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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 学府編

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第294堀:火の粉舞い上がる

火の粉舞い上がる




Side:エリス




「ふむ。まあ、そう言うことなら構わんぞ。姫様のお供は他の人に任せることにするわい。」



クリーナの師匠、育ての親であるファイゲルさんはそう言って、当日、家への訪問を認めてくれました。


「流石、エリス師匠。あっさり師匠が受け入れた」


クリーナは私のことを褒めてくれるが、特にたいしたことはしていない。

昨日、学長を破ったというクリーナの話に食いついていたから、そこから興味を引いて、研究を見て意見が欲しいという話をして、ファイゲルさんの自宅で色々やろうと言ったのだ。

研究の一環だから、こういうのは人前でやるものでもないし、信頼や、実力を認めた相手にしか研究成果というのは開示しない。

なので、イニス姫様はこちらにはかかわらず、ユキさんたちの王都案内と図書館での調べ物について行きました。

今のところは概ね予定通りですね。

と、クリーナにこのやり方の説明でもしましょうか。


「話の流れというのがあるから、そこを掴むといいのよ」


そう、話の流れ。

まあ、戦闘で言う呼吸といいましょうか、そんなのが交渉事にもあります。

その主導権を掴む、いや握れば色々やりやすくなるのです。


「話の流れを掴むのは商売だけじゃなく、交渉事にも使えますから覚えておいて損はないですよ」

「ん。勉強になる。ラッツ、時間が空いたときに教えてほしい」

「任せてくださいな」


道中、ファイゲルさんの背中を追いかけつつ、そんな話をしている。

現在、私たちは昨日話した通り、ファイゲルさんへの懐柔を進めるために、皆とは別行動をとり、ファイゲルさんの家へ向かっています。

イニス姫様はユキさんたちと一緒に動いており、ミリーや霧華は既に王都に潜入して色々活動を開始しています。


「しかし、なにかやたらと高そうな屋敷が多いですね」

「そうね。貴族が住む区画かしら?」


王城を抜け、中央広場と思われる場所で別れたのですが、そのあと私たちの周りからは人々が少なくなり、たまにすれ違うのは、高そうな服を着ている貴族らしい人と、見回りであろう衛兵だけです。


「ん。その通り」

「ですな。私は元々貴族というわけではありませんが、学府での成績や研究成果を認められて、アグウストで貴族の位を貰い、この貴族しか住めないような場所に居を構えさせてもらっていますな」

「その話からすると、元は別の国が出身ですか?」

「ええ。元々はジルバの田舎の生まれですな。色々あって魔術師を目指していた所に、学府の存在を知って入学に踏み切ったのですよ」

「ジルバへ戻ろうとは思わなかったのですか?」

「どうでしょうな。当時、声をかけてくれたのが陛下でしたから。感激で祖国のことなど忘れていましたな。あとは、ジルバとアグウストは真っ向から対立もしていませんでしたからな。特に悪感情はなかったのですよ」


なるほど、自分の才能を認められて勧誘されたなら、敵対国でもない限りは話を受けるでしょうね。

その方が生活は安定しますし、周りにとっても自慢になるでしょうから。

そんなやり取りをしながら進んでいると、ある家の前でファイゲルさんが立ち止まります。


「ここが、私の家、そして研究所ですな」


そう言うファイゲルさんの後ろにあるのは、3階建てぐらいの本館と、2階建ての別館がある大きい屋敷です。


「あちらの2階建ての方が研究所ですか?」

「はい。おわかりになりますかな?」

「研究には失敗がつきものですから」


分かりやすいぐらい焦げていますからね。

尤も私は、ザーギスがよくやらかす度に、修繕費用を減らすと脅していますが。

まあ、この手の新技術に爆発はつきものだとユキさんも言っていますから、今のところは口頭注意ですが、今以上にひどくなるなら、荒野に掘っ立て小屋でも作ってそこで研究させようかと思っています。


「ふむー。さて、そう言えば、研究などの話でしたな。本館でしますかな? それとも別館の研究室の方がよいですかな?」

「師匠。私たちは家でくつろぐのが目的ではない。研究室でいい」

「はい。クリーナの言う通り研究室で構いませんよ」

「ですね。本館だとお手伝いさんとかもいますし、あまりほかの人の耳には入れたくないことですから」

「そうですな。お互いの研究の話ですし、研究室の方がいいですな」


そして、お屋敷の管理をしているであろうメイドさんに声をかけてから、研究室へ入っていきます。

中はザーギスといい勝負なぐらいに、散らかっていました。

研究者というのはこんなものなのでしょうか?


「……相変わらず散らかっている」

「これは無秩序に見えて、実際はちゃんとした配列にな……」

「それは何度も聞いた。師匠だけが分かっても意味がない。周りにどう見えるかが問題。とりあえず、エリス師匠とラッツはあの椅子に座って」


クリーナはそう言いつつ、テーブルの上を片付け始める。

広さ自体はあるので、足の踏み場がないというわけでもないのだが、棚やテーブルの上には資料や素材やら色々置いてある。

ファイゲルさんも一緒になって片付けています。

私とラッツは研究室で勝手に動くわけにはいかず、2人が片付けをするのを見守っています。


「そう言えば、お兄さんたちから連絡はきましたか?」

「ええ。問題なく、軽い王都観光が終わって、王都の図書館で調べ物をしているらしいわ」

「観光をしっかりしていたら、調べ物をする時間なんてないですからね。あと、お姫様の案内ですし、周りもさっさと終わってくれる方へ誘導したのかもしれないですね」

「そうかもね。お国の姫君がのんびり城下街を歩き回るとか、警護の関連で絶対してほしくないことだわ」


私たちがそう言う話をしていると、片付けが終わったのか、クリーナが飲み物を持ってきた。


「ん、待たせた。これを飲んで一息ついて」

「ありがとう」

「はいはい。いただきますね」

「クリーナの茶とか久々じゃな。ん、可もなく不可もなくじゃな」

「……中途半端な感想は要らない」


軽くそんな話をしつつ、お茶を飲んでいると、メイドさんらしき人が部屋に入ってきます。


「ファイゲル様」

「どうした?」

「王城からお呼び出しがかかっております。即座に来られるようにと」


あら、これから色々話そうかと思っていた時になんでしょうか?


「即座にか、すまんなお客人。何やら問題が起こったらしい。話はまた後日でかまわんかね?」

「ええ、大丈夫ですよ」

「はい。じゃ、私たちはお兄さんと合流しましょうか。ここで厄介になる理由もありませんし」

「ん。ユキと合流しよう」


そう言って、私たちはすぐに屋敷の門でファイゲルさんと別れます。

呼び出しはかなり急を要しているようで、門前には馬車が既に待機していて、ファイゲルさんを乗せたら即座に走り去っていきました。


「こんな呼び出しなんて珍しい。記憶にない」

「本当に何かあったみたいね」

「ですね。お兄さんたちの方もなにか動きがあったかもしれません。コールで聞いてみましょう」


ラッツは周りに人がいないのを確かめて、魔術での隠ぺいをしたうえでコールをします。


「もしもし、ジェシカ。いまいいですか?」

『あ、はい。こちらも連絡をしようと思っていました』

「こちらも?」

『ええ。イニス姫様が王城に呼び戻されたのですよ。そちらは何か問題はありませんでしたか?』


イニス姫様も呼び戻されましたか、これはかなり大きい問題が起こっていると見るべきですか?


「こっちは、ファイゲルさんが王城に呼び戻されましたね。わざわざ馬車を使ってまで特急で」

『そっちもですか。……なら、王子様の急病というのは怪しいですね』

「お姫様の呼び戻し理由は、王子様の急病なんですか?」

『ええ。たぶん急用だけじゃ、きっと戻らないと思ったのではないでしょうか?』

「ああ、ありそうですね」


確かに、イニス姫様はかなりはっきりしたまっすぐな性格だから、確固たる理由がないのに、自分から言い出した案内を放り投げることをよしとするわけがないですね。


「そういえば、皆は図書館ですか? それとも一緒に戻っているんですか?」

『図書館に残っていますね。一応、案内の兵士が付いていますし、戻るときには何も問題はありません。イニス姫様も私たちが途中で調べ物を切り上げさせるのは心苦しかったみたいですし、残って調べ物をしつつ、情報を集めて、連絡を取っている感じです』

「じゃ、私たちは図書館に向かって合流しますね」

『はい。お願いします』


話を終えて、私たちはクリーナの案内の元、図書館へと足を進めます。


「しかし、お姫様、宮廷魔術師顧問を呼び出すとか、よほどのことがあったのでしょうね」

「ん、よほどの事態だと思われる。王子が重傷を負ったとか」

「そう言う可能性もありますね。急病でなく重症なら事故か事件かの判断に加えて色々事後対策をしないといけませんし。と、あれビクセンさんですよね?」


ラッツがそう言って指を指す。

その先には、確かにビクセンさんと思われる人が、慌てて王城に向けて走っていた。


「ビクセンさんも呼び出されたのでしょうか?」

「わからない。でも近衛の副隊長だからありえなくもない」

「ここで、考えても仕方ないわ。街の情報はミリーたちが集めているし、私たちはさっさと図書館に行って、ユキさんたちと合流しましょう」


何やら、変な感じがする。

とりあえず、ユキさんたちと合流して事態の把握に努めた方がいいかもしれない。

クリーナの案内もあって、特に迷うこともなく、図書館に利用料を払って中に入ることができた。

あとは、中にいるユキさんたちを探すだけ……。


「あ、エリス。こっちです」


辺りを見回す前に、ジェシカとデリーユが迎えに来ていたみたいで、すぐに声をかけられた。

でも、周りにはそれらしい人の塊はありません。


「姫様と一緒に来たせいでな、幸か不幸か一室を貸してもらえたのじゃよ」

「「「ああ」」」


私たちは全員同時に納得した。

それはお姫様が来たのに、一般と同じ場所なんてどっちとしても迷惑だ。

図書館管理側としても、一般客としても……。


「ある意味、好都合じゃよ。おかげで、お付きの兵士は部屋外で待機じゃからな。秘密の話をするのはこっちとしてもやりやすい」


デリーユはそう言いつつ、図書館の奥にある閲覧室へ向かい、部屋で見張る兵士に声をかける。


「連れはちゃんと来たようじゃ。心遣い感謝するぞ」

「はっ。ご無事でなによりです!!」

「いま、椅子を運んでもらうように言っていますから、それが来たら掛けて警備をお願いします」


ジェシカはどうやら、直立不動で私たちのお付きに残った兵士に気をつかっていたようだ。

確かに、どうせ監視も兼ねているでしょうけど、成果が上がるわけでもないし、このまま数時間立ちっぱなしかもしれないというのはかわいそうだ。


「いえ、そのようなお気遣いを……」

「いえいえ。もう頼んでしまいましたし、あなたが立派に勤めを果たしているのはちゃんと知っています。こちらも調べ物がすぐ終わるわけでもないですし、一緒に中で待ってもらってもいいのですが」

「それはご遠慮いたします。それでは、兵の務めを果たせません。椅子の件はありがたく使わせていただきますので、どうぞお調べ物をなさってください。なにかあればまたお声掛けください」


真面目ね。

ジェシカにわざわざ、中に入る? なんて聞かれたら、こんな真面目な兵士は絶対に入らないでしょう。

そんな感想を思いつつ、部屋の中に入ると、テーブルの上に本は積まれているものの、本を開いて調べ物をしている人はおらず、ユキさんの周りに集まってコール画面を見つめている。


「何か情報が来たのですか?」

「あ、エリスたち。到着したんだな」

「ええ。たった今ですね」

「そうか、ならこれを見てくれ」


そう言って、コール画面にワイちゃんの視界が映し出されて……。

その画面には、兵舎の中へ次々に運び込まれる兵士たちがいた。

……どうみても、敗残兵のようにボロボロ。

ですが、数が1人や2人ではない。

パッとみても50人以上はいる。


「何があったんですか?」

「いや、まだ正確なことはわからん。だけど、兵舎にいきなり飛び込んできた割には、受け入れられているから、アグウストの兵士ではあるようだ。流石にワイちゃんに喋らせて事情を聞くわけにもいかないからな」

「そんなことすれば、もっと大騒ぎになりますねー。しかし、この兵隊さんたちはどこの所属で、どこから運び込まれてきたんでしょうね? クリーナ、わかりますか?」


ラッツはそう言って、この国出身のクリーナに話を振る。

でも、クリーナは静かに首を横に振り……。


「……ごめん、わからない」

「そうか。ま、興味がないものを覚えるのは無理だしな。メジャーな部隊ってわけじゃないか、あまり一般には出ない兵士なんだろう」

「あ、でも、ビクセンはこのことを報告するために、王城に走っていった?」

「ああ、そうかもしれませんね」

「どういうことだ? ビクセンさんはいま兵舎にいないのか?」

「ええ、先ほど、街中で馬を駆っている姿を目にしましたよ」

「ということは、王城に責任者をかき集めている状態か……。覗き見はしたくないんだが、こっちにも被害がありそうだしな。正確な情報を集めるためには、やむなしか」


ユキさんはそう言って、ダンジョン化した王城の監視画面に切り替える。

勿論、アグウストだけでなく、今まで行った重要拠点はダンジョン化して、今では、魔力が学府の近辺に集まるのを阻止している。

最初は、ダンジョン化するための魔力拡散による、魔物の大量発生を心配していたが、その魔力の流れを解明できたので、その集積場所である学府には常時仲間をのこしていて、定期的に魔物の間引きをしているので、私たちが原因による大量発生はまずない。


「……姫さんは、これか。同じ部屋にファイゲルさんもいるな。そして、慌てて近づいているのは、ビクセンさんだな」


私たちも、ユキさんと同じようにコール画面で場内の監視を見る。

確かに、大きな会議室に集まっている。

3人だけでなく、ほかにも色々集まっているところを見ると、本当に大事のようね。


『失礼します!!』


画面にはビクセンさんが慌てて入っている姿が映る。


『来たなビクセン。で、どうだ、状態は?』

『殆どが傷を負っており、治療の為の手配に大忙しです』

『そうか。で、間違いないのだな?』

『はい。間違いございません。彼らは陛下の視察について行った親衛隊と地方の領兵です』


ビクセンさんのその言葉で、会議室にいる全員がざわつく。

しかし、陛下の親衛隊がボロボロになって運び込まれるって相当ね。


『陛下は、陛下は見当たらなかったのか!!』


1人の男がビクセンさんにそう問いかけます。


『いえ、送られてくる負傷兵の中に、陛下のお姿は見えません』

『何か、伝令などは無いのか? 負傷兵だけを送ってくるということは、これは後送しているのだろう?』

『はい。その通りです。負傷兵たちを先頭でまとめて連れてきた、親衛隊の副隊長から指令書を預かっています』


そう言って、ビクセンさんがファイゲルさんの方へ、指令書を渡します。

ファイゲルさんは指令書が本物かどうかの確認をして、指令書の封を解き、目を通す。


『……これは由々しき事態ですな』

『何が書いてある?』

『アグウストの後方国の1つが、我が国に対して宣戦を布告したようですな』

『『『なんだと!!』』』


会議室の中に信じられない、と言いたげな空気が広がる。


『で、視察に行っていた陛下が、偶然ではありますまいが、その場に居合わせ、地方の兵と親衛隊を直々に指揮して追い払おうとしたみたいですな』

『……父上ならやるな。で、無事に追い返したのか?』

『彼我の戦力は当初1000対3000で、数では陛下の方が完全に有利だったようですが、その敵が全員、魔剣と思しきものと、火の杖を装備していたそうです』

『どこまで本当の話だ?』

『わかりませぬ。しかし、その装備を見て嫌な予感がしたのか、平原でのぶつかり合いではなく、籠城を選んだようです。しかし、敵の攻勢は激しく、撤退を前提に動いておるようです。現在、守りの兵を割いて、領民を避難させているようですな。それで防衛線を構築するための軍を送ってきてほしいとのことです』

『なるほど、それで地方の兵士もまとめてこっちに送られてきたか。ビクセン、即時にファイゲル老師が読み上げた内容を負傷兵たちに聞いてこい』

『はっ!!』

『ファイゲル老師は、直ちに防衛線を張るために軍に招集をかけろ。数は王都防衛軍の半分。方面軍にも呼びかけろ』

『はっ』

『準備期間は最低5日で終わらせろ!! 話が事実なら、いつ父上たちが、敗走して戻ってきてもおかしくはない。受け入れる体制も整えておけ!!』

『『『はっ!!』』』

『伝令!! 父上へ、準備を整えすぐに向かう!! 先遣隊は8日、全軍到着予定は20日かかると伝えろ!!』

『はっ!!』

『地図を持ってこい!! 被害がありそうな地域への連絡と、父上たちの後退進路を予測するぞ。偵察隊は今日中にでて、父上たちの位置を調べてこい!!』

『『『はっ!!』』』


物凄い気迫ですね。

しかし、この指揮能力。

ヘタするとセラリアより優秀かもしれない。


『民への説明はいかがなさいますか?』

『隠していても兵舎の負傷兵でばれる。下手に隠さずに、敵国が攻めてきたと。そのための迎撃に向かうと伝えればいい。敗走の可能性を示唆することは話すな。治安が悪化する。父上、陛下直々に指揮を執るのであれば、負けを予想する人はおるまい』

『かしこまりました』


そうやって、テキパキと軍の指示だけでなく、王都の治安の取り締まり強化や、盗賊の増加への対策などをよどみなくこなしている。


「……ジェシカ、サマンサ、クリーナ、俺の記憶が確かなら、亜人の国を含めて6大国以外は、有象無象で中央の6大国に依存するような国が多いと聞いたけど。間違いないな?」

「ええ。間違いありません。一応国という体面は取っていますが、属国ですからね」

「そうですわね。ジェシカの言う通り、小さい国同士での戦争はありますが、6大国相手に喧嘩を売るのは聞いたことがありません」

「ん。そもそも、戦争をするメリットがない。属国として地域を安定させていた方が、恩恵があるはず」


なるほど、ジェシカから聞いてはいましたが、こういうところはウィードの大陸と同じなのですね。

6大国を盾として、不干渉の形を取っているのでしょう。

だって、大国がなくなれば、その代わりにほかの大国と戦わなくてはいけないのだから。

ウィードの大陸の方は、更に、魔王へのけん制の意味もありましたが。


「つまりだ、相手は大国を落として、更に他の大国も十分に相手できるから動いたってことか」

「「「……」」」


ユキさんの言葉に全員、口を閉じてしまいます。

そう、直ぐ考えればわかる。

私たちでもすぐに考え付くことを、当事者たちが思いつかないわけがない。

ということは、本当に何か算段があって動いている。


「更に、大量の魔剣や、エンチャントの杖と思しきものを全員が持っている。これは……俺たちの探し物のことも知っているかもしれないな」

「じゃ、お兄さん……」

「ああ。この戦い、傭兵団として参戦しよう。向こうもこっちの戦力は欲しいだろうからな」


そう言って、ユキさんは魔術で寝かせているアマンダとエオイドを指さす。


「危ない真似はさせない。が、さっそく利用させてもらおう。ミリー、霧華、聞いていたな?」

『はい』

『一言一句逃さず』

「ミリーと霧華は細かい情報を王都で引き続き集めてくれ。俺たちはポープリとララに連絡を取る」

『『はい』』


まったく、のんびり新婚旅行はできそうにないわね。





さあ、お約束とはちょっと違うけど、アグウストに宣戦布告する小国。

何が起こっているのか?

大量の魔剣と火の杖とは?

今までちりばめてきた、新大陸のフラグを集めまくるぞ!!


あと別件で風邪ひいた。

なんか喉にきてるのか、咳が酷い。

だらだらと一週間ぐらい、そろそろ治ってほしいが。

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