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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 神聖国編

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落とし穴50堀:狩りと言ったら?

狩りと言ったら?




Side:ユキ




時は20XX年、11月28日。

世界は、いや、日本は1つの転換期を迎えていた。

俺は異世界という稀な状況にはいるが、一番最初に取り付けた条件により、ネットが使え、日本の物資を仕入れることができる。

そう、俺はネットにより、最新の情報を手に入れ、日本の転換期、革命期を知り、その流れに乗ることができたということだ。


つまり……。


「くそっ。出ない……」


隣のタイキ君は悪態をついている。

その手にあるのは、二画面でタッチ式を採用している、世界に誇るおもちゃメーカーが出している携帯ゲーム機。


3TS、スリーツインスクリーンである。


そして、プレイしているゲームも、日本で大ヒットしている、狩りゲーム。


クリーチャーハンターズ。

縮めてクリハン。

これで何作目か正直覚えていない。

ハードも何度か変わっているし、大体パワーアップ版の拡張が付いたバージョンもでるので、かなり数が多い。

それでも、このゲームシリーズのファンが減ることはない。

それだけ楽しいのだ。


で、このクリハンの最新作が本日発売。

その名もクリハンクロス。


よって、世界を渡ろうが、オタクであることを貫く、現代日本人の鏡ともいうべき、俺とタイキ君は、今日この日を待ちわびていたのだ。

勿論、オタクでない人もクリハンだけはしている人が多いので、つまり、今日この日は日本人が屈強なハンターとなる日である。

その一大イベントに俺たちが参加しないわけにはいかない。


というわけで、即時ルナに手に入れてもらったわけだ。

神の力で、前日発売とかどこかで、こっそり売っているのを手に入れてほしいとか思ったりしたが、それはこのゲームを発売日に待ち望んでいる人たちに申しわけないので、やめておいた。

俺は、ちゃんとしたゲームプレイヤーなのだ。


「で、何が出ないんだ?」

「納品用キノコ」

「ああ……つらいな」

「……この序盤の納品系、初心者にはいいんでしょうけど。俺には苦痛ですよ」

「それは同意」


このクリハンだが、その名の通り、クリーチャーを狩って、狩って、狩りまくるのが売りなのだが、それだけでは人気の理由足り得ない。

その前の準備、武器や防具を整えたりは当然で、回復薬や食料、罠などいろいろな要素が存在する。

文字通り、狩りの準備をするのだが、その要素が多いため、初心者にこの説明を省くと用意不十分で、大型のクリーチャーに手も足も出ないでやられることが多い。

このゲーム、従来の国産RPGのように甘くはなく、回復には制限があり、討伐時間にも制限がある。

だが、焦って攻めてはかえって時間がかかるのはいい方で、一定回数やられると、その討伐は失敗となる。

無論、違約金を支払ってという世知辛い話だ。

とまあ、序盤は初心者の講習を兼ねた、クエストがあるのだが、それをクリアしないと次に進めないのである。

それが、毎回このゲームシリーズ常連の俺たちには苦痛というわけだ。

特に嫌なのが、納品系クエストだ。これは運がものすごくいる。

いや、普通ならポロッと出ていいのだが、こういう時に出ないのはお約束。

さっさと、次に進みたい熟練の俺たちとしては、苦行である。

……このクエストをクリアしても次の大型クリーチャーに膝を折る新人も多いのだが……。


「ま、頑張るしかないな」

「はぁ、武器さえ鍛えれば、防具は後回しで、中盤ぐらいまではいけるんですけどね……」

「そりゃ、慣れている人たち限定だ。初心者はその時、揃えられる最高の装備でもギリギリだぞ」


このゲーム、レベルという概念はなく、武器防具の性能が能力値の大半を占めていて、あとは自前の腕のみである。

本当に、己の腕が試されるのだ。

だから、上手い人は中盤ぐらいまで、武器さえ強くしていけばどうにでもなったりする。

まあ、本当に上手い人はノーダメージでやれるので、最終まで初期装備なんてこともできなくはない。が、それはただ非効率なだけなので、ちゃんと装備を固めるのが普通だ。

そんなことをする人は、己の限界に挑戦したいという人物なので、ある種の人外である。

そのスーパープレイをいくつか見たことがあるが、できそうにない。

俺は準備を万端にして、戦いを挑むのが好きなので、ギリギリで挑戦するスタイルはおれの趣味ではないのだ。

RPGで言うなら、推奨レベル10の所があれば20ぐらいで行くのが好き。

まあ、レベル上げが面倒なので、15ぐらいとかで行くのだが。


「……今日は、ドッペルに全部任せるとか言ってたから何かと思えば……」

「本当です。何事かと思ったんですよ……」


そう言って、俺たちに呆れた視線を向けてくるのは、セラリアとアイリさんである。

2人の言ったとおり、俺たちは本日お仕事を休んでゲームをしている。

これは、オタクやゲーマーにとっては当然のことである。

発売日に休み、そして即日プレイをする。

これは絶対に破られることのない不文律であり、運命、約束された勝利である。

これを邪魔するものは神であろうが、悪魔であろうが瞬殺決定である。

しかし、この2人は異世界の人なので、そのような常識は知らなくても無理はないし、嫁さんなので許す。

というか、この2人というか、身内には3TSとクリハンクロスを渡して、いまや家族総出でクリハンクロスに挑んでいる。


「言ったろ息抜きも重要だって。セラリアだってクリハンの新作はしたいって言ってたろう?」

「それはそうだけど……。なにか間違っていないかしら?」

「何も間違ってはいない。家族団欒、楽しみに、何人たりとも邪魔はできんのだ」

「……そういうものかしら?」

「それに、立派にこのゲームはいい訓練になる。俺たちは圧倒的力を有していて、同じ、あるいは相手が遥かに強いという状況がほとんど存在しない」

「……そうね」

「だからこそ、このクリハンクロスで、相手が圧倒的に上回っている状況で戦わなければいない時の訓練をするんだ」

「……」


セラリアの目がどんどんしらけている気がするが、セラリア自身もクリハンクロスは楽しみにしていたので、文句を言うつもりはないらしい。

とまあ、こういう嫁さんがいる一方で……。


「よし、そっち行ったよ」

「うん。任せて」

「囲んでフルボッコにする」


既に、運よく序盤クエストを脱して、3人仲良く、協力プレイをして、ノリノリで大型ボスと戦っているのは、リエル、トーリ、カヤである。

もともと、冒険者業や狩りをしていたので、クリハンとは相性がいいらしく、前作もかなりやりこんでいた。


「ぬふふふ……。これはまた珍妙な装備ですね」

「相変わらず序盤の収支がきついですね。いや、これなら後半も同じようにアイテムがあった方が……」

「うーん。この依頼はギルドでも使えそうね……」

「相変わらず、お兄さんの所のおもちゃは、おもちゃを越えている気がしますよ。これは一種の技術の結晶じゃないですかねー」


そしてこちらは、別々にやっているのだが、共通して職業病みたいなものを発症している。

まず、鍛冶が大好きなナールジアさん。

彼女にとっては、クリハンは装備品の形や能力がしっかりわかるこのゲームはある種のバイブルである。

次に、エリスは会計の仕事の関係上、ゲームでも収支に目が行きがちだ。

そして、ミリーは冒険者ギルドでの仕事の発注関連で参考にならないかを見ている。

最後にラッツは、日本の遊具、おもちゃを見ては感心して、新しい商品開発を考えている。

それでも、ゲームをしているのだから楽しんではいるのだろう。


「あー、すごいよ。仲魔でプレイできるんだって」

「すごいのです。ちっちゃくて、かわいいのにつおいのです」

「そうねー。でも、名前をスティーブにしたのは間違いだったわ」

「えーと、ラビリス。それはどういう意味で……」


ちびっこたちは、新しく仲魔を使って狩れる新機能に喜んでいるようだ。

まあ、ラビリスが言う通り、名前をスティーブにして活躍させるのは癪だ。

俺とタイキ君は仲魔でプレイするのは後になると思うけどな。

まずは、いつも通り、人で狩る。


「うぐっ。やはり装備品が揃うまではつらいのう」

「デリーユは前に出過ぎだってば。もっと見極めないと」

「そうですね。ゲームの中ではスペックが下がっているのですから」


そんなことを話しているのは、魔王デリーユ、勇者リーア、騎士ジェシカ。

なんだかんだ言っても、この3人は連携がうまいので、ピンチになりながらもクリアするタイプだ。

デリーユはいささか猪突猛進だが、体力がギリギリになってくると集中力を発揮して、見極めが鋭くなる。戦闘民族というやつだろう。

それをフォローして回るのがリーアとジェシカという図式ができている。


「……すごい。ユキの所の故郷はなぜこんなところに力を入れるのか。クリーチャーの動き方もすごく自然」

「そうですわね。で、ボーっとしてるとやられますわよ」

「ん。わかっている。でも動きが緩慢……」

「それは、私たちの体ではありませんからね。っと」


入って日が浅い2人はこれが初めてのゲーム体験なので、のんびりゆっくりやっている。

クリーナの言うように、クリーチャーなどの動きは、筋肉の付き方、骨格から調べてちゃんと違和感のないように作っている。

まあ、ビーム吐いたり、風圧で近づけないとかいうのは地球には存在しないが。


そこら辺は、娯楽に技術を尽くすという文化がないゆえの差だろう。

サマンサの方は、結構万能お嬢様のようで、ゲームもある程度して慣れているようだ。

呑み込みが早いのはありがたい。


「皆、一息入れませんか? お茶を持ってきましたよ」

「ケーキもございます」

「私も一緒にやりたかったー」


そう言って、お茶とケーキを運んでくるのはルルアとキルエ、そしてサーサリである。

ルルアはどうもアクションゲームは苦手なようで、皆の勢いにはついていけず、一人で本を読んでいたのだが、いつの間にか、キルエを手伝ってお茶の用意をしていたようだ。

そのキルエは言わずもがな、メイドとしてばっちり仕事をこなしている。

無論、子供たちは、一緒の部屋で仲良くおねむだ。

最後にサーサリは先ほどまでクリーナとサマンサと一緒にしていたはずなのだが、状況を見るに引きずられていったか。


ということで、この年末差し迫った、今日この日。

うちの家族はみんなでちゃんと、狩人になって、日本のよき文化に触れたのだ。



「……納品アイテムでねー!!」



タイキ君ドンマイ。




はい。

落とし穴49が抜けていると思う方がいるかもしれませんが、内容でわかっていただけたと思います。


みんな。

狩りしてるか?


俺も頑張ってるが、クエストはちゃんと1つずつやる癖があってな、村クエ☆2になって納品系クエが増えて苦痛だ……。

だが、俺はそれでも頑張るんだ。


あ、描写にはなかったが、スティーブたちもクリハンしてます。



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[一言] モ○ハン(笑)
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