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異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~  作者: ありぽん


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第9話 異世界に来て2週間、私はオーフェリア、相棒はピィ君!

「ぴぃくん、きょからがんばろね!!」


『ぴぃっ!!』


 任せろと言うように、片方の翼を胸に当て、元気よく返事をするピィ君。それとほぼ同時にドアがノックされて、それに返事をすると、アリシアさんが私の部屋へ入ってきたよ。


「リア、ピィ、準備は良いかしら?」


「あい!!」


『ぴっ!!』


「そう! それじゃあ、チェルシーが呼んでいるから行きましょう!」


「あい!!」


『ぴぃ!!』


「オーフェリア、ピィ、頑張れよ」


「あい!! がんばる!!」


『ぴっ!! ぴぴぴ!!』


 エディスンさんに見送られながら、アリシアさんと一緒に宿舎の裏庭に移動する。


 私が獣騎士団の宿舎でお世話になることが決まってから、早くも2週間が経ったよ。この2週間、いろいろとやることがあって、とっても忙しかったんだ。


 というかね、まず初めに、総団長さんたちに謝られました。ただ、これに関しては仕方のないことで、別に怒ることじゃなかったから、すぐ大丈夫って言ったよ。


 ほら、保護されて宿舎へ来てすぐ、総団長さんたちが私のことを調べて、それで私が3歳って分かったでしょう? その時に、名前や歳以外のことも調べたらしいんだ。


 私の持っている力とか、家族について何か分かることはないか。あとは、何か犯罪に巻き込まれていないかとか、良くないことに関わってしまっている可能性はないかとか、まぁ、いろいろとね。


 ただ、そういったことを詳しく調べる時は、本来なら本人に許可をもらってから、と決まっているらしいの。私くらい小さい子供が相手であっても、話が理解ができているなら相手ならね。


 でも私の場合は、私が見つかった場所と状況が問題だったから、私に何も言わずにすぐ調べさせてもらったって。それを謝られたの。

 

 ね、この理由なら、別に私が怒る理由なんてないでしょう? みんな私のために調べてくれたんだから。


 そして調べた結果、私について分かったことは特になし! というか、分からないことばかりだったみたい。


 調べるために使う特別な道具。これを使うと、道具に結果が表示されて、いろいろ知ることができるらしいんだけど。半分以上が隠された状態だったから、よく分からなかったって。


 ただ、これに関しては別に問題はないらしく。小さい子は魔法を使うための力、魔力が不安定で、小さいうちは魔法を使えないんだ。それでその頃に調べると、やっぱり力が隠されていて、分からないことが多いらしいの。


 でも成長して魔力が安定すると、隠されていた力が自然と見られるようになるんだって。だから私もそうだろうから、大丈夫だって言われたよ。


 まぁ、見られたとしても、問題はないはずなんだけどね。バカ神には、力はこの世界の平均にしてってお願いしたから。


 だって珍しい力とか、強い魔力や魔法があるって知られて、それで悪目立ちしたら? そのせいで、何か面倒ごとに巻き込まれる可能性もあるでしょう? それが嫌だから、平均でってお願いしたの。だから大丈夫なはず。


 と、まぁ、こんな感じで、総団長さんたちに謝られたあと。総団長さんから見て、私の情報でおかしなところは、今のところないってことで、一旦この話は終わりにすることに。ただ一つだけを除いては……ね。


 そう、私の名前問題だよ。


 名前に関しては、ただ私が考えていなかったから、表示されなかっただけなんだろうけど。でも総団長さんたちは、わざと私の名前が消されたか、元々なかったか、と心配してくれていて。


 記憶喪失だと思われている私が、いつか自分の名前を思い出したら、その名前に戻せば良い。だけどそれまで名前がないと困るだろうって、総団長さんたちが、仮の名前を考えてくれたんだ。


 そして決まったのが、オーフェリア。みんなリアって呼んでくれるよ。


 私が名前を後回しにしていたばかりに、みんなに考えさせちゃったのは申し訳なかったけど。でもね、とっても可愛い名前を考えてもらえて、本当に嬉しかったよ。私じゃこんな可愛い名前は思いつかなかったもん。


 そうして名前が決まると、獣騎士団で証明書を作ってもらい、冒険者ギルドで登録をしたんだ。


 獣騎士団の方は、私が獣騎士団で保護されている子供、って証明するための証明書ね。ここは異世界。街でも街の外でも、危険なことが結構あるみたいで、この証明書があった方が、私に絡んでくる人が少なくなるらしいんだ。だから大切な証明書だよ。


 証明書は紙とプレートの2つで。プレートの方は、鉄のような素材でできていて、ライオンの形をしているの。獣騎士団の関係者しか持つことのできない、特別な物なんだよ。


 この特別なライオンのプレートに私の血をつけて、私の情報が記録されることで、私が獣騎士団の関係者であることを証明するんだ。情報を見たい時は魔力を流すと見られるよ。

 私は肌身離さず、これを持ち歩く感じね。もちろん、ちゃんと紙の証明書も、マジックバッグに入れて持ち歩くけど。


 そうそう、私が森で気絶していた時、私の隣にマジックバックがあったみたいで、獣騎士団で預かってくれていたんだ。なくしてなくて良かったよ。


 次は冒険者ギルドの方。冒険者ギルドは、ライトノベルや漫画に出てくる冒険者ギルドそのもので。依頼を受けたり魔獣を討伐したり、あとは冒険や探検の報告をすんだけど。ギルドを使うには、登録証が必要なんだ。


 ただ、その登録証が身分を証明するためにも使えるみたいで。街へ入るのには大きな門を通るんだけど、そこには警備兵がいて。その警備兵に、自分の身分を伝えないといけないの。これは犯罪者だったり、不審者を街に入れないためね。


 その時に、登録証を見せることで、スムーズに街の中へ入れるんだ。だから、冒険者活動をしない人でも、登録をする人が多いみたい。


 この登録証も証明書と同じで、鉄みたいな素材でできている楕円形のプレートに血を垂らし、自分の情報を記録させて、それを持ち歩くよ。


 だから私は今、証明書と登録証のプレートの2枚を、首から下げているんだ。予備に、バッグには2セット、部屋にも8セットあるけどね……。


 いや、みんなが心配だって、たくさん作ってくれたの。さすがにそこまでいる? と思ったけど。まぁ、多くて困ることはないし、みんながとても心配してくれていることも分かっていたから、ありがたく受けとっておいたよ。


 こうして、私自身がやらないといけない事を、全て最初に終わらせたあと。ピィ君、本名ぴぃざえもんの登録もしたんだ。


 ピィ君は、あの可愛いピンクの小鳥だよ。あのね、このピィ君、実はとても珍しい鳥だったんだ。


 種族名はハピフェア、滅多に人前に姿を現さない鳥で、あまりにその姿を見ることができないことから『見た者には必ず幸せが訪れる』なんて言われているの。だからどうしても、手に入れようとする人もいて、そのせいで、犯罪者に狙われることも……。


 そんな滅多に姿を現さないハピフェアが、アンドリューさんたちが森で私を見つけた時、私を守ろうとしていたから、てっきり私と契約していると思ったみたい。

 だけど私を調べた時に何も関係がないと分かって、かなり驚いたって。そう簡単に懐く鳥じゃないし、人を守っているところなんて見たことなかったから。


 ということで、鳥の言葉が分かるヒルドレッドさんが、ピィ君にいろいろ話しを聞いてくれたんだ。


 あ、獣人によって、分かる魔獣語が違うみたい。ヒルドレッドさんだったら鳥系とか、総団長やアンドリューさんだったらネコ系とかね。


 そしてピィ君だけど。なんで私と一緒にいるのかは言わなかったみたい。ただ、これからも私と一緒にいたいって言ってくれたらしくて。


 それを聞いて嬉しくなった私。だってこの世界へ来て、初めて認識したのがピィ君だったし、それからはずっと一緒だったし、いつも私のそばで私に寄り添ってくれて。私もピィ君と、これからも一緒にいられたらなぁと思ってたから。


 しかもね、私のことを調べた時、少ない情報の中から、私が契約魔法を使えるってことが分かっていたの。


 この世界には、魔獣と家族になったり、相棒になったりできる契約っていう魔法があって。まぁ、別に契約しなくても家族や相棒にはなれるけど、契約してる方が、いろいろと良いことがあるみたい。


 なら、私と一緒にいたいって言ってくれるピィ君と、契約しないなんて理由はどこにもなく。ピィ君に確認したらピィ君も問題ないってことで、私はピィ君と契約することにしたんだ。


 ただ、まだ小さな私は、魔法を使うことができないから。だから今だけ、仮の契約者として、ヒルドレッドさんがピィ君と契約してくれることになったの。


 そうして、仮の契約だけど、ピィ君が誰と契約しているのかを、やっぱり冒険者ギルドに登録しに行って、ピィ君の登録プレートはヒルドレッドさんが持っていてくれることに。

 ピィ君はプレートの代わりに、足に可愛いビーズのような物を、腕輪みたいにして足に付けたよ。ピィ君が契約されている魔獣って分かるようにね。


 本当はプレートを首から下げたり、尻尾につけたりと、身に付けられる場所に付けるんだけど。ピィ君や他の小さな魔獣たちに、プレートは大きすぎるでしょう?

 だから今ピィ君が付けているような、小さな付けられる物を、冒険者ギルドが用意してくれているの。いろいろな形があって、好きな物を選べるよ。


 それからピィ君は名前がなくて、私に考えて欲しいって言われたから、最初にピンっときた、『ぴぃざえもん』はどう? って聞いたんだ。

 目つきと、いつも鋭く周りを観察している姿が、侍みたいに見えたから。だから『ぴぃざえもん』ね。


 だけど変な顔をされて、じゃあ『ぴぃざえもん』の『ぴぃ』を取って『ピィ君』は? って言ったら、なんとかそれで認めてもらえたよ。『ぴぃざえもん』カッコいいのに……。


 あ、そうそう、ピィ君の詳しい外見は、姿はシマエナガに似ていて。大きさは私の両手のヒラにすっぽりおさまるくらい。それから目は、横にした半月みたいな形をしているよ。

 だからなのか、みんなに目つきが悪いって言われるんだ。こんな目つきのハピフェアは初めて見たって。普通はまん丸のつぶらな瞳をしているみたい。


 でも、みんな目つきが悪いって言うけど、私はピィ君の目が大好きだよ。確かにつぶらな瞳は可愛いだろうけど、このフンッて感じの、鋭い目つきが良いじゃない。 


 と、こんなふうにして、私たちのいろいろが決まって、必要な物を用意してもらって。宿舎の中や、街を案内してもらいながら、何とか異世界生活がスタートしたの。


 そして慣れてきた今日から、私とピィ君はある事をすることになっているんだ。そう、この前私が決めた、あれだよ。

お読みいただきありがとうございます。

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