表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸編 魔剣と聖剣

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

246/2340

第200掘:相手の動向

相手の動向




side:ユキ



「はっはっは、それは凄いですな」

「ええ、最初は傭兵が代表と聞いて驚きましたが、納得ですわね」


案内された部屋で食事をとった後、俺たちは会談の前に軽い身の上話をしている。

そりゃ、ちゃんと自分たちの立場を教えておかないと色々問題になりそうだからな。

奥さんの方は玄関で傭兵と言う言葉に反応していたし、とりあえず、俺たちがなぜこうなったのか包み隠さず話したというわけだ。

なに、ジルバ帝国王都で暴れたってだけの話だ。


「よく信じますね。確かに私が保障しましたが、普通は冗談だと切って捨てると思うのですが……」


ジェシカは俺たちの出来事が本当であると、ホーストたちに言ってフォローをしていたのが、あっさり信じられて肩すかし状態だ。


「そうですな。普通なら、その反応が当然でしょう」


ホーストはジェシカの意見に賛同し頷く。


「では、なぜ信じたのですか?」

「簡単ですよ。魔剣使いのミスト殿がユキ殿にここを任せた、そしてユキ殿がわざわざ傭兵と自分で名乗ったことですな」

「魔剣使いのミスト様、そして誰もが冗談だと思う傭兵宣言。それだけ揃って今の話を聞けば冗談だとは思いませんわ」


ホースト、奥さんがそう続ける。

ジェシカはその言葉から何処に答えがあったのか見つけたみたいで口を開く。


「逆に、というわけですか」

「その通りですな。普通なら、こんな嘘や冗談を言う理由はありませんからな。反感を買ってしまうし、今後のこの街で色々やるのに問題が起こるでしょう。しかし、先ほどのユキ殿の説明から納得がいったわけです。確かに、魔剣使いをボコボコにして、ジルバ王都、そして王を追い詰めたというなら、この待遇も分かるものです。寧ろ、この配置は当然でしょう。ミスト殿、いや3人の魔剣使いよりも強い傭兵部隊。これはエナーリア聖国にとっては予想外すぎる出来事でしょう」

「それは、そうでしょうね。私たちも何もできないままやられたときは、なにがどうなっているのか……」

「でしょうな。ですが、これで私たちは本心からジルバ帝国へと従属できそうです」


その言葉でジェシカが強くホーストを睨み付ける。

ま、裏で何かしてますよーって言ってるようなもんだからな。


「やめとけ、ジェシカ。ホーストの判断はなにも間違っていない。街の人達の安全を考えるなら、あれこれ手を打つのは当然だ。俺たちがエナーリア聖国相手に勝算があるのかわからないのに、全力で支援もクソもないだろ? どっちにもいい顔して、情報探ってどっちにも転べるようにする。俺は普通にありだと思うぞ」

「……そう、ユキが言うのなら」


ジェシカは納得はしていないようだが、睨むのをやめる。

威圧は流石に出していない、今のジェシカは高レベルだから、一般人は卒倒しかねん。

物理的に威圧スキルがあるから性質が悪い。


「ホースト、こっちはそちらの行動に何か文句をつける気はない。だから気にするな。情報も本国に送っていい。万が一が無いとは言えんからな。いつでも向こうに寝返れる準備はしとけ」

「そう言っていただけて感謝します。しかし、よいのですかな? エナーリア聖国に情報を渡すのはやめることは今では普通にしてもかまわないと思いますが?」

「むしろやめるな。こっちから流し続ければ、情報の流れを把握できる。一回切ってしまえば、他のルートから情報を取られるだけだから厄介だ」

「なるほど、そうやって意図的に情報を流すわけですか」

「逆に向こうの動きも把握できるしな。どうせ完全には防げないんだ。なら意図的にやった方がいいだろう?」

「確かに……」

「ついでに、ホーストたちは俺たちの与太話を信じたが、これをエナーリア聖国に話したとしてどう受け止められると思う?」

「信じるわけがありませんな」

「だろ? 信じるならそれはそれで構わないが、相手はこっちに手が出せなくなるだけだしな」


そういう事で、事実だと思っていても、こちらに寄せ手を出すしかないわけだ。

表向きには魔剣使いに敗北したってことだしな。俺たちはなにもしていないことになっている。


「さて、エナーリア聖国はどう動くと思う?」

「そうですな。この情報は明日にでも届けるとして、王都まで1週間、吟味で1週間、最速で1か月でこちらに奪還軍が来るでしょうな」

「聖剣使いが負けたのにか?」


俺がそう言うと、なぜかホーストたちは沈黙した。


「どうした? 聖剣使いのことがなにか問題でもあったのか?」

「いえ、その聖剣使いの件ですが、王都から聖剣使いであると話が来ただけで、我々としてはどうもいまひとつ実感がないのです」

「おとぎ話ですからね。私たちにとっては」

「ちょっとまて。初めて聖剣使いの話を聞いたのはいつだ?」

「それは、そちらが攻めてくる数か月前ですな。眉唾ものかと思っていましたが、実際この戦ではあっさり負けたので、偽物だったのでしょう」


んー、確かにラビリスのおかげで、ライトのここまでの経緯は多分知っている。

アレが、盛大な妄想でない限り、今まで秘匿とされていたのは間違いないだろう。

だが、秘匿にされたとはいえ、それは聖剣使いのことだ。

聖剣が見つかったのはだいぶ前のはず。

聖剣と同時に聖剣使いが現れたわけではあるまい。


「まってくれ。聖剣使いが偽物かはどうでもいいが、聖剣自体はいつから存在していた?」

「いえ、それも聖剣使いと同時にですな。寧ろ聖剣があるのなら、それを使える者の選定や、聖剣が見つかった噂が流れてくるはずですが、それもありませんでしたし。聖国にとっては聖剣があることを他国に喧伝するだけでも価値があるはずですが……、そう言われれば、いったいいつ、聖剣が見つかったのでしょうな?」


なにかおかしいな。

前提が違うのか?

聖剣使いが聖剣を見つけたのか?

とりあえず、これはライトの方から聞いてみるか、大人しく話してもらえるとは思わないが。

と、聖剣使いライト・リヴァイヴだが、あのあと勿論捕虜となっている。

聖剣はとりあえずマーリィたちが保管して、ライトに対して尋問をしているが全然状態は芳しくない。

最初は嘘だ嘘だと現実を認めなくて、時間が経てば泣き出す。

現在はきっと助けが来ると強情に口を割らない。

俺たちの取り成しで、拷問の類はされていないが、俺たちがいなければもう墓の下だと思う。

さて、聖剣の話はこれで終わって他の話でもするか。


「聖剣の話は今の状態じゃ話になりそうにないな。他の話をしても?」

「構いませんぞ。聖剣のことを全く知らずに申し訳ない」

「いや、聖剣の話がどうも変だ。これはお互い情報を集めるとしよう」

「……そうですな。で、他の話とは?」

「剣繋がりで、エナーリア聖国にも魔剣使いがいると聞いたが、そちらは何か知ってるか?」

「ええ、エナーリア聖国には5つの魔剣と魔剣使いが4人おります」

「へー、ってことは魔剣は1つ使い手無しか?」

「いえ、1人が二刀流で扱っております」

「ほう」


魔剣二刀流ね。

個人戦力、ネタとしてはありだろうが、1人1本ずつの方が戦略的に便利だろうに。


「はぁ!? 魔剣は1人につき1本しか扱えない筈では!?」


横でジェシカが驚きの声を上げる。

いや、そんなルール初めて聞いたよ。

ま、そんなお約束はありそうだが。


「ジルバ帝国でもそうなっておりますか。私たちのエナーリア聖国でもそのはずですが、1人だけ例外がいたのです。偶然、魔剣の選定警護を受けていたときでした。選定の儀式自体は一般に開かれていて、多くの女性に試してもらい、国力を上げるために必死でした」


そりゃ、1人で1万の戦力って言われるぐらいだからな。

意地でも使い手探したくなるだろうよ。


「先ほども言いましたが、15年ほど前までは王都勤めでしたので、大体17年ほど前ですかな。1人の女の子が遊び半分で剣の柄を握ったのですよ。いや、選定の儀式ではよくあることですがね。子供が魔剣使いだと分かれば、家族も一気に裕福になりますから」

「で、その女の子があっさり剣を引き抜いたと?」

「あーいえ、選定の儀式と言うのは、魔剣を握って魔剣の力を発揮させることが条件なので、その女の子が握った瞬間、大風が吹き荒れて、飾っていた装飾品や松明が消えてしまったのですよ」

「そういう選定ね。危なくないか?」

「いえ、そこまで規模の大きい反応は初めてでして。と、話がずれましたな。それで大慌てと、魔剣使いが見つかったことで会場が大いに混乱しておりまして、女の子自体はなにが起こったか分からず、怯えて逃げようとしたのですが、誤って隣のもう一つの魔剣に触れてしまい……」

「その魔剣も反応させたと」

「はい、いきなり地面のあちこちが陥没したり、隆起したりでもう大変でした」


おいおい、戦車の大敵、地形変化タイプか。


「その話は17年前っていうと、その二刀流の魔剣使いは随分長く魔剣を扱ってるんだな」

「ですな。そのあと、その子が戦線に出るようになって、怒涛の快進撃が続き現在のエナーリア聖国の繁栄に大いに貢献したみたいですな。現在のエナーリア聖国の領土の4分の1は、その二刀流が切り取ったと言われているほどですから」

「そりゃすごい。ついでだ、その二刀流の魔剣使いの名前と容姿を聞いていいか?」


色々情報をもってそうだからな、マークしておいて損はないだろう。


「構いませんよ。名前はプリズム・アルカンシエル。容姿は……たしか今年で23でしたかな? 見事な美人で温和な性格ですな。1つだけ不思議なのが彼女の髪でしてな」

「髪が?」

「ええ、普段は白髪なのですが、魔剣を使うと色が変わるのです。激しくとは言いませんが、なんというか薄っすら虹のように7色のどれかに」


……英語とフランス語の合体名前に、虹特有の色変化。

ネタですか?

……とりあえず、この虹さんは独自で調べる必要があるな。


さて、これからは街の話でも聞いて防衛とかをどうすか決めないとな。

何時までも情報収集してる暇はない。

その暇を作るためにも、安全な陣地作りをしなくては。


あー、スティーブにブリットを分散させたのは痛い。

俺が働かないといけないから。



「ぶえっくしっ!!」

「汚いですね。本汚さないでくださいよ」

「いや、心配しろっつーのザーギス!!」

「はいはい、で、どうしたんですか? まさか風邪ですか!? それなら私は自身の安全のためにウィードに戻る許可が……!!」

「んなわけねーっす。ちゃっちゃと仕事しろっす。多分、大将あたりが噂でもしてるんじゃないっすか?」



「くしゅん!!」

「風邪ですかブリットさん?」

「いえ、誰か噂でもしてるんでしょう。ミスト殿、護衛は問題ありませんから安心してください」

「はい、頼りにしています」




さあさあ、面倒事の情報を仕入れましたよ!!

と言っても、当分は街のターン!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ