表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1492/2210

2022年年始スペシャル あけましておめでとうございます

2022年年始スペシャル あけましておめでとうございます



「「「あけましておめでとうございます」」」


時計が0時になると同時に一斉に挨拶を交わす俺たち。

時がたつのは早いもんで、気がつけばまた新年。


「去年は色々あったが、今年もよろしく」

「ええ。今年も一年頑張っていきましょう」


俺の言葉にセラリアが代表して答えて、ほかのみんなも頷く。

で、さっそく俺は……。


「それで年明け最初の仕事は何になりそうなんだ? また福袋か?」

「そっちは大丈夫ですよ~。ちゃんと予約制になりましたし、あとは偶然見かけてなんてものは私たちだけで行ってきますから」

「はい。ユキさんは正月ぐらいゆっくりしてください。って言いたいんですけど、神社の方に顔を出さなくていいんですか?」

「ああ、そうだったな……」


そう、去年の夏ルナの奴が廃村なんか丸ごとウィードに持ち込みやがったおかげでひと騒動あったのだ。

そこの廃神社に残留していた神様が巫女を求めてって感じだったんだが、そこは我が家の守り人である付喪神鈴彦姫が出て行った事なきを得た。

そして神社を建て直すことになったわけだ。


「ちゃんと行ってあげなさいよ。それにアスリンたちはこれから行く予定なんでしょ?」


セラリアがそう言いながらアスリンたちの方を見ると……。


「うん。鈴彦姫ちゃんのお手伝いするんだ」

「お客さんはきっと兄様たちだけなので、是非来てほしいのです」

「ちゃんとおみくじとか用意しているわよ。あと巫女姿も」

「かわいいですから来てくださいね皆さん」


と笑顔で答えるアスリン、フィーリア、ラビリス、シェーラ。

この4人はまあ、あくまでお手伝いとしていく予定だからいいけど、それよりも大変なのが……。


「ユキ。あの、その……」

「カグラ。何恥ずかしがってるの? いつものように祝詞を奏上して神楽舞するだけじゃん。ばっちりミコスちゃんがビデオと写真撮ってあげるからさ」

「そうよ。何よりソウタ様や水様が先にいって準備しているんだからね。いいかげんなことしたら私もエノル様も許さないわよ」

「いや、ミコスもエノラもそう言ってやるな。本物の神社で祝詞と神楽舞ってかなりつらいからな」


今まではあくまでカグラの身内だけでやってきたことを、本物の神様に奉納することを目的としてやるのだ。

いや、別に水が偽物っていうわけじゃないんだけど、今回は他にもたくさんいるからなー。


「そういえば、ユキ。ほかの神様も来るって言ってなかったかのう?」

「ああ。確か、こっちの神様たちも見に来るらしいな。というか観客はそれぐらいのものだが」


そう、今回初めて日本式の祝詞と神楽舞ってことでリリーシュやヒフィーはもちろん、ファイデにノゴーシュ、ノノア、ハイレンと知り合いの神様がほとんど来ることになっている。

あ、もちろんルナも来る予定ではある。

しかもただ神様ってだけでなく国王とかやっている奴もいるから、それらを考えるとカグラが緊張するのも……。


「そんなことになっとるのか。いや、本物の神様の前で舞うとかどれだけのプレッシャーじゃ。妾でも緊張するわ」

「うんうん。魔王だって緊張するし、勇者でも緊張するから仕方ないよ。だから気負うなって言って難しいと思うけど、頑張れ。応援いくから」


うんうん。魔王デリーユ、勇者リーアもこういっているくらいだから、緊張して当然なんだ。

だから……。


「確か、舞の奉納は2時からでしたか? それまでには行きますよ」

「ええ。それまでには用事は済ませてしまいましょう。といっても、特にやることはないんですが」

「ん。もう真っ暗。教会に行くっていうのもありかもしれないけど、きっと間に合わない」


確かにジェシカの言うように2時から舞が始まる。

だが、サマンサやクリーナの言うようにたった二時間しかないのに教会にいってお参りを済ませるというのはなかなか難しい。

だからこのまま自宅待機で時間になったら出発って感じだな。

そういえば俺たちは早く行ってもしょうがないとしてもと、ふと気になった。


「カグラ。緊張するのはいいが、もうそろそろ出なくていいのか?」


そう、時計を見ればすでに0時半に差し掛かっている。

2時から本番ということだが、事前準備は色々あるはずだ。


「あっ、ごめん。そろそろ行くね。アスリンたちもいくわよ」

「「「はーい」」」


そう言ってカグラは慌ててアスリンたちを引き連れて出ていく。


「「「いってらっしゃーい」」」


と、見送ってから再び宴会場に戻っておせちやオードブルをつつき始めた。

そうしたらフィオラがそばに寄ってきて。


「えーと、ユキ様。そのカグラ様が言っている『かぐらまい』というのは?」

「ああ、フィオラは知らないよな」


ああ、フィオラは昨年嫁に来たばかりだもんな。

彼女に日本の宗教とか風習など知る由もないよな。

なにせまだ今は必死にウィードや俺の真の使命なんかに関することを学んでいる最中だからな。

ちなみに、オレリアたちは自宅でのんびりしている。

流石にこの旅館に泊まれというのは窮屈が過ぎるだろうからな。

年末年始の休みってことだ。

まあ、そっちはいいとしてとりあえずフィオラに日本の年末年始の過ごし方を簡単に説明する。


「なるほど。神に祈るということですね」

「ま、一般人はそんな感じだな。それに合わせて神職。つまりカグラとソウタさんが神様に対して挨拶をするイベントみたいなことだな。ちなみに『神楽』というのは、神が宿る場所なんかを意味する神座( かみくら・かむくら)が変化したものらしい」

「それで神様への舞。神楽舞ですか。ところでカグラの名前と一緒というのは何か理由が?」

「そこは偶然みたいだな。ソウタさんがこの世界に来てから500年は経っていてまだ復活してはいなかった時のことだしな。カミシロ家としては日本っぽい名前を付けようと意識してはいたが、カグラに巫女としての能力があるなんて意識したわけはないだろう。まあ、神から言えばそういうのも必然ってやつになるんだけどな」

「必然ですか」

「そう、運命ってやつ。まあ、それもあながち嘘でもないようでな。前にまだハイレンが封印されていたのに神降ろしを成功させた。巫女としての才能は飛びぬけているようだな」


とはいえ、そのせいでぶっ壊れる可能性もあるから、しっかり監視してないといけないんだけどな。


「神降ろしですか。あまりイメージは出来ませんが、カグラがすごいのはわかりました」

「そんなもんでいい。今回はカグラのやることをただ見守るだけだしな。ああ、屋外の舞台で見ることになるから温かくするようにな」

「わかりました」


そんなことを話している間に気がつけば時間になったので、子供たちの世話をサーサリたちに任せた俺たちは家族総出で神社へと赴いたのだが……。


「なんか、ものすごくたくさん鳥居があるわね」

「前は違いましたよね?」

「うん。ヒイロがこの前来た時は鳥居は3つぐらいだった」


と、ヴィリアたちがビックリしながら見つめる先にはなぜかズラズラズラズラと千本鳥居が建ち並んでいた。

なんでやねん。

いや、こんなことをするのはただ一人。

そう思っていると、鈴の音が響いてくる。

透き通った綺麗な音。

そしてその千本鳥居の中を静々と鈴彦姫が歩いてきていた。


「ユキ様。そして奥様方お待ちしておりました」


恭しく挨拶をして頭を下げる鈴彦姫。


「とりあえずこの千本鳥居は?」

「はい。この度天照大神様に神楽をとのお話でしたので、ちゃんとした神の通り道をご用意いたしました。元々鳥居は通り入るが語源とのこと。そして願いが通る。つまりはこの鳥居は信仰の塊であります。これ以上に神を安定させるものはございません」


ああ、そういうことか。

鈴彦姫の時代にはまだ鳥居自体がなかったはずだから何でだろうと思ってたが、ソウタさん辺りから聞いて神様を補強するためのモノとして用意したんだろうな。


「すでに、ほかの神々はそろっております。ユキ様たちが最後でございます」

「全部っていうとルナも?」

「はい。天照大御神様もすでに御出座ししております。またゲストとして七福神の方々も」

「「「ぶっ!?」」」


思わぬゲストに日本に詳しい嫁さんたちが一斉に吹き出してしまう。


「ちょ、ちょっと待ってください。つ、つまりです。商売の神様である……」

「はい。恵比須、弁財天、大黒天もいらっしゃっております」


ラッツなんかワナワナと震えている。

というか、鈴彦姫は七福神呼び捨てなのね。

いやそうか、神の格で考えると天細女の道具であり日本最古の付喪神だから七福神より上なわけか。

そして何より鈴彦姫は「天照大神を天岩戸から天細女と一緒に引っ張り出した」という来歴を持ち、神を引き出すことに特化しているともいえる。


「あなた。これどうするの? 神様が増えているとか流石に予想外なんだけど?」


セラリアから耳打ちされるが、鈴彦姫にも聞こえていたようで……。


「セラリア様。何も恐れる必要はございません。皆々様は天照大神様の直臣、直系、礼を尽くすのはあちらでございます。ゆえに堂々としていれば問題ありませぬ。そしてカグラ様は現代の天細女様といえましょう」

「「「……」」」


やべぇ。

そうか、天細女は神楽舞の祖、つまり巫女の大元ともいえる存在。

そこに鈴彦姫がいるのであれば、この場に限定的とはいえカグラが天細女にもなりうるのか。


「カグラに負担はないか? そこが大事なんだが」

「それもご心配ありません。天照大御神様の前でカグラ様に無理をさせるような馬鹿などおりませぬ。さ、こちらへ」


こうして俺たちは何とも言えない感情を抱えたまま神社に向かい。

神楽舞を見て、神様たちと談笑することとなったのだが、当初はお互い……。


『あ、ども』

『あ、はい。どうも』


という、ものすごく気まずい雰囲気だったのは言わずもがな。

そしてこの何とも言えない空気を打破したのはアスリンたちちびっ子のおかげではあるが、そのためさらにアスリンたちへの加護が増えてしまってこれからどうなるのか本当に心配になるのは俺だけだろうか?


ちなみにソウタさんはもう苦笑いすら通り越してから笑い。

ヒフィーを迎えに来たタイゾウさんは帝国軍人たるはこうあるべしとでも言わんばかりに引き締まった真剣な顔で七福神に深々と頭を下げたかと思ったら、直ちに家に帰っていった。

だが、その目は死んでいた。

タイキ君に至っては『あぁ~、会わなくてよかった~』なんてほざいていたので、後日しっかりと会わせようと思っている。


で、七福神に日本とかインドとかにいなくていいのかと聞いたのだが……。


『分け御霊』だから問題なしと。

ついでにこっちに来た分け御霊はそのまま住むとまで……。


あー、胃が、胃が痛い!?



あけましておめでとうございます。


今年もよろしくお願いいたします。

さあ、これからも必勝ダンジョンは続いていきます。

まだまだ書籍も出る予定なのでそちらも応援していただければ幸いです。


では、よし年始を。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 今年のなろう読み初めが本作です。 本年も、楽しませてくださいね?  にまぁ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ