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ダイオクとの決戦7

 蒼天楼と夜天光はそのマザーソルトというジパングの子宮になる光の巨人を見据えている。

 象と蟻のような差がある両者をユナイトファングの司令部の人間達は見据えていた。

 すでに戦闘の役に立たないと悟る冥地功周は司令室にいた。

 この決戦で全てが終わる為、救護班にまだ各地で生存してるユナイトの少女達を回収しようと動いた。

 光の巨人、マザーソルトに雪牙は言う。

「問おう。貴様の大義は何だ?」

「つか、喋れんのかあいつ? 早く始末した方がいいぜ」

 雪牙の問いに黒主がツッコミを入れるが二人は言葉を待つ。

 光の巨人は口元を嗤わせ、光を発しながら言った。

「私の大義……それは人間が今まで行ってきた地球や自然に対する悪行を人間の命によって復活させる。リングの意思を汲んだ潮田海荷という女の悲願。そして、人間という愚かな知的生命体がいない世界を生み出し弱肉強食が成立する原始に戻し無益な争いを無くす。生物が生物として輪廻転生するように」

 フッと黒主は鼻で笑い、雪牙は言う。

「それはお前がいたら崩れるんだよ。人間が産まれたのもお前が産まれたのも所詮は自然の産物。意図的に仕組んだ事で全てを解決すると思うなよ」

 マザーソルトは黙る。しかし、全身を更に煌かせ言う。

「――私はマザー。母親に逆らうか?」

「反抗期だから」

 と、黒主は言う。

 そして雅神剣を突き出し言った。

「もうわかってるはずだ。人間が産み出した戦争という負の産物がこのパラレルワールドのジパングを産み出した。そして俺達はこの世界に来た。俺達は一生宅配だ」

「それを言うなら一蓮托生だろ」

 と、雪牙がツッコミを入れる。

 溜息をつくマザーソルトは両手を広げ我がこのジパングの神だと言わんばかりに言った。

「ここで私を倒して全てが解決するか? 貴方達の未来はそれで変わるの? それでこのジパングがより良く変革するとでもいうのか?」

「変えるのは自分自身だ。人の人生は生まれや環境で変わるが、それを受け入れるか否かは自分次第」

「そう、全ての人間は自分自身で未来を切り開ける。気概があるなら全ての困難は容易でしか無―よババア」

 その言葉に激怒したかのようにマザーソルトは両腕にオーラソードを持った。それを見上げる二機は蟻でしかないが、気迫だけは負けない。優位としか言いようの無い状況にソルトは嘲笑うように言う。

「これでも私を倒すか? 私は……私はマザーソルトだぞ!」

『うおおおおおおおおおっ!』

 二本のオーラソードを持つマザーソルトに二人は空中戦を仕掛けた。

 雪牙の一撃は確実にマザーソルトの各部を刻み、一撃で死にいたる攻撃をかわす。

 背中を黒刀で刻む黒主は大きなダメージが与えられていない事を確信し、雪牙にここを任せてオーラを集中し出す。

「ジパングの冷気よ……この俺に力を貸してくれ」

 自身の心の全てを解放するかのような紅い霧が滲み出る。

 両肩のパワーアンプにミストが濃縮されて行く。

 それは紅い冷気になり夜天京の周囲を守護するよう小さな紅い氷の防壁として展開した。それはオーラソードの攻撃力を半減化するが、著しく体力を消耗する諸刃の剣でもあった。

「この粒子バリアの氷麗真紅壁ひょうれいしんくへきがあるうちに一気に蹴散らすぜ雪牙」

「了解」

 一撃で死ぬことは無くなった為に二機の無茶苦茶なコンビネーションがマザーソルトを翻弄し出した。螺旋を描くように蒼と紅のオーラがマザーソルトを取り囲んでいた。

「……どうしたの? それが限界?」

『……!』

 二人の攻撃にダメージはあるが、その全ては致命傷に至らない為にどうにもならない。

 すると、二人の目にマザーソルトの臍に光の粒子が集中し始めた。

 それに雪牙は潮田のチョウシュウと戦った時の事を思い出し反応する。

「逃げろリーダー! あれをくらったら死ぬ!」

「ならセントラルに撃たせないように離れるぞ!」

 一気に二人は潮田の視界に入るようにセントラル方面に撃たれないように回避行動に移る。

「潮を吹けえええええええええええええええええっ――」

 腹部の臍に集められたリングオーラからソルトフラッシュがシュパアアアアアアアアアアアアア! と発した――。




 シュウウ……と白い煙が立ちこめている。

 その一撃の余波を受けたセントラル支部は半壊した。

 直撃した土地は巨大なクレーターが生まれ、周囲の森も木々の全ても吹き飛ばされセントラルは全方位から見渡せる丸裸の城になった。

「いい感じに更地になったわね。どう思う二人共?」

 倒れる蒼と黒の二人にマザーソルトは言う。

 激震が走ったセントラルの人間達も光の巨人の動向を伺っている。

 このジパングの全ての生殺与奪の権利があるマザーソルトは言った。

「本当に男という奴は面倒だよ。すぐに鳥篭から飛び立とうとして困るものだ。これからはもう生み出す必要も無いがな」

「元々この世界は男が生まれずらいのに、それをお前が管理してたのか……?」

 潮田はユナイトの副支部長という自由な立場を利用し、山崎という血筋のみの無能な男を飾り達磨にして男が使えない事を周囲に理解させながら医療スタッフに男児が生まれた時にはリングをはめさせ優良児の選別をさせていた。

「男を管理すればジパングは未来永劫私、マザーに管理され続ける。男の欲望、性欲、野心……その全てを管理すれば世界はユナイトとロストで円滑に回り逸脱は限りなく少ない。

 ゆっくりと光の巨人は歩き、二人をセントラルと挟む場所に立った。

 それに今更気付いた二人は戦慄する。

「この方向ならセントラルごと葬れるわ。サヨナラ、家康の子であり私の子」

 またソルトフラッシュを放つ為に臍に白い粒子が収束する。

『……』

 全ての人間はこの状況の絶望をどうにも出来ない。

 時はそんな哀れな人間達の事など知らず全ての人間に対して平等に刻み、マザーソルトの高笑いが空間に響き最後の審判が下される――瞬間。ザッ! ザッ! ザッ! と潮田の周囲に何かの機械の避雷針のようなものが刺さった。

「? 何だ――うおおおおおおおおおおっ!」

 プラズマリーダーの電撃がマザーソルトの動きを止める。

 桃色のカスタム・トサがこの危機的状況に現れ、そのピンク色のサイドポニーの黒主部隊のヒロインの少女は白い歯を輝かせニカッと微笑む。



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