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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第1941堀:びっくり報告と新たなる見方

びっくり報告と新たなる見方



Side:セラリア



「はぁ……」


ユキやスタシア、トーリからもたらされた報告に思わずため息をついてしまう。


「陛下? どうしたのですか、いつもより長い溜息ですが」


私の状態をすぐに読み取ったクアルがそう答えてくるので、即座に報告書を渡す。


「変な報告ですか? えーと……は?」


そんなことを言いながら受け取って読み始めて固まるクアル。

そうよね、そうなるのは間違いないわ。


「すでに5番艦まで着工しているそうよ。そして本日中に2、3番艦が完成。試験を開始するって」


動かないクアルに私が説明をつける。


「はぁぁあ!? 開発許可を出したのはつい3日前ですよね!?」

「正しくは、最優先開発を許可したのよね。ユキたちからの報告では、軍艦に使用している装甲はもちろん、エンジンなど、ほぼ同じ構造のようよ。だから、そのまま軍艦の素材を転用したわけね」

「ああ……なるほど。納得しました。しかし、そんな簡単に転用できるものなのですか?」

「整備の問題を考えると、共通した部品を使えることを重視して最初から設計していたようね。もちろんエンジンや地上を走行するためのシステムなんかは相応にカスタムはしているようだけど、それも基礎部分は同じなようよ。ほら、その仕様書」


そういってさらにクアルへと資料を積み重ねる。


「読みませんよ?」

「わかっているわよ。これの精読に時間をかけるつもりはないけど、ちゃんと資料を提出されているっていうことは覚えておきなさい」

「……はぁ、わかりました。結局のところナールジアさんたちの好き勝手というわけですね」

「予算内と予想外の動きをしないために監視しにいった夫や、スタシア、トーリには感謝ね。数日遅れていれば、変態兵器を積んだ陸上戦艦でグラス軍港があふれかえっていたかもね」

「冗談に聞こえませんね。軍港が消し飛ばないといいですが。って、それを阻止してくれたのですね」

「そうそう」


本当に夫たちが顔を出してよかったわ。

威力ばかりを求める傾向があるから、戦略兵器とか作りそうだもの。

なにせ、現物はあるんだし。

……戦艦砲だって、劣るとはいえ模倣はできるでしょうし、ナールジアさんたちの改造がどうなるのか予想がつかないわ。

ルナから空母を始めとした軍艦をもらったときはここまで危機感はなかった。

何せ、使えるのは地球のモノで、手の入れようもなかったからだ。

生産もしていない。


だが、今回は違う。

新大陸という、未知の環境、政治体制、未確認の敵と多くの障害があり、自ら戦艦を作ることになった。

武器も含めてだ。

ナールジアさんたちならできるという信頼はあった。

あったけれど、それは考えられない兵器の誕生もするということ。


「……世界が破壊される兵器とか作らないですよね?」

「そのために視察よ。とはいえ、ヤユイとリュシが出向くぐらいだけど」

「それで阻止できますか?」

「今のところは作る余裕はないでしょう。陸上戦艦を完成させた後は軍艦だし、兵器開発にはちゃんとこちらに計画書を出して、こちらが許可をしないといけないし」

「陸上戦艦や軍艦に搭載させる兵器ということで、作る可能性は?」

「ゼロじゃないけれど、兵器の想定は伝えているから、世界を破壊するとなると規模が違いすぎるのよ。ほかにロボットとかを作りたいでしょうし」

「……納得できるのが不思議ですね」

「まあ、ナールジアさんたちを筆頭に別に世界を破壊したいってわけじゃないのよ。威力とかの上限を試したいだけであって」

「ああ、それは確かに。とはいえ、それで世界破壊兵器ができる可能性があるのは怖いですね」

「それはね」


好奇心だけで、世界を破壊するとか、研究者ここに極まれりという感じではある。

まあ、だからこそユキは管理のためにウィードに置いているのだろうけど。

放っておいて、極端な研究に走ればそれこそ世界の危機になりかねないものね。


「……色々思う所はありますが、陸上戦艦が早期完成するのであれば、助かるのは間違いありませんね」

「そうね。それだけは間違いないわ。何せ馬車なんかよりも圧倒的に安全な移動手段だもの」

「移動手段どころか、移動要塞ですけどね」

「まあ、コンセプトはその通りだもの。元々軍艦だってそういうモノだし」


なにせ広大な海を進むのを目的とされているから、長期間人が暮らせるように作ってある。

文字通り動く拠点なのよね。

陸上戦艦もそういう役割があるってこと。


「まあ、毎度毎度物資の補給に町によるというのは大変ですからね」

「そうね。町の物資具合も考えないといけないし、部隊ぐらいならともかく、大隊規模の物資補給は町を圧迫するものね」


部隊が、いえ人が生きていく上で必要な食事や水も


「陛下が騎士団を率いていた時は、補給をいつもどうするか頭を悩ませていましたよ。新人は食べ物に文句をいっていましたし」

「それは貴族の新人が通る道ね。というか、形だけの連中をよこしてきてたわね」

「懐かしい話ですね」

「そうね。あの時は、お飾り騎士団だったし」


そう、私は元々ロシュールの第二王女であり、女性騎士団を率いていた。

とはいえ、クソ親父とか大臣たちも設立には反対していて、そこら辺から、当初はお飾りの騎士団を任されたのよね。

来た連中も、名前ばかりの中身お嬢様。

剣を持てないやつもいるし、馬鹿にしているのかって感じだったわよ。


「と、そこは良いとして、陸上戦艦の話です。下手に町の物資を圧迫しないで済むのであればそれに越したことは無いですからね。向こうでウィードとして活動していても、どこかで補給をするとなると必ずその手の問題プラス、町の有力者などとの折衝が必要になりますからね」

「そうね。それがないのはありがたい限りだわ。とはいえ、こちらがゲートを通じてという方法をばれるのは問題だし、ある程度の買い出しはいるかしら?」

「いるでしょう。有力者と物資を通じて頭を押さえられるのはダメですが、繋がりは必要です。これから北部でも活動を広げていくのですから。というか、ヴィリア様たちは今なにを?」

「今は陸上戦艦が完成する前にイオア王国へ到着するために移動しているわね。ゆく先々の亜人たちの調査は最小限にとどめて」

「ああ、まあ、それが妥当でしょう」


そうよね。

なにせ、中央で起こっていた亜人排斥は北部では起こっていないという不思議な状況。

だからこそ、ユキたちが首をかしげて、新大陸の歴史を調べる羽目になっているんだけど……。


「ギアダナの方は何か情報は出ていないのですか?」

「そっちに関しては、逆に慎重になっているそうよ。だって根が深い話になってくるもの。ギアダナ王国も歴史は古いはずなのに、亜人排斥のことを把握していても根を知らなかった。つまり、これはかなり面倒と見ているらしいわ。まあ、下手をしなくても中央の認識をひっくり返すような話ではあるからね」

「確かに、亜人が悪い、敵だという認識だけが残っているというのは不思議なことです。どこかで原因が語られていてもおかしくないのに、国も把握していない。適当な嘘でもというと魔王の手先という話ですが……」

「今となっては無意味すぎるわよね。ギアダナ王国ではクリアストリーム教会の非道な行いが広まっている。魔物の被害もない。ただ亜人を追い立てているだけ。まあ、中央ではそれが一般的なので何も疑問に思わないのでしょうが」

「ええ。しかも元々差別があったせいで、住み分けをしている。亜人の村などはあれど、そこに人が踏み込むことはそうそうない。トラブルは避けて、国としては税金をとってもいる。それを放棄するようなここ最近の行動は意味が分かりません」


話せば話すほど、中央の動きがよくわからない。

亜人を悪者にするにしても尤もな理由がありそうなきも……する。


「陛下?」


私が悩んだのが分かったのか気にかけてくるクアル。


「いえ、今考えたのよ。中央に住む亜人を捕縛するように仕向ける。感情を傾かせる方法ってどんなことがあるかしらって」


今のところ話を聞く限り、亜人が魔王と手を組んでいるということで、中央の国々は亜人排斥というか捕縛に動いている。

これは、かなり違和感があるのよね。

かと言って、ほかに方法があるかというと……


「む? そうですね。まあ、大事な物を取られたとか、犯罪とかそういうのでしょうか?」

「そうね。そういうのが起これば亜人を排斥する一つの理由になるでしょうけど、中央すべての村を潰すほどになると思うかしら?」

「……いえ、ありえませんね。まあ、事件の発端となった犯人の出身地である村ぐらいは滅ぼされるかもしれませんが、それですべての亜人を排斥などと。平民が騒いでも、損得勘定などができる領主が素直に認めるわけがありません。国も同じです」


そうなのよね。

魔王という大義名分があろうとも、無辜の民を潰すなんてことはまずしない。

というか、国が領主が認めない。

確かに過去の遺恨や、根付いた偏見などで差別はあれど、ほぼ住み分けをしているし、シアナ男爵たちのように亜人と交流がある人々も沢山いる。

それで、多くの国がそんな行動に移るだろうが?

いや、実際に行動を起こしてはいないとしても、表向きはクリアストリーム教会の言うことを聞く理由は何?


「1000年前にそれだけのことが起こったということでしょうか?」

「それなら、ギアダナ王が知らないというのもおかしな話ではあるのよね。ほかの国が亜人排斥に賛同しているというのも不思議よ」

「全部が全部と決まっているわけではないでしょう? 表向きというのもあるかもしれませんし、クリアストリーム教会の力が強いというのもあるかもしれません」

「うーん、まあ、そうなんだけど、どちらも納得がいかないのよね~。表向きでも国民はもちろん領主たちの信用を落とすような方針をとるかしら? そして、クリアストリーム教会は出来て50年というところ。クリア教会がというのならまだわかるけど、微妙じゃない?」

「ですねぇ。……ふむ。では、視点を変えてみますか?」

「視点?」

「今までは国と国民というモノでしたよね。ほかの視点ならどうでしょうか?」

「いや、それ以上の視点があるかしら? 人って何かしら国に所属して国民って扱いでしょう?」


クアルの言うことはわかる。

視点を変えると見えてくるものは確かにある。

とはいえ、ほかにどんな視点があるというのか。


「思いつくのは、その亜人たち本人。一人は知らなくても誰かが知っているかもしれません。保護している方々がいますよね?」

「ああ、いたわね」

「それと、魔物と戦っているのは軍やクリアストリーム教会の者たちだけではありません。冒険者がいます」

「なるほど。冒険者はあくまでも組織であり、そして規模は大違い。視点は違う……か」


そうなると、彼女に連絡を取ってみましょうか、ちょうど仕事が終わってウィードの方の仕事に戻っているし。



陸上戦艦については基本あきらめ。

まあ、できてることは良いことだよね! ってことで今は納得。

そして、不可思議すぎる中央の動きを解明するために彼女の協力を頼むことにする。


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私感で感想 軍事オタクならずとも現実地球では前世紀から、核兵器を使ったり使わずとも幾通りかの方法で地球をまるごと滅ぼせます。 皮肉な事に同じ太陽系、と言うか空続きの同じ惑星上で呉越同舟なので出来ずに…
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