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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
果ての大地 召喚編

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第558堀:穏やかな蚊帳の外での緊急事態

穏やかな蚊帳の外での緊急事態




Side:ユキ




現在はすでに日が地平線に消えようかという時間帯。

日中の騒動……というか一部の臣下の反逆行為は瞬く間に鎮圧された。

それもそのはず。

最初からそういう手はずで進めていたおかげだ。

お陰で、取り逃がすこと無くタークラムが所持していた名簿に載るメンバーは全て取り押さえ、ダミーのマジック・ギアの回収も済んだ。

言い訳、騙されたなどという奴らもいたが、タークラムがすでに暴れていることもあり、誰もその弁明に耳を貸すことはなかった。

まあ、取り押さえただけで騒ぎが終息するわけもなく、取り押さえた連中によって今までのフィンダールや周辺国への挑発行為の数々が露呈。

最大の問題が、魔術を学びに来ていた若者たちの無理な引き留め、いや拘留だった。

国として預かった若者たちをそのように扱っていたことに対して、ハイデン王やその他の大臣は頭を抱えていた。

ということで、大会議が現在行われている。

終わりは全く見えない。

可哀想に、今日の大会議は徹夜だね。

俺には関係のないハイデンのことなので、知ったことではない。

が、一番肝心な、ハイレ教の介入については一切語られていない。

ハイデン王も事の重大さを理解して、事実がはっきりするまでは話さないみたいだ。

今回はあくまでも、身内が勝手な行為をしたというただの謀反ということになっている。

そんな感じで、俺たちはキャリー姫を護送してきた人物としてあてがわれた客室でのんびりしている。

ま、ある意味俺たちも扱いづらいんだろうが。

この混乱のさなか、第三国ウィードの介入も招いたなどと知られれば、キャリー姫が非難されかねないし、いまキャリー姫の行動によって国が救われたという流れができているから、水を差す報告はしないだろう。


「思ったよりもスムーズに進んでますね。と、お代わりいります?」

「そうじゃな。ここらで黒幕がぐわーってきそうなモノじゃが。うむ、貰おう。」


そんな話をしているのは、リーアとデリーユ。

お茶を飲みながらお菓子を食べて優雅な一時だ。


「ベッドは、思ったよりも固くはないわね。流石、王城ってところかしら?」

「えー、これ固いよー。ドレお姉」

「こら、ヒイロ。我がまま言わないの」

「じじつを言ったまでだもーん」


ベッドの寝心地を確認しているのはドレッサ、ヒイロ、ヴィリア。

しかし、ヒイロにとっては不満のようだ。


「流石に、ウィードのベッドと比べるのは酷ですね」

「そうですな。私としては靴など脱いで、畳の上でゆっくりしたいのですが、ここにはそのようなところはなさそうだ」

「床に転がった途端、泥だらけになりそうですね」

「そして、それを洗い流せる風呂もないと来たものです。いや、ハイデンが悪いわけではないのですが、わっはっはっは!!」

「笑う要素がどこにあったのか教えてほしいですね。ですが、畳やお風呂などは何としても我が国へ導入したいですね」

「おお、それならば私も全力で支援いたしましょうぞ。陛下への直談判も御伴いたしましょう!! なに、姫様の今の顔を見たのならば、嫌とはいいませんぞ」


と、なんかすでにウィードと何を交渉するべきかを相談しているスタシア殿下とジョージン殿。

こっちも同じように客人として迎えられている。

みんな部屋は別々なのだが、こっちもこっちで話し合う必要があるため集まっている。

ちなみに、キャリー姫、カミシロ公爵、カグラ、キャサリンは今回の事件報告で大会議に出席中。

本日中の帰還は望めないだろう。


「そういえばユキさん。スティーブたちの方は動きはないんですか?」

「そうじゃったな。確か、スティーブとジョンはあっちの方の監視なんじゃろう?」

「今のところは動きはなしだな。元々かく乱のための手紙って線もあったからな」


あっちというのはもちろん、マジック・ギアと一緒にあった手紙に書かれていたハイレ教の事である。

今回の裏で動いているのは自分だと宣言しているような内容だったから、あからさますぎるということで、警戒しながら監視という感じになっている。


「というか、まだタークラムたちを捕縛して一日も経ってないからな。ハイレ教の方が把握しているかも怪しい。今はまだ待機だな。しかもあそこには御三家の一家がいるって話だ。明らかな証拠があるわけでもないから、むやみやたらに家探しするのはためらわれるんだよな」

「しかし、スティーブ殿たちの手腕は昨日の夜確認しましたが、ばれるようなことはないのでは?」

「そうですな。あの御仁ならば誰にも気が付かれることなく探りを入れられそうなものですが」

「あんまり、他国の王都のおひざ元で自由にやり過ぎると、今度はこっちが警戒されるだろう? そういうのは面倒の元だからな。なに? スタシア殿下もジョージン殿も自宅の家探ししてほしいわけ?」

「確かに、それは遠慮願いたいですね」

「ふーむ。だから証拠を押さえてからタークラムの屋敷に乗り込んだのですな」

「そ。黒とわかったから乗り込んだ。こういう手順は踏まないと、ただの無法集団と変わりないからな。怪しいだけで、家探しまでできない」


そう、俺たちは規律ある組織なのだから。


「盗聴はいいわけ?」

「あれは、タークラムの屋敷に設置したのではなく。最初から黒と判明しているクレイに付けたので問題なし」

「あ、そういえばそうだったわね。でも、そうなると私たちの出番ってもう終わり?」

「そうだな。後は話し合いだ。しかも、まずはハイデン内部の話し合いが続いて、そのあとにフィンダールや、その他の国、俺たちウィードになるからしばらく暇になるんじゃないか」

「えっー。暴れ足りないわよ」


ドレッサは今回バイデで兵士を蹴散らして、リザードマンをぶっ飛ばして、城でクレイを叩き潰したのに、まだ暴れ足りないらしい。


「ドレッサ。平和でいいじゃないですか。お兄様に迷惑をかけないでください」

「ドレお姉。暴れたいなら、ウィードに戻ってスラきちさんとかミノちゃんと暴れればいいのに」

「あの2人とやると私が手も足も出せなくて一方的にやられるわよ。というか、私はユキの護衛なんだからそばを離れるわけにはいかないでしょう」


あ、護衛っていう自覚はあったのか。

ドレッサもちゃんと成長しているんだなー。

最初あった時は考えなしの奴隷王女様だったのに。

人って成長するもんだね。

最初はドレッサを護衛にするのはどうかと思ったが、ちゃんと仕事はしているから結果としてはいい経験になったんだろうな。


「ま、ドレッサの成長は嬉しいとして。フィンダールとしてはどう決着をつけるつもりなんだ? このまま停戦解除で攻め込むってわけじゃないんだろう?」


フィンダールは元々、話し合いを求めてバイデに寄せたのだ。


「そうですね。今後話し合いができるのであれば、話し合いが主体になると思います。まあ、留学生の不当な扱いや、フィンダールを含む諸外国への高圧的な外交に対して、どの程度ハイデンが非を認めるかにかかってくると思います」

「簡単に話がまとまりそうにないな」

「そう簡単に自国のミスを認めるわけにもいきませんからな。被害を被った国としてもここぞとばかりに無理な要求をしてくるのは目に見えますな」


他国としてはハイデンにいじめられた分、そしてこれからのパワーバランスを考えると今回のことはハイデンの明らかな落ち度だから責めてくるのは当然だよな。

戦争にならないといいけど。


「その間に、ウィードとフィンダールはのんびりと交易かな」

「それがいいと思います。いちいち、相手の落ち度を責め立てるよりも、まっとうな交渉で話を進めた方がまとまりも早く旨味も多いと知らしめることになるでしょうから」

「ということは、フィンダール自体はそこまでがっつくことはないか」

「スタシア殿下の言う通りですな。今ハイデンに色々要求しても、その要求を通すことも厳しいですし無駄に時間と旅費がかかるだけですからな。陛下なら、ハイデンの交渉は適当なところで切り上げて、ウィードとの交易を推し進めるでしょうな」

「適当でいいのか」

「正直、戦費ぐらいは欲しいですが、その回収すらなかなか難しいですからな。現実を見ているのですよ」

「ですね。無理に取り立てをしてハイデンが傾けばそれは本末転倒ですし、ですが、それがわかっていても要求をしないわけにもいかない。国として舐められますから」


こういうのは大変だよねー。

戦争自体より戦後処理の方が大変だとよく言ったものだ。


「政治って難しいねー。デリーユ」

「リーアも大概場数を踏んでおるから、そろそろ覚えてもいいと思うがな」

「えー、そういう面倒事はデリーユとかセラリアの仕事でしょう? 私はユキさんを護衛しつつ、そろそろ赤ちゃんでも……」


と、そんな話をしているとコールから通信が来る。

特に疑問もなく、定期報告かなと思って通信を受け取ると……。


「はい。こちらユキ。ルルアどうかしたか?」

『旦那様、みんなも、ミリーが産気づきました!!』

「「「は!?」」」


ウィードメンバーはその報告に驚く。


『仕事を空けていいのであれば、今すぐバイデの方に戻ってください!! バイデに簡易的に作った病院で出産をします!! 母子への影響を考えて、ウィードの病院に移動するのはやはり無理です!! 数人ウィード病院の方からスタッフは連れてきていますが、ユキさんたちの回復魔術があった方が安心できます!! お願いします!!』

『ううっ!? ルル、ア。ユキさ、んに、無理は……』

『大丈夫です!! 旦那様はちゃんと来てくれますから、ミリーさんは安心して……』


もう、連絡を落ち着いて聞いている暇はなかった。

すぐに立ち上がって、指示を出そうとして踏みとどまる。

くそ、ドッペルの体だが、今はスタシア殿下とジョージンがいるから精神だけ戻るわけにはいかない。


「みんな。バイデに戻るぞ!!」

「はい!!」

「うむ。みんながいればミリーも安心するじゃろう」

「こんなところでのんびりしている暇はないわね!!」

「そうですね。ミリーお姉様を助けましょう!!」

「ミリーお姉をたすける!!」


で、ポカーンとしているスタシア殿下とジョージンに一応事情を話す。


「すみません。妻の出産が始まったと連絡がありました。なので私たちは至急バイデに戻ります。護衛に関しては、タイキ君、エオイド、アマンダを回しますので」

「あ、はい。しかし、奥様のご出産ですか。ユキ様たちの回復魔術があればきっと無事に生まれてくることでしょう。私たちのことは気にせずどうぞ」

「そうですぞ。どうぞ、奥方を大事にしてあげてくだされ。なに、ハイデンの皆さまには私たちからきちんと話しておきます」

「ありがとうございます。では」


幸い、すでにハイデン城もダンジョンの影響下にあったので、指輪の転移ですぐに戻れた。

下手をすれば、窓から飛び出して「あれはなんだ!? 鳥か!?」とかなったかもしれない。

と、そういうアホなネタはいいんだよ。

所定の転移位置に行くと、すでにバイデで防衛の仕事をしている、シェーラやアスリン、フィーリアが待っていて、俺たちの姿を確認するや否や、すぐに走り出す。


「こちらです!!」

「こっちだよ!!」

「こっちなのです!!」


今度こそ、今度こそ、生まれてくる瞬間に立ち会うんだ。

騒いで自分だけ寝かせられるとか、そんなことは二度と……いや、三度もしない!!

俺はそんな決意を胸に、一旦ドッペルを待機させて、生身に戻ってミリーの元へと走るのであった。




ついにこの時がきた!! いろいろな意味で!!


ユキは今度こそ、子供の出産に立ち会えるのでしょうか!!

邪魔は本当に入らないのか!!


さて、えーと、前回のコメントでありましたが、書籍が見つからないというのは、大きい書店かAmazonぐらいしか思いつきません。


さらに、こっちがビッグニュースですかね。

モンスター文庫サイトを見た方はご存知かもしれませんが、8月発売の必勝ダンジョン7巻に


「コミカライズ進行中」


という記載があります。

事実です。

すでにコミカライズの打診があってOKして執筆をしているそうです。

いや、正直な話。小説内の説明がないとわけわからねーと思うのですが、それでもやってみるとのことです。

コミカライズの執筆者に編集者のチャレンジに期待しましょう。

尚、執筆者、漫画家さんの名前はまだ伏せておきます。

では、コミカライズお楽しみに。

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