第454堀:考察 酒呑童子といふ者
注意:酒呑童子の考察は、文献から考察した勝手な解釈です。
文献でも出生などはかなり散逸、諸説ありますので、どれかを支持するという意味ではありませんので、ご了承願います。
考察 酒呑童子といふ者
一霊四魂 いちれいしこん
こういう言葉がある。
意味は、人の魂、心は、天と繋がる一霊「直霊」(なおひ)と4つの魂から成り立つという日本の思想である。
一般的なわかりやすい解釈としては、神や人は4つの魂を持っていて、「荒魂」(あらみたま)、「和魂」(にぎみたま)、「幸魂」(さきみたま)、「奇魂」(くしみたま)、がありそれらをまとめる「直霊」という一霊がコントロールしているという思想。
荒魂は活動。
「勇」は荒魂の機能であり、前に進む力である。勇猛に前に進むだけではなく、耐え忍びコツコツとやっていく力でもある。行動力があり、外向的な人は荒魂が強い。
和魂は調和。
2つ目の魂の機能は和魂であり、親しみ交わるという力である。その機能は、1字で表現すれば「親」である。平和や調和を望み親和力の強い人は和魂が強い。
幸魂は幸福。
3つ目の魂は幸魂であり、その機能は人を愛し育てる力である。これは、「愛」という1字で表される。思いやりや感情を大切にし、相互理解を計ろうとする人は幸魂が強い人である。
奇魂は霊感。
4つ目は奇魂であり、この機能は観察力、分析力、理解力などから構成される知性である。真理を求めて探究する人は、奇魂が強い。
これらを担うとされている。
やや、わかりずらいが、心はこの4つに分かれるという考え方で、これを司る、一霊を通常であれば直霊。悪という概念に偏るのであれば曲霊と呼ぶ。
Side:セラリア
そんなことをつらつらとホワイトボードに書き連ねているのは、我が夫、ユキである。
「ねえ。確か私は、酒呑童子の説明を求めたのよね?」
そう確か、私は今回一番問題になりそうな、酒呑童子のことを聞いたのだが、荒魂ってなに? から、ここに至ってしまった。
日本の独特の概念ってすごいわね。
心はどうやって成り立っているのか? なんてことを考えてこういう一霊四魂という考えを編み出した。
確かに、これは理にかなっている気がする。大陸の五行思想もだ。
地球はこういう内面のことも進んでいるのだなーと思う。
……面白い話ではあるが、そんな話を聞きたいわけではない。
「酒呑童子の説明にいるんだよ」
「封印されている荒魂のことよね? これを見るに、ただの活発な魂としか思えないんだけど? これがなんで暴走するのよ?」
「この荒魂は、良い意味でいえば活動的や勇気を示す言葉だが、ことこういう場合には、暴力性、残虐性を示す言葉になる。神様の荒魂を鎮めるっていうのは、そういった怒りによる災害を止めようという考え方からだ」
「つまり、封印されている酒呑童子は暴れん坊の魂が封印されているってわけね?」
「そういうこと。本来であれば、あと三つ。和魂、幸魂、奇魂があって心は完全なバランスを保っているとされている」
「つまり、荒魂しかないから、そもそも話し合いなんて通じないってこと?」
「そういうこと」
「野生の魔物と特に変わらないんじゃない?」
動物や魔物と一緒で襲ってくるって話にしか聞こえないのだけれども。
「それが違う。基礎能力は四魂に分散されているとされるから、荒魂一つでは性能も落ちているだろうが、荒魂は主に暴れる、恨みを晴らす方向で動く。つまり、人の多いところを狙って動く」
「ああ、縄張りとかはなくて、人を襲うだけの怪物になるわけね」
「そういうこと。感情の制御ができないだけで、力や知識、考える頭はそのままあるんだよ」
「聞く限りは、恨みで動く見境のない人間って感じね。でも、それは力がないと駄目じゃないかしら? そもそも、酒呑童子の力というか戦力を聞きたかったのだけれど? 当時の日本の有名な侍たちが相手でも寝首を掻くのがやっとだったってのは、あなたから聞いたわよ?」
問題はそこ。相手の性格だろうが、荒魂だけだろうが、強さがわかれば対策を立てられる。
私としては、おもしろいものが転がり込んできたとすら思っているわ。
だって、日本の伝説に名を遺した侍たちが、不意打ちするしかなかった魔物がいるなんて、ワクワクしないかしら?
そんな期待の顔をしたのがいけなかったのか、夫はしかめっ面をする。
「……これだからちゃんと話しているんだよ。いいか? 基本的に物理攻撃は無効、術にも非常に耐性があって、炎の化身とかいう逸話もある」
「なによそれ? ならナールジアの特製剣でぶった切ればよくないかしら?」
「ちょっとはそのバトル思考から離れろ。酒呑童子の悪逆の中で一番有名なのが、貴族の姫を攫って側仕えにしたり、生きたまま食ったとか言われている」
「女の敵じゃない。やっぱり封印じゃなくて、殺さないと」
ただの魔物以下のクソ盗賊の外道じゃない。
「そこがおかしいんだよ」
「どこがよ?」
「女を側仕えが」
「どうして?」
「なんで、人の理から外れている鬼が、女を食料や繁殖以外の目的で側仕えさせているんだ?」
そういわれるとそうだ。
「でも、伝説なんてそんなものでしょう? やり口から見て盗賊だったとか言う話じゃないかしら? 女を攫うなんて、典型でしょう? あからさまに後世に残すには盗賊に好き勝手暴れられましたーってのは恥だし。とても強い魔物がいましたってことにしたんじゃないかしら?」
「で、その盗賊相手に、有名どころの5人が集まって寝首を掻いたか?」
「……敵が多かったんじゃないかしら?」
当時の英雄たちだって頭を使うでしょうし、多勢に無勢なら寝首を掻いて首領の首を取る方がいいってわかるわよね。
「そんな相手が、竜宮城のような……っていってもわからないな。立派な屋敷に住んでいたって話もある」
「どういうこと? 立派な家に住んでいた?」
「酒呑童子の話を調べるとな。出生は諸説あれど、結局、大江山で立派な屋敷や館を構えるって話になるんだ」
「それはますます、酒呑童子が人であったって話につながるけど、それじゃ……」
そういって、夫の言わんとするところに気が付いた。
「つまり、酒呑童子は当時の権力争いで邪魔になった人物ってことかしら?」
「頭の回転早いなー」
「私も、そういう身分の出だからよ。しかも当時の京の都って、日本の首都よね?」
「まあ、首都って呼ぶにふさわしいかよくわからんが、天皇がいたことは間違いないな」
「……はぁー」
夫の話している事実を聞いて、私もため息が出た。
「なに? まさか、酒呑童子は当時の天皇家の血筋である可能性もあるってことかしら?」
「さあ、詳しいことはさっぱりだしな。でも、今までの話からそういう可能性もあるかなーってな」
「可能性大よ!! わざわざ、討伐を命じたのは都でしょ? しかも、大江山に居城があるって知っていた。つまり、大江山に追いやったのよ。だから、堂々と都で人さらいができた。もともと都の人間だから。というか、それすらも怪しいわね。当時の都は、大江山に追いやった酒呑童子に人が付いて行っちゃったんじゃないかしら? だから、悪評をつけたって方が納得いくわ。わざわざ、酒の席に同席させてもらえたんでしょう、その5人の侍は?」
「そうそう、その席で毒酒を飲ませて寝かせて首を斬ったって話だな」
「どう考えても、京からの使者ってことで迎え入れたにきまってるじゃない!! 話し合いに応じるつもりだった人をお酒で眠らせて、首を斬ったわけ!?」
「まあ酒呑童子は首だけになって、だまし討ちをした、源たちに……、鬼に横道はない。鬼にも劣る所業をするお前らは一体なんだ。って言葉を言ったぐらいだからなー」
「……どう考えても、当時の権力争いじゃない。姫しか攫わなかったって話も納得よ。攫われたんじゃなくて、大江山の方に付いたんでしょう? 婚姻関係を結ぶには京の連中より大江山の方がよかったって話」
「やっぱり、セラリアでもそう考えるよな」
「……この話を聞いて、この回答に行きつかない王侯貴族がいたら、速攻、平民に落とすべきね」
「そのあと、首は懺悔して、今までの罪を悔いて、病気を持つ人々を助けることを望んだため、京まで首は持ち帰らず、埋葬したって話だったな。今では首塚大明神って話で、病気に霊験あらたかだとかなんとか……」
「それは、どう考えても、首を斬った5人がいたたまれなくなって、その地に埋葬したんでしょう。そして、酒呑童子がなんで大江山に追いやられたのかは、病気だったんでしょうね……」
そうでもなければ、わざわざ病気なんて限定しなくていい。
戦勝だとか、幸運でもよかったのだ。
「さて、この話を知ったうえで、酒呑童子の復活に賛成か?」
「……いいえ。本人としても不本意でしょう。そんな怪物として暴れまわるのは」
そんな相手を斬る気にはなれない。
はぁ……、やる気が萎えたわ。
「その童子切安綱は国宝クラスだったわよね?」
「ああ」
「もう、それは国が認めているようなものじゃない。その刀はまやかしではない。立派な人を斬った刀として、祭っているんでしょう。神刀であり妖刀とはよく言ったものね」
……でも、少し妙なことに気が付いた。
「ねえ、酒呑童子が人だったのなら。なんで鬼とか、あなたがいう物理無効とか変な力があるわけ?」
そう、地球には魔術はないはずだ。
「いや、今は俺の知る限り一般にはないだけで、裏にはあるかもしれないし、さらに昔のことだしな。当時は歴代最高と言われる陰陽師の安倍晴明とかいう、こっちで言う大魔術師みたいなのもいたしな。そういう力があったのかもしれない」
「……つまり、あなたは、相手がどんな力を使うか全く把握できないから、復活反対ってわけね?」
「そうそう。ルナに聞く限り、五行術とか、陰陽道での力の行使は可能とかいってるし、マジでそういう力があったと思うべきだろう?」
「それは確かに、復活は阻止したいわね」
相手の力がさっぱりわからないのはいただけないわね。
そういう意味でも復活はさせたくないわね。
「正直、面倒極まりないから、さっさと回収したいんだよな」
「そうはいっても、今はビッツかノゴーシュの所なのよね」
間違っても、封印が解けるようなことにならないといいけど……。
流石に、かりにもダンジョンマスターと剣の神、そう簡単に乗っ取られたりはしないでしょう。
一か月先の処刑で動きをみて、それから押さえに動いても間に合うでしょう。
そう思っていたのだが……。
『主様。霧華です。本日は剣の国の公開試合を見学、監視していたところ、ノゴーシュが刀をもって登場し、ミノタウロスを一刀両断にするという演出を行いました。映像は送りましたので、ご確認していただければわかると思いますが、私としてはすでに刀に乗っ取られているような感じがします。モーブさんたちも同意見です。処刑開始を早めることを提案いたします』
そんな連絡が、夫に届いていた。
何事も上手くはいかないけど、今回ばかりはかなり後手に回ったわね。
前書きでも書きましたが、これはフィクションであり、文献から考察した、この物語に合わせた勝手な解釈です。
そこのところをご了承ください。
さて、それを前提に、酒呑童子の話には共通して不思議なことがあったのでこういう解釈となりました。
曰く、大江山に館があるとか、わざわざ話に応じたとか、姫をさらったとか、これは知恵ある者の行動であり、しかも人を知りうるからこその行動といえるでしょう。
そういうわけで、勝手ながら当時の権力争いの一環としての話として扱わせていただきました。
ご不満のある方々もいるとは思いますが、こういう方向で酒呑童子は扱いたいと思います。
あと、荒魂。一霊四魂ということに感想を入れられた方もいましたが、神であれ人であれ四魂が存在するという前提になっておりますので、そこのところもご納得いただければと思います。
最後に、難しい話はいいとして、ポケモンサンをやってて思うこと。
俺は古いポケモントレーナーなんだろうなー。
理由として、手持ちポケモンは最初にもらえる御三家の一人、ジュナイパー以外、初代俗にいう一世代ポケモンで固めていたからです。
バタフリー:複眼の強烈な状態異常付与 ウィンディ:昔から変わらずの炎ガチポケ パラセクト:チートきのこ胞子とみねうちで捕獲要員 ニョロボン:水格闘とたくましいやつ ピカチュウ:ボルテッカーがあるから侮れん
自分でも後半になって気が付いて、サブポケもゴーストだったり、フーディンだったり、うわー俺初代派なんやー。と心から思いました。
あと、Z技とかつかったことねー。普通に倒して進んでるのもあれだなーと思う。
最後に、こやって酒呑童子とポケモンと忙しいですが……明日はGジェネジェネシスが発売です!!
セイバーフィッシュという戦闘機が復活です!!
まあ宇宙世紀100年までという狭い範囲のGジェネで不満が多いですが、こういうマイナー復活なので俺としてはうれしい限りです。
セイバーフィッシュ部隊を作って、オリジナルキャラに「メビウス1」「ガルム1」「グリフィス1」「ガルーダ1」「スカーフェイス1」とかを乗せたいですね!!
戦闘機でMS撃破はロマンと思いませんか?
無論61式戦車での撃破もいいものです。
では、長くなりましたがまた次回。
あ、ゲームはほどほどに?
いやー、なにいってんですか。命を削ってやるものですよゲームは。




