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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョンと勇者

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第117掘:噴いた

噴いた





side:ユキ



とりあえず、会議は交易関係になり、ラッツやエリス、ミリーなど、そこら辺に任せて、用のない人員は出て来た。


「なんだ息子。これから用事はないのか?」

「そっちこそ用事はないのか親父」

「アーリアに任せておるからな。特にこれと言ってやることはないわ。ここはわしの国でもないからな」


流石に各国の王は一人を除いて、会議室に残って交易交渉の進展を見つめている。

セラリアも同様。


「じゃ、酒でも飲むか?」

「うむ。ブランデーがいいな」


そうは言っても、昼は回っているがまだ日中だ。

酒を飲むことに抵抗がないのはどうなんだろう。

誘ったのは俺だが、そんな事を思いつつ、まあいいか。って感じで歩いていく。


「護衛もいないけどいいのか?」

「わしより強い奴は護衛におらんしな。それを言うなら息子もじゃろ?」

「俺も同じだしな。あ、でも女関係気をつけろって言われたな」

「ああ、そうじゃな。枯れたって枯れてはおらんが、枯れて見えるわしはいいが、息子は元気じゃからな。知らぬ間に子供を作ったら大事だのう」


ロシュール王もあっさりこの問題を言い当てる。

やっぱり対策は必要か。


「しかしな、息子の周りは側室も含め全員多忙だからな。兵士というわけにもいかん、色々めんどうだな」

「だよなー。ま、考えてすぐ答えが出るわけでもないし、なんとかなるさ。最悪引きこもればいいだけだし」

「まあ、それも答えの一つか。こればかりは、人材だからのう」


そうだよな。

さて、流石に庁舎をでるなら護衛が名目上いるし、そこまで面倒にしたくない。

だから、庁舎にある接客用の一室に足を運んでいるのだが。


「あの、ユキさん」

「ん?」


確かエリスの部下のティファニーだったかな。


「会議はもう終わったんですか?」

「ああ。ちなみにコレ、ロシュール王ね」


指を横にいる爺さんにさして言う。


「あわっ!? も、申し訳ございません!!」

「いやよい。仕事なのじゃろう? その勤勉さを褒めはすれど、非難する理由は一つもない。これからも、娘や息子の手助けをしてやってくれ」

「は、はい!! ありがとうございます!!」


ティファニーがガチガチになりつつも返事を返す。

このままでも面白いのだが、話が進まないので仕方ない。


「で、どうしたの?」

「あ、それがですね。言われた通り、奴隷商人の方を迎える方策ですが、本日すでにこちらに来ているんですよ」

「へえ、そりゃ早い。じゃ、予定通りに案内してくれ、俺が対応にでる」

「え、いいのですか? ロシュール王と何かあったのでは?」

「構わんぞ、ブランデーと一式くれるなら」

「飲むのはやめないのな」

「そりゃやめる理由が無い」


そんなやり取りをして、接客室にブランデーと一式、ツマミも色々だして、酒飲み爺はほったらかしにした。

セラリアに報告もしといたけどな。南無。


さて、奴隷商人を迎える方策。

これはウィードの理念に反するのでは、と質問を受けた。

だが、これは違う。

奴隷のイメージを一言で言うと、酷い目にあう。

人権がない。

物の様に扱われる。

こんなイメージが多く、この世界でも奴隷と聞けば悲惨の代名詞でもある。

しかし、違う側面から見れば救済措置でもあるのだ。

一人の人間をお金に換えて村が救える。

家族が食べられる。救える。

これは悪い事ではない。

寧ろ、奴隷という制度が無いせいで、村が滅びたり、家族が飢えたりして亡くなるほうが問題だ。

人をお金で売り買いするなど、と顔をしかめるかもしれないが、それで救えるものが有るのも事実。

というか、これがこの大陸に合っている方策……ルールなのだ。


現代日本では、最低限の生活が保障され、お金が支給され、通院も簡単にできる制度がある。

だがこの大陸にはそんな制度はありはしない。

あくまでも国の体面を守る為の、騎士による村落の防衛機構はあるが、貧困を救う為ではない。

リテアの状況を見てもわかるが、首都であれだけの難民がいるのだ。

村落まで手が回るわけがない。

だから、その代わりとなりうるのが、奴隷商人達だ。

人をお金に換え、命を失くすことなく村落を救える最終に近い手段。

まあ、悪い面も山ほどあるが。


だから、この大陸に於いて奴隷が無くなることはあり得ない。

いや、遠い未来に無くなることはあるが、今すぐなくなることはない。

ならば、そうやって売られた人達をウィードという国家で受け入れる体制を作ればいいのだ。

奴隷商人お断り、なんてすればその奴隷達は他所で売られ、他所の法に準じて扱われる。

しかし、ここで奴隷商人を受け入れれば、ここに来る奴隷達は助けられる。

より安全な場所を提供できる。

商人としても、無駄な奴隷を売り払うにはいい場所だし、これから交易の中心になるのだ、顔を売って損はない。

流石に、それ相応の審査はさせてもらうが。


と、長々と説明をして、ウィードに奴隷商人がいる必要性を説いた。

代表、特に奴隷経験のある妻達は最初は反対していたものの、俺の話を聞いて賛成してくれた。

冒険者の手前、冒険者用の奴隷販売を多少認める必要はあるが、ウィードでの奴隷に対して暴行を禁ずるなどの法を通せばいいから何とかなるかなと思っている。



「すいません。お待たせいたしました」

「いえいえ、事前のご連絡もないのに対応していただきありがとうございます」


一階の奴隷商人専用の接客室。

ここは、一見壁に覆われているように見えるが、マジックミラーで室内がのぞけるようになっている。

奴隷商人の見極めの為だ。

この件で、会議をしていたエリスがきて、他にカヤ、デリーユが見極めに来ている。



「しかし、ユキ参謀が対応に来られるとは……」

「私の事をご存じで?」

「ええ、あの結婚式。拝見させていただきました。見事なものでした」

「それはありがとうございます。と、今日は奴隷商の件でよろしいですか?」

「はい、そのことでお伺いいたしました。なんと、ここで奴隷商を募集しているとか」

「いえ、募集というよりですね……」


そんなこんなで、話をしていく。


「なるほど。外部からの奴隷の受け入れを……」

「そうですね。よろしければ、其方で余っている奴隷を適正の価格で引き取りますし、継続してくれるのであれば、商業区で店を構えることも許可できます」

「しかし、それであれば流れてくる奴隷商人に売って貰えばよいのでは?」

「それだけでは安定しませんからね。このウィードでも奴隷商人が必要ということです」

「ウィードでは奴隷商人はいい目で見られないように思われますが」

「それは否定しません。しかし、奴隷商人の貴方方がいたからこそ、救えたこともあるでしょう? それを私は知っています」

「ユキ参謀」

「この事は代表達全員に話を通しています。なのでウィードは全力を挙げて其方を支援いたします」

「ううっ、申し訳ありません。このような事言っていただけたのは初めてで」


彼は涙を流しながら、自分がなぜ奴隷商人になったのかを話してくれた。

元々、普通の雑貨を扱う商人であったが、村々へ売り歩いている内に、貧困を救うために村人を買い取ってほしいと懇願されたそうだ。

苦渋の末、村人を買ったのだが、それが問題だった。

彼はそれで奴隷商人としても認識されてしまった。

だから、貧しい村々は彼に村人を引き取ってもらった。

一度やってしまったこと故、断れもしない。

しかし、買い取った人々は増える。

お金は減る。

仕方ないので、破産する前に、奴隷商人として本格的に動き出したそうだ。

だが、結局、世間の目は痛いものあり、罵声や非難は当然あり。

村人を押し付けてきた村々に至っては、売ってしまった事を責め立てた。

馬鹿な話である。

村々は彼は売らないとたかをくくって、売りつけていずれ返してもらおうという判断をしていたのだ。

これは彼に責任はありはしない。

結局、これらの事で奴隷商人としての手腕は認められてしまったのだ。


まあ、この話だけで信じるかは判断しかねるが、現段階では撥ねる理由にはならない。


「どうか、私にその話を受けさせてください。ここでなら、皆、酷い扱いに怯え無くて済みます。売った人々の多くは不遇の果てに骸になりました。それを少しでも減らしたいのです」


そして、マジックミラー越しにいる3人の反応は「許可」俺も問題はないと判断。


「はい、これからよろしくお願いします」

「ありがとうございます!! あ、忘れていました。ここで勤められそうな子を見繕ってきましたので、どうかこちらで雇っていただきたい」


そう言って、彼は部屋を飛び出して、数分後4人の女性を連れて戻ってきた。


「今回のお礼でもあります。遠慮せず、使ってやってください」

「はぁ、どうもありがとうございます」


いきなり、奴隷を連れてこられてもな。

普通なら、訓練所行きなんだが。

そう思いつつも、一人一人一応鑑定をかけていく。

お勧めということで、全員が算術のスキルがあったり、話術があったりと有能な子が多い。

これなら、訓練所より、エリスやラッツに頼んで、直接指導したほうがいいかもな。


そして最後の子を鑑定して噴いた。


容姿はしっかり美人ではあるが、ミリーやラッツよりも年下、デリーユの外見上よりは年上。

高校入りたてぐらい?

今までいなかった、いやラビリスはいたけど、成人サイズの白髪のツインテール、やや後ろよりだからなんて言うんだっけ?

まあいいや、赤い瞳でしっかりとこっちを見つめかえしている。


その子の名前はリーア。



名前:リーア

種族:人族

身分:奴隷

性別:女

職業:奴隷 (未覚醒勇者)※高レベルの鑑定で認識可能

年齢:○○歳 ※この世界の登場人物は全て18歳以上です


Lv.4

HP:90

MP:130

STR(筋力):7

DEF(防御力):6

INT(賢さ):70

AGI(素早さ):12

LUK(運):8


スキル

算術LV2

話術LV1

(未覚醒愛の勇者スキル系)※高レベルの鑑定で認識可能




何やってんの!? 勇者ーーーー!?



俺はお茶を噴き出してむせた。

誤字にあらず。

噴火の如し。

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