってこの海にいるんですか?」

「カツオはいねーな。あれは環境が完全な海だからな。砂底はあるから、ヒラメとかはいるけどな」

「ヒラメって、そっちの方が難易度高そうですけどね。まず生餌とらないといけないでしょう」

「まあな。簡単なのは防波堤の真下に垂らして、アラカブ、本州ではカサゴと呼ぶやつか、そこらへんに見えているカワハギとかを狙った方がいいだろうさ」


素人にヒラメ釣りとか無理があるからな。

普通に糸を垂らして目の前で泳いでいる魚を釣るほうが、わかりやすくて楽しいだろう。


「えーっと、なら僕はそのカサゴとかを狙います」

「仕掛けとかわかるか? リールとか」

「リール? 糸を垂らすだけじゃないんですか?」

「ま、ここだとそうだよな」


タイキ君はそういいながらリールの取り付けなどをして、エオイドの釣りの準備を整える。

俺も、同じようにリーアの竿の準備をして、指導をする。


「そう、ここを握って、投げる時に離すと」

「あ、飛んでった」

「ん。ここを握っている間は固定される。投げる時に合わせて離せば遠くに投げられる」


クリーナは前回釣りに参加したことがあるので教える側に回っている。


「そうそう。でも、真下に垂らすだけの時はおもりの自重で行くから、垂らしたい場所で離すだけでいい。で、糸を回収したいときは、こうやって……」


ハンドルを回して、糸を回収していく。

カラカラ……。


「へー。よくできてますねー」

「ん。無駄に洗練されている糸巻きシステム」

「誰でも簡単に釣りができるように作ってるからなー」


そんな話をしつつ、糸を回収していると、クリーナの竿が一気にしなる。


「ん!? 竿を引っ張られている感覚」

「クリーナ。それ、魚が餌に食いついてるよ!! 頑張って!!」

「ん!! 問題ない。この程度なら簡単に糸を回収できる」


まあ、ラインが切られるような大物はそう簡単にかからないし、距離的にハゼとかキスとかそういうのだろう。

そんなことを考えてクリーナのファイトを見ていると、あっさりと魚を釣り上げる。


「やったね。釣れたよ!!」

「ん。私が一番最初」


針に食いついていたのは、ハゼ。

底引きで食いついたんだろうな。

大きさは普通。


「で、ユキさんこれどうするんですか?」

「殺す?」

「ああ、ちょっと待っててくれ」


すぐにひも付きバケツを海へ落として、海水を引き上げて普通のバケツに海水を入れる。


「こっちに魚を入れてくれ。針外せるか?」

「ん。外した」


運よく針を飲み込んではいないようで、すぐに外せたみたいで素手でハゼをつかもうとするクリーナだが……。


「「あ」」


釣られたハゼも食われたくはないだろうから必死に暴れて、ハゼ特有のぬめりを使って脱出。

そのまま海へと帰っていった。


「あー!? 逃げたー!!」

「逃がさない!!」


クリーナの指先には炎がちらついている。


「まてまて、こんな釣りに来たのに魔術を使うな。釣りで勝負だ。逃がしたのは油断。次はちゃんと最後まで油断しないことだ」

「むう。そういわれるとそうですね」

「ぬぐぐぐ……。あの魚許すまじ」


しかし、幸いと言っては何だが、餌のゴカイをつけることには嫌悪は無いようで、自分で準備してすぐに竿を振っている。

まあ、中世ヨーロッパ並みの文化だしな。

潔癖症の日本とは違うか。

というか、ゴカイごときでぎゃーぎゃー騒ぎすぎなんだよ。

男ですらゴカイがダメっていうやつがいるからな。

もうお前ら飯食うなよ。

魚なんて大半がゴカイとか虫食うやつなんだぞ。

エビとかカニとか分類的には甲殻類、虫だぞ?

と、いかんいかん。

俺もさっさと竿を準備してと……。


「よっ」


青い海に気持ちよく竿を振る。

ぴゅーっと飛んで行って着水の音も聞こえない。

結構遠くまで投げたようだ。

これは底引きの仕掛けなので、少し巻いて底についているのかを確認したあと、竿を置く。

こっちの方向は海底が砂浜なので、遠方底引き放置作戦が可能だ。

その放置を見たリーアとクリーナは不思議そうな顔をして俺に話しかけてくる。


「あれ? ユキさん、竿を放置していますけど、いいんですか?」

「ん。まかなくていいの?」

「ああ、ほら。タイキ君やタイゾウさんを見て見ればわかると思うけど……」


そういって、タイキ君とタイゾウさんに視線を向けると、お互いに2本ほど釣り竿を放置して、残り一本で竿を振っている。


「ああいう風に、竿を投げて置いて放置する方法なんだ。魚が来れば竿がしなってわかるからな。数をうつタイプの方法だ。浮き系とかは特に放置するのが正しい使い方だしな」


スポーツフィッシングのルアーではなく生餌なので、真面目に釣ることが目的なので、海釣りの人は良くやる手法だ。

だが、暇になりやすい。

その間に海を見てのんびりするのが釣りの醍醐味でもあるのだが。


「なるほどー。じゃ、私もって、引いてる!!」

「ん。私も引いてる!!」

「お、頑張れよー」


どうやら話している間に巻くのをやめた餌に魚が食いついたらしい。

またハゼかな? とのんびり見ていると、水面に映る魚影がなぜかでかかった。

しかも2人とも。


「ううっ、重いです」

「先ほどとは全然違う……」


とはいえ、レベルが高いので海に引き込まれることはないが、このサイズだとラインが持つか?

とりあえず、防波堤の上なのでたも網を取り出して、いつでも掬い上げれるようにサポート態勢にはいる。

なんとかラインが切られることはなく、釣られた魚の全貌が見えてきた。


「ヒラメかよ!? しかもかなりいいサイズだぞ!?」


驚きつつも、2人の釣ったヒラメはちゃんと回収する。

やべー、バケツに入らねえ。

もっと大きいのあったか?

と、そんなことをしている間に、タイキ君、タイゾウさん、エオイドの方からも声が上がる。


「タイキさん。なんか大きいですけど、なんですかこれ?」

「ん? あ?! タイ!? 鯛じゃね!?」

「間違いない、鯛だ!! なんで、ってそういうのはいい。網、網!!」

「はい!! エオイド落ち着いて巻け!! でかいぞ!!」

「は、はいっ!!」


なんかそんな感じで、本日の釣りは入れ食いとなった。

で、釣った後で気が付いたが、この海で本格的に釣りをしたのは前回と今回で二回目。

日本の防波堤などと違って、魚は警戒心がなくこのような状況になったようだ。

前もこんな感じで入れ食いだった。

うむ。

なんかずるい気もするが、大きい魚を釣るのはそれはそれで楽しいから問題なし。


「フィィィィッシュ!!」


俺もちゃんと釣れた。

でも、なんか他のみんなより小さかった。

ま、こういうときもあるよな。

まだまだ夏は続くのだから、近々リベンジしよう。


で、釣った魚たちは美味しくいただきました。




ごめん。子供誕生の前に、一旦夏のCM、一時。


まだ夏休み前ではあるけど、みんな夏らしいことはしたかな?

自分は……特になにもしてないな。

釣りは普通にするけど、まだ夏になってから行ってない。

釣り糸を垂らすだけで海はいいんだよね。

あと、今回の落とし穴の内容だけど、穴場っていう釣り人がいないところは、実際かなり魚が食いつく。

まあ、見つけられることはなかなかないけど。



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― 新着の感想 ―
[一言] 福岡で釣った大物 ・ブラックバス42cm 平和台の堀 ・ハゼ30cm弱 室見川河口 ・カブトガニ 志賀島 姪浜の堤防でも良く釣っていました…今は埋め立て地w
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