第65話 エドウッドさんの笑いと新たなお手伝い
「よし、全員並べ」
「あい!!」
『ぴぴっ!!』
『はいなんだじょ!!』
『『『はい!!』』』
「皆、良く掃除をしてくれたな。皆のおかげで、ここまで食糧庫を綺麗にすることができた」
「我々だけでは、なかなか掃除ができないからな。助かったよ」
「でも、ちょっとごみ、のこっちゃった」
『ぴぴ』
『そう、無念なんだじょ』
『『『無念……!!』
「みんな。むねんだって」
「何を言っとるか。ワシらにはここまで綺麗な掃除はできんよ。それどころか散らかす方じゃからの。ここを魔獣たちに見せたら、とても喜ぶじゃろう。綺麗なご飯を食べられるとな。本当に助かった。ありがとう」
『ぴぴぃ?』
『ありがとうなんだじょ?』
『ありがとうだって』
『へへへ、ありがとう』
『ありがとう、良い』
「……なんだ? みんな変に揺れとらんか?」
「たぶん、ありがちょうがうれちくて、もじもじちてる」
「ああ、そういうことか。皆、ありがとう。次回もよろしく頼むぞ。ワシらも、なるべく汚さないよう、気をつけるからの」
『ぴぴっ! ぴぴぴぴぴ!!』
『そうなんだじょ!! 任せてなんだじょ!!』
『僕たちの掃除は、ありがとうだからね!!』
『そうね!! ありがとうだものね!!』
『次もやるわよ!!』
『『『おー!!』』』
「よし、今日の掃除はこれで終わりとする!!」
『『『わー!!』』』
『ぴぴぴー!!』
『終わりなんだじょ!! 頑張ったんだじょ!!』
うんうん、この感じ。みんな良い感じに、お手伝いが身についてきた感じだね。まぁ、何もなくお手伝いだけで済んだことはないけど……。でも、それでも、最初よりはお手伝いが出来るようになってきたよ。
ぴーちゃんとみーちゃんの、袋回し蹴りを見てからは、何事もなく? 掃除ができて。やっぱりどうしても、全てのゴミを片付けることはできなくて。さっきのピィ君たちじゃないけど、少し無念でもあるけれど。
それでも最初に比べれば、綺麗にすることができて、お昼ご飯少し前に掃除を終えることに。
そう、私たちの目標は、掃除をしたらゴミゼロ!! 掃除の後に、ゴミが出るのは当たり前だけど、それでも掃除した時だけでもゼロにしたいから、次回も頑張るよ。
「よし、それじゃあの。リアたちはこの後お手伝いはないようじゃから、お昼ご飯は魔獣たちと一緒に食べて、そのままここで遊ぶと良い」
『わっ、みんなとご飯食べて良いの?』
『やった!!』
『すぐにサイラスのとこに行かなくちゃ!!』
『外で食べられるようにお願いね』
『みんな行こうぜ!!』
「待て。それはもう、私が頼んでおいた。もう少しすれば持ってきてくれるだろう」
『ん? そうなの?』
『いつ頼みに行ったの?』
『ずっと私たちと一緒にいたわよね?』
『外に出て行っていないはず』
そういえば? 確かにエドウッドさんは、ずっと私たちと一緒に掃除していたよね? アリシアさんも、バーナビーさんも。言いに行ったっていつ?
「ぴーとみーが、袋を移動した後すぐだ」
『え? でもその後、僕たちと話をしてたよね。ゴミの話』
『そうよ、それでそのあとは、私たちの掃除した場所を確認してもらったし』
『やっぱりエドウッド、いなくなってないじゃん』
「正確に言えば、あーたちとのゴミの話と、ピーたちの掃除した箇所の確認の間だ」
『ん?』
『間?』
え? 間?
『私たち、あーたちのあと、すぐにエドウッドを呼んだわよね?』
『ええ。あーたちのゴミの話が終わったと思って、それですぐに呼んだんだから』
『その時、エドウッド、1度も食糧庫から出てないわよね?』
『ええ、出てないわよね?』
『ぴぴ?』
『ん、なんだじょ?』
「う?」
「ハハハッ、あの動きは、皆には見えんだろう。そのうち慣れれば、少しは分かるようになるかもしれんがな」
『どうやって、お話し行ってきたの?』
『おかしい』
みんながエドウッドさんを見る。と、あっ!! いつもアルバートさんみたいに笑わないエドウッドさんが、一瞬だけどニヤっとした!! そしてそれに気づいたのは、私だけじゃなかったよ。
「ぴぴ!!」
『今笑ったんだじょ!! 何か内緒があるんだじょ!! 話してないことがあるんだじょ!!』
『僕たちに何か内緒にしてる!!』
『今日は内緒が多い!! 早く話す!!』
『どうやったか教えてよ!!』
「ほう、エドウッドの笑いに気づいたか。小さな子供たちは感受性が高く、大人の表情や気持ちのわずかな変化にも、すぐに気づくからな」
「そうだな。私がどうやったか、考えると良い。正解が出るまで、私は待っている」
『えー、何で!!』
『今すぐに教えなさいよ!!』
「ハハハッ、これはエドウッドが珍しく楽しんでいるな。お主ら、こうなったエドウッドは、絶対に教えてくれんぞ、だから何でも良いから、どんどん考えて、それを言いにいくことじゃ。正解した時はどうやったのか、しっかり教えてくれるじゃろう」
『えー!!』
『何でよ!!』
何で内緒よ。教えてくれても良いじゃない。別に何か減るわけでもないだろうに。
ピィ君たちがエドウッドさんの周りに集まり猛抗議する。でも、いつも通りの、スンとした表情のエドウッドさんは、本当に教える気がないみたいで、何の反応も返さない。
まぁ、言葉は分からないだろうけど、バンダナの動きで、抗議しているって分かっているはず。みんな今、バンダナを振り回しているからね。
「ほれほれ、今はそんなことに時間を使ってはもったいないぞい。それよりも、手伝いが終わったところで悪いが、ちと、ワシの手伝いをしてくれんか?」
『ぴぴ?』
『お手伝いなんだじょ?』
ピタッと止まるピィ君ミッケ。バンダナを振り回していたあー君たちも止まり、全員がバーナビーさんを見たよ。
「これから皆でご飯を食べるじゃろう? これから魔獣たちのご飯を用意するんじゃが、その手伝いをしてくれんか?」
「まじゅうしゃんの、ごはんのじゅんび。しょれのおてちゅだい?」
「ああ。なにせ、ここにはたくさんの魔獣がいるからな。それぞれに合ったご飯を、たくさん準備しなければならんのだ。だが今日は、ご飯を用意する者たちが少なくての。だからの、お主らに、ご飯の準備を手伝って欲しいのだが。どうだ?」
「まじゅうしゃんの、ごはんのじゅんび!!」
『ぴぴぴっ!!』
『ご飯の準備なんだじょ!!』
『わぁ!! このお手伝いは初めて!!』
『リアも初めて?』
「うん!!」
『エドウッドの話よりも、こっちの方が良い!!』
『ぼくたちの用意するご飯、魔獣たち、きっと喜んで食べてくれるよ!!』
「私の話よりも?」
「ハハハッ、そうかそうか。エドウッドの話よりもか。それじゃあ皆、一旦外に出てくれるかの」
もう完全に、エドウッドさんの話から、魔獣のご飯に移ったみんな。私もバーナビーさんについて、すぐに食糧庫から外へ出る。
「あまりにも変わり身が早すぎないか?」
「ふふ、子供なんてみんなそうよ。興味があることにはすぐに食いついて、それまでのことなんか、どうでも良くなるんだから。みんなに得意げにできたのに、残念だったわね。でも大丈夫よ。全部が終われば、またあなたのことを考えるはず。……まぁ、忘れていなければだけど」
「はぁ」




