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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
果ての大地 召喚編

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第552堀:ハイデン殴り込み作戦会議

ハイデン殴り込み作戦会議




Side:ユキ




ハイデンとフィンダールの停戦合意がなされた翌日。

ウィードではまた新たなる作戦が動き出していた。

ハイデン王都攻略作戦である。

否、ハイデン内部に巣食う、叡智の集、リラ王国の残党を叩き出す作戦である。

まあ、ハイデンを滅茶苦茶にするには変わりないだろう。

現在、ハイデンの過半数を占める戦争賛成派を叩き潰すことに変わりないから、何事もなく進むわけがない。


「では、これよりハイデン王都攻略作戦会議を開始したいと思います」

「えーっと、それだとハイデンを占領するような感じになるんじゃない?」

「カグラ。現状戦争支持派がハイデンの内部の過半数を占めていることから、この状況に陥っている。となるとこいつらを叩きださないことにはハイデンの暴走を止めることはできないのはわかるな?」

「まあ、それはわかるわよ」

「つまり、一度ハイデンの体制を潰さないとどうにもならんということだ。これをハイデン王都攻略作戦と言って何か問題あるか?」

「……そうか。私たちはある意味、国の意志に逆らう反逆者集団になるのね」


今のところ、キャリー姫を中心に動いているこの集団はハイデンではごく少数派であり、勝手にフィンダールと手を結んでいる状態から、反逆と言われればそれまでの集団である。


「カグラ。私を気遣っての事でしょうが、遠慮はいりません。今のハイデンは初代様たちや、叔父様、お母さまの奮闘や、アージュの生き様に泥を塗るようなものです。甘い餌に判断を誤るような愚かものどもはこれを機に粛清するべきです」

「……姫様」


キャリー姫はスタシア殿下と合流して意気軒昂。

敵は全て滅するという感じになっている。


「しかし、姫様。お言葉ですが、選別はどうするのですかな? 今の戦争賛成派には、何も知らず流れに乗っている者たちも大勢いましょう。その者たちに罪がないとは言いませんが、すべてを処罰したり、証拠もなく取り押さえては、地方の統治がおぼつきませんぞ」

「そうですね。そうなればハイデンが乱れることは避けられない。そこらへんは落ち着いてやるべきかと思いますよ、キャリー」


そういって、暴君になりかけているキャリー姫を落ち着かせるのは、カミシロ公爵とスタシア殿下。


「……スタシアお姉様と公爵殿がそういうのであれば仕方ありません。言っていることは尤もだと思います。ですが、その選別はどうするのですか? 主犯を調べている内に時間は過ぎます。一気に取り押さえた方がいいのではないでしょうか?」

「落ち着いてくださいキャリー。確かに主犯を調べるのに時間はかかりますが、それよりも戦争賛成派全てを取り押さえることに無理があります。ユキ様達のウィードの力を信じているといえば聞こえがいいですが、それはウィードに頼り切りとなる上に、無理難題をウィードに押し付けることになります。それは今後の関係上よろしくないでしょう」


スタシア殿下の言う通り、そりゃ無理難題だ。

主犯以外の流れに乗った馬鹿共まで捕縛しろとか、今回動かせる100名近くじゃどうにもならん。

貴族だけでも千人以上はいるし、関係者を含めれば万は超えるだろう。

真っ向から戦闘ならともかく、そんな力比べになる前に逃げるだろうしな。

そうなれば、キャリー姫が乱心したとか言われて混乱が増すだけだろう。

ハイデンで表向き戦争賛成派に回って押さえている王様もキャリー姫の討伐命令を出さなければいけなくなる。

そこまでになると内戦勃発確定だ。

そうなると、なおの事ハイデンの内部で色々やっている奴の動きがわからなくなるだろう。

逆に、派手に動く可能性も無きにしも非ずだが、どう考えても民間人が徴兵されて戦いに駆り出されることになるし、血みどろの戦いは避けられない。

俺たちがいるから力負けはしないが、問題を終息させるのにはそれなりに時間がかかるし、ハイデンを安定させて各国への国交正常化を目指すという目的から見れば本末転倒である。


「まずは、姫様がどのような結果を望んでいるのかを聞き、それに対して効果的な行動を献策してみてはどうでしょう? 姫様は少々焦っておられるようだ」


スタシア殿下とカミシロ公爵の更なる説得により、キャリー姫は一旦目を瞑り、深呼吸をして、再び目を開く。


「……そうですね。憎しみで見境なく滅していれば、いずれ自分も滅してしまうでしょう。では、まずどのような結果を望むのかと言えば、ハイデンの戦争賛成派の沈静化とそれを後押ししている叡智の集、リラ王国の残党を叩き出す。いえ、ハイデンで根絶やしにすることです。それが成れば、時間はかかりますがハイデンは落ち着きを取り戻すでしょう」

「となりますと、戦争賛成派で、叡智の集、リラ王国の残党と深く繋がっている連中を調べる必要がありますね。それから証拠を押さえて、私や姫様の誘拐未遂、及びお父様の暗殺未遂を同じくして、陛下に報告して一気に排除にかかるのがいいでしょう」

「真っ先に叔父様… 陛下に、私やカグラの誘拐、そしてカミシロ公爵の暗殺を伝えるべきでは? そうすれば、陛下の後押しで堂々と動けるのでは……。いえ、違いますね。そうなると叔父様が危険になる可能性も高いですね。暗殺を選ぶような相手ですし、察知されるのを避けるためですか」

「はい。陛下に私たちが接触するとなると、叡智の集の襲撃が失敗したことを相手に知らせることになります。秘密裏に会えばといいたいですが、陛下の面会がばれないわけがありません」

「敵は内部にいますからね。まずは証拠を揃えて、一気に畳みかけないとまずいわけですね」


カグラがいつの間にか政治の関係を含めて考えている。

どういうことだと思っていると、カミシロ公爵が横で嬉しそうに頷いているから、いつの間にか政治を含んだことも叩き込まれていたのか。

しかし、そこまで時間があったわけでもないのに、カグラは俗にいう天才とか言う分類かもしれんな。


「となると、まずはハイデン王都に秘密裏に侵入して、情報を集めることが最優先ですね。そういえば、情報ですがユキ様、ジョージン。叡智の集と名乗る連中の尋問はどうなっていますか? そこから何か情報は得られないのですか?」


そしてようやく俺たちに話が回ってきた。

ジョージンは俺にどういたしますか?という表情を向けてきたので、尋問をしていたジョージンに説明を任せることにする。


「では、失礼をして、恥を忍んで言いますが尋問に関してはあまり成果はありません。わかっているのは、ハイデンでの選りすぐりの魔術隊、たしかサーベル魔術隊でしたかな? 公爵殿?」

「ええ。姫様もご覧になられたのでご存知でしょう」

「はい。まさか、我が国の精鋭までが愚か者と協力しているとは思いませんでした。その者たちは私が尋問している最中にユキ様が止められて最後までできませんでした」


そういえば、めった刺しにしてたよね。

というか、あれ尋問ではないからね。処刑っていうからね。

あと、クレイが謀反した道中の時も一緒にいたんだけど、あの時はバカ姫としての行動をしなかったのが不思議だったが、あの時ぐらいから姫様は俺たちを信用し始めたんだろうな。


「しかし、情報が得られていないというのは問題ですね。まずは尋問のやり直しをするべきですね。今回は是非私に任せていただきたいです」


キャリー姫がそういって今度こそ完全に殺してやるよという目つきであった。

だが、残念ながらその望みはかなえてやれない。

既に別の作戦が動き出しているからだ。


「キャリー姫様。確かに尋問は上手くいっておりませんが、別の作戦がすでに動き出しております」

「別の作戦ですか?」

「相手が生粋の軍人ですからな。口を割るのはなかなかに難しい。ですので、わざと逃がし後をつけさせております」

「空を飛べる者を逃がした? どうやって追いかける……、ああ、そこでユキ様たちですか」

「その通りでございます。すでにユキ様の部下であるゴブリン隊がクレイを追跡しております。明日にはハイデンに到着するようで、そこで証拠はつかめるでしょう」

「ゴブリン? ああ、そうですか。精霊の巫女様たちが普通にいるウィードであるなら、ゴブリンたちもいては不思議でないですね」


ゴブリンとオークはこの一帯では魔物ではなく珍しい種族って感じだからな。

勝手に納得してくれて説明が省けてありがたい。

ま、そこはいいとして、さらに俺が追加で口を挟む。


「それと同時にハイデン王都での拠点を確保してゲートを一時的に設置しますので、移動もすぐにできる予定です」

「すでに準備は整っているということですね」

「尋問して体力を削るよりも、明日からハイデンへの潜入になるので、それに備える方がいいでしょう」

「逆に、証拠を押さえてから、尋問をすればあっさり喋る可能性もありますからな」

「なるほど。となると、後はその情報次第ということですか。しかし、追跡しているクレイから詳しい情報が出なかった場合などはどうするのですか?」

「その場合にはその先行しているゴブリン隊を使ってそのままハイデン王都の調査をするべきでしょう。私たちが乗り込むのは情報がそろってからです。相手はこっちの襲撃を指示していますから、キャリー姫やカミシロ公爵が王都にいるとなると、襲撃してくればいいですが、雲隠れされては追跡できません」

「……やはり私たちが出るのは最終手段、段階ということですか」


悔しそうにいうキャリー姫。

まあ、自分の手でかたき討ちをしてやると意気込んでいるからなー。

しかし、襲撃も雲隠れどころか、スティーブとジョンがハイデン王都に乗り込んだ時点でほぼ勝利は確定している。

一応表向き、キャリー姫やスタシア殿下という当事者たちとの共同作戦のように見えるが、本当のメインはダンジョンコアによるハイデン王都占領作戦だからな。

敵対するダンジョンマスターがいる可能性もあるが、その可能性は限りなく低い。

DP消費率が5000倍はルナに抑えてもらって2倍だが、いつ5000倍に戻ってもおかしくないし、ダンジョンコアが召喚専用に改造されているからな。

ダンジョンマスターがいるならいたでそれはいい情報だし、その場合は使用許可が下りているDPをつぎ込んでさっさと制圧する。

完全に敵対する行動だが、いま乱されると困るハイデンにちょっかいを出しているので、ここは仕方がない。

向こうが手を出してきたので、こっちには非はない。正当防衛である。

そんなことを考えているが、そんな簡単に敵の親玉が出てくることはないだろうなーと思う。

大体こういう大きい行動をおこしている秘密組織が騒動を起こしている国に本拠点を置くわけないじゃん。

と、そこはいい。

今は悔しがっているキャリー姫のフォローでもしておかないと、勝手に暴走されでもしたら困る。


「お気持ちはわかりますが、最終手段ではありませんよ。最悪を想定して考えておりますが、予定通りにいけばキャリー姫が出る時こそハイデンの内部で暗躍している者たちにとっては終わりの始まりなのです。ここまで準備をして証拠をそろえ、ことを起こせば主犯や叡智の集、リラ王国の残党は言い訳もなにもできません。その時キャリー姫は大義名分の元、周りを気にせず動けるでしょう」

「……そうなる可能性は高いのでしょうか? カミシロ公爵はどう思いますか?」

「ふむ。まず、私や姫様への魔の手が防がれた今現在、すでに相手側は窮地に立たされていますな。しかも、まだその失敗をしらない。逃がされたクレイは何とかしてこの報告をするでしょう。放っておけば自分たちの首を絞めることになりますからな。成功する可能性としては極めて高いと思われます。まあ、油断は禁物ですが」


カミシロ公爵は淡々と落ち着いて、いまの現状を告げる。

クレイは始末される可能性もあるけど、それはスティーブたちが追跡しているから始末された後でも始末した相手を追えばいいだけだ。


「私たちの行動が知られている可能性は?」

「その可能性があるならば、王都についた途端に襲撃があるでしょう。ですがその場合はユキ様たちの手を借りれば迎撃はたやすい。そして、敵がそのような行動をとれば、それこそ動きやすいですな。無事に戻った姫様に襲撃など言語道断。徹底的に追い詰めてやれるでしょう。ユキ様たち以上の手練れがいないとは言えませんが、そのような実力者がいればすでにハイデンは占領されておりますしな」

「確かに。わかりました。その方針で行きたいと思います」


こんな感じで、ハイデン殴り込み作戦会議は進んでいくのである。

さーて、この騒動で一体何が出てくるかな。

これ以上追加の仕事が増えませんように。

そう願う俺であった。






情報収集。


次回の主役は久々にスティーブ!!

みんな(社畜戦士)のヒーローだ!!

楽しみに。

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