ダイオクとの決戦9
「リーダーは死んだ。もう貴方に全ての支えは無い! 終わるのよ……このジパングのマザーである私によってね!」
マザーソルトは最後は一気に吹き飛ばそうと分割していた力を戻し、光の巨人へと姿を戻した。
その場に駆けつけた猫神は雪牙の左手に蒼く輝く二つのリングを見た。
レーコと猫神はそのまま青い髪の少年の戦いを見つめる。
「リーダーは死んだ……だから何だ? リーダーは俺の背中に、みんなの心に永遠にリーダーとして刻まれ続ける! それがリングナイツとしての絆だ!」
「リングが二つ? まさか黒主のリングを使おうとでも言うのか……全く、二つのリングを同時になど使えるわけがあるまい」
「二つ? 俺が使うのは三つのリングだぜ」
左手の二つのNリングと、心臓にあるIリングが蒼く燃え上がる。
「俺は今、リーダーを超える第一歩を踏み出す」
ブオオオッ! とその三つのリングは覚醒した。
抑圧された感情が溢れ出しているのか? と思う光の巨人は茫然と自分の息子を見据える。そして、左手は蒼い炎で包まれリングのオーラが一つに収縮されて行く――。
「……リーダーが出来て俺に出来ないわけがない。何故なら! リーダーは、黒主京星は! 世界をブチ破る男だからだ!」
シュパアアアアアアアッ! と燃え上がる三つのリングから生まれた蒼い炎はHと刻まれた一つのリングを生み出した。このHとは秀吉のH。戦国武将・豊臣秀吉の加護を受けたHリングであった。
この世の全ての憎しみを叩き潰すような阿修羅のような顔立ちに、両肩に円盤があり両腰に二本の刀。背中には黒い悪魔のような漆黒のマントをなびく。カブトには一角獣のような虎柄の角が生え、まるで自分がリーダーだというような存在感を表現している。その場に蒼い炎が流れ鎧の炎が消え、一瞬の静寂が満ちる。リングナイツ夜天・蒼天楼を装備しその両目がきらりと輝かせ雪牙は言う。
「我が母よ。見えるか? 感じるか? これが絆の力……これが仲間の力だ! 本当の力を……自由への希望を見せてやる!」
雪牙の雅神剣と黒主の黒刀が融合した雅神黒刀を構える。
まるで神のような輝きを放つ雪牙に激怒するマザーソルトは叫んだ。
「私は守ってきた、この国ジパングを!」
「お前自身が戦わないで何かを守れると思うなよ。守るってのは全ての物事を戦って勝ちつづけなければ心は退化し、そこにいる全てが妥協と慣れないになっていくだけ。お前はただ狭い箱庭を自分が最強と信じ込み呆然と見ていただけだ」
信念を爆発させる互いは高速で激突する。
雪牙はマザーソルトの斬撃を上回るスピードで攻め立て、大きな胸に蹴りを入れる。
そして雅神黒刀をマザーソルトの額に突き刺すと、グラッ……と光の巨人は仰向けに倒れた。
「行くぜリーダー。一緒に飛ぼうぜ!」
両肩にある蒼炎輪が雪牙の前に展開し、そこに紅い氷のオーラが注がれた。
その照準は地上に倒れるマザーソルトに向けられ――。
「蒼炎・真紅砲」
ズバアアアアアアッ! と炎と氷が螺旋状に連なるビーム砲が地面に倒れるマザーソルトに直撃する。カッ! と目を見開く金髪の女は臍からソルトフラッシュを放った。
ゴゴゴゴゴゴ――ッと大地と大気を揺るがす爆発が起き、空の雲は吹き飛びセントラルの人間達も衝撃波に耐える。すると衝撃の光景が全員の瞳に映った。
『……!?』
上空に飛ばされたかと思った雪牙の雅神黒刀がマザーソルトの額に刺さっていた。
同時に雪牙は光の手で握りつぶされた。
終わった……と思うセントラルの人間達とは違い、ただ一人ピンクの髪をなびかせ豊かな乳をおさえるレーコは笑う。




