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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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落とし穴外伝:2026年 年始スペシャル3

落とし穴外伝:2026年 年始スペシャル3



Side:ソウタ



寝ぼけた頭をコーヒーの良い香りで覚醒させたあと、私たちは新年の外へと繰り出します。


ワイワイガヤガヤ……。


そんな感じで、流石新年というべき人混みですね。

コーヒーで一服している時間で人が引くわけはありませんね。

でも……。


「いや、楽しいですね。新年だという実感があります。本当に懐かしい」

『だな。この雰囲気は日本を思わせる』


私の言葉に水龍のみずがそういってくる。


「あ、水さんじゃないですか。一緒に来てたんですか。家でのんびりしてた時は反応なかったですよね?」


タイキ君が水に気が付いたようでそう聞いてくる。


『ああ、別に私としてはあの中に混ざる理由もなかったので、あの時は自分の神社に行っていた。鈴彦姫が新年の行事をしていたのでな。合流したのは今さっきだ』

「そうなんですか。って、ユキさんやソウタさんは鈴彦姫のところでイベントに顔出さなくてよかったんですか?」

「別に、後で顔を出せばいいだけだし」

「ですね。私は爺は休めって言われて追い出されまして。お前も婆じゃろって思ったんですがね」

「あ~、エノラさんは気を使ったのでは?」


ユキ君がそう言ってくれる。

まあ、気を使ったのは間違いない。

けれど、私にというより、エノルたちハイデン教の人たちにとってでしょうね。

カグラたちも参加しているようですし、そういう意味でも私は顔を出さない方がよかったでしょう。

何せカミシロ家代表はカグラですからね。

そこに私がいると色々差し障りがあったのでしょう。


「ま、そういうことにしておきます。こうしてのんびり町を眺められるのですからね。それで、今回のプレゼントのお題はお正月でしたっけ?」

「そうです。お正月と言えばです。まあ、これは日本だけでなくこちらの世界のお正月、年明けのモノも含まれますからね」


なるほど。

日本だけでなく、こちらの世界の正月も含まれるか。

知識にないモノもあるでしょうが、だからこそ面白そうなものがあるということですね。

改めて聞いても面白そうですね。


「じゃ、とりあえずどこに行きます? そういうモノが集まるお店とか? 一応デパートみたいなものはありましたよね?」


そう、このウィードは地球の日本に似せて作っているので、デパートなども相応にある。

そこのテナント料を取って複合施設となっているんですよね。

とはいえ、それだけがメインではなく、ほかにも色々あって……。


「いや、デパートは基本、大量生産ができて、メジャーなものが多いから露店地区のほうがおもしろいと思うぞ」

「ああ、そういえばそういう場所があったな」

「普通は、デパートとかができると、そういう露店場は追いやられるものですけどね」

「ですよね。デパートと、近隣のお店って相反するっていうのが普通ですし」


タイキ君も私の言いたいことが分かったのか、頷いてくれる。

そうなんですよね。

デパートなんてできると、近くの商店街から人が消えたなんて話はよく聞きます。

それだけ、安定した場所というのはありがたいということでもあるのですが……。


「そこらへんは考えていたんですよ。まあ、ここはウィードならではですね。このウィードは大陸間交流同盟の中心地です。交流している各国の商人たちが気軽にお店を構えられる場所があれば、それだけ活性化しますし、そこにデパートの人たちはもちろん、ほかの商人たちの仕入れの場にもなりますから」

「なるほど、露店は新しい商材を見つける場所になるわけだ」

「そういうことです」


なるほど、考えられていますね。

すみわけということですね。


「そっか、露店の方は騙される可能性もあるけど、掘り出し物があるって言ってましたもんね」

「そういうこと。そっちに行けば何か見つかるかもな。まあ、騙されて、笑いの種にされるのもまたありだよ」

「確かにそれはそれで話題になりそうですね」


縁起物として買ったものが偽物だったというのはよくある話ですし。

そういうのが掘り出し物の楽しみですよね。



ということで、私たちはウィードの大陸間交流市場という所にやってきました。

まあ、ここの存在は私も知っています。

ウィードの商業区でお店を持てない人、あるいは、商売始めようとする人、そして、各国からやってきた商人はもちろん、その日限りの商人というか、商売をしている人たちもいる。

もともと、露店売りはそういうものですからね。

かわりに、衛生面とかは気になることはありますが、それを承知の上というのもあります。

とはいえ……。


「年が明けてすぐでこの賑わいは凄いですね」


そう、私の目の前では人がごった返していた。


「確かに、日本ならばともかく、この世界での年明けはもっと粛々としているものですからな。というか、冬は命の危機だ」


タイゾウさんの仰る通り、こちらの世界はそこまでインフラが発展していませんからね。

寒さと飢えが極まっているこの時期に、これだけ人が集まるというのはかなり珍しいのです。

普通なら厳しい冬を越すのに精いっぱいですからね。


「まあ、ここにきているのはゲートを通るだけの資産がありますし、多少無料枠はありますが、ちゃんとそれだけの理由もありますからね。そこまで窮してはいませんよ。そうでもないと、もっと荒れていますし」


ユキ君の説明に納得します。

確かにその通りですね。

ウィードに各大陸からやってくるには、ゲートを通らないといけません。

それは各国が管理しているゲートを通過する必要があるわけで、問題を起こせばその国のメンツを傷つけることにもなります。

下手な人物は通さないでしょう。


「いらっしゃーい! 今日は年明けの縁起物を持ってきているよー!」

「こっちもこれがあれば一年安泰! 俺の故郷の品物だ!」


なんて言葉が飛び交っていますね。

どこにでも縁起物というのはやはりあるようです。


「それで、ここまで来たんで、後はばらけて覗いてみますか? こういうのは一人で見て回るのがたのしいでしょう?」

「確かに、個人個人のペースがありますしね」

「だな。集合場所と時間だけ決めておけばいいのではないだろうか?」

「そうですね。私もそれに賛成です」


こういう何かを選ぶ買い物はどうしても個人個人で見るモノが違いますからね。

それに合わせていると時間がいくらあっても足りません。

ということで、私は一人でこの市場へと踏み込みます。


露店市場となると、布を一枚敷いて商品を並べるというのが一般的ですが、ここはどうやら違うようで、各店舗が構えられています。

まあ、店舗と言っても、簡易的なパネルで仕切りをしており、屋根があるぐらいのものです。

とはいえ、急な雨にも対応はできるので、こちらの方が便利ですね。

入り口でもらったパンフレットを見ながら市場の中を歩きます。


どうやらその場で調理するタイプと食料品は分けられているようだ。

確かに、服や装飾品に臭いが移っては問題ですよね。


「たしか、食べ物もプレゼントとは別で買ってよいという話でしたし、後で見てみますか」


一旦、食べ物関係は後回しで、モノを探すべきですね。

さて、何を目が引くでしょうか。

ということで商品を売っているところへと足を踏み入れると、意外と厳選しているという話を聞いていましたが、売っているのは意外と日用品みたいなものも多くあります。

荷物を入れるかごやロープなども見ます。

おそらく、そういうよく使う商品も持ち込んでいるのでしょう。

まあ、意外とこういう商品は大事ですからね。


「お、そこの爺さん。こういうのはどうだい? ここにいるってことは買い物だろう? 荷物を運ぶにも籠は必要だぜ」


そう声をかけてきたのは、若い男性だ。

ギリギリ成人になっているであろう感じの元気のよい青年。

断るのは簡単だが、これも何かの縁と思って見せられた籠を手に取ってみる。


「ていねいな作りだね。君が?」

「ああ、一応これでも職人さ。そう簡単に壊れないし、紐もついているから担げる。これで……」


値段は普通よりもちょっと高めぐらいだが、悪い物ではないのはわかる。

間違いなくこの青年の腕は良いモノだ。


「いいですね。これから買い物ですし、いただきましょう」

「毎度!」


そういってお金を支払いつつ、お話を聞く。


「君はどこから来たんですか?」

「ん? 俺かい? 俺はバイデ……ああ、ハイデン地方の方からっていえばわかるかい?」

「ああ、私もそちらの出なんですよ。だから惹かれたのかもしれませんね」

「ああ、同郷かい。気に入ってもらえてありがたいよ。御領主キャサリンさまから許可を頂けてね」

「そうですか」


キャサリン殿は上手く領地運営をしているようですね。

と、そこで今回の目的を思い出しました。


「そうだ。もう一つお聞きしたいのですが、友人たちに年明けと言えばという商品をプレゼントしようと思っているのですが、何かありますか?」

「年明けと言えばか……。でも、ハイデンならではのなら爺さんも知っているんじゃないか?」

「ん~、そういうのは前に渡してしまいましてね。君の郷の何かでも、お客さんから聞いたものでもいいのですが」

「あ~、そういうことかい。それなら、俺の手作りではあるが。こういうのはどうだい? 俺の生まれた村では毎年木彫りの人形を作って供えるんだ」

「ほうほう」


そういって見せられた木彫りの人形は、確かに精巧かと言われると違うのですが、それぞれ顔が違う。

つまり……。


「これは家族の?」

「そう、厄を引き受けてくれるってやつだな」


なるほど、身代わり。

お雛様などの人形信仰に近いものですね。

鈴彦姫がいるところも似たような人形信仰があったはずですし、これは面白いですね。


「つまり、買うだけでは意味がないですか?」

「いやいや、そこまで精巧に似てなくていいのさ。別に実際身代わりになってくれるわけでもないしな」

「確かに」


そんな話をしながら、私はもっと他もあるだろうとは思いつつ、これの購入を決めたのであった。




探し物って意外な所で見つかる時もあれば、忘れたころに出てくることもありますよね~。

お正月の福袋とかそういうの多い気がします。

何か買ったりしましたか?

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― 新着の感想 ―
紛失してホントに無いってことにならなければ、寧ろ探し物は得意です。探し始めて大体10分で見つけることが多いです
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