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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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1510/2211

第1276堀:外交の状況

外交の状況



Side:ユキ



俺たちはウィード、というか『俺たちの現状』ってのを確認するため総合庁舎の会議室に集まっていた。

で、先ほど『ウィードの運営』に関しての確認は終わった。

そして今からは……。


・各国との外交


そう、各国との外交状況の確認だ。

ウィードの運営とも密接に関連して外せない事柄とみられている。

ウィードの国土はロシュールのとある林の中にあるダンジョンとその周辺だけに過ぎず、大国であれば一地方都市程度の土地しか保有していないちっぽけな国ということになる。

それゆえ『外交こそが生命線である』というのが周りからの認識だ。


だが実際には、ウィードの運営そのものはこのウィードに住まう住人が元となっているDPさえあればどうとでもなるんだけどな。

そして外交に関していえば、今や交易の鍵となっていることを知る大国からウィードが切られる可能性はほとんどないが、多くの小国にとってはせいぜいロシュールの庇護下にある小国の一つで単にゲートの設置作業をする国という程度に思われている。


まあ、これは何も知らない周りがウィードが得をしているように思われて喧嘩を売られないための措置だ。

外交上苦労していて、あまり利益もないと思われれば他国がちょっかい出してくる可能性が減るだろうということでだ。


そんな中、外交を重視する最大の理由はウィードの名前を各国に売ることで今後『魔力枯渇現象』の調査をたやすくするためだ。

だが、その話は別の項目にしているからあとで記載だ。


そう考えつつ俺はペンを走らせる。


・各国との外交

 ・まず大陸

  ・ロガリ大陸

  ・イフ大陸

  ・ハイデン地方

  ・ズラブル地方


以上が今関係ある大陸、あるいは地方の名前だ。

そしてこの各大陸に存在している国だが……。


 ・ロガリ大陸 

  ・ロシュール王国 セラリア、クアル

   ・ダファイオ王国 フィオラ

  ・ガルツ王国 シェーラ

   ・ランクス王国 タイキ

  ・リテア聖国 ルルア

   ・獣神の国 トラ

   ・ハイエルフの国 ミヤビ

  ・ルーメル王国 推薦大使

  ・ラスト王国 リリアーナ、エルジュ

  ・連合軍 エルジュ、オレリア


 ・イフ大陸

  ・ジルバ帝国 ジェシカ

  ・エナーリア聖国 エージル

  ・ローデイ王国 サマンサ

  ・ホワイトフォレスト王国 コメット、聖剣使いたち

  ・アグウスト王国 クリーナ

   ・ヒフィー神聖国 ヒフィー、タイゾウ、コメット

  ・エクス王国 ノーブル、サクリ

  ・ランサー魔術学府 ポープリ、ララ、ワズフィ、ナイルア、ハヴィア


 ・ハイデン地方

  ・ハイデン王国 カグラ、ミコス、ソウタ

   ・ヅフイア王国 フソラ

  ・フィンダール帝国 スタシア

  ・シーサイフォ王国 メノウ

  ・ハイレ教会 エノラ、エノル 


 ・ズラブル地方

  ・ズラブル大帝国 ショーウ

   ・ハイーン皇国 ウェーブ?

   ・グスド王国 パルフィル?


抜けもあるかとは思うが、これが今パッと思いつく限りの国だな。

そのほかにも小国は色々あるんだが、そこは基本的に大国が対応してくれている。

俺たちが直接やり取りがあるところに限ればこれぐらいだ。


「一応繋がりとなるメンバーを書いてはいるが、これとは別にまだ大国がメインだが大使館を設営してそっちからもやり取りはできるようにしている最中だな」

「そうね。そういえば、大使館の設置率ってどの程度のモノなの?」

「大国には全部設置完了しているな。ま、まだ建物は出来上がっていないところもあるが、そういったところでは代わりの屋敷を使わせてもらっている状態だ。ズラブルの各国への大使館の設置が遅れている感じだな」

「まあ、それは仕方ないわね。新参なんだし」

「で、設置率は分かったけど、実際稼働に関してはどうなっているの? 実感として貴方に仕事が集中しているようにしか見えないのだけれど?」

「それは急を要することが多かっただけだ。基本的にソウタさんとエノルさんが外務省で色々やってくれているよ。書類の認可に関してはセラリアも目を通しているだろう?」


そう、特に外交に関しては俺だけが忙しいように見えているかもしれないが、ソウタさんがトップになっている外務省もかなり働いているからまだあれだけですんでいるんだ。

簡単に言うと、外務省の方では各国からの面会や支援の要望、ウィードとのまたは経由する交易参加などなど、そりゃ細かい仕事が山ほど。


「……それはわかっているけど。それでもどうも仕事の量がね」

「そこは仕方がない。基本的なことは外務省にやってもらっているが、何のかんのと国の大事は俺を通した方が早い。だからこその嫁さんたちだからな」


俺はそう言いながら一度ホワイトボードに書いた名前の方に目をやって、さらにサマンサたちの方に向ける。

ま、婚姻による繋がりっていうのは通常の外交よりも優先されるってやつだ。

それもこれも俺が動いた方が早くことが済むと理解してくれているということでもある。

別段、俺が大国からなめられているというわけではないし、さすがにそういう案件は来ない。


「ま、大陸間交流同盟が大々的に動き出した今、いつまでもウィードばかりに頼るのは外聞が悪いしな。そろそろ大国内で処理し始めるだろう。というか、それってウィードの力を周りに示すって意味もあったからな」

「そうね。その他の小国と一緒に見られるのは困るから、そういう役回りを果たす必要があったというのもわかるわ。そこはフィオラはどうかしら?」

「はい。私がダファイオ王国にいた頃はウィードは単なるまぐれ、偶然でいい立場を得ただけだ。または、セラリアには不快と思いますが大国の王が娘を甘やかしているだけだという認識が一般的でしたね」

「ま、傍から見ればそうよね」


うん。

フィオラの言う通りウィードという国の立ち位置は本当に微妙だ。

まあ、そこらへんは俺がそう調整したからなんだが、下手に目立ったりすれば戦争の繰り返しになるのは火を見るより明らかだったからな。

こうして徐々にウィードへの認識を広め改めていくのが大事だったんだ。


「だからこそ血が流れなかったんだ。万々歳だ」

「……本当にね。昔ながらの思考でやってたら今も戦争に明け暮れていたと思うわ」


不思議そうなオレリアたちは除くと何のかんのと頷いている嫁さんたち。

まあ、一歩間違えれば全面戦争って状態だった嫁さんは多いからな。


「僕とか、下手したらベータン郊外でユキとぶつかってそのまま戦死してただろうからねー」

「それを言うと私もですよ。実際にスティーブたちと戦場で干戈を交えたんですから」

「あはは、そういえば2人はそうだったよねー」


リーアが苦笑いしながらエージルとジェシカに応える。

この2人は俺がイフ大陸に行ったときどちらもウィードと一度矛を交えたからな。

まあ、銃撃というか、集中砲火を浴びたオリーヴとミストよりはマシだったとは思うけどな。


「……ん、サマンサなんかユキを追い返した」

「ぐっ。別にあれは戦争をしていたわけではありませんわ……」


サマンサはきっとクリーナにずっとこのネタでいじられるんだろうな。

そう思いつつ、俺は話を進める。


「それで現状だが、外交の仕事は一見過多に見えてちゃんと回ってはいる。それに大使館も動き出しているし、これから徐々に問題の解決は大使館を通して下部組織で対応していくことになるだろう。というか、そうじゃないと色々問題だからな」

「それもそうね。とりあえず外交面では大使館という組織もあるんだし、最悪私たちもいるからそこまで問題はないわね。そう考えると、外交面では大きな問題はなしってことかしら?」

「そうだな。今の所交渉すらできずに問題だっていうのはない。ま、お互いの条件が折り合わないことはあるが、そこはまた別の話だからな」


そう、交渉技術の向上も大事だからな。

ま、そういうのはラッツやエリスの後任たちがおいおい頑張ることだろう。

足りないところ、そして余っているところを上手く把握して、お互いwinwinのやり取りをする。

まあ、そういうこともこれから学んでいくだろう。

そしてその交渉内容に関しては基本的に各国に公表するから、下手な裏取引は出来ない。

さらに困っているところには支援するってことも大陸間交流同盟の中で決まっているからな。


「しかし、こうして振り返ってみるともし嫁さんたちがいなければ外交関連はかなり難航していただろうな……」

「ん。私としてはすごく不満だけど、アグウストへのヒフィー神聖国の侵攻、そして内乱はユキがいなければもっと長引いていたのは目に見えていた」

「それはジルバも同じですね。私が間に入ることでジルバとのやり取りも簡単でした」

「そうだね。その点奥さんを送り込むことに遅れたエナーリアとしてはユキを頼ることが結構難しかったとずいぶん文句を言われたよ。なにせユキったら、エナーリアとしては王族という立場は与えたけどフラフラしてるからね。簡単に呼び止められないってのがあった」


エージルの言う通り、俺は目的があってあっちこっち動いているから、嫁さんという連絡窓口がなければ、イフ大陸で言えばわざわざベータンの町からホーストを通してウィードに連絡を取ってもらわないと俺の耳に届かないという煩わしさがあった。

なのでどう見ても俺の横に女性を置くメリットは絶大だったってわけだ。

まあ、その点ダンジョンマスターの裏事情を知っている上に能力を持っている駄女神たちやコメット、その他のダンジョンマスターたちはそんな必要はないのでいいんだが。

ま、こればかりは認めなければいけない事実だ。


「ね。妻を増やして正解だったでしょ?」

「まあな……」


別に嫁さんたちが嫌いというわけじゃないが、なんかそれじゃただの連絡役だ。

そして国家を守る機構の一部として使うため。

王家や貴族の娘としてはそんなの当たり前ということかもしれないが、元々日本出身、しかも一般庶民の俺にとっては政略結婚は勘弁願いたかったんだ。

そんな俺の思いが表情に現れていたのか、セラリアたちは苦笑いして……。


「そこはまだ慣れないのね。まあ、それでいいと思うわ。大事にしてくれているからね」

「はい。ユキさんは素敵な旦那さんです」


リーアの言葉に全員頷く。

それだけは救いなのだろう。

これからもちゃんと守っていかないとな。


「よし、そして次というか、ここが一番の問題だな」


そう、俺たちが多大な労力を割いている項目。


・魔力枯渇現象調査


ここを改めて確認することで多少は楽にならないかねぇ?



意外と外交に関して外務省を設立して、大使館を立てていることからうまくいっている様子。

今回の忙しさは留学生制度の立ち上げのせいだった模様。

なので、下手に調査で多くの国に顔を出さない限りは今の所どうにかなるみたい。

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