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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 エクス王国編

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第395堀:演習前の癒し

演習前の癒し




Side:ヒフィー




「ほう。これは中々強力な魔物たちだな」


ノーブルは私たち……、いえ、ユキ殿たちが用意した魔物軍を見て感心しています。

それはそうでしょう。

ここにいるのはユキ殿の直下の魔物たちなのですから。


「しかし、これだけで足りるのか?」

「それの実験でもあります。ミノタウロスを主軸とした部隊ですから、ゴブリンやオークと比較して単純に10倍20倍は力差があるでしょう」

「なるほどな。1000ほどいるのであれば、これだけで1万の兵力になるということか」

「そういうことで、ノーブルには最低でも10倍は兵を用意してもらわなければいけませんができますか?」

「質か量かということだな。幸い私たちは量をとって魔物たちを集めていたからできる。が、無論、我も負ける気はないぞ? いいのか? これほどのミノタウロスが死体になってしまって?」

「この程度で負けるのなら、世界など無理に決まっています。そちらの魔剣の材料にした方が良いでしょう」

「確かにな。我の所もこの程度で敗れるならそれだけだったということだ。手加減は無用ということだな。お互い」

「そうですね。全力でお相手しましょう」


私がそう言うと、ノーブルは真剣な顔になり頷く。


「しかし、我にこの戦力を見せてよかったのか? 我の兵を見なくてよいのか?」

「軍神が戦力を把握して負けるなら、私たちが協力する必要性は感じません。勘違いしているようですが、力を把握したがっているのは、ノーブルだけではありません。私も見ているのです」

「分かった。軍神と呼ばれた力。ヒフィーに見せてやろう。完膚なきまでに倒して見せよう。昔のように勇者に頼り切りではないぞ?」

「楽しみにしています」


そう言って、ノーブルは自分の準備のため、私たちの陣地から離れます。


「いやー、存分に挑発したね。あれで、なんとしても潰しにかかると思うよ。あっはっはっ……!!」


笑いながらミノタウロスの間から出てきたのは、コメットです。


「……楽しそうでなによりですが、ちゃんと仕事はしたんですか?」

「勿論さ」

「だといいのですが。報告をお願いします」

「つれない言い方だね。ま、いいか。とりあえず、各部隊からの報告は準備完了だそうだ。というか、既にスティーブ君たちはダンジョンアタックを開始している。予定通りに進行中とのことだよ。霧華も動き出しているし、エリスたちも城からわざわざ城下見物ということで離れて、いつでも撤退できる状態にしている。あとは私たちが動き出せば、完璧というやつだね」

「そうですか。で、私たちと一緒に行動する魔物軍の準備はどうなっているんですか?」

「そっちは私から説明することじゃないね。頼んだよ。ミノちゃん」


そうコメットが言うと、ミノちゃんさんが他のミノタウロスの後ろから出てきます。

……流石はユキ殿の直臣といわれている魔物です。

直接顔を合わせるのは初めてですが、体からにじみ出る魔力、その体格からの威圧感。どこから見ても威風堂々。

これが、スティーブさん、ジョンさん、スラきちさんと同等といわれる四魔将の魔物ですか。

恐らくは、このミノちゃんさんが魔物の中で一番の実力者。


「ども、ヒフィーさん。今回、この作戦指揮を任されることになったミノちゃんと申しますだ」

「は?」


余りのことに声を出して驚きを表してしまった。

だって仕方がないじゃないですか。

恐そうだと思っていたのに思い切り頭を下げてきて、しかも田舎訛り。

不思議すぎます!?


「えーと、コメットさん。何か、ヒフィーさんおでれいてるだども……」

「気にしなくていいよ。どうせ自分のイメージと離れていたから不思議だったんだろうよ。ごめんね、ヒフィーは頭が固いから」


頭が固くてわるかったわね!!

でも、ミノちゃんさんはこちらの様子をうかがって、またコメットに振り向きます。


「あー、やっぱり、おらの喋り方へんだべ?」

「全然変じゃないよ。田舎訛りなんてどこでもあるさ。特に馬鹿にしてるとかじゃないから、もうほっといてそのまま話を進めてくれていいよ」

「そう、だべか?」


なんかすごく繊細なんですけど!?

コメットはフォローしてるけど、絶対自分の訛りを気にしている様子です。


「あーもう、ヒフィー。ミノちゃんに謝りなよ。いじめ、カッコ悪いよ」

「誰がいじめてますか!! ただ、丁寧な物腰に驚いていただけです。失礼しました。てっきり、スティーブさんたちのような武闘派が来られるかと思って身構えていましたので……」

「ああ、なるほどなー。スティーブたちは荒っぽいもんなー。と、では改めて、初めまして、おらが今回の作戦指揮を執ることになっているミノちゃんと申しますだ。じゃなくて申します。ヒフィーさんよろしくお願いします」

「はい。ご丁寧なあいさつをどうも。ミノちゃんさん、初めまして、こちらの大陸で神をやっておりますヒフィーといいます。今回はこのようなことになりながらも、力を貸していただき真にありがとうございます」


ほっ、丁寧な方で安心しました。

こちらの意図を無視して暴れる可能性もあったのですから。


「で、早速ですが、軍の状態はどうなのでしょうか?」

「はい。既に準備は終わっていますだ。号令1つで攻撃開始できるべ。あとは敵の戦力をどうやってこちらに継続的に引きずりだすかだべ。あと、ノーブルの監視もだべな。万が一にもこの場から動かすわけにはいかないべ。他の皆が危険になるべ」

「なるほど。とりあえず、継続的に引き出すためには、なるべく短時間で倒していただきたいです。彼の性格上、一瞬で負けたりする方が精神的に堪えるでしょうから。ノーブルの方は私とコメットが横で一緒に観戦していますので、逃がすつもりはありません」

「了解したべ。なら……」


ミノちゃんさんが何かを言いかけた時点で私が待ったをかけて、話を続ける。


「しかし、この前提には勝つということがいります。……聞きますが、相手の軍に押し負けるようなことはないのでしょうか? いえ、決して馬鹿にしているのではなく、確実な勝算があるのかと。あなた方は私の配下でも部下でもありません。無理に命を散らすようなことを強要するつもりはありません」

「聞いていた通り優しいお人だべな。ま、そこら辺はやってみないとわからないべ。戦争ってのはそう言うもんだべ。数字だけですべてが決まるわけじゃないべ」

「それは、そうですが……」

「ということで、おらの話の続きだべ。とりあえず、大将から使用許可を貰った兵器や魔術の一覧だべ。これで敵さんをどうにかできると思うか確認してほしいべ」


ペラっと一枚の紙を渡される。

そして、私は固まった。


「コメットさんもどうぞ」

「どうも。さてさ……」


コメットも固まった。

だって……。



拳銃、アサルトライフル、手榴弾、RPG、携帯式ロケットランチャー、ミニガン、トーチカ、多連装ミサイルランチャー、戦闘用火炎放射機、指向性地雷、試作レーザー兵器、装甲車、戦車、ナールジア武装兵器群、戦略級魔術、戦術級魔術等々……。



……国を亡ぼすつもりですか。


「どうだべ?」


しかし、ミノちゃんさんはいたって真面目のようです。

確かに、戦場は何が起こるかはわかりません。

しかし、しかしこれは、ノーブルの軍神としてのプライドが木っ端みじんになるのではないでしょうか?


「問題があるべ?」

「あー、いや、確かにこれだけあれば安心だよ。でも、ヒフィーを見てわかると思うけど、多分過剰だと思う。ミノちゃんたちが心配して、ユキ君も万が一を懸念して使用許可を出したというのは分かる」

「やっぱりだべか。コメットさんの言う通りとりあえず持っていけって言われただべ。あんちゃんからこれを全力使用することがあれば、撤退しろって言われているべ」

「そうだろうね。というか、そんな状態になれば撤退できるかも怪しいかもしれないけどね」

「だべな。向こうも同じような兵器を持っているってことになるべ。その時に無傷で撤退するのは厳しいべ。とりあえず、使用制限はどうするべ?」

「うーん。と、ヒフィー、いつまで固まっているんだよ」

「はっ!? え、えーと、とりあえず、魔術は一般的な物だけで、戦略級、戦術級はここら一帯が消し飛びかねませんし、兵器もミニガンまでですね。トーチカとか戦車とかも火力がありすぎだと思います」

「ヒフィーの意見に賛成だね。その火力になるとダンジョンがどうなるかわからないし」

「おらも同意見だべ。ま、これらは最終手段だべな。じゃ、そこら辺を通達してくるべ」

「はい、お願いします」

「がんばってねー」


そう言って、ミノちゃんさんが背を向けて離れて行ったのですが、途中でぴたりと止まり。


「そういえば、一個聞くの忘れてたべ」

「なんでしょうか?」

「なんだい?」

「ナールジアさんの武装兵器だども……」

「えーと、よくわからないのですが、コメットは……」

「駄目だよ。ナールジアの武装兵器とか、こんなところで使うもんじゃないよ」


コメットに聞こうとしたら即答された。


「やっぱ駄目だべか」

「駄目に決まっているよ。確かに火力としては戦車とかの方が上だから、ナールジアのを使ってもいいじゃないかと思うけど、武装型兵器は一個一個、ナールジアの趣味で作られている。つまり兵器としてバラバラの性能なわけだ。それを全部把握したうえで使うわけじゃないんだろう?」

「実験してほしいって頼まれたべ」

「なら使用は絶対ダメだね。下手をすれば自滅しかねない。少数パーティーならともかく、軍隊ではバラバラな火力の武器なんて邪魔でしかない」

「あんちゃんと同じ意見で助かったべ。まあ、こっちも乱戦になれば使っていいとは許可を貰ってるべ」

「ああ、乱戦になればこれ以上強力な武器はないだろうね。そうなれば最悪ミノちゃんとか幹部クラスは普通に生き残れるだろう」

「……それほどなんですか?」

「「それほど」」


……世の中はやっぱり広いです。

コメットが断言するほど危険な物を作れる人がいるなんて。


「と、じゃ、おらは指示に戻るべ」


そう言ってミノちゃんさんは今度こそ魔物たちの中に消えていきます。


「さーて、もうこの演習、寝てていいんじゃね?」

「そう言うわけにはいかないでしょう。多くの命がかかっていることには間違いないのです」

「いやー、だってさ、私、ノーブルが唖然とする顔みて笑わずにいられる自信がない」

「我慢しなさい。寝てたら、ミノちゃんさんに流れ弾を要求しますよ?」

「絶対にやめてよ!? 死ぬから!?」

「とりあえず、観戦位置まで戻りましょう。ミノちゃんさんには準備ができ次第、開始位置に着くと言っていましたし」

「了解。はぁ、笑わないとかきついなー」



そして、観戦位置に来ると、既にノーブルは待っていて、横にはひょろっとした男性が立っていました。


「そちらの準備も整ったようだね」

「ええ。で、其方の方は?」

「ああ、紹介しよう。我が魔物軍の根幹を作ってくれた、魔道具技師のビンゾだ」

「どうも初めまして。ノーブル陛下と同じ神のヒフィー様。今日はよろしくお願いいたします」

「え、ええ。よろしくお願いいたします」


何かとても気持ち悪い。


「ふふっ、で、其方が天才コメットだったモノですね」

「……黙りなさい。私の友を侮辱することは許しません」

「これは失礼いたしました。しかし、感謝いたします」

「……なんのことでしょうか?」

「貴女様から死体を利用すればいいと教えてもらいましたので。ここまで陛下の軍は強くなりました」

「どういう……」


そう言いかけて、ノーブルの軍を直視した瞬間口を押さえました。


「うっ……」


腐ってる? 生気を感じない。あれはアンデッド……。


「なんて、事を……」

「おやおや、合理的な判断ですよ。魔石をとった死体を再利用してるだけです。そちらのコメット殿と同じようにね」

「やめい。ビンゾの失礼な態度には謝ろう。しかし、これは私が命じたものだ。甘さだけでは世界は救えない」

「……ノーブル」

「覚悟は遥か昔にできている。間違っていると思うのなら、まずはあの不死の軍団を止めてみせてからだ。力ない者は従うしかないのだからな」


貴方はそこまで……。


「……ノーブルの覚悟はわかりました。ならばこちらも全力で当たります」

「そうかならば始めようか。ビンゾ、旗を倒せ」

「はっ!!」


そして、開始の合図である旗が倒され……轟音が鳴り響いた。




さて、既にギャグになりつつあるが、まだ、やらせはせんよ!!

あと一回だけ、真面目に戻ります。


そのあとは、皆の今までこの小説でためてきた知識を再確認することになるので、予習、復習をしっかりとお願いします。


最後にミノちゃんが頑張っている今日の話ですけど、晩御飯は焼肉の予定。

ミノちゃん、美味しくいただきます。



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