第312堀:駄目神、説明しろ
駄目神、説明しろ
Side:ユキ
現在、ヒフィー神聖国での第一回会談は終わり、俺たちは混迷の中、手に入れた情報をウィードに持ち帰って緊急会議をしていた。
『なに、今すぐ答えを出せとは言わない。だが、戦争は避けられない。ヒフィー殿には説得して開戦を遅らせてみる。その間に答えを出してくれ。なに、ヒフィー殿も私の同郷の人間だといえば、快く受け入れてくれるだろう』
そう言って本目さんとの会話記録は切れる。
「……すごく尤もな話ね」
「そうじゃのう……」
「はい。実に理に適ったことだと思います」
「私もそう思いました」
そう返事をするのは、ウィードでいずれ来るであろう、先、未来をすでに見ている俺の嫁さんズの中で、元々王侯貴族で権力というものを知っているメンバーだ。
即ち、セラリア、デリーユ、ルルア、シェーラだ。
ほかのメンバーも微妙な顔をしている。
そう言う俺だってそうなのだ。
俺は、本目さんのやり方を否定できない。
寧ろ、賛成だな。
ある一点さえなければ。
「でも、なんでヒフィー神はコメットのダンジョンマスターの力を行使しないのかしら?」
「前も、そこら辺の疑問はあったのう。これはやはり、ダンジョンマスターが蘇生、いやアンデッド化している点ではないか?」
「私もそう思います。能力の制限、あるいは停止に近い状態なのでは? そうでなければ、ここまで表立って旗を上げなくても、他国を落とすのは簡単なはずです」
「なんといいますか。私は、ユキさんがダンジョンマスターのスキルを使わず改革への道を行った感じがします。この本目さんの言動から、ダンジョンという便利な力を知っていれば、力押しするとは思えないのです」
シェーラの言う通り、俺と本目さんの違いはダンジョンの力を使っているか使っていないかの違いだ。
ダンジョンの力がなければウィードの大陸でも、本目さんと同じような力押し路線を取らざるを得なかった。
「私もシェーラの意見に賛成ね。でも、ダンジョンスキルの有無は本目さんとは関係ないわよ。ヒフィー神が本目さんに対して隠している可能性もあるし」
「そうじゃのう。そう言う可能性もあるか。まあ、何はともあれ、これは当事者を呼び出して聞いた方が早いじゃろう」
「そうですね。幸い、私たちの知り合いに上級神と言う方がいますし」
「はい。まずは情報を集めましょう。何か手掛かりになるかもしれません」
……嫁さんたちも、どんどんというか、あの生物に対して、敬意を払う気持ちが薄くなっているよな。
「「「駄女神を呼んで」」」
そうやって揃えて、呼ぶ名前は、俺をこの世界に運んできた張本人。
ルナ。
自称、上級神。
最近は、ウィードに設けた彼女の家で、ジャージ姿でお菓子を食いつつゲームしながら過ごしている。
クソ羨ましい環境だ。
まあ、ちょくちょくいなくなっているから、ほかの方面もそれなりに忙しいみたいだが、その姿を見れば、誰もかれも、駄女神の烙印を押すだろう。
上司の痴態を、このウィードで見続けたリリーシュ神は、既にあきらめの境地に至っている。
俺としては、あの駄女神を呼ぶのは非常に嫌だ。
呼べば呼ぶほど厄介ごとが増える気がする。
しかし、現状、あのヒフィー神や前任者に対して一番情報を持っているのは彼女だろう。
ということで、ルナを呼び出すことにする。
「あん? どうしたの? 新しいポテチの味でもでた?」
しかし、予想通りかな、かの駄女神は駄目神であった。
変わらなかった。
ジャージ姿で片手にジュースのペットボトルを持ち、もう片方は、ジャージの中にお腹から手を入れぼりぼりかいている。
スーツ姿だった怪しい宗教勧誘のハニートラップからの真実がそこにあった。
……干物女か。
「自分で買いにいけや!!」
スパーーン!!
気持ちのいい音が響く。
脊髄反射でハリセンを持って叩いた俺は悪くないだろう。
「いったいわね!? 相変わらず人を敬わないわね。あんた」
「敬ってほしいならそれ相応のかっこうしろ。裸の王様なんて存在しないんだからな」
「いたじゃない。あんたの世界の方では」
「物語の中でな!!」
「じゃ、ヌーディービーチは?」
「それはそう言う場所だろうが!!」
いかん。
やっぱりこの駄女神はきつい。
話に入るのに非常に時間がかかる。
「……とりあえず。そっちも呼ばれた理由ぐらいは理解しているんじゃないか? ちょくちょく覗き見はしているみたいだからな」
「……ちっ。強引に話を進めたわね。まあいいわ。今回の事はある意味私の予想外でもあったし、別の意味ではいずれ起こることだもんね。いいでしょう。事情を説明するわ」
そう言って駄女神は会議室の席に着く。
その瞬間にスーツ姿になり、ぼさぼさの髪も綺麗に整っていた。
「はぁー。この服、肩凝るわー。仕事着っていやよねー。あ、キルエ、お茶貰える? 緑茶で」
「はい。かしこまりました」
キルエは素直に従っているが、内心、駄目神とののしっているだろう。
そうでないと、嫁さんをあごで使われた俺の気が済まん。
「ありがとう。ずずっ……。ふぅ、やっぱり緑茶は熱いのに限るわね」
緑茶を少し口に含み、飲み干して、ようやく目つきが仕事モードになったな。
「さて、どこから話したものかしら……。いろいろあるのよねー」
「なら。まずはヒフィー神の事から話してくれないか?」
俺たちにとって、ヒフィー神が神であること以外何も情報がないのだ。
「そうね。時系列的にもそれがいいわね」
「時系列?」
「そうよ。ヒフィーの話をすれば必然的に、残りの話にもつながるってこと。と、その前に、ユキは覚えているかしら? 私はこの世界の神やダンジョンマスターはあなた以外、現地人。このアロウリトから選出したって話は」
「覚えてるぞ」
それがダメダメ過ぎて、俺を呼ぶ羽目になったんだろうが。
「でも、その時は言ってない情報があるのよ。薄々気が付いているとおもうけど、私はダンジョンマスターの件ぐらいしかかかわってない。つまり、この世界の神の選出はしていないのよ」
「……どういうこと? あなた、わかる?」
セラリアが不思議そうにこちらを見てくる。
……やっぱりそんな感じか。
最初からルナが全権を持っているなら、こういう回りくどい方法を取らなくていいもんな。
「はぁ。……つまり、ルナもこのアロウリトを押し付けられたみたいな感じか?」
「当たりー。私も、ユキと同じように後任として、この世界に来たわけよ」
「「「はぁ!?」」」
嫁さんたちは非常に驚いているが、そもそも、下級とか上級とかある時点で、上下社会が構築されていることがわかる。
神とかいう生物も、そう言うしがらみがあるというわけだ。
「簡単に説明しましょうか。私はこのアロウリトの本来のまとめ役。つまりは神々をまとめる中級神が人に討たれたことが原因で、こっちも管轄下に置くことになったのよ」
「……人が神を討ったのですか?」
ルルアが信じられないと言った顔をしている。
人が神を討つなんてのは、アロウリトの文明レベルでは不遜どころか、大逆だろうしな。
地球ではザラにあることだけどな。
というか、今の日本じゃ1つのよくあるネタだな。神殺しなんてのは……。
「ルルアからすれば、恐れ多いことかもしれないけど。ままあることなのよ。強さ的には、レベル1000ぐらいだし? さっき言った通り、下級の神様は世界を安定させることを目的に現地人、つまりアロウリトの人を神に昇華させるのよ。つまり、中身は人と一緒ね。まあ、長生きするから感覚が人の時とずれてくるんだけど。それだから、私やリリーシュみたいに、そのずれを直すために人に紛れて生活してたりするんだけどね」
しれっと、自分がだらだら生活するのに意味があるって含めてきやがったな。
俺がジト目で見ていることに気が付くと、すぐに顔をそむける。
やっぱり、意図的にこの話混ぜやがったな。
「上級なんて肩書はあるけど、私も元は人だからね。さて、そうなると神はどこで発生したとか、くそ面倒な話になるから、ここは端折るわ。で、当時の中級神は人に討たれたぐらいだから、妙な干渉行為をしていたんでしょう。自分も人から神になったことを忘れて、色々やったんでしょうね。ということで、討たれたのは自業自得。その件に関して、私がアロウリトの人々に罪科を問うことはないわ」
「「「ほっ」」」
そんな風に息をつく嫁さんたち。
それどころか、ザーギスやナールジアさんも同じように胸をなでおろしている。
「ユキ。分かってる? これが敬意を払っている者の態度よ。それなのに、あんたは一息つくことや、胸をなでおろすこともしないじゃない」
「やかましい。最初から敬意なんて払ってないからな。さっさと続き話せ」
「とまあ、こんなクソ度胸があるから、ユキを異世界から引っ張ってきたってかいがあるわよね。それは、奥さんのあなたたちがよく知っているでしょう」
コクコクと頷く嫁さんたち。
「と、話がずれたわね。その結果、中級神とその取り巻き共は、その人たちによって討たれたけど。全部の神が討たれたわけではないわ。その残りの神がヒフィーやリリーシュね。ほかにもまだいるけど。で、私がこっちを管轄下に置いたとき、結構反発があったのよ。ユキならわかるでしょ? 支店がいきなり本店直営店になるような感じで、色々摩擦が起こるのよ」
そりゃな。
支店には支店の、地域にあったやり方というのが存在する。
本店が介入なんてのは、色々問題が起こるのだ。
「そのおかげで私は、人事に大忙しよ。ただ私が気に入らないってやつは、さっさと神格剥奪して、人に戻したり、処刑したり、知り合いの神に押し付けたり。で、ある程度私の話を聞く耳を持つ奴はそのままで、私が知った魔力枯渇の対処を頼んだわけよ。ヒフィーとリリーシュは後者ね。聞く耳を持っていた。いや、寧ろ私を支持して快く受け入れていた方ね。でも、そのほとんどが、魔力枯渇に対応できなくて、そのまま消滅したわ。神ってのは高魔力の塊みたいなものだからね。普通、信仰があれば消滅はしないんだけど、魔力枯渇が起こっているから、多少の信仰ではどうにもならなかったみたいね。で、私は第2案を行動に移した。ダンジョンという魔力循環器を取り付けることを」
うん。
聞けば聞くほど胃が痛くなる作業だな。
特に人事。
いきなり任された挙句に、馴染めない奴を解雇するなんて、とてもじゃないがやりたい仕事じゃない。
「このダンジョン計画は2段階あるのは知っているわね。そこのデリーユの弟、ライエや新大陸の前任者であるコメットなどは、1段階。現地人をダンジョンの管理者にして、魔力枯渇に対応しようと試みたわ。でも、正直、殆どまともに稼働していない。自分たちがいる大陸ギリギリの魔力循環で精一杯。解決には程遠かったわ。でも、その中で比較的、好成績を残していたのが、新大陸の前任ダンジョンマスターのコメットね。でもこの好成績は、ヒフィーと協力体制を取ったおかげと言っていいでしょう。偶然、コメットとヒフィーは仲が良かったから、そのまま神とダンジョンマスターの協力で当たるように私が言ったのよ。あ、魔力枯渇に関する内容は全然知らないからね。嘘はついていないわ。で、ヒフィーは真面目だったから、自分の神という立場はあくまで隠して、コメットを立てて、問題に当たっていたみたいだけど……」
結果は俺たちが知っている通り……。
「気が付けば、コメットがバッサリやられていて、ヒフィーも音信不通。こりゃ他と同じで失敗したかーって判断を下したわけ」
普通そう思うよな。
今まで何度も同じことを目にしていたなら、特にだ。
規模や問題の大きさは違うが、誰だってあることだろう。
探しても見つからなかったものが、ある日突然ぽっと出てくる感じ。
「そこで、2段階目に移ることにしたわ。その2段階目はあなたたちも知っている。そこのユキよ。今までの結果、総合的に、現在のアロウリトの独力では事態の収拾を図れないと思った私は、知識を備え、それを行える暇人を異世界から連れてくることにした」
「おいこら」
誰が暇人だ。
日々、適当に仕事をこなし、めんどくさい地位を目指さず、平社員として働き、休みにはゲームをして過ごす多忙な俺を指して暇人だと!?
「うっさい。休みの日にゲームが一番の娯楽の引き籠りの暇人が。まあ、こんな地球の日本の駄目男でも、結果はごらんの通り、目覚ましい結果を出しているわ。って、ここまでくると話が通り過ぎているわね。でも、ヒフィーに関しては分かったかしら?」
「ユキは駄目な男ではないがのう。まあ、この話はお互いに泥仕合みたいなものか。どっちもゲームしておるし……。ヒフィーに関しては理解した。して、ルナは妾たちに手を貸してくれるのかのう?」
まあ、俺とルナどっちが駄目かと言い出したら、ゲームとかで勝負を決めることになりそうだから今はよしておこう。
でも、デリーユは手を貸してもらえると思っているのか。
俺の予想だと、この図式は……。
「無理ね。会話記録を見るに、ヒフィーは私が出したダンジョン解決案が失敗したのをきっかけに、自分が表に立って世直しすることを決めたみたい。結果的に、それが魔力枯渇につながると見てね。まあ、これがヒフィーとアンデッド化したコメットだけならまだよかったんだけど、異世界、二次大戦中の日本から来た本目が問題ね。この本目のおかげで、私が見ても現実味がある行動に思えるわ。そもそも、ダンジョン解決案を手伝ってもらって、失敗して、今更、新しいダンジョンマスター連れてきたから従ってね? っていって頷くと思うかしら?」
頷かないな。
ルナの信用はがた落ちだ。
「あの子の様子から、私には敬意は払うだろうけど。もうダンジョンなんて回りくどい方法を採用してくれるとは思えないのよね……。私も一度失敗して、ヒフィーをあそこまで追いつめている手前、やりにくいわ」
「でも、それでは新大陸が血で染められることに……」
「それも、私としてはどうでもいい。というか、どっちの方にもつけない」
「え?」
「結局、ユキの改革も血が流れないわけではない。ユキの方針上、その方が都合よかっただけであって、ヒフィーの方針を否定することにはならないわ。私はあくまでも、魔力枯渇による、魔力や魔術に沿った文明が崩れることを阻止するのが目的なのよ。結局、ユキの方針だって、遥か未来で歪んで、大流血を起こさないとかぎらないし。痛みのない教訓は意味をなさない。とまでは言わないけど、痛みがあった方が、覚えはいいとは思うわ。今回のヒフィーの行動は、痛みある教訓としては十分よね。頭すっからかんな、現地人にとっては」
そう。
結局のところ、方針の違いってだけである。
この状況に、ルナとしてはどっちの肩も持つわけにはいかない。
「正直に言うと。ヒフィーがまだ残って何かをしているなら、ユキ達は乱入してきた状態になるから、引くのが正しくは、あるのよ」
「そんな、今まで連絡をしてこなかったヒフィー神にも非はあるのでは?」
「そうなのよ。連絡をよこさなかったヒフィーも悪い。だから、ユキたちに無理に引けとも私は言えない。というか連絡をよこさなかったのは、私の案ではだめだと思ったからでしょうし……。はぁ、胃薬ある?」
聞いている俺でさえ、胃が痛くなりそうな内容だ。
本人は既に胃が痛くてたまらんのだろう。
キルエがすぐに胃薬を用意して、それを緑茶で飲み干す。
……緑茶で薬飲むと意味ないとか話があったきがするが、そもそも、神に胃薬が効くのか?という前提から考えないといけないから、考えるのはやめよう。
本人が欲しいと言っているなら、それでいいのだ。
「そもそも、現状は既にヒフィーが宣戦布告をしているのよ? 私が説得したとして、どうやって事態に収拾つけるのよ? あの国が攻められる限り、ヒフィーは全力で戦い抜くわよ?」
「「「……」」」
ルナの言う通り、説得したとして、落としどころをどうやって用意するのかが問題になる。
……いや、出来ないことはないが。
ミノちゃんからの、あの報告を見て、ザーギスとか、ほかの方面も探ってるとドンピシャだからな。
と、まずはヒフィーをどうやって説得するかって話になるんだよな。
「……どうやら、事態の収拾には目途があるみたいね? 相変わらず、そういう方面には頭が回るわね」
「ひとえに、俺が日々を穏やかに過ごしたいと思うからだ。でも、俺に説得後の事態収拾案があっても、結局はヒフィーを説得しないとどうにもならんだろ? ヒフィーをぶっ倒しても、国民が納得しないだろうし」
「そうよねー。そこが一番の問題なのよ。ヒフィーをぶっ飛ばして終わりってわけじゃないのよね。結局、無理にことを起こしても戦争状態からは抜け出せない。本当にヒフィーと話して説得する必要があるのよ。まあ、解決案がないわけでもないんだけど……」
ルナがそう呟くと、嫁さんたちが期待の眼差しをする。
だが、俺もルナが言わんとすることが分かっているので、全然期待できない。
寧ろ、目が死んでいるな、今の俺。
「本当にあんたは察しがいいわね。私はどっちの肩を持つわけにもいかない。その上で今のヒフィーを説得するのは、あんたの方法が、ヒフィーを上回っていると、その身をもって証明するのよ。見届け役はしてあげるわ」
「ちょ、ちょっとまってルナ。その言い方だと……」
セラリアが信じられないと言った顔でルナに詳しい内容を聞こうとする。
「そうよ。セラリアの予想通り。ヒフィーと戦ってぶっ倒しなさい。時が早まっただけって言ったわよね。ウィードの大陸でもヒフィーと同じように、神が仕切ってる国があるわ。ものすっごく小国だけどね。もちろん、ダンジョン交易条約に入っていない国ね。こっちもダンジョンってやり方は認めていないのよ。いずれこの国ともぶつかる。神をぶっ倒すのが早まったと思いなさい」
「そ、それは無茶じゃ。妾たちは確かにユキの元で底上げはした。だが、その程度で……」
「デリーユ。この世界の魔力枯渇問題を解決するのに、反発している神ごときぶっ倒せなくてこの先どうするつもりなのよ? それでも天に唾する魔王様なわけ?」
「いや、妾の場合は不可抗力というかのう……」
「この世界の中級神をぶっ倒したのも人よ。そして、今回ユキたちがヒフィーを私の手助け無しで倒せたなら、単独で魔力枯渇に対応している、へっぽこ神々も多少は聞く耳を持つでしょう」
はぁ、やっぱりそうなるか。
まあ、俺が魔力枯渇対応に関しては一番後任だからな。
前任者たちにとっては、新人の俺が活躍するのを素直に喜ぶわけもない。
そもそも、ルナという後任の上司が連れてきた、ただの人だ。
どこかで、そっち方面でぶつかるとは思っていたが……。
「こっちとしても、ユキたちには期待しているから。別に無理に戦えとはいわないわよ? でも、その場合。新大陸からは手を引いてもらうことになるわ」
「しかし、それだと、我がジルバや。ローデイ、アグウストなどは……」
「そりゃ、ヒフィーの今の勢いだと、今ある国は残らないでしょうね」
ルナの言葉に、新大陸出身のジェシカ、クリーナ、サマンサは愕然とする。
「人の嫁さん、いじめてんじゃねーよ。この駄目神。だれも戦わないなんて言ってないだろう」
「はっ、二つ返事で倒すって言わなかったヘタレが言うセリフじゃないわね」
ということで、次は直接ヒフィーと対決か……。
なんとか言いくるめることはできないかねー。
まあ、なんというか、実力を示すしかないという状況。
全部まとめて丸投げされるユキ。
しかし、そのルナもある意味丸投げされていました。
さあ、この話は難しい話に聞こえるかもしれませんが、実はユキの立場からすれば単純だったりします。
普通は、お互いの主張と、そして譲れないもののために、熱い熱いバトルが、10週にわたって繰り広げられるのです。
しかし、この話の一番大事なところに気が付いている人は、互いの主張をふっとばす、もっともな理由がユキにあることがわかるはずです。
かっこいい終わり方など期待するな。
ここまでこの物語を読んでいる人は大抵予想がついているはずだが、大層な理由を抱えているやつに限って、ユキにとってはギャグ要員にしかならないのだ!!




