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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第1939堀:懸念の答え

懸念の答え



Side:スタシア



「えーと、私たちがこっちに来てよかったのかな?」


そんなことを言うのは、新大陸南部荒野の砦を任されているトーリ。

まあ、気が引けるのは分かります。

未だに私が担当しているオーエ北の町も安定はしてはいますが、大本を叩いたわけでもありません。

未だに、地道な情報収集を行っている状態です。

とはいえ、いきなり物事が動く可能性も低いので、こうして私たちがちょっと出歩くぐらいは問題ありません。

ゲートの移動でいつでも対応できますからね。


「トーリは心配しすぎです。今回の外出については、許可もありますし、残っているフィオラやアスリンたちがどうとでもしますよ」

「まあ、そっか」

「ええ、フィオラはもちろん。アスリンも指揮官としては申し分ないでしょう」

「だね。信頼してやらないと」


トーリも不安が和らいだようで笑顔を見せます。

まあ、トーリにとってはアスリンは特にかわいい妹分ですからね。

フィオラに関しては良き友人であり、現場指揮をしていることもあるのでそこまで心配はしてないでしょう。

いえ、アスリンが動けない場合は、南部と北部の両方のかじ取りをしないといけないので大変でしょうが。

そんな時は緊急連絡を入れてくるでしょうし、今は考慮する必要はありません。

いま大事なのは……。


「私たちは、予定通り陸上戦艦の開発状況を視察します。なにせ、爆弾をよこされては困りますし」

「だね。ちゃんとそこは確認しないと。でも、自爆装置ぐらいは入れていると思うけどな。鹵獲の可能性とかを考えて」

「自爆程度ならいいんです。それが広範囲爆破だと非常に困ります」

「ありそうだよね……」


本当に。

ナールジアさんたちの実力は認めていますが、威力を最大に求めようとするところがありますからね。

そんなことをされてオーエの近隣や荒野でやられるとどんな影響が出るか分かったものではありません。

ということで、私たちはグラス港町に急遽建設された造船所へと足を運んでいるのです。


まあ、あわよくば、オーエの防衛や荒野での陸上戦艦を便利に使える機能をつけ足してもらえればとおもっていますが。

とはいえ、下手なことを言えば、わけのわからない方向での開発が進みますからね……。


「ユキ様からの話では、すでに外装だけですが、半分は完成しているらしいですし」

「びっくりだよね~。まあ、元々軍艦を作る計画はあったから、色々資材とかはあったんだろうけど、それでも早いよね」

「ですね。まあ、陸上戦艦の開発許可に関しては出ていましたし、そちらを最優先にするために色々小細工をしていてもおかしくはないですが」

「ありえる」


ナールジアさんを筆頭にエージルたちの性格を考えると、まったく否定できないんですよね。

嬉々として開発している様子しか思いつきません。

むしろ、この展開を予想して作っていたと言われた方が納得ができるほど。


「まあ、とりあえず状況を確認……」


そう言いかけていると、不意に声をかけられます。


「お、スタシアにトーリじゃないか。なんだ、二人もこっちが気になったか」

「ユキ様。はい」

「あ、ユキさんだ。リーアもやっほ~。プロフたちも元気?」


どうやら、ユキ様たちも陸上戦艦が普通に作られているのか気になっているようで、軍港の前で鉢合わせることになりました。

トーリはユキ様との挨拶はそこそこに、リーアたちの方へと向かいます。

まあ、私とユキ様が話をするというのを感じ取ったのでしょう。


「それで、改めて伺いますが、視察ですか?」

「ああ。変な改造とか、武装を載せてないかとかかな。あと、すでに陸上戦艦が完成しているとか」

「あはは、笑えない冗談ですね」


昨日の今日で陸上戦艦ができるわけがない。

……はずなのですが、なぜか否定できません。

ユキ様も笑ってはいませんし。


「本気ですか?」

「6割ぐらい?」

「半々以上ですか」

「ま、ここで色々悩んでいても変わらない。おーい、トーリたちも入るぞ」

「あ、はーい」


確かに、ここで想像を膨らませても何も変わりません。

中に入って状況を確認するだけの話です。

ということで、全員で軍港へと入っていきます。

もちろん身分証の提示をし、検査場を通過してです。


「以前よりも厳しくなりましたね」


プロフが通過した場所を見ながらそう感想をもらします。

それも仕方がありません。

今までは門程度だったのが、ちゃんと人が通る場所をコンクリートで囲い、厳しい検査をするようになったのですから。

理由は簡単で。


「お疲れさん。昼飯は食ったか?」

「ああ、兵隊さん。美味かったよ。これから仕事だ」


そう言って、一般人が軍港に出入りしているからです。

とはいえ、まあ、厳密には軍港で働いている民間人という扱いなのですが、これが造船所が出来てから増加したのです。

陸上戦艦はもちろん、軍艦は軍事機密が一杯ですからね。

そういった情報を漏洩しないために厳しい検査と監視体制が必要とされたというわけです。


「思ったよりも穏やかですね」

「まあな。ウィードに関しては軍人さんはちゃんと畑仕事もしているからな。ただ税金を持って行っているわけじゃないってのが大きいんだろうさ」

「なるほど。私の国では軍人が畑仕事などはしてはいませんでしたね。というか、そういうことは出来ませんでしたね」


あくまでも軍人は国を守るのが仕事。

畑仕事など言語道断という感じでした。

いえ、貴族であっても領地で畑を耕している者はいるのですが、軍部においてはそれよりも力をつけることが大事だと言われていましたね。


「軍人が畑っていうのは、なかなか特殊だからな。屯田兵はどちらかというと農業従事者だ。農民あつかいかな? まあ、予備役に近い。スタシアが言っているのは生粋の軍人だろう? それとはちょっと違うからな」

「そうなのですか? ウィードの軍人は立派な軍人だと思うのですが? 農業もこなしていますよね?」

「あ~、比較対象が悪いな。ウィードの軍人が農業をしているといっても一部だ。具体的にはジョンが指揮している部隊な。基本的にあそこで下地を作るわけだ。それに、農業の道具が充実しているのもある。なにせトラクターとかそういう農業専門機械とかも導入しているからな」

「ああ、それはありますね」


ウィードでは、農業機械を導入していて、広大な土地を耕したりをしています。

それは他国では真似できないことでしょう。

同じことをしようとすれば、かなりの人を必要としますし、その人数を集めて農業となるとマイナスになりそうな気がします。

かといって、農業機械をウィード以外で運用できるかというと、設備的に無理ですね。


「と、話がそれたが、ここの軍人と民間人の関係については、そういう農業とかは別で、造船の関係者だからっていうのがあるだろう」

「そうでした。造船所に関しては、軍の場所というより、仕事場というのが強いのですね」

「そういうこと。だから、別に軍人の厳しさは無い。とはいえ、職人の集まりみたいなものだから……」


ユキ様がそういっていると、造船所の方向から……。


ドゴーン!


と、そんな大きな音が響きます。

おそらく、かなりの重量物が倒れたような音。

そして、騒ぎ声が聞こえてくる。

これは、事故!?

全員即座に走り出す。


「ナールジアさんに連絡は?」

「今、連絡しているけど繋がらないです。プロフ、エージルには!?」

「こちらも繋がりません。同様にコメット様、フィーリア様、ザーギス様も繋がりません」


全員が音信不通。

これは……かなりまずいのでは。

そう思い、戦闘での移動速度までスピードを上げます。

実力のない一般人であれば、ぶつかるだけで死んでしまうほどのモノです。

ですが、事故に巻き込まれた人にとっては一秒が命が助かるかの時間です。

そこを惜しむ理由はありません。


「大丈夫ですか!? 状況を!」


私がそう叫びながら造船所の建物の入り口へと飛び込む。

とはいえ、この造船所はとても大きな建物です。

入った場所から全容が確認できる可能性は低い、つまり、奥に入っていかなければいけない。

まったく、大きさが仇になりましたね。

だれか、案内や説明できそうな人は……と思っていると。


ゴゴゴ……。


そんな音と供に視界の端に巨大な何かが映ります。

それは、本当に巨大で、何と言っていいのか……。

山が動いていると言ってもいいぐらいで。


「げっ!? 動いているってマジか!? なんの連絡もなかったぞ! オレリア連絡は?」

「今も継続していますが、連絡が取れていません。おそらく……」

「あはは~、皆さん。きっと中とかデータ取りに夢中なんでしょうね~」

「連絡が取れれば手を止めないといけませんし、安全確保のためにも皆さんが総力で動く必要はあるでしょうから……」


……オレリアたちの言う通りでしょうね。

あの悪ガキども……。

いえ、頭が回るからこそでしょうか。

まさか、すでに……。


「できていたとはなぁ。外装だけかと思っていたが、やはり想像を超えてきたか」

「いや~、ユキさんはある程度想像してませんでしたか? というか、どうするんですかアレ? 止めます?」

「いや、無理だな。下手に止めると事故になりかねない。開発指揮所みたいな場所があるだろうし、そこはどこだ? この大きさだと上から見えるように天井付近にあるはずだが……」


そういって、ユキ様は天井を向いて指揮所らしいところを探します。

幸い、造船所の入り口は物であふれてはいましたが、上に関しては開けていて、すぐにそれらしいところが見つかります。


「あれだな。窓ガラスにへばりついて確認しているのが確認できる」

「確かに」


よく見てみると、エージルとフィーリアが窓ガラスにへばりついて、陸上戦艦を見つめている様子が映ります。

こちらには全く気が付いていませんね。


「……下手に飛ぶと、ほかの事故につながりかねない。このまま造船所内の通路に従って移動するぞ」


ユキ様もすぐに飛んでいきたいでしょうが、造船所内の安全の為にルールに従って移動することを選びます。

確かに、下手にエージル達が驚いて、陸上戦艦が事故などを起こしてしまっては本当の事故になってしまいますからね。

覚悟していなさい、研究者たち。



まあ、現実の世界でも、完成品の前に試作品っていうのがありますので、そういうのだと思ってください。


……それでも試作品の稼働には申請とか色々あるんですけどね!

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― 新着の感想 ―
想像を超えてきたきたか キタキタオヤジかw
私感で感想。 「軍人が畑っていうのは、なかなか特殊だからな。屯田兵はどちらかというと農業従事者だ。農民あつかいかな? まあ、予備役に近い。スタシアが言っているのは生粋の軍人だろう? それとはちょっと…
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