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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョンと勇者

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第136掘:オマケの進軍開始

オマケの進軍開始




side:ユキ



ついに、連合軍の進軍が開始された。

進軍路は予定通り、ロシュールから魔王城へと延びるルートで行くことになった。

が、エルジュやセラリア、俺など従軍するべきウィードのメンバーは現在……。


「リーアこんなのはどうかしら?」

「こっちのもいいと思いますよ?」

「妾はこっちを推すかのう」


進軍はドッペルに任せて、昨日できた嫁勇者の強化でわいわいやっている。

ちなみに、俺は昨日の夜もリーアと楽しんで、寝不足だ。

出発式をすっぽかせるって便利だよな。


「リーアさん、勇者ですから武器とか任せてください!! 全力で作りますよ!!」

「えっと、ありがとうございます」

「ふふふ、まさか勇者様の武具を手掛けることになろうとは!! 鍛冶師冥利につきますね!!」


ナールジアさんに至っては、DPをフル活用して、前人未到のチート武器作る気まんまんだし。


「なあ、リーアが勇者なのは隠すんだろう? あまり派手なのは……」

「それはだめよ」

「なにを言っておるか」

「女の子になんてことを……」


なんかセラリア、デリーユ、エルジュから信じられないって感じの目を向けられる。


「あ、あの。ユキさんが許してくださるなら、その、立派な物を着たいです。だって、あなたの隣に立つんですから。それに、護衛ですし」

「よく言ったわリーア」

「うむ、嫁の鑑じゃ」


いや、リーアが着たいならいいよ。

護衛って認識されるのは大事だと思うしさ。


「別にいいけどな。無理はするなよ」

「はい」


リーアはしっかり受け答えしてるから無理に着るようなことはないか。

とりあえず、リーアたちは一旦置いといて、連合軍の進軍状況を見るか。

出発して約3時間。現在はウィードから24㎞離れた地点か。

1時間あたり8㎞ね。1万越えの軍隊の行軍にしては異常に早いな。

馬のみの進軍ならもっと早いだろうが、完全装備した正規軍が足並みをそろえてだから、普通はもっと進軍速度が落ちる。

精鋭ってのは嘘ではないらしい。今回は攻城戦を想定しているから、騎馬の数は全体の1割もいない。

歩兵が主戦力でこの進軍速度だ。

時速8㎞が遅いと思うのは俺が科学の発達した日本から来たからだろう、時速といったが、24時間歩くわけではない。

大体10時間、残りの14時間は飯や、睡眠、設営などに使われるのだ。

多分、歴史に載っている行軍速度は平均ではなく最速を乗せているんだろうなと思う。

だって通常歩行進軍で時速15㎞とか、走ってるじゃん。

人の歩行速度は時速4㎞と言われている。速くて10㎞前後。

それから考えると、この連合軍は非常に優秀だということだ。

そして、俺たちが移動に使っている車、マローダーがどれだけこの世界で異常なのかがわかる。

だって、時速120㎞まで出せるし。


今回は連合軍を立てないといけないので、俺たちのチートアイテムは使用できない。

まあ、先回りの為に地下からラッツたちはマローダーで移動するけどな。


「ラッツ、調子はどうだ? 画面を見る限り問題はなさそうだが」

『はいはい、問題はありませんよ。地面が凸凹してない分アクセル踏めますからね』

「安全運転を心掛けてくれ」

『わかってますよ』


そうやってラッツたちの道のりが安全なのを確認して、再び作戦が色々書き込まれた地図を見る。

魔王城まで直線距離にして約1000㎞。進軍速度から考えれば単純に20日以内にたどり着く計算だ。

ま、迂回して軍が通れるルートを行かないといけないし、途中に関はあるし、山登りにもなるし、30日ぐらいで間違いはないか。

マローダーは作戦の都合上、進軍路の地下を通っているから、4日程かかるというわけだ。直線距離なら1日でたどり着く。

まあ、10時間ほどずっと運転するわけでもないからな。


「スラきちさんはどうだ?」

『めんどくせー、作戦はとりあえず問題なく進行中。予定通り規定数以上固まっているのと、指定された強力な魔物は排除したぜ』

「は? もうか?」


はやい、はやいよ。


『MAPには映るからな。俺たちは2日前にもう進軍路の雑魚排除始めてるんだ。大将だって知ってるだろう。俺のレベルと部下の平均ぐらい』

「そりゃ、わかるが、点在してるのを良くもまあ。距離だってかなりあるだろう?」

『ああ、そのことか。ほれ、前大将が教えてくれた砲丸タックルの応用さ』

「直接魔物まで飛んでいったのかよ」

『おう。あれをやれば大体のところまで一っ跳びだしな』


砲丸タックルな、前リテアの諍いの時にスラきちさんに教えたのだ。

魔力による爆発を利用して、自身を砲弾とし、突っ込む方法。無論飛距離も出る。

これは、余程魔力で体を強化できるか、スライムみたいな体という概念が違う者にしか使えない。


「とりあえず警戒は怠らないでくれ、魔王から進軍が無いとも限らないからな」

『へいへい。わかってるよ。しかし、学校で坊ちゃん嬢ちゃんの相手の方が骨が折れるね』


お前骨無いだろ。というツッコミは必死でこらえた。

だが、スラきちさんに任せておけば、そこらの魔物、魔王には負けないだろう。

ん、なにか変な気はするが、安心なのは間違っていないよな。


「魔王を屠れるスラきちさんを露払いに使うとは贅沢じゃのう」

「うぉ、どうしたデリーユ?」

「ん、リーアが服装に悩んでおっての。ユキの意見を聞きたくてな」

「あー、一応公式の場に出る奴だからな……」


分からないでもないが、女性の服選びに付き合うには強い精神力が必要だ。

現代特有の文化だと思いたいが……、リーアの方に視線を向けると、おびただしい数の服がすでにハンガーにかけれられ並んでいる。

殆どの奥さんたちがリーアの晴れ姿をあれやこれやと、悩んでいる。


「まあ、気持ちはわからんでもないがのう。身内から勇者が出たのじゃ。我慢せい」

「デリーユだって魔王だろうに」

「妾を華と愛でるのはユキだけでいい。が、一応リーアは勇者であることは隠すがユキの護衛じゃ、下手な恰好では舐められる。舐められては面倒事を引き寄せる。それ相応の服装というのがだいじなのじゃよ」

「だよな。仕方ない、協力するか」


そうやってリーアたちの方へ行くと、一斉に視線があつまる。


「で、服悩んでるだって?」

「そうなんですよ。護衛ですから私はがっしりとフルプレート系と軍服をすすめたのですが……」

「ミリーの言いたいことも分かるわ。でもリーアは護衛の前に妻なの。無骨な恰好はどうかと思うわ。私と同じようにドレスアーマーじゃないかしら?」


そんな風にミリーが軍服系からの鎧、セラリアがドレスアーマーを推している。


「僕は動きやすいのがいいからなー。ミリーに賛成かな」

「私は、華があるほうがいいのでドレスアーマーかな」


リエルは活発なのでドレスは遠慮したいとのこと、トーリは綺麗なのもいいとドレスアーマー派ね。


「あの、ユキさんはどれが好みですか?」


リーアは悩ましそうに服を見比べながら聞いてくる。


「うーん、只可愛さを求めるなら、ドレス系がいいんだろうが、ミリーやリエルの言う通り、戦装束でもあるしな。俺も悩むな。なにか決め手があればいいけど」

「ふふふ、なら私が決め手を言ってあげましょう!!」

「なにかあるのか?」


セラリアは自信ありげに胸を張っている。


「ええ、いい? ドレスアーマーならそのまま夫とできるわ!! ズボン系は脱がないといけないのよ!!」

「おい」


間違ってないが、色々な意味で間違ってるだろ。


「私、ドレスアーマーにします!!」

「うぉい!?」


リーアも決断しちゃったよ。


「なんてことだ。僕にとっては盲点だったよ。僕はホットパンツだから、回数少ないのかな?」

「私もズボンだから、外であまりしてくれないのかな?」

「いやいや」


ズボン派のリエルとトーリがなにやらおかしいことを言っている。


その後、嫁さんたちはこぞってスカートを穿くようになる。

お蔭で仕事中でもお構いなしになったりならなかったり。


閑話休題。



「はいはい、じゃリーアさんの鎧はドレスアーマーですね。基礎カラーは黒でっと、うん、任せてください。3日でやってやりますよ」

「まあ、無理しない程度に」


ナールジアさんはやりすぎるからな。


「大丈夫です。3日間すべての時間をリーアさん専用装備に注ぎ込みますので!!」


世界のパワーバランスを変える気か。

いや、ウィード自体がすでにパワーバランスを崩してはいるんだが。

というか、俺の嫁さんたちだけで、魔王城攻略余裕という時点でアレだがな。


「そういえばさ、リーアの勇者の力ってなんなの?」

「うん、そういえば聞いてなかったね」

「……仲間の力を把握するのは大事」


お、いつの間にかカヤが戻ってきたか、なんだかんだでリーアを心配してるよなカヤ。


「えーと、ごめんなさい。まだリリーシュ様から詳しい話は聞いてないんです」

「ふっふっふ、そう言うだろうと思ってましたよ」


リーアが困っているとすぐに出てくるリリーシュ。


「いや、それなら昨日の内に言えよ」

「お腹一杯で、忘れてました」


駄目だこいつ。

ルナ程じゃないが駄女神の一部だ。

出来ることが多い分、細かいことに手が回らないタイプだな。


「まあまあ、出発前に間に合ったんですから」


おばあちゃんみたいだよな。


と言う事で勇者のスキルについての纏め。


愛の勇者スキル効果

・恋人、夫が健在の場合ステータスが2倍

・指輪など特定の物を互いに持っているとステータス5倍

・家族も恩恵でステータスが1.5倍になる

・ただし、本人の精神状態が悪くなると恩恵が無くなる(恋人や夫の死亡では恩恵が消える。家族の喪失は恩恵が半分になる等々)

・本人に対するステータス異常が無くなる


「と、こんな感じで、破格の能力ではあるんですが……」

「無理だ、これは国や組織で扱える能力じゃない」

「……はい、今までの愛の勇者はそれぞれが家族を人質に取られたり、恋人を殺されて無力化されました」


超高性能なぶん代償が大きすぎるわ。

真面目にこれはリーアが勇者であることを隠さないといけない。


「寝取られでも恩恵下がるんで気をつけてくださいね。まあ、ユキさんは心配ないと思いますが」


そりゃ、がっちり周りが嫁さんだらけだしな。


「うわー、本当だ。僕のステータスが1.5倍になってる」

「私たちも家族って思われてるみたいだね」

「当然です。リエルにトーリも大切な家族です」

「「ありがとう」」


ひしっと抱き合う3人。

仕事中の嫁さんにも確認してもらったが、この旅館に住んでいるメンバーは全員恩恵を受けているようだ。

スゲーな勇者の力。


「……のう、妾もステータスアップしてるのじゃが……」

「いいんじゃない? 勇者の恩恵を受ける魔王がいても」


デリーユは色々複雑そうな感じでいるが、セラリアが笑って気にするなって言っている。

まあ、魔王が勇者の恩恵受けるとか、考えるよな。

因みにデリーユのことが魔王なのはリーアはもう知っている。


「デリーユさんはちゃんとステータス上がってますか?」

「うむ、上がってるぞ。でも、なんだかのう。いいものかと」

「大丈夫です!! デリーユさんも私の家族ですから!!」

「そ、うか。ありがとう。妾もリーアは勇者以前に家族じゃ!!」


うん、性格も立派な勇者だと思うぞ。

でもさ、勇者と魔王が抱き合うってのは文面だけだと異常事態だよな。


「と、みんな、リーアの能力は周りに知られるととても不利になる。家族の安全の為にも、口外しないように頼む」

「「「わかりました」」」

『『『絶対喋りません』』』



本日、連合軍が移動開始したけど、なんか俺たちにとってはオマケになったよな……。

と言う事で、今回はコメントで嫁さんたちの一部が空気になってるんじゃね?

って言われたので、そこら辺の説明を致しましょう。


まずは、簡単に言えば活躍の場が違うので、今は出てきていません。

会話の中にはちゃんと出しているので、まあ、忘れられないかと。

本来、ユキにとっては手駒なのです。大事にしちゃってますが。

今回の話でエルジュ復活しましたし、前のお話を読み返して楽しめるように考えております。

他の小説がどうか知りませんが、自分は最初に手札を揃えていつ使うのかという事で考えております。


簡単に分類分けをと。


セラリア、エルジュ、ルルア、シェーラ

このメンバーはお姫様や支配者なので、物語上、国を相手にするときに活躍します。


リーア、デリーユ

勇者と魔王は言わずもがな、特化戦力で特殊な立場です。

強力な単体の敵が出た場合の主役ですね。


ラビリス

記憶の覗き見でユキの代わりとなりうる存在。

ユキが行動不能などの場合の主役。

普段はサポート。


アスリン、フィーリア

この2人は日常での主役。

勿論できることはありますが、彼女たちは戦場ではなく日常での主役です。


エリス、ミリー、ラッツ

経済関連、組織関連、と内政で主役を張るメンバーです。

まだ戦争など色々ありますが、彼女たちは今までそれなりに活躍してると思います。


トーリ、リエル、カヤ

この3人が皆は一番空気になっているのでは? と思います。

彼女たちは将軍職ではありますが、警察部門など、目立たない部署です。

が、彼女たちの出番は戦後になります。

まだまだ問題は沢山あります。

ダンジョン関連はトーリやリエルが主役となっていくでしょう。冒険者だし。

カヤについては、村々へのつながりを作っていくときに重要になります。

トーリ、リエル、カヤは一般人への相手のときに主役となる予定です。


最初から登場人物を出しすぎってのは自分でも考えましたが、各お話で便利な人材が出てくるのはお約束すぎるので、この様な手段。

最初から手札を揃える方法でいきました。


ではでは、また今度。

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