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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
国の在り方 暗躍編

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第467堀:秋天と童子切

秋天と童子切




Side:ユキ




とりあえず、大きな爆弾、酒呑童子こと秋天を匿ったので、一旦日にちを開けた。

その場でいろいろやると、ノゴーシュが秋天を威嚇して、どうなるか予想が付かないからだ。

まあ、幸い、秋天はセラリアにべったりでおとなしい。


『ほら、秋天。新しいお父さんですよー』

『とと様? 秋天、とと様いない。でも不思議、かか様と同じ気配がする。かかとと様?』


なんやねんその新生物。

俺にもなついてくれるのでありがたくはあるのだが。

ああ、素直に指定保護は受けてくれたので、表面上は大丈夫だ。

しかし、元が大妖怪だから、あっさり破られてもなにも俺は不思議に思わないけどな。


『ままー? だれだれー?』

『サクラ。新しいしゅてんお姉さんよ』

『しゅておねえ?』


まだ2歳とちょっとで、言葉はおぼつかないが、それなりに娘たちは意思の疎通ができるようになってきた。

とてもかわいい。


『そ、おねえ』

『かか様。その子、かか様に似てる』

『そうよ。私の娘でサクラって言うの。秋天の妹よ』

『いもうと……。茨木と同じ?』


やっぱいたのかよ茨木童子!?

あれも、女鬼とか言う話あったよね!!

くそー半端に事実な逸話が恨めしい!!


『しゅておねえ!!』

『うん。サクラのお姉ちゃんよ!!』

『おねえ!! あそぼ!!』

『かか様?』

『ええ。サクラと遊んでくれたらうれしいわ』

『……サクラ。何して遊ぶ?』

『みんなとー』

『みんな?』


そんな感じで、秋天は子供たちの頂点。長女として、君臨することになった。

君臨って言い方が悪いな。

普通に、子供たちもお姉ちゃんと認めて、微笑ましく一緒に遊んでは、寝ているのだ。


「しゅて、おねえ」

「んー。サクラー」


今は遊び疲れて寝ている。

外見的な大きさはヒイロより少し上ぐらい。

中身は下手するとヒイロより下かもしれない。

よくもまあ、こんな子供の首を斬ったな。

毒の酒飲まされたのは、秋天じゃなくて、源頼光たちの方だったのかもなー。

今も昔も、汚れ役を押し付けるのによくある手だ。

色々ごまかすのには酒が一番だし。


「よく寝ているわ」

「ん。流石、我が子。かわいい。ものすごくかわいい」


そういって、秋天たちが寝ているのを眺めているのは、セラリアとクリーナ。

最初から会っていたセラリアはともかく、クリーナがなぜこのように我が子と言っているかというと。

秋天を連れて帰ったとき、運命の出会いを果たしたと言っておこう。

あの処刑日の護衛は物理重視だったので、リーアとジェシカで、クリーナ、サマンサの魔術チームは待機してもらっていたのだ。

で、クリーナの容姿は赤髪のショートカットで、炎系の魔術が一番得意。

そして、秋天も同じように秋の山のごとく染め上げた赤髪で、炎の術の化身といわれたほど。

つまり……。


『本物のかか様!!』

『生き別れの我が子!!』


と、シンパシーを感じたのか、ひしっと抱き合って、生みの親と秋天が思い込み、クリーナもそれでいいのか否定せず、そのまま受け入れた。

気が付けば、秋天の生みの親はクリーナということになって、クリーナの子供に収まった。

いやー、流石に学生のクリーナに子供は無理があるだろう。

というか、クリーナの爺さんひっくり返るぞ? と思ったが、養子をとることはままあるらしく、特に問題はないらしい。

ちゃんと養えるのであれば、だが。

そこは、クリーナの給料でもどうにでもなるし、そもそも俺の奥さんだからそういう心配はいらない。

つか、要監視対象だからな。かえって都合はいい。

暴れられる心配はほとんどないというわけだ。


「秋天のことは昨日今日でもう大体わかったわ」

「ん。秋天の心配などいらない。あの子を追いやったクソ共が悪かっただけ。あの子はとてもいい子」

「そうね。もう我が子同然。あなたもそう思うわよね?」


セラリアとクリーナはそう言いながら、俺を見てくる。

簡潔に言うと、秋天をどうこうしようとするなよという釘差しだ。


「わかってる。秋天はこれでいいよ。問題はノゴーシュだ」

「あの馬鹿がどうかしたのかしら?」

「だれ?」


クリーナにはすでに、名前で言っても認識されないらしい。


「剣の神だよ」

「……ああ。アーウィンとか言う人にあっさり斬られた、なんちゃって?」

「……本人の前で言うなよ?」


絶対荒れるからな。

本人は気が付いたらアーウィンに斬られていて、そのあと秋天がこの世に復活できるレベルで魔力の供給源にされたあと、放置されたという経緯があるからな。

……うん。どこに剣の神の要素があるよ? と言われると俺もなんちゃってと言いたくなる。


「大丈夫。彼には迷惑をかけない」

「あら? そうなの? だって、あの男とビッツが今回の騒動の元凶よ?」


セラリアが不思議そうに聞き返す。


「ん。そこには文句があるが、秋天と出会わせてくれたし、実質的な被害はないから、私としてはこれ以上何かしようとは思わない」

「なるほどね。確かに、今回は私たち以外のダンジョンマスターがいたってことを軽んじて起こったようなものよね。あと、嫉妬に狂った相手がいるということを甘く見ていた」

「ん。私たちもいろいろ忙しかったとはいえ。ユキに頼りすぎたというのも原因。彼がこれに対処するというまで、放置だった」

「そうねー。確かに人手が足りないとはいえ、諜報人員を回すことぐらいはできたわよね」

「ん。私たちも反省するべき点はたくさんあった。ドレッサたちの小さい諜報活動で得られた事実もあったのに、あきらかに私たちの怠慢とみるべき。だから、今回は騒動を大きくはしたくないという意向もあるから、私としてはこれ以上、ノ、ノ、ノゴーチと、ビッツには何か処罰を求めることはない」


とりあえず、クリーナにとってノゴーシュはノゴーチと呼ぶほど印象が薄いのはよくわかった。

まあ、あいつは自滅したって感じだしな。


「処罰云々はランクスのタイキの問題だし、表向きには宣戦布告したわけでもないから、ノゴーシュを勝手にどうこうすることもできないわよね。私としても、忙しかっただけで、実害はないに等しいから何もないわねー。そこのところはどうするつもりなのかしら、あなた?」

「今回、ウィードが実害をこうむったのはロシュールの小物経由で魔術の国、ドレッサたち追いまわし事件だけだからな。そこの長、ノノアとは和解が済んでいるし、あとはノゴーシュと和解できれば、問題はないんだけどな」


だが、そのノゴーシュとの和解が一番難しいんだけどな。


「それは難儀よね。あの脳筋。って、ユキ? なんで私を見ているのかしら?」

「いや、なんでも」


釘を刺しにくるってことは自覚があるんでしょうが、このバトル大好き嫁さんが。

というか釘を刺しに来たってことは、自分でどうにかしようと思っただろうが。

主に物理的な剣とかで。


「ああ、それで思い出したのだけれど。ノゴーシュと一緒に真っ二つになった童子切はどうなったのかしら? 盛大に叫んでたでしょう?」

「……ああ、あれね」


一番思い出したくないことを。

あの秋天とか、ノゴーシュとか、ビッツ輝虎とか押さえた後に、すぐに確認したのだが、見事に死亡確認。

刀身真っ二つ。

こりゃー、打ち直ししたら別物だよって感じ。

ナールジアさんに「くれない?」とか言われたりしたが、流石にやれなかった。

折れても、日本の宝。天下五剣の一振りであり、それを知っている俺たちには、……なんとかする義務があるのだ。

幸いなのは、島津一文字は無傷でもどってきたので、タイゾウさんのデストロイモードは収まっていたが、折れた童子切を見て青くなったのは俺やタイキ君と一緒だ。

とりあえず、回収はしたので、ルナを呼び出したのだが……。


『本当に面白いネタに事欠かないわね。童子切が折れて酒呑童子が復活したと思ったら、ユキが言った頭蓋骨でどうにかなるとわねー。まあ、持ってきた私が言うのも何か変だけど、よくもまあ、あたらしい顔だよ!! ってネタを思いついたわね。見てておなか痛かったわ』


どうやら、ルナはあの大混乱を見物していたらしく、笑いの種にしていたらしい。

あのクソ駄目神が下手に仕事を頑張ったから? いや、適当をしたからこんな面倒になったというのに……。


『ああ、折れた童子切なら適当に修復して戻しておくわよ。酒呑童子の荒魂については、八百万のやつらには四人組がどうにかしたといえば納得するしね』


くそー、俺の経歴にまた不本意なことが……。


『ま、大丈夫よ。これで博物館の職員の首が飛ぶとか、余所の国に盗まれたとかで外交問題になるようなことが無いようにしておくわよ。流石に、あっちの世界の火種はいらないから。漫画とか映画を見れなくなるのはこまるしねー』


くそー。理由が簡単すぎるのがしゃくだが、それだけ評価されている、漫画家や映画監督たちを褒めればいいのかよくわからん!!


「……とまあ、そういうことになったよ」

「……そう。結局、ほぼ童子切奪還については無駄骨だったわけね」


セラリアの言う通りである。

結局、ルナがどうにかしてしまったので、意味がなかったのだ。

はぁ、あの時の緊張感返せよ。

まあ、だからと言って、俺たちが童子切を返しに行けと言われても、そんな根性はありはしないので、今回のことは俺たちの中で封印されることとなる。

……ある意味、ルナの俺たちが地球に戻れないようにするための布石にも見えなくもない。


「ねえ。そういえば、いろいろ予定外のことが起こって忘れてたけど、レイの処刑はどうなったわけ?」

「ああ、あれは延期。トップのビッツ輝虎が捕まった?からな。ついでのノゴーシュも。囮としての役割は果たしたし、ちゃんと処罰するのであれば、城に戻ってということになるだとよ」

「そうね。それが妥当ね。ちゃんと正式にビッツとかレイの裁判をしないと、ランクス旧王家を支持していた連中が文句をいうでしょうし、逆にビッツという王家最後の一人も押さえたということを使って、そこら辺をまとめたり、処断するのにはいい材料よね。まあ、ランクスにとってはこれからがさらに問題というわけね」


そういうこと。

ランクスはこれからが問題だ。

ビッツが捕まったことで、ランクス旧王家支持派は最後の希望を失うことになる。

しかし、逆にチャンスでもある。

ビッツやビッツの両親、つまり前国王や前王妃を再び返り咲かせることも立ち回り次第ではできるのだ。

王家の連中は現在のランクスでは隠居という扱いになっている。

謀反で王座を追われてはいるが、命はあるという状態なのだ。

普通は、火種になるのだが、今までやっていたことがことなので、旧王家支持派はとても少なく、周りの国や、大国ガルツもタイキ君支持なので、うかつに文句を言えない状態。

殺してしまえば、復讐という怒りで旗揚げも可能だったろうが、生かされたことで人望などまったくなく、旗揚げすらする能力もない連中なので、ある意味いい塩梅となっている。

そこに最後の一人であるビッツが加わることで、何かしら動きがあるとみるが、あんまり派手なことにはなりそうにない。

ビッツ自身がすでに輝虎と体を共有していて、輝虎の方は、俺たちにやたらと協力的だからだ。

まあ、同じ日本人だからな。

輝虎にはビッツの置かれている状況を詳しく説明して、輝虎がビッツと話し合うとかなんとか言っている。

輝虎としては依り代を失いたくはないから、頑張るみたいだ。


「ともかく。これで、ようやく当面の早急な対応が必要な問題は終わったわけね?」

「そういうこと。年末寸前でようやく終わった……。はぁ、師走というだけあって、すぐにクリスマスとか、年越しの準備とかでウィードは忙しいけどなー」

「いいじゃない。ウィードで子供たちとのんびりできる時間ができたんだから」

「それもそうだな。じゃ、ウィードの仕事を頑張るかー」


どうせ今年も3国のトップが遊びに来るのだし、そこらへんでまた大忙しなんだろうけどな。

嫁さんたちのほとんどは、各部署のトップからは退いているし、ウィードを作ったころよりはマシかな?


まあ、今年のラスボスはノゴーシュやビッツではなく、年末と年越し準備のようだ。

ああ、その前に、今回の顛末のまとめは必要だった。

はぁ、メンドイ。






普通に秋天は養子として生きていくことが決まり、容れ物だった童子切はもうルナに任せることになったとさ。

結局、骨折り損のくたびれ儲けというと違うかもしれないがそれには近い。

世の中、頑張ったとしても報われることがないという一例。


で、相談がありまして、実はすでに27日分までのお話あと5話分はストックがあるのですが、それをやると、残り話数と考えると、年末の落とし穴がちょっと足りません。

よければ、本編は一応決着がついているので、落とし穴を挟んでもいいでしょうか? 

物語のまとめがちょっと中途半端になりますが、まあ本になるときがあれば修正されていると思います。


最後の奥の手は、ストックを全部一日で放出すればいいじゃん!!

という案もありますが、俺の年末休みがなくなるので、なるべく遠慮の方向で。

マイクラののんびりプレイ動画をyoutubeでやってみクリスマスから年末にかけて作ってみようかなーと思っておりますので。

そこで、ぶらぶらと意見を集めつつ、建物作ったりとか冒険したりとか、してみたいという妄想があったりなかったり。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 酒呑童子の件が面白かったです。 [気になる点] 嫁さんズとの睦言を連想させるシーンが少なくなって読んでてストレスが減りました。 [一言] 飲む、食う、箱根駅伝、寝る以外はこの小説を読んで三…
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