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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョンと新大陸 序章

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第149掘:健康診断、そして発覚

健康診断、そして発覚





side:セラリア



「……正直お話を聞いただけでは信じられませんね」

「そうでしょうね。私だって半信半疑よ。でも……」

「ユキ様、ルナ様の発言が嘘だと言うほうがあり得ないというわけですね?」

「ええ。だから、クアル。私が不在の間は任せるわ。と言ってもすぐに戻ってこれる状況にはするけどね」

「ご心配なく。コールで即座に疑問や問題はお聞きします」

「……あんたは夫婦水入らずの時に普通に連絡取ろうとするわね」

「それが任務であり、ウィードを守るためですので」


私はクアルと一緒に、今度の新大陸へ出発するために必要な書類や、各部署への連絡、引継ぎなどを進めている。

まったく、ユキと一緒にいると退屈しないわね。

しかし、新大陸ね。

情報によれば魔力枯渇で魔術を発現できる人がとても少ないらしい。

そして、その魔力枯渇の影響で魔物が極端に少なく、新大陸にある国は戦争を毎日のようにしているらしい。

夫はこの大陸と同じようになんて言葉を濁したけど、魔物という災害が無いのであれば、この大陸以上に土地の奪い合いが激化しているはずだ。

腕が鳴るわ。

今までのはお姫様として、お供が付いた状態が当たり前だったし、ウィードに来てから、夫のおかげで極端に強くなって単独戦もありになってきたけど、夫の方針じゃ裏方だしね。

だけど、新大陸はそんな身分もない。

自分の身一つでどうにかしていかないといけない。無論夫たちはいるけど、状況的にウィードの力をおおっぴらに借りるわけにはいかないから、夫とパーティーを組んで冒険や敵対する国に喧嘩を売ることになるだろう。


本当に私個人の力が試される。


私が暴れるついでに、夫は嫌がってるけど、夫を王とした国を作ってみたいわ。

夫の方針は分かっている。

しかし、横に立つ妻として、夫が無名のまま歴史の表舞台に立つことが無いのは嫌だ。

今のままでは、セラリアの夫ユキと、歴史書に一行で記させるのみになるだろう。

ユキ本来の功績は私やルルア、シェーラが成したように書かれる。


この結果は、妻たち全員が嫌がっている。

私たちの夫はもっと称えられるべきだと。


だから、今回の新大陸は都合がいい。

この大陸では諸事情によりユキは大きく暴れられなかった。

しかし、新大陸ではその沢山ある縛りが極端に少ない。

運営は大変になると思うが、ウィードの様な小国よりもっと大きな国を手に入れられる。

クソ親父のロシュールとかガルツに囲まれているから、他所を併呑するわけにもいかなかったからね。

ユキの言うグローバル化による魔力枯渇研究のこともある。


「魔力枯渇か……。なるほど、これで押していきましょうか」


私は紙にふと書き留めた魔力枯渇を見て閃いた。

夫は新大陸に国を持つのは嫌がるだろう。

しかし、結局は魔力枯渇の調査をしないといけないのだ。

私たちの大陸よりは小さいとはいえ、1人や2人で調査出来るわけがない。

つまり、最終的にはどこかの大勢力の手助けがいることになる。

なら、最初から自由に使える国を持つべきだと、夫を説得しよう。

いや、よくよく考えれば魔力枯渇問題をその大勢力の主が聞き届けてくれるわけがない。

そんなことに私たちという戦力を使うわけがない。

うん、どう考えても私たちで独自の勢力を新大陸で築く必要があるわね。

でも、私が考え付くことぐらい夫が思いつかないわけがない。

なにか理由があるのかしら?

ま、後で聞いてみましょう。



気が付けば時間は14時を回っており、私は席を立つ。


「どうしました? ってああ、今日は健康診断の日でしたっけ?」

「そうよ。今の所私は怪我病気一つもないのだけれど、成果は出ているのでしょう?」

「はい、3か月に一度、ユキ様が住人全員に健康診断を義務として行っていますが、具合の悪い所の早期発見や、病気なのに無理をして仕事をしている人などの発見でかなり成果を出しています。報告書は見ていますか? 一万人を超えるウィードのこの4か月の死亡人数を?」

「知っているわよ。冒険者を除くウィードの住人の死者は、クソ犯罪者が5人。生まれたての赤ちゃん……新生児だっけ? それが3人だけ」


犯罪者の数字は私が首を刎ねた強姦犯。


「はい、この数字は驚異的です。無論年寄が少ないとはいえ、働き所の年代の死亡が全くありません。ユキ様の衛生管理、ウィード住人の病院無料化、そして病気の早期発見の健康診断。早くも結果が示されたと言うことでしょう」

「そうね。更に言えば未だ、ウィード内の建築はダンジョンマスター権限で行っているからね。その関係で、夫は重たい物を持つことが少なくて死亡事故が起こってないって言っていたわ。今後はきっと死亡事故が増えるって言っていたわよ?」

「なるほど、確かにそうですね。現在でも重量物や刃物の扱いでそれなりの重傷者は出ています。でも、それに対する対処法をユキ様が準備しているからこそで、普通なら死んでいる重傷者も確かにいました。それが今後は間に合わない可能性が高くなるわけですか」

「そういうことよ。流石に家を建てる木材が落下して下の人に直撃すれば、治療以前に即死でしょう?」

「ですね。っと、申し訳ありません。健康診断でしたよね?」

「ああっ!? クアルが話しかけるから遅れそうじゃない!! あんた今日のおやつ抜き!!」

「ええ!?」


そう言って私は健康診断の場所へと走って行った。



「ごめん。待たせたわね」

「いえいえ、私たちも今来たところですから」

「色々引継ぎ関係で大変でして……」

「私はもともと病院勤めですし」

「妾は特に引き継ぐ相手もいらんからのう」

「今日はユキさんの護衛はキルエさんに任せましたし、大丈夫です」


今日の健康診断は、私、ラッツ、エリス、ルルア、デリーユ、リーアになっている。

流石に、妻全員が健康診断で職場を空けると、色々問題なので2・3日に分けて行われることになっている。


「あ、ちぃ姉様来たんですね。リリーシュ様も来てますし、すぐに始められますけどどうします?」


そういってエルジュが診察室から顔を出す。

エルジュは今の所、連合軍総大将だ。

だけど、魔王の残党を片付け、ウィードに帰還したら身の振り方を考えないといけないわね。

と、今は只の病院勤めのエルジュ先生だったわね。

演説に立ったエルジュとは別人。病院内最高の医者の1人と言われる変装したエルジュ先生である。


「引継ぎの件もあるし手早く済ませたいわ。今からお願い」

「わかりました。ではちぃ姉様こちらにどうぞ。他の皆さんは申し訳ないですがいつものように待っててください」

「「「はーい」」」


私は一足先に健康診断を受けることになった。

先に来ていた皆には悪いことをしたわね。あとで、お菓子でも買って帰りましょう。


「はい、お元気ですか。セラリアさん」

「ええ、おかげさまで。リリーシュ様」


エルジュが傍に控えて、私の正面に座るお医者様こそ、リテアが祭る神様。

リリーシュ様その人である。

ユキのおかげで最近はウィードのリテア教会に司祭として住み、回復魔術を駆使して、ウィードの住人の治療を担ってくれている。

あと、こういう健康診断もしてくれている。

私たちは立場がアレなのでリリーシュ様やエルジュ、ルルアと言ったこのウィードでトップクラスの回復魔術の使い手に診察してもらうことになっている。


「じゃ、早速スキャンしますねー」

「はい、よろしくお願いします」


スキャンとは回復魔術の一種で体の不調や怪我、病気を発見するための魔術で、使うレベルで発見できるものが増減する。


「ふむふむ。相変わらず訓練は絶やさないのですね。少し筋肉が疲労していますね。あとは……あら?」


リリーシュ様は、なにか異常を感じ取ったのか、言葉が途切れる。


「あの、何か?」


流石にリリーシュ様の言葉が途切れるのは心臓に悪い。

リリーシュ様以上の回復魔術の使い手など、この大陸に存在しているか怪しいぐらいだ。

ルナがいるがアレは除外する。



「おめでとう。お腹に赤ちゃんがいますよ。3か月とちょっとぐらいかしら? まだそこまでお腹が大きくならないから、分からなかったかしら?」



「え?」



リリーシュ様の言葉に反応できない。

赤ちゃん?

妊娠?

私が?

そう言えば少し気分が悪い時があったような? 気合いでねじ伏せたけど。


夫との、ユキとの子供?


「ちぃ姉様おめでとうございます!! ユキさんを呼ばないと!!」


エルジュが慌てて、コールでユキを呼び出す。


「うんうん、新しい命を大事にね。とりあえず、病院内で待っててくれますか? セラリアさんが妊娠してるなら、他の娘も可能性がありますから、まとめて妊娠中の説明しますから」

「あ、そ、そうね!! 他の皆も呼ばないと!! 無理してたら大変!!」


私が慌てて立ち上がる。

外にいる皆に私の妊娠と、皆も妊娠している可能性があると告げないと!!

あと、コールで今日健康診断じゃない皆も呼んで確かめないと、そう思って体を急に動かす。


「ダメですよ、ちぃ姉様!! 赤ちゃんがいるんですから急な運動はダメです!!」


エルジュにそう窘められて、大人しく椅子に座り直す。


「ご、ごめんなさい。嬉しくって、そして皆のこともあるから……」

「私から連絡しておきますから、ちぃ姉様はとりあえず次の人を呼んできてください」

「わかったわ」


私は心を落ち着けつつ、診察室を出る。


「少し騒がしかったようですが、なにかありましたか?」


ラッツが私にそう聞いてくる。

うん、とりあえずここの皆には私から説明をしておきましょう。


「落ち着いて聞いて。私、妊娠してるみたいなの」

「「「!?」」」

「そして、皆も妊娠の可能性があるわ。今、エルジュが他の皆も大至急集めている。だから、他の心配はいらないから、まずは診断を受けて、自分の身を確認して。妊娠しててもはしゃいじゃだめよ? お腹の子に悪いかもしれないから」


私がそう言うと、その場の全員がお腹に大事そうに手を当てて、全力で頷く。

そして、ラッツも妊娠と判明して、ルルアが診察を受けているときに夫が到着した。


「セ、セラリア!! 赤ちゃんできたって!?」


夫が驚き半分、嬉しさ半分って顔で私に聞いてくる。


「ええ、本当よ。そしてラッツも妊娠しているわ」

「ラッツもか!! やった!! ありがとう!! 体は大丈夫か!?」

「大丈夫ですよお兄さん。あと、そんなに騒いでいると……」


ラッツが喜んで大声を出している夫に注意を促すが……


「ユキさん、気持ちは分かりますが、病院の中ですので静かにしてください!!」


エルジュが診察室から出てきて、夫を叱った。


「……すみません」



診察の結果妊娠していたのは、私、ラッツ、ルルア、エリス、デリーユ、キルエだった。

というか、他の皆は避妊をしていたみたい。

子供の世話って大変らしいから、そのために備えてくれたみたい。

うん、とてもいい奥さん仲間を持ったわ。



あれ?

これって、私。新大陸へ行けないんじゃないかしら?

流石にお腹に子供がいるのに冒険をする気はないわよ。

でも、悔しいかも。

はい、今まで活躍していた嫁さんメンバーが妊娠で新大陸編には不参加ですw

でもお話には出てきますので、ご心配なく。

新大陸編は獣人メンバーや幼女メンバー、そしてあいつらが復帰します。

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