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異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~  作者: ありぽん


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第55話 ミッケたちの勝手に貰っておきながらの、何とも言えない感想

「かたこと、かたこと」


『ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ』


『かたこと、かたことなんだじょ』


「こっちは……、なにもない」


『ぴぴぴぴ』


『何もないんだじょ』


「ミッケは何か言ってるか?」


「あたちたちと、いっちょ。かたことと、なにもないって」


「そうか。リアとピィはあれだが、妖精っていうのは、花とか自然の物には詳しいんだろ? 野菜も詳しいんじゃないのか?」


『同じ野菜、おいらたちのお家にはないんだじょ。キラキラ光ってて、綺麗なんだじょ。それから時々、街で野菜見てたけど、お話ししないから、よく分からないんだじょ。それと、ちょっと味見したけど、あんまり美味しくなかったんだじょ』


 あー、妖精の国とこっちじゃね。この前、妖精の国で見た物は、全部がキラキラ輝いていたっけ。ただ、このことは話せないから、他のことだけ。私は街でのことだけ、サイラスさんに話したよ。


「なるほど、確かに話せないからな。俺たちだって、リアとアルバートがいてくれるから話せるんだ。それに、俺はこの歳まで、こんなに妖精と関わりを持ったことはなかったからな。いやぁ、お前たちのおかげで、良い経験ができている、ガハハハハッ!!」


 妖精がいたら、大騒ぎになるんだもんね。獣騎士さんたちは、みんな黙ってくれているから大丈夫だけど。本当にみんなには感謝だよ。


「しかしだな、味見をしたことがあるって? どこで味見をしたんだ」


『アルバートのお家で、食べたことがあるじょ。あとは、知らない人間の家で、ちょっともらったんだじょ。いつもみんなで、パッと運ぶんだじょ。でも、アルバートのお野菜は美味しかったけど、他はあんまり美味しくなかったんだじょ』


 ん? みんなでパッと運ぶ? まぁ、アルバートさんはね。妖精が見えるから、ミッケたちもよく遊びに行っていたみたいだし、アルバートさんがご飯を食べさせてくれたんだろうけど。知らない人の家の野菜を、みんなでパッと運ぶって何?


「ちらないひとのいえ、ぱっとはこぶ?」


『おいらたちは見えないけど、何かしてたら、見つかるかもしれないんだじょ。だから、人間がおいらたちの方じゃなくて向こうを向いた時に、誰かが見張るんだじょ。それでその間に、ほかの誰かが、パッと運ぶんだじょ』


 ……それ、もしかしてくすねてるんじゃ?


「もちかちて、ないちょで、ぱっとはこんだ?」


『見つかるのダメなんだじょ。だから内緒なんだじょ』


 ……ですよねぇ。


「何だ? 今度は何だって?」


 まぁ、妖精だから仕方ないのか? いや、それでも悪いことは悪いことだし。私はなんとも言えない気持ちになりながら、サイラスさんに今の話をしたよ。そうしたらサイラスは、


「ガハハハハッ!! パッとか!! 確かにお前たちは、パッ!! か。ガハハハハッ!! もしそれに気づいた人間がいたら、喜んだだろうな!!」


 って言ったの。まさかの答えに驚いたよね。だって、黙って野菜を持っていって食べたんだよ?


「ぬしゅむの、だめじゃない?」


「ああ、もちろん人間や獣人、他の連中がやれば問題だ。だが、害のない魔獣が時々街に入り込んじゃ、野菜やら何やらを持って行くことがよくあるんだ。まあ、誰かが裏で操ってるってんなら、また問題だが。そんな野生の魔獣には慣れていて、取られるのも大した量じゃないし、だから皆、そこまで怒らんのさ」


「それが妖精ともなれば、なおさらだ。まぁ、魔獣がやったか、妖精がやったかなんて、分からないだろうが。それでも、妖精が持っていったんだ、何かいいことが起こるに違いないと、喜ぶやつもいる。だから、別に問題はないさ」


「アルバートから、妖精の話は聞いているだろう?」


 それで良いのか? まぁ、みんながそれで良いなら良いけど。でも、怒らないって、なんか心に余裕があるみたいで良いよね。


 それに、そうか……。妖精はみんなにとって、神じゃないけど、そういう神秘的な存在だと思われて、願いを叶えてくれるって信じられているんだもんね。その妖精が、もしかしたら野菜か何かを持っていったと思えば、怒るよりも喜ぶか。


『あっ!! みんなのお野菜は美味しくなくて、それから、時々他の料理ももらったけど、微妙なのがあったんだじょ。それからアルバートは、野菜もご飯は美味しくて。でも、サイラスのお野菜とご飯が、1番美味しいんだじょ!! おいら、リアたちと家族になれて、ここにこられて良かったんだじょ!!」


「しゃいらしゅしゃんの、やしゃいとごはんが、いちばんおちいって」


 勝手にとって食べておいて、微妙って……。みんなに声が聞こえなくて良かった。そして、うん、サイラスさんのご飯はとっても美味しい!


『そうかそうか!! 俺の野菜とご飯が1番美味しいか!! それじゃあ今日も、美味しいご飯を作らないとな!! よし、今日の手伝いもよろしく頼むぞ!!』


「あい!!」


『ぴぴっ!!』


『はいなんだじょ!!』


「今日はそうだな、そっちの野菜を洗ってもらうか!!」


 サイラスさんが指差したのは、かたこと動いている野菜じゃなくて、動いていない野菜の方だった。


 動いている野菜って、普通に考えればおかしいんだけど。ジャガーとかふわはねレターとか体験すると、もうどんな野菜があっても、おかしいと思わなくなっちゃったよ。驚きはするけどね。


「そいつは、アワコンっていう野菜だ。そいつもなかなか洗うのが難しいだろうが、頑張ってやってみてくれ。まぁ、難しいだけじゃなく、お前たちも楽しいと思うぞ。ボルトレーン、見ててやれ」


「ああ。さぁ、みんな、こっちに移動だ」


 ボルトレーンさんについて、厨房の端っこへ。そしてボルトレーンさんは、ビニールシートのような物を敷いた後に、ふわふわの絨毯みたいな物も敷いてから、その上に木のタライを置き、水を入れたんだ。これは初めてだよ。


「なに、ちいたの?」


「人が少ない、忙しい時間帯じゃなければ、別にこれはなくても良いんだが、さすがに今はな。他へ飛び散らないための準備だ。後は、このアワコンは、最後の掃除前に、仕込みをすることが多いんだぞ」


「ちくと、どなるの?」


「このふわふわが、水をしっかりと吸い取ってくれる。下のは、他にも飛び散った水で、床を濡らさないようにするのと。明日、外でこのふわふわを干すことになるだろうから、そのまま持っていって、地面に干せるようにだ。このふわふわは水には強いが、土に弱いんだよ」


 へぇ、いろいろあるんだ。


「さぁ、それじゃあ、どれでも良いから、それぞれアワコンを持って、タライの周りに並べ」


 ボルトレーンさんが持ってきた、アワコンと呼ばれる野菜が入っているカゴの周りに集まる。


「う~ん……あたち、これ!!」


『ぴぃ……ぴぴぴぴ!!』


『おっ、おいら、これなんだじょ!!』

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