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異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~  作者: ありぽん


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第32話 綺麗で可愛い精霊の家と……ウエ〜イだと?

「きらきら、きれいねぇ」


『でしょう。でも、本当の入り口は、もっと綺麗なのよ』


『僕たちが移動に使う入り口は、せいっちが作ってくれた、行きたい場所に必ず行くことができる入り口と、僕たちが丁寧に作る入り口と、今みたいに、簡単に作る入り口があってね。僕たちが作る丁寧な方も、ちゃんと行きたい場所へ行けるよ』


『ただ、せいっちが作ってくれた入り口は、いくら友達でも見せちゃダメって、せいっちに言われてて。だから本当は、近くに入り口があったんだけど使えなくて、遠くにくることになっちゃったの。急いでたのにごめんね』


『それに、僕たちが作る丁寧な入り口は、とっても時間がかかるんだ。今は、急ぎだからね、これもダメ』


『ということで、時々行きたい場所から、ちょっと離れちゃう時もあるけど、すぐにできる簡単な入り口を作ったよ』


「……ちょっと離れちゃう、だと? どれくらい離れるのだ。詳しく話せ」


『詳しくって、時間ないんだから、簡単に説明な。本当のちょっとだぜ。オレたちが飛んですぐに着くくらい』


「本当だろうな」


『本当だって』


『あ、でも心配しないで。もしちょっとじゃなくて、すこ~し離れちゃった場所に出ても、またすぐに入り口を作れば良いんだから。向こうはここよりもっと人が少ないから、気にせずに作れるし』


 それ、本当に大丈夫なの? もし遠くに出ちゃって、何回も入り口を作ることになったら? 実は丁寧に入り口を作った入り口で移動した方が、簡単よりも早く着いていた、なんてことにならない?


「……本当に大丈夫なのか?」


 私の心の声と、アルバートさんの言葉が重なったよ。


 でも、もう入り口を作ってもらったしね。私たちのために、せっかく作ってくれたんだから、ちゃんと使わないと。


 少し心配はあったものの、私たちはすぐに入り口に入ることに。入り口の使い方は簡単。光っている地面の上に立つだけ。みんな同じ場所へ行けるように、いつも手を繋いで乗るんだって。今日は全員、アルバートさんの洋服に潜り込んだよ。私は抱っこね。


 そして、虹色の光が溢れる、虹色に光る地面に乗ったアルバートさん。するとすぐに、ラメのようなキラキラと光る物が降ってきて。さらに虹色の光が強まり、その光が私たちを包んだ数秒後。私たちは別の場所にいたんだ。


 ただ、景色は変わっているのに、森の中なのは変わらない感じで、私もピィ君も、思わず首を傾げちゃったよ。ここが、あー君たちの家? それとも、別の場所に出ちゃった?


 いやね、これは私の勝手な想像だったんだけど。精霊の家はこう、小人の可愛い家じゃないけど、素敵で可愛い、ファンタジーな家が並んでいると思っていたの。それから綺麗な風景が広がっているって。


「ここ……おうち?」


『ぴ、ぴぴぴ?』


『おお! 今日は1回で着いたぞ!!』


『ばっちり家の前だったわね』


『ここまでピッタリなの、久しぶりだね』


『久しぶりのお家なんだじょ!!』


 うん、ここで間違いないらしい。というか、今日は一回で着いたって、久しぶりって。やっぱり、不安のある移動方法だったんじゃないの?


『ささ、ここからはリアとピィだけね。アルバートは、ここで待ってて』


『一応、せいっちに聞いてみるから。それで、入ってもいいってなったら、呼びにくるよ』


「……分かった。リア、ピィ。どうなるかは分からないが、何かあれば、すぐにミッケとここへ戻ってくるんだ。それと、これは幼いお前たちには難しいかもしれないが。もし辛いことを言われても、まだ完璧に望みが消えたわけではない。私もできる限りのことはする。だから、諦めることだけはするな」


「あい!!」


『ぴぴっ!!』


『必ず治すんだじょ!!』


 アルバートさん、分かってるよ。みんなが諦めない限り。ううん、みんなが諦めても、私は絶対に諦めないよ。私を助けてくれたみんなを、絶対に救ってみせる!!


 私はアルバートさんから降りると、ピシッとしっかり立って、大きく頷いた。ピィ君とミッケも一緒にね。


「よし、行ってこい」


『ささ、じゃあ行こう!』


『それじゃあ、お家の入り口を開きま~す!!』


 そう、みーちゃん軽い感じで言うと、みんなが何もない場所に手をかざしたんだ。するとすぐに、白っぽいベールみたいな、綺麗な膜のようなものが現れて。最初に、あー君がそのベールへ飛び込むと、スッと消えたの。


『さぁ、行くわよ!! ミッケ、手を繋いであげて!』


『うんなんだじょ!! リア、ピィ、行くんだじょ!!』


 ミッケが、私の手とピィ君の翼を握り引っ張ってきて、私たちはそのままベールみたいな物に進んで行く。そしてベールにぶつかると思った瞬間、私は目を閉じたんだ。大丈夫だと思っていても、やっぱり何かにぶつかるのはね。


 でも何も感じないまま、数歩進むと、


『リア、リア、目を開けて大丈夫よ』


『ちゃんと入れたんだじょ。ダメな人は入れないんだじょ。だから良かったんだじょ』


 そう、みんなが声をかけてきて、私はそっと目を開けたんだ。そうしたらそこには、私がさっき思っていたような、素敵な光景が広がっていたの。


 たくさんの精霊が飛びり、可愛い小さな家がたくさん並んでいてね。でも、時々大きな家もあって、そこのは魔獣姿の大きな精霊が出入りしているんだ。


 それと、可愛いのは家だけじゃなくて、すべてのものがとっても可愛いの。ポストとか花壇とか、精霊に必要の? という物もあるけれど、そういった細かい部分までもが、とって可愛いんだ。


 それから、木も花も草も、すべてがキラキラ、ぽわっと光っていて、とっても綺麗なの。地面まで光っているんだから。


 本当、私が考えていた、ファンタジーの精霊の国って感じだったよ。


「ふわぁ、きれいねぇでかわいいねぇ。外からは、わからなかったよ」


『僕たちのお家が、悪い人たちに見つからないように、せいっちが特別な結界を張ってくれてるんだよ』


『だから、外からは見えないの』


『それに、悪い人じゃなくても、せいっちがダメだと思う人は入れないんだ』


『せいっちは、どこかで見ていてね。その場で決めるんだ』


『リアたちは入れたから、問題なしってこと』


 ん? ということは、入れない可能性もあったのか。……え? よく入れたな。入れなかったら、どうするつもりだったのよ。みんなの話だと、許可はいる、って感じだったけど、入れないとは言っていなかったよね?

 

 というか、入れない場合、ベールに触れるとどうなっていたのか。思い切り弾かれて飛ばされるとか? ……いまさらだけど、これからはもう少し、詳しく話しを聞いた方がいいかも。


『さぁ、せいっちがいるのは、真ん中の湖の方だよ』


『早く行こうぜ!』


『また、ぐうたら寝てるのかな?』


『でしょうね。いつものことじゃない』


『行くんだじょ!!』


 みんなに案内されて、後をついていく私とピィ君。


『人間の子だー』


『こんにちはー』


「こんにちは!!」


「ぴぴぴー!!」


 歩いている間、精霊たちがずっと、私たちに挨拶をしてくれたよ。隠れて暮らしている精霊たち。人嫌いな精霊も多いのかな、って思っていたけど、そんなことはなかったみたい。


 それどころか、挨拶をした精霊たちが、ミッケたちから私たちの話を聞いて。それで、私とピィ君のことが心配だからって、みんなついてきてくれたんだよね。だから今、私とピィ君の後ろには、精霊たちの長い行列ができているよ。


 そうして歩き始めて約10分くらいすると、可愛い家がなくなって、木と花と草ばかりになって。さらに10分くらい歩くと、前の方に湖が見えてきたんだ。


『あの湖の真ん中の小島で、いつもゴロゴロ寝てるんだ』


『おーい、せいっち!! 僕たちの友達、リアとピィを連れてきたよ!!』


 あー君たちが、そう言いながら、どんどん湖に近づいていく私たち。そして……。


 私の背丈ほどもある草むらを抜けると、そこには大きな湖が広がっていて。あー君たちの言った通り、湖の真ん中の小島に、人影があったの。でも、その人影は一瞬で消えて、次の瞬間には、私たちの目の前にいたんだ。


「こんにちは~! よく来たねぇ。僕がせいっちだよ、よろしくねぇ」


 その人は、それはそれは軽い感じの、若い男の人だった。しかも、


「みんな、おかえり~。ウエ~イ」


『『『うえ~い』』』


 は? ウエ~イ、だと? は?

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