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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 エクス王国編

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第365堀:供給源

供給源





Side:ユキ




世の中、予定通りに物事が進むことが稀とはいえ……。


「訓練中にドッペルと入れ替える作戦は中止、即座にモーブの宿屋に行って、ドッペルと入れ替えで、あのドレッサって白髪ショートの褐色姫さんを連れてきてくれ。霧華を中心に3人は護衛につけ。ばれる可能性も考慮しておけ」

「了解しました」


そう言うと、すぐに霧華が離れて行動を開始する。

ま、陽動もいくつか入れているし、霧華に追手がかかるとは思えないけどな。

だからと言って慢心は危ないからな。

慢心、駄目、絶対。


「で、あれから何か情報は引き出せたか?」

『全然。遺跡に連れていかれてそれっきりってだけだ。というより、錯乱してるな。アーネって、名前らしきものを呼んでいるから、友人か誰か知らんが、連れていかれたんだろうよ』


まあ、見た目がシェーラより少し上ぐらいだからな。

リエルやトーリよりも下。多分、中学生ぐらいじゃね?

ま、異世界の成長率とか、外国人の成長率は日本人に比べるとかなり違うので、案外シェーラとかラビリスと同じ年だったりな。

流石に、あのサイズでアスリンやフィーリアと同じぐらいだったら驚くわ。

普通に胸は膨らんでたしな。ラビリス>ドレッサ>シェーラって感じ。

……あれ? 俺って胸の大きさで、年齢測ってたってことにならね? 最低? いえいえ、直感的なものだったし、胸の事実に気が付いたのは後だから俺はどう見ても変態ではなく、紳士の中の紳士。


『……って、ことで、とりあえず今は寝ている。あんまり騒いでも目をつけられるしな。で、ドレッサの話をどう思う?』

「ん? 遺跡ってところか?」

『ああ。どう見ても……』

「十中八九、ダンジョンの事だろうな。そして、遺跡に働き手を連れて行って、DPの供給源にしているんだろうな。手紙で来た潤沢なDPにも納得がいくわ」


というより、今までなんでこの手を他のダンジョンマスターたちが使わなかったのか不思議なぐらいだけどな。

いや、非常に実現化するのはめんどいけど、ルナの名簿には少なくとも1000人以上はいたし、俺や、エクスの覇王さんみたいなやり方を実践していてもおかしくないんだけどな。

……ルナの言う通り、全部が全部、馬鹿ばっかりだったとかないよな?


『なあ? 手紙ってなんだ?』

「ああ、そう言えば言ってなかったな。そっちに、霧華が着くのにも時間があるし、説明しておこう。モーブたちがエクス王都に着く着かないぐらいの時に……」


ということで、ヒフィーとコメットが、別ルートでエクス王都に向かっていることを説明する。


『なんというか……』

『敵の正体がある程度割れているのはありがたいが……』

『どうにも、こっちに有利過ぎで、不安になりますね。いえ、ユキたちの推測が外れているとは思わないのですが』

「ま、カース。それぐらいが丁度いい。絶対なんてないんだから、そっちの視点で気が付くこともあるだろうよ。だから、多方面から寄せ手は増やしているし、逐次情報の収集はしている。遺跡の件についても、また別方向から情報の収集がいるだろうな」


一方の情報だけで確定するほど俺も盲目にはなっていない。

情報を多方面から集めて、精査して、確実に潰す。

迂闊につつけば、蜂の巣みたいに大騒動だからな。

そうなれば、最悪、新大陸放棄になりかねない。

ここで苦労して得た人脈やデータ、実験場を無にされてたまるか。


『……なんかまた悪い顔してんな。ま、そこら辺はお前に任せた方がいいのは知ってるから口はださないけどよ。多方面からの情報っていうと、俺たちが別の奴隷を追加で引き取った方がいいか?』

「あ、それはなし。お前ら、ドレッサを買った時でかなり金額使っただろう?」

『いや、かなりではあるが。お前から貰った総量からすれば端金だぞ?』

「今のモーブたちの立場だと、それ以上大金を使うのは、やめておいた方がいい」


俺がそう言うと、カースが真っ先に理解を示した。


『なるほど。私たちがお姫様を手に入れられたのは、あくまでも今までの貯蓄ってことですからね。これ以上、散財するとどこからお金が来ているのか、などと目を付けられますね』

「そういうこと。余っている分のお金は、モーブたちの状況によって、エクス王都の商店の買収とか、裏組織の引き入れの為のお金だからな。その場合は、モーブたちが目立つってことだからいいんだが、まだその時じゃない」

『まだ俺たちはあくまでも、冒険者……じゃなくて、傭兵ってことだな』


ライヤも分かってくれたが、まだ、冒険者と傭兵の呼び分けには慣れてないみたいだ。

ま、長年冒険者やってりゃそうだよな。

いきなり、勤めてた会社が吸収合併されて、名前を変えまーすって言われたようなものだ。

新しいお客さんや取引先には、しっかりと新しい会社の名前で対応しないといけないし、昔からの付き合いのお客さんや取引先には、昔の名前で呼ばれても対応しないといけない。

非常にめんどくさいし、書類の書き間違えなんてよくあるし、電話対応も常時していないのであれば、とっさになんて言っていいのかわからなくなったりする。


「ということで、奴隷からの情報は霧華とか別ルートで王都に侵入している奴に任せて、そっちは、ロゼッタ傭兵団とか、同業者から話を聞き出すことに専念してくれ」

『分かった』


で、長々とコール越しに色々話していると霧華たちが到着して、モーブたちの部屋にやってくる。


『到着しました』

「周りの状況はどうだ?」

『モーブさんたち同様、監視されているとは思えませんね。私たちと別れた陽動の方にも監視はないようです。魔力遮断のペンダントが上手く機能しているということでしょう。今のところはと言っておきますが』

「そうか。なら、その幸運が続いている間に、ポイントBまでドレッサを頼む」

『了解しました』


霧華はそう言って、ついてきたドッペルに目配せをすると、ドレッサに近づいて変身する。


『おおー、ドッペルの変身ってこうやってるんだな』

『俺たちの時は既に用意されていたからな』 

『なんというか、粘土細工みたいなものですかね?』


そう、ドッペルの素の姿はなんというか、マネキンに近い。

素の姿は遭遇した時に見るのだが、変身のシーン、実は謎だと今まで言われていた。

見た人がいないからな。

でも、ウィードでの魔物研究所ができてからはそこら辺の謎が色々解明している。

いや、ドッペルは俺が身代わりとして使いはじめたから、魔物研究所とかウィード以前に知っていたけどね。

で、変身が見られない理由だが、……変身には時間がかかるのだ。

だから、時間のある時にしか変身できない。

ごく単純な理由なのだ。

俺が、姿形の違うドッペル、キユの姿を作るのにも苦労したように、ドッペル本人も、本物と似せるのは大変ということ。

世の中、世知辛いということである。

で、最後の調整が終わったのか、こちらに向き直るドッペルドレッサ。

うん、なんか名前が被ってる気がしないでもない。文字似ているし。


『どうですか?』

『はい。動く分には問題ありません。モーブさんたちの訓練に混ざって、調整は行っていきます』

『よろしい。ドレッサ姫の代わりを頼みます』

『了解です』


ビシッと敬礼をするドッペルドレッサ。

こういうのを見ていると、やっぱりドッペルを自由に使役できるってことは知られるわけないは行かないよな。

世界中大混乱になるわ。

必要最低限にしておこうと、心から思うわ。


『ドレッサ姫は起こして説明した方が良いでしょうか?』

「……自分がもう一人いる状況をみて大混乱しかねないから、そのまま連れて来い。そこでまた叫ばれても、怪しまれるし、周りに迷惑だ」

『了解しました。では、モーブさん、ライヤさん、カースさん、ご武運を』

『そっちも気をつけてな。その姫さんじゃじゃ馬だぜ』


そうモーブが言うと、霧華はサッと音もなく、部屋を出ていく。


『で、ユキ。このドッペルはどれぐらいの実力なんだ?』

「あー、レベル的にはお前等の半分ぐらい。剣槍弓、銃器の扱いもできるし、アイテムボックスに物資も持っているから、足手まといにはならんと思う」

『まだ、体に慣れていませんので、ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします』

『なるほどな。ま、明日からの訓練でやるって話だ、何とかなるだろう』


素のドッペルの時から、身長が低くなっているから、やりづらいだろうな。

本来なら、スキルまでコピーして動きも取り入れるんだが、レベルが3のドレッサ姫の能力コピーなんて意味ないから、素のドッペルが訓練して手に入れたものになっている。

追加上書きできないのが残念だよなー。

いや、まあ、追加上書きなんてできたら、ドッペルのドッペルとかで、スキルを簡単に計上できてしまうから、そういう意味でのバグ阻止みたいな意味もあるんだろうが。


『そういえば、ユキ。お前、霧華に撤退ポイントBって言ってたよな?』

「ん? そうだけど、どうかしたか?」

『いや、一番近いAに何でしないんだ? Bまでは更に20キロは離れているぞ?』

「ああ、敵の追手がいないか確認するため。A地点からこっちの支配下。つまり地表も監視しているからな、わざとB地点まで撤退させることによって、敵が監視や追手を放っていないか再確認するんだよ」


よくある手だ。

こっちの撤退を見られて、窮地に陥るのもよくあるし、それを踏まえて、監視してくる奴をとっちめる作戦だ。

こういうのは化かしあいということ。

自分の手札がしょぼいのに、あたかも最強の切り札を持っているように見せることも重要だし、逆に自分の手札が強いのに、弱く見せて相手に攻めさせるのも大事だし、ズルして、手札を全部切り札に替えてもいい。

要は相手にばれず、いかに自分が優位な位置に立てるかが重要なのだ。

そのためには、相手の手札を知らないと切り札もそろえようがない。つまり、情報が大事ということ。


『お前が相変わらず、黒いのがよくわかった』

「失礼な。被害が出ないように必死に頑張ってるのに、なんて言い草だ。あまりの悲しさについ、エクス王都にモーブたちが覇王を成敗に来たって噂を流したくなる」

『絶対やめろよ!!』

「ま、今のところ予定はないわ。とりあえず、言った通り情報収集たのまー」

『わーったよ。もう切るぞ。これ以上話していると俺たちで覇王のクビ取ってこいってなりそうな気がするわ』


そしてモーブたちとの連絡が終わり、俺は直ぐに別のコールをする。


『なんすか? 今、ジルバでくっそ忙しんっすけど』

「どうせ書類仕事だろ」

『いや、まつっす。ジルバのトップ共がこぞっておいらに書類を回してくることに疑問に思えっす!! というかザーギスが研究に引き籠って、こっちの仕事が増えてるんすよ!! 有給!! 有給プリーズ!!』

「じゃ、今度アルフィンと、新しく作った海いってくれば?」

『なんで、わざわざ疲れにいくっすか!!』

「いや、お前家族サービスが疲れるって、最低の父親だぞ?」

『まだおいらは独身っす!! で、おいらを弄ってないで本題はなんすか?』

「エクス王都近辺の遺跡の所在は確認しているだろ?」

『そりゃ、敵さんが使っている可能性や、おいらたちが使える可能性もあるっすからね。ちゃんと報告書も渡してるっしょ?』

「報告書は見た。だけど、書類だけだからな、現場のことは現場に聞くのが一番だ。で、手短に理由を話すと、敵が俺たちと同じように、人を中に住まわせて、DPを回収している可能性を示唆する情報が手に入った」

『……なるほど。おいらたち、ゴブリン部隊に、また腰ミノ1つで野生のゴブリンをして詳しく中まで調べて来いと?』

「そうそう」

『部下が取り込まれる可能性があるっすよ?』

「うーん、それがそうでもない。王都に潜入している連中すべて、監視が付いている様子はないからな。まあ、可能性がゼロとも言わないから、対抗策はちゃんと装備するように言ってくれ」

『……了解っす。すぐに、皆を集めて会議をするっす。まとまり次第そっちに報告にいくっす』

「頼む」


さて、複数か、一か所か、それとも勘違いか。

可能性は1つずつ潰していくべきだな。



364話、多少ロゼッタから聞くドレッサの話をもじった。

あとでの話の辻褄合わんくなるから。

読み直しておいてー。

あ、ちなみにそれはあと2話あとだから。

今すぐ投稿?

バカ言っちゃいけないよ。

ストックないと毎日〆切におわれるし。

29日には即売会、それが終われば更新停止していた「俺たちは自由にやる」も再開だから、色々大変なのよ。



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