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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸編 魔剣と聖剣

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第234掘:ルール違反共の行動

ルール違反共の行動




side:ミノちゃん



おらは現在、エナーリアへの道をテクテク歩いている。

車使えば簡単なんだべが、それだと、案内に来たエナーリアの人を置いていってしまうし、車を見せれば更なる厄介事がまってること確定だべ、だから、のんびり歩いてるべ。


「申し訳ない、この様な不始末を……」


横で馬に乗って並走するハインさんが申し訳なさそうに声をかけてくる。

おらたちは、あんちゃんたちとは別で、先にエナーリアに向かっているのだが、その案内役が先の交渉でおらたちと話し合ったハインさんだべ。

いや、他に誰がくるべって話なんだが。


「気にすることはないべよ。おらが乗れる馬が無かっただけだべ。というか、走ったほうが速いべよ」


おらはそう言ってハインさんをフォローする。

今回のエナーリアへ向かうのはジルバには内緒になるので、なるべく隠密行動をとらなくてはいけないらしく、大規模な兵はおらたちの迎えにはいなかったべ。

というか、おらの姿で隠密もなにもないと思うべが。

ま、おらたちにはいい訓練だべ。

新大陸にきたはいいけど、おらたち魔物部隊は基本的に外にでれないべ。

スティーブと辛うじてジョン、つまりは、ゴブリンとオークの連中はお外にでて問題ないだべが、それ以外はこの大陸では珍しく、おらに至っては伝説の魔物だべ。

乗り物にワイバーンたちを使えば大混乱だべな。

てなわけで、新大陸に来てから、ダンジョンの奥深くでひたすら待機だったメンバーが大規模ジャンケンの結果、100名がついてくることになったべよ。

あ、ジャンケンできる手が無い奴は、ジャンケンカード持たせだべ。

アレだべ、1人が舞台に立って、ジャンケンをしてある程度減るまでってやつ。


「そう言っていただけるとありがたいです。しかし、もう一つの方は大丈夫でしょうか?」

「ああ、皆、魔物の扱いは知ってるべ。だから、余程危険な目に遭わない限りは無視するべよ」

「助かります。……その、ミノタウロス将軍以外にも、見たことが無い魔物がいると、その民が動揺しますので、建前上は我々が捕らえて来たという事になって申し訳ない」

「何度も謝らなくてもいいべ。部下もそれは理解しているべ、こっちも普通に暮らしている人を怯えさせる理由はなにもないべよ。ま、襲われたらそれなりの対処はするべよ?」

「はい、それは構いませんぞ。王命に逆らった馬鹿共は罰を与えて当然なので」


と言っても、攻撃を受けるような部下はいないんだべが、全員レベルとしては120は越えている、既に引き渡しているエージル将軍ぐらいの魔剣使いなら全員が完封できる強さだべ。

不満があると言えば、おらも含めて、銃火器を表だって装備できないってことだべな。

全員アイテムボックスに銃火器を隠している。

この大陸の文明的にしかたないだべが、斧や剣だとやっぱり不安だべ。

やっぱり、あんちゃんの世界を知った魔物としては、こう古い剣や魔法ではなく、この体格に見合う、両手にガトリング砲をもって、スター◯とかいって、バイ◯のボスみたいなカッコイイのをやってみたいべ。

あ、帰ったらナールジアさんに革の黒いコートみたいなのを頼んべみるべ、あとサングラス。

そう言えば、6やってなかったべな。

この任務が終わったら、ゲームするべよ。


「そういえば、エージル将軍はどうだべ? 体調とかは問題なかったべか?」


色々考えて思い出したべ、物資との交換ということでエージル将軍を捕虜として預かったわけだべが、下手すると、難癖をつけておらたちに襲い掛かることも懸念しないといけない。

一応、おらたちが引き渡すまではエージル将軍は元気だったべ。

いや、元気がよすぎたべ。

ま、スティーブに全部押し付けたから特に被害はなかったけど。


「ええ、問題ありませんな。しかし、なぜかダンジョンから出たくないと言われて困りましたわ」

「それはどういう意味で?」

「いや、エージル将軍は研究者という側面もありましてな。ミノタウロス将軍たちやダンジョンのことを詳しく調べたいと言われてダダをこねたのですよ」

「ああ、そういえば色々聞かれたべな」


そうやって適当に相槌を返す。

やっぱりあんちゃんの言った通り、エナーリアでも相当の変わり者の天才ってわけだべな。

なにかあれば彼女優先ってのは、恐らくまちがってないべな。

でも、おらたちと交渉をしているハインさんも得難い人物だと思うべよ。

あんちゃんに相談して、第二優先はこの人にするべかな?


「とりあえず、エージル将軍はそちらのことを気に入っていますのでな。エナーリアとの条約を結んでいただければ、交流ということで、彼女が筆頭で行くかもしれませんな」

「気がはやいことだべ。でも、そうなるとええべな」

「ええ、その為に、我々が必ずエナーリア王都までお連れいたします」

「道中、よろしくお願いします」


そして、お互い顔を見合わせて……。


「「なっはっはっは……」」


と笑い合ったべ。

お互い苦労してるべな。



side:ユキ



晩御飯も食べ終わり、そろそろ就寝時、本日最後の定期連絡が届く。


『……そんな感じで特に問題はないべな』

「なるほどなー。ま、交流でエージルがくるならそれはそれでありがたいし、特に問題ありませんって返答でもしてくれ」


ミノちゃんから今日のハインさんとの話を聞く限り、まあ、お互い苦労してるなーって感じだな。

世の中、時代が古かろうが、新しかろうが、結局苦労するところはかわらないらしい。


『あ、それでだべな。なにか問題があれば、エージル将軍の次にハイン将軍を保護したいんだべが、いいべか?』

「ん? ああ、いいぞ。ハインさん程の人物なら、恩を売って問題ないだろ。寧ろ、老獪な知識は欲しいから、隙あらばこっちに引き込みたいがな」

『そらむりだべ。ハインさんの話を聞くかぎり、エナーリア聖王の親友みたいな間柄だべよ。そんな人物が祖国を裏切るはずがないべ』

「ということは、逆に国のためなら必死に頑張るってことだよな?」

『……相変わらず、悪巧みしてるべな』

「悪巧みとは失礼な。外交ってやつだよ、外交」

『外交でもないだべ。向こうは裏で手を引いてるのが、ウィードっていう国だとすら知らないべよ』

「外交だよ。こういう交渉ってのはお互いの国や組織だけで終わるもんじゃない。この交渉で他国も色々な反応を見せるし、交渉をしたと言う事自体もある意味他の国や組織相手にはカードになる。広い範囲で見ないと、国や組織なんざやっていけねーよ。まあ、暗躍しているって言うのは否定しないけどな」

『言っていることはわかるだべが、ひどすぎないべか? 実際問題、国と個人経営店ぐらいの差があるべよ。そして向こうは国のお役人が来てるとは思わず、交渉してるべ』

「……情報収集が大事だってよくわかるよな」

『いやいや、調べようがないべ』

「いや、調べようはないだろが、ハインさんはそこの所を直感的にやってるだろ。だからハインさんが欲しいってわけだ。ハインさんがどうあがこうが、手を回せば俺の手のひらの上よ。ふっふっふ……」

『……実質選択肢無しってのがあんちゃんの怖いところだべな』


ミノちゃんがそう言ってため息をつく。

ミノちゃんは性格がこれだからな、将軍職としては適任だけど、政治関連は向かないよな。

頭自体は悪くないから、交渉事で不利な条件を飲むことはないだろうけど、こういう裏の手回しはな。

ここら辺は、合う合わないがあるからどうにもできんよなー。


「とりあえず、なにをするにもエナーリアで一息ついてからなんだがな」

『そうだべな。何事もなく終ってくれればいいだべが』

「今回、特に問題は起こりようもないと思うけどな。国のど真ん中、停戦交渉で妨害工作があっても、俺たちには関係の無い事だし、ミフィー王女を守って、問題はジルバに丸投げ。俺たちは調べるだけだしな」

『……無責任な気もするべ。でも、手出しのしようもないべな』

「そういうこった。お国の話だしな、一介の傭兵が口を出すわけにはいかん。ミフィー王女さえ護衛できれば、停戦交渉は続くだろうしな。お互い停戦したいんだから」


そう、どっかの国が停戦を邪魔したくても、国内に停戦否定派がいても、こっちの代表を殺されない限りは交渉は進む。

エナーリアの代表を殺すってのも手だけど、王様をヤレルとは思えないしな。

あっさり殺されるなら、そりゃー手を組むような相手でなかったということ。


『おいらたちのせいにされるってことはないべか?』

「いや、俺たちのせいにしてどうなるんだよ。嫁さんたちがいるんだし、穏便な停戦どころか、エナーリア聖国が消えてウィード領の飛び地ができるぞ」

『……そうだべな。そうならないことを祈るべ』

「というより、そんな事になれば忙しさが倍増になるから、俺たちに責任が回るような動きは回避するぞ」

『了解だべ』

「ま、そこら辺の事情も、先行しているアサシンズが調べてくれるだろうよ」

『そいえば、霧華たちを向かわせてよかったべか? アンデッドだし、あっちの遺跡がダンジョンとして機能しているなら霧華たちが危ないかも、最悪洗脳されるべよ?』

「そこら辺の見極めも兼ねてだよ。一応対策はしてるし、すぐに連絡は入れるように言ってるから、問題はないだろよ。ダンジョンとして機能しているなら、すぐに制御を奪うように言ってるし、DPがたんまり入ったダンジョンコアもあるから、霧華たちでダンジョンの制御は奪えるようにしてる」


俺とミノちゃんがそんな会話をしていると、本人から連絡がくる。

いいタイミングですな。


『主様、無事エナーリアの遺跡を管理下に置けました』

「了解、よくやった。問題や報告することは他にあるか?」

『……特には。監視MAPも見れますし、予定通り、ミノちゃんさんが管理しているダンジョンと繋げます』

「わかった。ミノちゃんもジョンに連絡入れとけ。俺からもするけど」

『わかったべ』


霧華たちは無事にエナーリアに着いたか……。

まだ、着いたばかしだし、楽観視は出来ないな。


「霧華、作戦通り、3、4日はダンジョンの捜索を徹底。遺跡になってからどれだけ経ってるとか、前任者の資料がないか探してくれ。外はそれまで少数で探りを入れてくれ」

『はい、わかりました』

「万が一だが、エナーリアのどこかに管理してた奴がいるかもしれないから、監視は徹底的にしろよ。お前たちになにかあれば、アスリンが泣く」

『心得ています。アスリン様に泣かれるのは全員が嫌ですので、無茶はしません』

「それならよし。じゃ、何かあればすぐ連絡をくれ」

『はい、こちらはお任せください。アスリン様たちを頼みます』


さーて、これで問題があっても対処しやすくなるかな。

最低逃げ道は確保したし、こっちの部隊も送り込める用意もできた。

あとは、エナーリア次第だな、間違ってもセラリアとかが暴れる事態になりませんように。



さて、既にエナーリア落ちてね? とか言うなよ。

ユキたちはあくまで穏便に行動したいだけなんだからね!!

その為の安全対策をしてるだけなんだからね!!

おら、心配しろよ?

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