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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第1952堀:色々考えて現状維持かな?

色々考えて現状維持かな?



Side:ユキ



『じゃあ、まずは冒険者ギルドに行く』

「ああ、頼む」


アンドの町に侵入、いや到着したニーナたちから連絡が来て、今から冒険者ギルドへと赴くことになった。

正直に言って、今の戦況の中で勢力争いとかしている暇はないと判断したからだ。

真面目に相手が何かを企んでいれば、いつ防衛線が崩壊してもおかしくはない。

この町に活気があるのはありがたいことだが、のんびり動いているほど、予断があるとは俺たちは思えなかった。


まあ、そういう権力、勢力争いに巻き込まれたらその時はその時って感じだな。

無い方がいいが、そんなのは運次第と思おう。

いや、絶対今後は巻き込まれること確定だが、今はそういうのは置いて、北部の防衛に専念するのが大事だな。


「ねえ、あなた」


そんなことを考えていると、一緒に状況を見守っているセラリアが声をかけてくる。


「どうした? 何か気になることがあったか?」

「ニーナやヴィリアたちの動きに疑問は無いのだけれど、北部というか、アンドの町の防衛の穴を見つけたというか、狭い通路のようになっているところの話」

「あ~、そっちか。それで?」

「あれ、陽動だと思うかしら?」

「わからん。情報が少なすぎる」

「それもそうか」


セラリアは俺に答えを求めていたわけでなく、すぐ気の抜けた返事をする。

本当に、今回の攻勢に関しては、というか、新大陸の動きが意味が分からん。

後手後手というか対処療法しかできていない。

キナもぎゃーって言ってたが、俺もぎゃーって言いたい。

が、少しだけ考えられることもある。


「それで、情報が少なすぎるから、俺の妄想を垂れ流すことにしよう」

「聞かせて」

「陽動か云々はわからないが、敵が魔物の混成部隊を送り込んでいる以上、指揮官のようなものがいるのは疑いようがいない」

「それは当然ね」


これはウィード上層部では共通の認識だ。

ウエサの町での出来事もそうだが、普通の魔物は同種族でも縄張りとかの関係で争うことが多いのに、多種族で協力しているというのは、大氾濫の時や、ダンジョンマスター、魔王、あるいはモンスターテイマーなどの指揮官がいる場合に限る。

ああ、厳密にいうと大氾濫の時は背景にダンジョンマスターとか、魔物の飽和状態とかあるから、原因が違うんだが。


そこはいいとして、つまりだ。


「向こうは考えて砦に戦力を送っているとみていい。そしてそれは、こちら、つまり北部の人たちを警戒しているともとれる」

「まあ、それはそうね」

「ではなぜ警戒しているのか、って話になるんだが、何を警戒していると思う?」


俺の質問に顔をきょとんとさせるセラリアだが、すぐに考えるそぶりを見せたかと思うと。


「それは色々あるかもしれないけど、まず考えられるのは負けるかもしれないってことよね?」

「そうだな。それが一番大きい。勝てるとわかっているなら即座に数を頼りに攻めてきているはずだ」


砦へと迫る魔物数は毎日多いが、それでも迎撃は出来ている。

だが、その数をなぜ増さない? なぜ毎日襲撃をして戦力を減らす?

そういう疑問が俺たちのはあるが、それは俺たちだから分かることだ。

アンドの戦力も疲弊具合も。

セラリアも今は女王だが、元はお姫様であり将軍として軍を率いていたことがあり、俺の言いたいことが伝わったのか目を見開く。


「敵はこちらの実情を把握していないから前に出てこと無いってこと?」

「可能性は高い。そして、別にイオアだけが作戦目標ではないではないだろう? 何せ魔王なんだし」

『『「あ~」』』


俺の言葉にセラリアだけでなく、画面の向こうのヴィリアたちもそうだが、同じようにヴィリアたちの動向を見守っていたほかのメンバーも声をそろえる。

みんな北部がギリギリに近い状況で少し視野が狭まっているようだな。

いや。俺が多少なりとも北部の現状を大げさに話して脅したこともあるしな。


「まあ、本当に魔王かどうかはともかく、一国の砦一つを落としたところで、すぐに国が亡びるわけがない。言い方は悪いが、あくまでも最前線の砦ではあるが、そこを喪失したところで国はもちろん、ほかの国も亡びるかって話だ」

「そこで生きている人たちには悪いけれど、国は無くならないでしょうね。新たに包囲網が敷かれるだけだと思うわ。まあ、それを突破する戦力が来れば別だけれど、そんなのがあれば投入しているものね」

「そういうこと」


北部全部を滅ぼせる戦力を持っているのであれば、すでに投入しているであろうというのは前にも話した。

それでいて今現在こうして攻勢は強まっているが、落とせていないということは向こうも何か変化はあったが手詰まりでもあるのだろう。


『言いたいことは分かったけど、向こうが戦力をまとめて投入をしないという話にはつながらないじゃないかい?』

『確かに、エージルの言う通りですね。今まで増加傾向なのです。いつ増員されても不思議ではないはずですが?』


エージルの言葉にジェシカが同意しつつ質問をしてくる。


「それは否定できないが、少なくともイオアのアンドは無いと言いきれるんだよ。何せすでにドローンを展開している。砦を落とすとなると1000じゃ無理だ。つまり万単位。その規模が集まれば、上空で簡単に捕捉できる。それはつまり……」

『ああ、そうか。それなら僕たちが先行してぶっ飛ばせばいいわけだ』

『防衛を前提に動いていましたね。そうでした。私たちは先を知るすべがあるのですから、黙って襲撃を受けるいわれはないわけですね』

「なるほどね。そして、別に私たちが動かなくても、国がそういう動きを警戒していないわけがないか」

「そういうこと。確かに俺たちが動ければ被害はさらに少なくなるだろう。だが、この程度のことイオア側も考えてないわけないだろう。アンドの町を直接治めているぐらいには警戒しているんだ。おそらく最前線ではあれど、最終防衛ラインではないはずだ」


ここを抜かれてもなんとかなるぐらいには、バックアップを用意しているだろう。


『話はわかった。それで私たちは冒険者ギルドでその手の話を聞けばいいってことか』

「ああ、上手く行けばほかの国の最前線の情報も入ってくる。イオアだってほかの国と連携を取っているだろうしな。もちろんクリアストリーム教会ともつなぎが取れればそれがいい」

『わかりましたお兄さま。いま、冒険者ギルドが視界に入りましたので、返事は出来なくなります。ドローンで追ってはいますか?』

「ああ、そっちも大丈夫だ」


常にヴィリアたちにはドローンや使い魔をつけて監視というか護衛も兼ねている。

もちろん会話とかの記録の為にも。

そして、冒険者ギルドへと向かうヴィリアたちを眺めながら……。


「それで、ドローンを飛ばしているのはそこだけじゃないでしょう? 敵はどこから来ているのかって言うのはわかっているわけ?」


セラリアがモニターを見つつ、俺にそう聞いてくる。


「ここ2日しかなかったんだが、敵の襲撃が日に3度もあるおかげである程度絞れている」


まあ、ここまで話せば次はどこから敵が来ているのかって話になるよな。


『おお、もう敵の拠点を見つけているのかい? いや、当然か。今までの報告の数が毎日くるんだ。どこかに拠点があってしかるべきだ』

『いまさらですが、その通りですね。とはいえ、なんで冒険者ギルドは見つけていないのかという疑問が湧きますが』

「それに関しては、ちょうどヴィリアたちが聞くからいいだろう。俺の予想としては、見つけてもどうにかできるとは思わなかったというのもあるだろうな。あと、出現拠点が複数あればそれだけでアンドの防衛力が落ちるっていうのもある」


恐らく冒険者ギルドも、国としても発生源をどうにかしたいと思って、何度か動かしているだろうけどな。

なのに、今の状況なのだから……失敗しているわけだ。


「……それだと、下手に兵を動かすわけにもいかないか。自由が売りの冒険者も下手にすり減らすわけにもいかないもの。でも私たちは把握している。いざという時は、そこに妨害を入れるわけか」


セラリアも国の視線に立って考えれば素直に現状の把握ができる。

意外とそういうのって難しいもんだよな。


「今のところはな。とはいえ、他の国の防衛ラインが同時にとなるとそうもいかない。最悪陸上戦艦に動いてもらう」

「……作った意味があるのは分かるけど、真面目に事前に話を通しておかないとって思うわね」


うん、確かに陸上戦艦のおかげで、一機で相当の戦果が期待できるが、それでも出来ることは限られるし、何より事前通告、及び許可が無ければ味方に攻撃されかねないしな。

そういう混乱を招く相手とみられるのは此方にとっても損だ。


「まあ、国としての対応はいいとして。予測している地点はどこかしら?」

「そうだな。オレリア」

「はい」


俺の言葉に応じて、オレリアが画面を表示させる。

アンドの町を中心として北に10キロの地点に3か所に赤い点が表示される。


「3か所? 1つじゃなくて?」

「欺瞞なのか、出入口を複数用意しているのか、あるいは別々の発生源があるかは調べていない。何せドローンだしな。それに空から露出してないんだよ。下手にリッチクラスの魔物がいると察知されるしな」

「下手に近づけないか」

「だな。まあ、時期を見て、こっちの部隊を投入できればいいが……」

「それも慎重にならないといけないか。ことが露見すれば敵も動くものね。勝手にやるわけにもいかないか」


そうなんだよな。

敵の連絡網というのがさっぱりだ。

一か所攻略されると、俺のダンジョンみたいに全部に通達されるとなると、敵側も対抗策を取ってくるだけならまだしも、一転攻勢に出る可能性もある。


『望ましいのは、すべての拠点を同時に攻略することだけど……』

『理想論が過ぎますね。そんな戦力も情報収集能力もありませんからね』

「そうよねぇ。うん、今は現状維持ね。冒険者ギルドやクリアストリーム教会からの情報と協力が得られるかを待ってからでも遅くはないわ」


そのセラリアの言葉に全員頷くのであった。

とはいえ、簡単にはいかないだろうな。

それに、中央部の動きもあるしな~。

なんだこれ嫌がらせがすぎるよな。



結局一回りして、結論が前と同じになるってことはあるよね。

まあ、情報が足りないだけですが、冒険者ギルドの方はどうなるのでしょうか?

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