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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第1911堀:造船所の場所はどこにする

造船所の場所はどこにする



Side:ドレッサ



「……とりあえず、軍事機密もあるし、グラス港町に隣接するにしても壁が必要よね」

「でも、壁で防げるの? 登ればいいだけじゃん」


私の防諜対策に対して、ヒイロが普通に反論してくる。

いえ、当然のことなんだけど。

壁を作ったところで、登る連中は山ほどいる。

何せウィードが軍艦を作るなんて言えば、誰だって調べたくなるでしょう。

だから作るだけ無駄という話になるのだが……。


「いえいえ。ヒイロ様、壁を作ることに意味があるんです」

「そうですよ~。ここからは軍の所有地って宣言と物理的な壁を作ることで、偶然入り込むことを防げるんですよ~」

「ああ、そっか」


シスアとソーナの言う通りで、そうすること自体が抑止力になるし、向こうにも侵入した際の言い訳をできないようにする。

まあ、もっとも。


「本当の防諜に関してはダンジョンのシステムを使うから、発見できないわけないから」


そう、ダンジョンのシステムを使えばどこに誰がいるかなんて一目瞭然。


「そうですね。とはいえ、管轄はどちらに?」

「私たちで一律監視しますか~?」

「いえ、軍の施設だし、私たちでやるべきね。とはいえ、そちらでも見れるようにはするわ」


結局はどちらでも見られるんだけど、ちゃんと管轄を分けておかないと、不公平感が出て不満につながるからね。

軍の管轄は軍で管理するべきなのよね。


「というか、ドレお姉。普通に隣接でつくるの? 規模とか、機密性を考えると距離をあけたほうがよくない?」


ヒイロはテーブルに広げているグラス港町付近の地図を見てそう告げる。

まあ、一番簡単な防諜というのは距離を取ることよね。

とはいえ……。


「それは考えたけれど、通勤距離とか、魔物の生息とか討伐、そして防衛戦力を考えると遠距離は難しいのよ」

「ゲートとかは?」

「作るわよ。通勤はそっち。一般のグラス港町で働いている人と同じはちょっとね」

「防諜を考えると当然ですね」

「露骨に軍艦作ってますよ~とわかるのは身の危険につながりますし~」


そう、こういうのは元から隠さないと身の危険につながるのよね。

そしてそれを利用して、情報漏洩をわざとさせて、どこから情報を探ろうとしたのかを調べられる。

ユキというか、向こうのやり方なのよね。

と、そこはまあできてからでいいとして。


「まあ、そういう防諜を考えると、ヒイロの言うようにどこか遠くという話になるんだけど、軍艦を作るんだし、港を備えているのはグラス港町だけなのよ。あと、その手の情報を得ようとする連中を調べるためでもあるわけ」

「あ~、餌?」

「そう。そういう側面もあるの。本当に触れられたくない情報に関してはユキは知られないところに設置しているのはわかるでしょう?」

「うん。お兄はそういう所は物凄く考えている」


そうなのよ。

ユキは知られたくないことは、まず相手にその情報があることすら気取られないようにしているし、まず物理的に侵入が難しいところになる。


「今回の軍艦作成は別にそこまで隠す気もないようだし」

「そうなの?」

「そうよ。あの地球の軍艦は再現は不可能に近いから、補充とかの場合、自作する必要性があるっていうのは聞いたでしょ?」

「うん。あんなのをポコポコ作れるようになるのはおかしい」

「そうね。頭がおかしいレベルの技術力だと思うわ。だからこそ再現、あるいはそれを超えるモノを作る試みをしないと、今運用している軍艦が喪失した場合、物理的、政治的にもウィードは力を無くすわ。それは避けないといけないのよ」


今やウィードは小国なれど、大国をまとめる中心であるというのは、まぎれもない事実。

そこが揺らげば、大陸間交流同盟にひびが入り、戦争が始まってもおかしくはない。

その中心とまでは言わないけど、一翼を担っているのが海軍戦力なのは間違いない。

そこを安定させるのはウィードとしてもこの同盟としても間違ってはいないわ。


「言っていることはわかる。まあ、それぐらいお兄なら何とかしそうだけど」

「それはわかります」

「ユキ様の本領は物理的な力じゃないですからね~」

「それはそうだと思うわ。ユキの本領はあの口だし」


あの手この手で言いくるめてくるのよね。


「とはいえ、それに頼り切りはいけないって話であり、海の怪物との戦いも想定してよ」

「リヴァイアサン。腐った魚。シードラゴンが言っていた」

「ええ。その怪物がこの海にはいる。ほかにも見知らぬ脅威が存在する。海路を開拓するためには強力な船は必要不可欠。ウィードだけでなくほかの国にも」

「今のままじゃ、遠洋にでられるのはウィードだけですからね」

「それじゃ海を切り開いた意味がないですよね~」


そう、港を運営する技術は海を往く方法ともいえる。

その要ともいえるのが船なのよね。


「のんびり他国でそういう船が出来るのを待つというのもあるけれど、新大陸への航路を研究している私たちにとっては必要なものだしね。今後のウィードの力を強めるものでもあるから、作らないって選択肢はないのよ」

「ウィードは大変」

「世の中そんなものですよ」

「問題は色々出てきますからね~。まあ、ウィードはその規模が大きいとは思いますけど」


そうねソーナの言う通り、規模は大きいわ。

それだけ、ウィードがやっていることが他から抜きんでているということだけれど。


「まあ、ヒイロは納得した。で、なんで陸上もこんなに場所とるの?」

「「「……」」」


そのヒイロの言葉に全員沈黙する。

この地図に記載されている予定地は海と陸地を当然のように敷地としているが、それにしては陸地の確保範囲が大きい。

仕事場の造船所の数十倍はある。


「……というか、ヒイロもわかっているでしょ?」

「むう」


沈黙で最初は返したが、ヒイロだって理解している。

なにせ、ナールジアさんの作るモノは説明されているのだから。

つまり、それだけで済むはずがない。


「まあ、本当なのかどうかわからないけれど、ウィードの技術で作れるモノをって話だから、船だけじゃなく色々なモノの演習場になるのでしょう」

「それなら、ダンジョン内の方がよくない? そっちの方が機密性は高い」

「それも話してあったでしょう? 運用は外。ダンジョン内の安定した場所じゃないわ。それに屋内というかダンジョン内のデータ取りはいつでもできるし、あくまでも外に知らしめることも目的にしているから」


そう、先ほども言ったがあえてグラス港町というダンジョンの外で造船所を作っているのはウィードの技術力を改めて大陸間交流同盟に知らしめるっていうとあれだけど、喧伝する目的もある。

本当に秘密にするのであれば、ダンジョン内で作ってしまえばほぼバレないのだし。

それが分かっていて、外で作るってことはそういうこと。


「……演習場の修理はヒイロやりたくない」

「流石にそういうのは苦情を言うわよ。まあ、一部は荒野になる可能性は高いけれど」

「それ、ヒイロたちがするんじゃなくて実験でだよね?」

「そうね」


ナールジアさんたちが道具を使えば、確保してある土地が草木も無くなり荒野になるのは目に見えている。

むしろ……。


「森を確保してほしいですね~。環境破壊の影響がどう出るか分かりませんし~」

「ですね。兵士の現地訓練場所としても利用はできるでしょう」


シスアやソーナの言う通り、確保した土地を全て破壊しかねないのよね。


「そこは注意するけど、最悪ダンジョンのシステムで修復するわ」


流石に木々までは私たちの力じゃどうにもならないわ。

というか、それを考えるとダンジョンの能力って本当ぶっ飛んでいるわね。

これに頼り切りっていうのが怖いって言っているユキの気持ちがよくわかるわ。

恐らく、そういうダンジョンの能力に頼るってことを無くすための造船所なのでしょうね。


「最悪というか、それしかない」

「ですね」

「あまり使いたくはないですけどね~」


まあ、環境破壊をしたという証明になるものね。

それにそこまでの大規模破壊を起こした何かが存在するという証明にもなるから、大人しくしてほしいところね。


「しかし、ナールジア様は本気なのでしょうか?」

「本気って何が?」


シスアが不意にそう呟いたのが気になって質問をする。


「いえ、説明をして貰ったのですが、未だにイメージが」

「ああ、分かります。船が陸上を走るですよね? イメージとしては大きな馬車や車といっていましたけど……」

「「わかる」」


私とヒイロは同じセリフを言って頷く。

なぜ船なんだと。

大きな車と言えばいい物をと思うんだけれど……。


「ナールお姉はコンセプトというか元は船のデザインを流用するって言ってるよね」

「そうね。色々理由はあるらしいけれど、船なのは元々大きな設計があるからってはなしね」

「それは私たちも聞いています。大きな構造物としては船が今まで経験があるのでそれを元にということですね」

「とはいえ、それがどうすれば陸地を走るのかって説明されましたが、理解できたか微妙ですね~」


気持ちは本当によくわかる。

魔力を使った浮遊と防御を利用して、風を利用して進むホバークラフトって話だけど……。


「一応具体例は教えてもらった」

「ん? 何か聞いてたのヒイロ?」

「うん。お姉が後でわかりやすいのを教えてくれた」

「それは?」


意外なことにイメージが付きやすい物を教えてくれたらしい。


「ビッ○トレーだって」

「大きなトレイ?」

「違うビッ○トレー。トレーラーとかの大型車の略だと思う。で、正規名称は陸上戦艦だって。ガンダ○で出てくる奴」

「ああ、アニメね」


私は凄く納得した。

ナールジアさんはその手のロボットアニメは好きだから、そこから発想をというか、機関はともかく外見はそのまま利用して作ってみようとしたのか。


「でも、ゲームとかアニメじゃ、すぐにミノフス○ーを利用した強襲揚陸艦にとって代わられるからって笑ってた」

「よくわからないけど、陸上戦艦も踏み台ってことが分かったわ」

「それって、この予定の演習場で大丈夫なんでしょうか?」

「だよね~? もっと大きく場所を取っておくべきでは?」

「そこは、後で考えるというか、ユキと相談ね。いま考えるべきことじゃないわ。ナールジアさんのことだから、すぐにでも色々使いたいって言ってくるはずよ」


まずは場所でも整えないとね。

さっさと縄張りを決めてユキに許可を貰いに行かないと。



ギレンの野望ではビッグトレーは開発だけして、後はペガサス級で事足りましたからね~。

この世界ではもっと便利そうですが。

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― 新着の感想 ―
ウィードが独自の改造施してますが、それの基を人の身でポンポン生み出せるおかしい奴がこの世界にいるような………
ん、あれか?Ν-ノーチラス(不思議の海のナディア)とかプトレマイオス2(ガンダム00)みたいな戦艦つくるってこと?
ん?つまり宇宙戦艦ヤ〇トが最終目的で宇宙も行くのか? 確か宇宙開発もしてたものね…
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