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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 学府編

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第296堀:打ち合わせ

打ち合わせ




Side:ユキ




さて、まずはポープリとララから話を聞き出すべきだな。

いや、まて、その前に……。

俺は咄嗟に、コールである人物たちを呼び出す。


『はい。なんでしょうか?』

『ん? なんだべ?』

『どうかしましたか?』


コールに映るのは、ジルバにいるザーギス、そして、エナーリアにいるミノちゃん。

最後に、学府で生徒に紛れながら魔物の森を監視しているトーリ。


「簡潔に言うと、周辺国の1つがアグウストへ宣戦布告した」

『それはまた。王都にも影響がありそうなほどで?』


ザーギスは、それがどうしたといった感じだ。

まあ、普通ならこんなもんだよな。

目的の障害にならないのならば、無視するに限る。


「そこで、妙な話を聞いたんだが……大量の魔剣と、火の杖、エンチャントの杖を持った軍隊だそうだ」

『はぁ!?』

『また、やっかいごとだべな』

『大丈夫なんですか?』


三者三様の反応に、1人ずつ答えていく。


「ザーギスは最後に後回しな。それが本題だから」

『でしょうね……』

「ミノちゃんは、エナーリアへ渡した武具類が横流し、あるいは解析されて設計図が広まってないかを確認してくれ」

『了解だべ。まあ、可能性は著しく低いと思うべよ』

「俺もそう思う。だって、真面目に理由が無いからな。エナーリアとアグウストは学府を中央に挟んで、ほぼ反対側と言っていい位置取りだし、わざわざ、ミノちゃんたちから提供されたお宝の山をよそにやるとか、設計図を配って自陣を不利に追い込む理由もない。というか、解析できるなら、既にエージルが量産しているだろう」

『だべな。あくまでもこっちはその可能性を潰すのと、裏でコソコソやっている奴がいないかを探るって話だべな?』

「そういうこと。分かっているとは思うが、間違ってもエナーリアの王様や将軍たちにこのことは話すなよ」

『心得ているべ。そんなことしたら、逆にこっちが疑われるもんな』


うん。

流石、ウィード魔物軍の良心と言われているミノちゃんだ。


「次にトーリは、リエルやカヤ、タイキ君たちと協力して、魔物の森の監視を強めてくれ。大規模な戦争が起こりそうだ。その魔力の流れがまとめて集まるかもしれない」

『わかりました』

「無論、魔物たちを動かしていい」

『はい。任せてください』


警備の延長線上のことはトーリたちが一番、警察でノウハウを習得しているから適任だ。

と、忘れてた。

そして俺はもう一組をコールで呼び出す。


『ふぁぁぁ、なんだ?』


目の前に現れるのは、定年退職を迎えた親父が、昼飯を食って昼寝していたようなモーブだった。


「……まあいいか。その様子だと平和みたいだな」

『ああ、亜人の村は今日も平和だぞ』

「そうか。でも、これから警戒を強めた方がいいかもしれない」

『どういうことだ?』


俺の言葉で、すぐに返事が鋭くなる。

こんなぐーたらおっさんでも、凄腕の冒険者だということだろう。


「アグウストの周辺国の1つが宣戦布告した。その影響がどう出るかわからん。大国同士の小競り合いじゃなくて、完全な横槍だ。下手すると大きく情勢が傾く。敵の武装には大量の魔剣とエンチャントの杖もあったという未確認情報もある」

『となると、その話が亜人たちの耳に入れば、騒動に乗じて……』

「ああ。動く可能性がある。たぶん、最大勢力であるモーブたちの所には、何らかの動きがあると思ってくれ」

『わかった。警戒は強めておく。おい、ライヤ、カース、聞いてたな』

『ああ』

『聞いていましたよ。じゃ、こっちは会議と巡回の強化でもしましょう。あと必要なのは……』


じゃ、ザーギスの話に戻ろうか。


「まあ、言わなくても分かると思うが……」

『ジルバでも変な動きがないか調べておきますよ。しかし、大量の魔剣とエンチャントの杖ですか。都合よく、大量の魔剣とエンチャントの杖が見つかって、適性者も自国で揃えられたなんて、うまい話はないですよね……』

「だな。そんな簡単に揃うなら、大国が接収してるどころか、その国が既に大国のどれかに成り代わっているだろうよ」

『つまり、その国の誰かが、設計図を見つけたか、或いは、自力で作り出して制限をつけなかったと見るべきですね……』

「そっちの方向で考えるべきだろうな。本当にたまたま、都合よく揃っただけなら、それは特に問題にならないからいいけど、生産できるなら厄介極まりない。国民全員魔剣持ちとかになりかねないからな」

『まあ、それぐらいじゃないと、この情勢で、大国相手に喧嘩を売らないと思いますけどね。この戦い長引きますね……』

「それか一瞬で終わるかだな」


魔剣使いが本当に山ほどいるなら、足止めは至難だし、あっという間に王都まで攻めあがるだろう。

そうでなければ、お互いに決定打がないから、ザーギスの言った通り一進一退の長期戦になる可能性もある。


「じゃ、そっちの情報集めは頼んだぞ」

『了解』


さてさて、今度はポープリの方だ。

コールでこっちも呼び出して、すぐに出る。


『もしもし、何かあったかい? イニス姫様が大暴れでもしたかい?』

「ああ、それは予想通りだった。でも、ほかに厄介ごとが増えたよ。まだ、こっちに正式に連絡は来ていないが、ワイちゃんを停泊させている兵舎に大量の負傷兵が運び込まれてきた」

『……負傷兵ね』

「で、王城に、俺たちをそっちのけで、姫さんやビクセンさん、ファイゲルさんまでの緊急招集と来たもんだ」

『何が起こったんだい?』

「アグウストの周辺国の1つが宣戦布告した。しかも、大量の魔剣とエンチャントの杖を装備しているそうだ」

『なんだって!! どういうことだい!?』

「こっちも分からん。更に最悪な事というか、狙ってやってる可能性が非常に高いが、丁度、アグウストの国王が地方へ視察に行ってた時に敵が攻めて来た。仕方なく国王自ら陣頭指揮を執って、すぐに防衛戦に変更。周辺の村や町に避難指示をしてから、撤退戦に移行しているみたいな話がでているな」

『ちょっ、それって!?』

「ということで、現在、お国のトップがいないまま、国王の伝令情報の元、イニス姫さんが代わりに指揮を執っている所だ」


正直にいうと、冗談抜きで滅茶苦茶な状況だ。

日本で言えば、天○陛下が戦闘に巻き込まれたレベルの話である。

こんなことを、国民はともかく諸外国にでもしれたら、大騒ぎどころの話ではない。

もう、状況は無かったことにはできない。

地球みたいに情報封鎖はできないし、国王が自ら陣頭指揮を執った話は瞬く間に広がる。

運び込まれる負傷兵だって隠しきれない。


『不味いね。非常に不味いね。しかも、魔剣とエンチャントの杖を大量に? 不可能だ。前も言ったと思うけど、私が知りうる限り量産した数は50本。その半数以上はこの400年で破損して使い物にならなくなっている。どこかに大量にあったなんて可能性は低いと思う』


そう、ポープリも聖剣使いたちが、幽閉されて魔剣の開発をしていた時に、彼女たちを解放するため、協力していたらしいのだ。

しかし、その際、設計図などは全て処分したし、当時の知識や技術レベルでは彼女たち以外に、魔剣を作ることはできないと言っていた。

それを証明するように、現在では、魔剣は作るという発想ではなく、伝説の武器という扱いに変わっている。


「やっぱり、ポープリもそういう大量発見は否定派か」

『当然だよ。となると、あとは独自で開発したか……』

「前任者のダンジョンマスターが作った聖剣の設計図を手に入れた可能性があるわけだな」

『そうなるね。彼女が過ごしていたダンジョンの位置は完全に不明だった。偶然、その国の中にあったという可能性が一番高いと思う』


あらかた今得られる情報は集めた感じだな。


「ポープリ。とりあえず、ほかの国のメンバーにも別の方向での動きがないか、探ってもらっている。もちろんアグウスト王都の情報も、いまミリーたちが探っている。で、今ある情報から、今回の戦いは何らかの形で加わりたいと思っている」

『そうだね。私もその方がいいと思う。これは、私たちが大きく関係している可能性が高い。はぁ、なんというか、後始末を押し付けてしまって申し訳ないね』

「ま、それが後任の仕事の1つだからな。で、さっそくポープリにお願いがあるわけだ」

『アマンダとエオイドの偵察任務かい?』

「その通り。いま、アグウストとして一番欲しいのは情報だ。イニス姫さんもそこは分かっているようで、偵察隊が既に編成されて、すぐにでも出る準備がされている」

『そりゃ、当然だね。で、それを上回って、一気に国王陛下を離脱させられる可能性があり、高速で移動できる乗り物がある。いや、この場合は、乗り者かな?』

「そういうこと。こっちから提案をすれば、否定はしないだろう。しかし、戦力としての取り込みは勘弁願いたい」

『そう言うバカなことはしないと思う。今そんなことをすれば、学府とも対立する羽目になる。八方塞がりは避けるだろう。で、そこはいい。一番大事なのは、アマンダとエオイドは無事に帰ってこられるかどうかだ』


ポープリとしては、未だ卒業もしていない教え子たちが、戦争に赴くのはいやらしい。

まあ、当然か。

2人ともシングルナンバーというわけでもなく、俺たちが指導して、実力を伸ばし始めたばかりの、本当に新人と言っていい。

普通なら死んで来い。ってレベルの命令になる。


「そこは大丈夫だとおもう。2人が暴走をしなければな」

『……暴走した際は殴ってでも止めてくれ。2人の無事が条件だ』

「戦地を見て、心がぶっ壊れる可能性までは責任持てないぞ?」

『そこは仕方ない。まあ、そこら辺は往々にして誰でも経験することだからね』


いや、俺の地元ではそんな経験なんて、誰もしたことないぞ。


『というか、君たちが負けるという状況がまったく思い浮かばない。魔剣、聖剣を量産したところでどうにかなる力量差ではないよ。この話の本題は学長である私と話したという事実と、アグウストに対してどうやって協力を持ちかけるかって話だね』


そう。

一応、護衛の傭兵団なのだから、俺たちの一存で向かうわけにはいかない。

他国での戦闘でもあるし、ほかの指揮下に入るのが、傭兵団としての在り方だ。だってお金もらえないし。

俺たちの場合は、お金なんて実質いらないので、それをはねのけて、自由に行動するという許可がいるのだ。

許可なく戦線を荒らしていたら、アグウストからも敵認定されかねないし、戦力が万が一露見したら、取り込もうと躍起になる人もいるだろう。

だって、現場火の車だろうしな。文字通りで。


『うん。まあ、聞いている限り、面倒なことはユキ殿たちがやってくれるだろうし、問題無いね。そういえば、その宣戦布告した国の名前は?』

「まだ、その話は出ていないな。周辺諸国の1つといっても代表なだけかもしれないしな」

『なるほどね。詳しくは、直接今から、竜騎士アマンダの件も含めて、聞きに行くわけか』

「そういうこと。とりあえず、交渉のための会話は、交渉で渡す予定だった魔力通信を使って行うから、そこでポープリも会議に参加してくれ。本来なら、この話はファイゲルさんに一度通してから、内密にという予定だったんだが……」


こういう、通信網は理解できる人からすれば、とんでもない価値がある。

今までのこの世界の戦争という概念を覆すものだ。

だから、この道具の受け渡しは慎重にやりたかった。

ローデイの方はサマンサの親父さん、公爵に内密にビデオと同じように話を通している。

ジルバ、エナーリアは未だに渡していない。

だって、目立って暴れたから、敵対感情が存在していて、迂闊に渡せない。

いや、通信を使っての悪事や、襲撃の鎮圧は容易だけど、それだとますますジルバやエナーリアの立場が悪くなるんだよな。

通信傍受は当然だし。

首輪付きのおもちゃを与えた結果。通信を使った結託で、俺たちを倒そうとして完全敗北とかすれば、恥の上塗りで、国としてはどう立ち回ろうが、傷ついた体に塩を塗る選択しか残らないのだ。

俺たちが、ジルバとエナーリアを乗っ取ろうというのであればいいのだが、そんなことに割いている時間はない。

だから、もうちょっとほとぼり冷めないと、こういう通信機器は渡せない。

だから内密にファイゲルさんを一度通してからにしたかったんだが……。


『この際しかたないよ。出し惜しみしていたら、その宣戦布告した敵との戦闘で被害がどうなるかわからない。魔物の森を管理する私たち学府の者にとっても非常に良くない。そして、彼女とかかわりのある私にとってもね。ならば、事態を解決できるであろう人物を派遣して早期解決を望むのは間違っていない』

「そうか。ポープリも参加を支持。じゃ、さっさと動きますかね」


そう言って、俺が席を立つと、みんなも立ち上がる。


「よし。みんな、これからひと騒動だ。忙しくなるとは思うけど、よろしく頼む」

「「「はい」」」


情報がまだ不十分だから何とも言えないが、最悪、またスティーブたち魔物部隊を呼んで蹴散らしてもらう必要があるな。

そんな面倒な相手じゃないことを祈ろう。

……って、祈る相手はあの駄女神だしな。


「と、そう言えば。寝かせている2人を叩き起こさないとな」

「はい。さっさと起こしますね」


催眠の魔術ですっかり寝かせていたアマンダとエオイドに近寄るエリス。

そして、一気に息を吸い込み……。


「おきなさーーーーい!!」

「ひゃわ」

「うわっ」


珍しく、大声で2人を叩き起こした。

いや、普通に魔力供給を切ってるから、揺さぶれば起きるだろうに。


「旅疲れがあるのは分かります。なので、図書館での調べ物が退屈で寝るのも、まあよしとします。しかし、変な行為はやめてくださいね」


そう言われて、2人は何かに気が付いて手を引っ込める。

……エオイドの手はアマンダの胸から。

……アマンダの手はエオイドの股間あたりから。

ああ、このエロガキどもめ。


最近の若者は実にけしからんですな。

無意識にそんなところに手を伸ばすとか。

タイキ君がいれば、叫んでいたぞ「非リア充に対する宣戦布告ですよ!! 許されざる事ですよ!!」とかなんとか。

まあ、その後、アイリさんに引きずられるんだろうが。


「ち、違うんです!! 触っていただけで何もしてませんから!!」

「そ、そうです!! 夜しか、エオイドとはしませんし!!」


……色ボケしている2人には悪いが、王城に戻る道中で、現状把握をしてもらう。

で、道中、叫ぶ2人を押さえて、引きずっていくことになったのは、まあお約束という奴だ。





さて、本編を読んでもらった方々はわかるかと思いますが、かなりめんどうなことになっています。

今まで新大陸で作ってきた繋がりとか、知識とか総動員でことに当たることになります。

聖剣使いよりも厄介になっています。

もう、戦争状態ですから。


そして、他国の戦争にどうやって首を突っ込んで、問題を解決するのでしょうか!!



あと、不意に思う。

同人出したいなーと思う。

いや、絵じゃなくて、こんな感じの小説で。

でさ、どんな同人小説読んでみたい?

例えば、東方とか、恋姫無双とか、

なんかありそう?



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