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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 学府編

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第289堀:ペッタンコの価値

ペッタンコの価値



side:リーア



「あー、慌ててるな」

「それはそうですよ。ワイバーンとはいえドラゴンなんですから」


私はユキさんの横にいつものように立ち、下で右往左往する兵士さんたちを見つめる。

ウィードの大陸でも、ワイバーンが来ると結構な被害を覚悟しないといけないって言われているし、魔物自体がそもそも少ない新大陸ではかなり珍しいことじゃないかな?


「リーアのいう通りです。ビクセン殿が言った通り連絡があったとはいえ、ワイバーンなんて見たことありませんからね。ほら、弓を構えている兵士だっています」

「あ、ほんとだ」


ジェシカのいう通り、慌てた様子で弓をこちらに構えている兵士がいる。

届く距離ではないけど、一応警戒してユキさんより前に出ていつでも迎撃できるようにする。

でも、すぐに他の兵士に叩かれて、弓を取り上げられる。


「申し訳ありません。若い兵士が慌てたようで、こちらに敵意はありませんので」


ビクセンさんが心底申し訳ないといった感じで謝罪する。

この人、偉い人らしいのだけれど。なんというか、苦労人という感じがする。

私をわざわざ引き取った商人のおじさんみたいだ。


「仕方ないですよ。まあ、見た感じ、上官たちがきっちり抑えに行っていますし、ちゃんと連絡は伝わっているようですね。で、ワイバーンは空いている所へ?」

「はい。今、場所を開けているあちらで問題ありません。ひとまずそこへ着陸して、そこから端に寄っていただければと」

「わかりました。アマンダさん聞こえた通りで」

「はい。お願い。ワイちゃん」


ギャース。


ワイちゃんが一吠えの返事をすると、下にいる兵士はこわばった顔をする。

まあ、竜が吠えたら、攻撃すると思うよね。

とりあえず、私とジェシカはユキさんの傍でどんな攻撃も防げるように構えて、クリーナとサマンサは少し距離を取って、魔術で迎撃できるように辺りを厳重に警戒している。

勿論、エリスやデリーユ、ルルア、ラッツも厳戒態勢。

ラビリスとシェーラはアスリンちゃんと、フィーリアちゃんを守るように横についている。

あ、アマンダはもちろんエオイドが守っている。

ビクセンさんも籠の中から手を振り、攻撃するなと大きな声で何度も叫んでいる。

……すごく疲れそう。

とりあえず、ビクセンさんの声もあってか、特に問題もなく着陸して、籠から降ります。


「お待ちしておりました。竜騎士様!!」


降りると、そんな声がして、整列していた兵士さんたちが、一斉に敬礼をする。

うん。よく訓練されているみたいだ。

名指しされたアマンダはやっぱりなれないのか、顔が引きつっている。

とりあえず、エリスに突っつかれて、何とか返事を返す。


「丁寧な対応ありがとう、ございます。素晴らしい教育がされているヨウデスネ。謁見の際には、この話をシタイトオモイマス」

「はっ、ありがとうございます!!」


兵士さんたちはガッツポーズをしている人が少なからずいる。

そりゃ、謁見なんて普通はできませんし、こういう機会を使って、間接的にでも評価されれば、あとで色々ボーナスがあるかもしれません。

そんなやり取りをしている間に、一度兵舎に入って行ったビクセンさんが戻ってきて……。


「皆さま、王城にはすでに連絡を向かわせているとのことですので、すぐに迎えの馬車が来ると思われます。それまでに準備をお願いいたします。それと、アマンダ様。竜ですが、あちらの端へお願いできますか?」

「あ、はい。わかりました」


そして、ワイちゃんは広場の端へ移動していく。


「ジェシカ。そう言えば、ワイちゃんの見張りって私たちのだれが残るの? 聞いてなかったよね?」

「ああ、そう言えば私も聞いていませんね。ユキ、一体誰が残るのですか?」

「いや、誰も残さないぞ」

「え。でも、それじゃ、ワイちゃんに変なことする馬鹿がいるかもしれないですよ?」

「リーアの言う通りだと思いますが。何か狙いでもあるんですか?」

「そりゃ、あるよ。俺たちは、ここの兵士たちを信用してワイちゃんを完全に預けるんだ。そして、誰か残ってくれと向こうから要望がない限り、迎えの馬車に全員が乗らないのは失礼だろ?」


ユキさんの説明で、ジェシカは顔を引きつらせていた。

また、ユキさんのお得意だね。


「つまり、ワイちゃんは私たち以外にはどうにもできないし、兵士さんが警備を怠って何か問題があればこっちが有利になるんですね?」

「おう、そう言うことだ。リーアもなかなか分かってきたよな」

「えへへ。それはユキさんの奥さんですから」


こういうのは以心伝心ですね。

目と目で通じ合う。みたいな感じ。

まさに夫婦って感じで嬉しい。


「しかし、逆に、ワイちゃんが暴走して暴れたと、難癖をつけてくる可能性もあるのでは?」


ジェシカは心配そうに、独りになっているワイちゃんを見つめている。

ああ、確かに、変な難癖は貴族の得意技だよね。


「それもなくはないが、完全にアウトコースだな」

「というと?」

「既に、学府、ローデイと安全に待機しているのは証明しているんだ。ここで、そこの兵士たちを買収して騒ぎ立てても、兵士が怪我するぐらいで、大事にはできない。学府とローデイができたことなのに、自分たちができないって証明だしな」

「確かに、それは国としての恥ですね……」

「まあ、王都を焼き尽くすぐらいしないと文句はいえないだろうが、すると思うか?」

「それはないですねー。自分のお家も燃えちゃうかもしれないですし」

「万が一、王城までワイちゃんが迫れば、それこそ国が傾きますね。バリスタですらワイちゃんには効きませんから。アンチマテリアルライフルでようやくという感じですし」

「そもそも、お姫様やクリーナの師匠でもある宮廷魔術師顧問が学府卒業生らしいからな、わざわざ国がグルになって喧嘩売るとおもうか?」

「ないですね。学府どころか、学府を支援しているほかの4か国に完全に喧嘩をうることになりますね」


うん。

聞く限り、ワイちゃんに手を出すこと自体が破滅にしかならない。


「そう言うことだ、動いても個人の暴走だろうから、お偉いさんたちはこぞってこっちの機嫌取りに来るだろうな。だから、ワイちゃんを放っておいた方が、色々便利。嫁さんたちの誰かをワイちゃんの護衛に残している方が逆に問題だ」

「え? それはどうしてですか?」

「俺の身分は一応、ジルバとエナーリアの王族の血筋と無茶苦茶になっているが、建前上は雇われの傭兵団の団長だ。そこがねらい目と思って、嫁さんたちに手を出す奴の方が多いだろう。ワイちゃんは話が通じない魔物。でも、嫁さんたちは話が通じるから、説得して引き込めばいいし、無理やり押し倒して、とそんなバカなことを考える奴もいるだろう」

「「「ぶっ殺します」」」


私を含めて、ユキさんの奥さん全員がそう答える。

当然の答え。私たちに、そういうことをしていいのはユキさんただ1人です。


「ひっ!? い、一体何があったの!? エ、エリス師匠とデリーユ師匠の殺気が……」

「あ、ああ。いや、ユキさんたちの奥さんに手を出す馬鹿がいるかもしれないから、ここにはワイちゃんだけ置いて行くって」

「なるほど。エリス師匠たち美人だもんね。というか、エリス師匠たち相手に手を出すとか自殺志願にしか見えないわ」


おっと、アマンダを怖がらせたらいけない。

ほかの皆も気が付いて、殺気を静めたようだ。


「俺も、嫁さんたちに手を出されたら怒ると思う。だから、そうならないように一緒にいてくれ。一緒にいれば手を出してくるバカがいても、お互いでなんとかフォローに回れるからな。1人だと、相手をぶっとばしたくなるだろ?」


コクコクと、皆で頷く。

いや、ぶっ殺します。


「まあ、完全にいつも一緒は無理だろうから、必ず最低2人以上で行動してくれ、1人での行動は絶対になし。ある意味いつもの通りだ。こんなこと、だとは思わないが、これを理由に王城を吹っ飛ばしても、それはそれで面倒だからな」


ユキさんにべったりしろということね。

大丈夫、大得意だから!! 大好きだから!!


「ふむふむ。なるほど。お兄さんの気持ちはよくわかりました。では、ここはいつもと違って、私がジェシカの代わりに護衛を勤めましょう」

「え!?」


ジェシカがラッツの発言に驚いている。


「そんなに驚くことではないですよ? いつも、護衛で大変でしょう。私が王都にいる間は代わりますよ」

そして、すっと、ユキさんの腕を抱き込みます。


「い、いえ大丈夫ですから!!」

「いえいえ、無理しないでゆっくりしてください」


あー、ラッツはジェシカで遊んでいるな。

ジェシカもそこら辺慣れればいいのに。真面目だからなー。

すると、残っているユキさんの腕をエリスが抱きこんで……。


「リーア、私が代わるからゆっくりしてね」


は?

意味わからないし。


「エリスゥゥゥ!! そこ私の場所だから!!」

「あらあら、勇者様は基本護衛じゃなくて遊撃って相場が決まっているでしょうに」

「いいの!! 私はユキさん専用だから!!」


もう、エリスまで悪のりしてる。

でも、油断すると真面目に今回の護衛役を奪われる。

ラッツよりたちが悪いよ!?


「ほれほれ、じゃれるのもそこまでにしておけ。馬車が来たようじゃぞ」

「ですね。ユキさんとは後で新婚旅行もありますし、たっぷり食べられ……、いえ、いちゃいちゃできるのですから、今はさっさと用事を終わらせましょう」


ルルアがそう言うと、私たちはピタッと止まって、すぐに大人しくなる。


「……現金な奴らじゃな」

「じゃ、デリーユは新婚旅行はなしでいいのですか?」

「絶対嫌じゃ!!」


ということで、用意された馬車にすぐに乗り込み、移動を開始する私たち。

ガタゴト揺れるのは、懐かしいのだけど、車の方がいいなー。

おかげで、お尻や腰が痛い。

馬車の道中だけど、窓にカーテンをかけていて、外が見えないようになっていたので、街並みを見ることはできず、そのまま王城に招かれることになった。

一緒に乗っていたビクセンさん曰く、アマンダ様やその御一行の顔が一般にばれると、観光するときに身動きができなくなるとか、要らぬことを企む輩が出るかもしれないとのことだった。


「うーん。お尻が痛い」

「……私も同じです。車に慣れすぎですね。なんとかならないものですかね」

「だね」


私とジェシカはユキさんの横で、お互いお尻をさすっていた。


「……そこら辺は、魔術のクッションでも作ってなんとかしろよ。わざとやってるかと思って何も言わなかったぞ」

「「あ」」


なるほど、ユキさんが平然と馬車の中でビクセンさんと話していたのはそういうことか。

今度はそうしよう。


「なんですの? その魔術のクッションとは?」

「ん、興味がある」

「ああ、2人は知りませんよね」

「えーと、風の魔術の応用でね。ほら、家にクッションあるじゃない? それを真似て衝撃を和らげる物を作るんだ」


確か、詳しくは風で攻撃を防ぐシールド系の応用だったかな?

そんなことをクリーナやサマンサに話していると、横から声をかけられる。


「おお、よく戻ってきたな。クリーナ」

「師匠!!」


クリーナにしては珍しく、声をあげて、そのおじいちゃんに走り寄る。

ああ、あれがクリーナのお師匠様で、育ての親か。

とんがり帽子に、白いひげ、ローブと正に正統派の魔術師といった服装だ。

でも、クリーナを前に笑顔を見せている所から、いいおじいちゃんなのだと思える。


「どうして師匠がここに? いつもは街外れの家で研究して引き籠っているはず」

「ぐはっ、痛い所を突かれたのう。でもな、わしの可愛い娘が帰ってくるのに、家で引き籠るのはどうかと思ってな。案内役を姫様に頼んで任せてもらったのじゃよ」


微笑ましい光景だ。

私も、あんな時があったな……。

1日畑仕事を終えて、家に帰れば迎えてくれる母や妹……。

もう戻らない、懐かしい記憶。

私が勇者の力を使えていればと、思ったことは何度もある。

でも、ユキさんに会えた。運命の人に会えた。

過程は過酷だったけど、この出会いを無しにしたいとは思えない。

悲しみも、痛みも、この胸の中の愛も、私のモノだから。

……だから、私は村の皆の分まで、幸せになるんだ。


「リーア。大丈夫ですか? 涙が出ていますよ?」

「あ、うん。大丈夫。ただちょっと懐かしいなーと思っただけ」

「……懐かしいですか。無理はしないでくださいね」

「ありがとう。でも本当に大丈夫だから。ジェシカも優しいし」


そう、ユキさんだけじゃない。

こんなに、心から信頼できる仲間も沢山できた。

過去にこだわるような理由はない。

そんなことを考えているうちに、クリーナとお師匠さんの話は終わったのか、2人でこちらに歩いてくる。


「みんな。紹介する。私の育ての親で、お師匠。そしてアグウスト国、宮廷魔術師顧問、ファイゲル・ハンドレッド」

「ほほほ。紹介に預かりました。ファイゲル・ハンドレッドと申します。娘の友達ですし、気軽にファイゲルとお呼びください。そして、竜騎士アマンダ様とこうして話せる機会をいただき、まことに感謝いたします」


そうして、おじいちゃんはアマンダの前で頭を下げる。

名指しされたアマンダは、やっぱり緊張していて。……あれ、何であのおじいちゃん、アマンダの姿を知っているのだろう?

クリーナから教えてもらったのかな?


「ひゃ、ひゃい!! い、いえ、そんなにかしこまらないでください。私は未だ学府の生徒ですし、大先輩で、ポープリ学長と魔術を撃ち合い、その果てに100の魔術を操るといわれたハンドレッド様にそこまでしていただく必要はないです!!」

「ほほほ。懐かしい話ですな。竜騎士アマンダ様がそうおっしゃるのであれば、クリーナの友達として普段は、普通に話しましょう。ですが、公式の場ではお互いの立場がございますのでご了承ください」

「はい。わかりました。よろしくお願いします」


ふむふむ、ものわかりのいいおじいちゃんだね。


「しかし、今でもその話が残っているのか、クリーナ?」

「残っているも何も、ポープリ学長と魔術戦ができたのは師匠ぐらいのもの」

「いやいや、わしが学生じゃった時は、学長に喧嘩を売る者が山ほどおったぞ?そもそも、魔術戦と言ってもこっちは手数で攻めて結局、打ち負かされたがのう」

「……その数が尋常ではなかった。違う魔術を山ほど撃ちだしたと文献が残っているし、今でも語り継がれている。というか、学長が言っている」

「あんのクソババアめ。そうやってわしに注目を集めおってからに。わしの手数のすべてに対応してきた自分のことは全く出ていないことを考えると、厄介ごとをこっちに押し付けるつもりじゃな……。今度、文句を言いに行くべきか……」


うん。ポープリさん、昔からあんな感じだったのね。

おじいちゃんには同情する。

今、エリスに餌付けされている姿を見たら、笑うだろうか、涙するだろうか?


「そんなことより、ほかの皆の紹介を済ませておきたい」

「おおっ、すまんな。確か、エナーリアの襲撃を防いだ、傭兵団の方々が護衛についていると連絡にはあったが……。女学生ばかりじゃな。どこに傭兵団の人がいるのかのう?」

「……アマンダと、その横にいるエオイド以外が傭兵団。一応、学府の生徒として迎え入れられているから制服を着ている」

「ほっ、こんな若い方々が!?」

「ん、事実。もう、謁見まで時間がなさそうだから、簡潔に言う。その男の人」


クリーナは私の横にいるユキさんを見ながらこう口を開く。


「傭兵団の団長、ユキ。そして、私の夫。ほかの皆は妻友達。新しい家族」

「は?」


おじいちゃんは理解が追い付かないのか、口を開けたまま固まっている。

あー、なんというか、私でも想像できる。

これは、娘をやれるかー!! って怒ると思う。

だって、ユキさんのことは何も知らないし、見た感じクリーナのことを大事にしているし、当然の反応だと思う。

私がそう考えていると、おじいちゃんは何かを溜めるように顔を少し下げて、プルプル震えている。

ほかの皆もわかっているようで、次に来るであろう叫び声に備えて、耳に手を持ってきている。

そして、ユキさんは、クリーナの相手ということで、仄かに泣きながら、次に起こる出来事を受け入れる気でいる。

……がんばれ、ユキさん。

そして、おじいちゃんがバッと顔を上げ、ユキさんにツカツカと歩いていくる。

武器は持っていないが、接近は流石に看過できない。

近づくのを止めようと、私とジェシカが前にでようとするが、ユキさんに止められて、そのまま成り行きを見守ることになる。

殺気はないようだけど、万が一、攻撃したら消し炭にしてやる。

おじいちゃんはユキさんのすぐ目の前に立ち、手を素早く伸ばす。


バッ!!


私とジェシカ、サマンサは即座に構える。

一応、既に王城内なので表向きな武器は取り上げられたが、アイテムボックスの勇者装備とかは健在だし、いつでも出せるようにしている。

でも、おじいちゃんの両手はユキさんの手を握っていて……。



「ようやった!! この不愛想、ペタンコ娘で良いとか、奇特な人がおったもんじゃ!!」



ズルッ。


私たち全員が崩れ落ちかけた。

というか、そっち!?


「いやー、わしとしては自慢の娘なんじゃが、最初の教育を間違ったかしらんが、本と魔術ばかりで、人と交流がしにくい娘に育ったんじゃよ。それに気が付いて、学府に送り出したのじゃが、学長からの報告も本を読んでばかり。こりゃー、わしと同じように伴侶なく婆さんになるのかと思っておった。まあ、スタイルさえよければ可能性はあったのじゃろうが。実際は、ほれこの通り、ちっこくて、ツルツルぺったんじゃろ?」


あー、後ろでクリーナがプルプル震えている。

おじいちゃんが独身だった理由がわかる気がする、女性への気遣いができていない。

というか、普通にクリーナは美少女で、友達を欲しがっていただけ。

周りが気づけないのが悪いと思う。


「い、いえ。そんなところも含めて、クリーナを愛していますよ」


流石ユキさん!!

クリーナの震えが止まって、頬を赤らめている。

可愛いよ!!


「よかったのう!! こんな青年は初めてじゃ!! お前のペッタンコを知ってなお、好きですよ。とか、可愛らしいですね。とか言わんぞ!! ペッタンコなのに!!」


しかし、ユキさんがわざわざ宥めたのに、地雷を踏むおじいちゃん。

ペッタンコは悪いことじゃないんですよ。

とりあえず、クリーナが臨界点突破したのは分かったので、ユキさんとおじいちゃんを残してみんな離れる。

クリーナの攻撃だからユキさんへの被害は何も心配しなくていいし、どう見ても、ただのじゃれあい。

まあ、おじいちゃんが生き残れるかは知らない。



「……死ね。クソ爺!!」



そして、ウィードでの訓練の成果を示すように、瞬時にとても大きいファイアーボールを生み出し、おじいちゃんに放つ。


「ふっ、魔力の高ぶりを抑えろとあれほど言っておろうに、高位の魔術師相手には発動を見破られ……」


そう、おじいちゃんは言って振り向き、目の前に迫るファイアーボールを見て叫ぶ。



「ちょ、デカすぎ!? 待っ……」



ドーーーーン!!



王城に響き渡る爆音がするのであった。

……うーん。

おじいちゃん黒焦げになってそう。




「くっ」と「つーる、ぺーた、ぴったんこ」を想像した人アウト。

とまあ、ギャグがいとして、王城へ突入。

いったいなにが待ち構えているのか!!

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