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リングナイツ~転生せしジパングでの戦国ロボット奇譚~  作者: 鬼京雅
インペラトル総帥・武杉ケンゲンとの決戦編
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三幕~決戦開始~

 灰色の悪魔の戦艦であるインペラシップが悠然とジパングに迫る――。

 トウキョウでの決戦に勝利したばかりのユナイトファングは新たしい脅威に直面していた。飛空要塞インペラシップの脅威はジパングの目前まで迫り、その体内から放たれる赤いリングナイツ達が青き空を疾走仕出す。

 そして、先行して出撃したインペラトルのリングナイツ三機のイガはジパング海上空を飛翔していた。

 三機は高濃度のミストジャマーを少しずつ展開しながら流れる雲に隠れステルス飛行をしている。

 その三機は互いに通信をする為に手と手を取り合った。

「……五十年前は、ハンバーガーとコーラ、そして民主主義で奴等の魂を侵したのにね。ロアーシが雪によって閉ざされて過去と立場が逆転されてたんだからやってられないわ」

「そうさ、私達が尖兵となりこの異常事態の幕を終わらせる。島国ごときが調子に乗るなよとな」

「だが、ジパングごときに潜入するのにこんなステルス使用でいかなきゃならんとはね。奴等は混乱してるから、わざわざ接触回線で通信をする必要なくない?」

「念には念をよ。この隙を突き、今一度我々インペラトルとの上下関係を教えなければな」

「そうだな、ジパングなどは大国であるインペラトルに従っていればいいのよ」

「昔、ジパングがまだ戦国の世だった頃、リングナイツ・トサの名のついた国にいたサカモトなんたらって改革派の奴が、ジパングの王は靴屋の下働きの給与を心配せねばなれないと言っていたらしいが、本物の王はそんな事を心配するわけないわ。王とはケンゲン様のように最強として恐れられなければならない」

「そんなのんきな奴が礎を築いた島国だ。全く、ジパングはお気楽だわ」

『ハハッ! 全くその通りね!』

 その瞬間、一番左で飛行していたラスター機が突如爆発した。高濃度のミストジャマーを展開し、雲に隠れて飛行する自分達を見つけ、なおかつ気付かれぬ間に接近し撃破された事にティーズとゲンクは恐怖した。

「ラスタっ……! ――ティーズ! 雲から出るぞ!」

「ええっ、ゲンク!」

 ラスタの死を悟った二人は隠れていた雲を抜けて更に上空に出た。刹那――。

 シュン! という黒い閃光が煌めき、ティーズとゲンクの二機は炎と共に散った。夜空に不気味な黒い狼のような機体が現れ、砕け散った機体の破片が海中へ向けて落下していく。その機体のパイロットの赤いルージュで塗られた唇が歪んだ。その光景を見届けた後、黒い狼のような機体は新しい敵を求めるが如くどこかへ飛んで行った。





 ユナイトファング・ワッカイナイ支部管制室。

 その宙域全てを監視するモニターが光る室内に、先ほどの黒い狼のリングナイツの主であるユニトファング少佐。軍神の異名を持つ黒髪の短い女侍・川島東湖かわしまとうこはいた。オペレーターは無数にある監視映像の中から迫り来るインペラシップを映し出す。ミストジャマーにより映像は乱れているが、後一時間ほどで上陸するのは明白だった。剣道の防具による摩擦でちじれた鬢をいじる川島はその状況を見つめ、

「……とうとう来たか。ニホンのトウキョウ支部を奪還したばかりで疲れているだろうがここで勝たねば未来は無いぞ」

『ハッ!』

「策敵急がせろ。第一種戦闘態勢発令だ。私の斬牙狼ざんがろうは血に餓えている」

「了解。全部隊に告ぐ、総員第一種戦闘態勢に移行。繰り返す、総員第一種戦闘態勢に移行。インペラトル襲来に備えよ。繰り返す……」

 そのオペレーターの声がジパング全体に響き渡り、全兵士に緊張と興奮が走る。

 百機以上のリングナイツが工場ブロックに展開し、基地周囲を警戒する。

 そして、インペラシップの司令室にいる赤い髪の龍一族の少女は笑う。

「さて、余が絶望を教えてやろう」

 クリムゾンファントムにリングチェンジするケンゲンはジパングの大空を昇り竜のように駆けた。

 それを見るワッカナイ支部に到着したユナイト総司令・冥地琴乃は呟く。

「あれは伝説の龍の血筋の人間……」

 そんな総司令の言葉を無視するように川島は出撃する。

 ズズズ……と餓えた狼のような黒いリングナイツ・斬牙狼が愛刀の虎鉄を背中に挿し、大空に舞い上がった。すると、遠くの空に緑の発光が起こった。しかし、その反応を感じた時にはすでに時が遅かった。インペラシップが開戦の狼煙であるビッグリングキャノンを放ったのである。その緑の鮮やかな巨大な光はユナイトファングのワッカナイ基地を目掛けて迫っていく――。


  





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