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(8)#習慣になってきました

「すっかり夢中だね」

「バカ。食事に付き合っているだけだよ」

「はいはい。そういうことにしておくよ」


 メニューを見ている私を、ダリアが意地悪な笑顔でからかってきた。


 ここ数日、私はダンと夕食をダリアの店で食べているのだが、すっかりダリアのからかいネタにされていた。


「いいから黙って仕事しろよ」

「へいへい。ダン、奥さん機嫌が悪いから気をつけな」

「誰が奥さんだ」

「ハハハ」


 私とダリアのやり取りを見ていたダンは楽しそうに笑っている。


「ホント仲が良いよな」


 涙目になりながらダンが言った。


「腐れ縁なだけだよ」

「付き合い長いの?」

「この国に来てからだから10年ぐらいだね」

「フリーダム出身じゃないんだな」

「うん。私が物心ついた頃には親父といろんな国を旅してたから、生まれた国は親父から聞いたことしか知らないよ」

「そうなんだ」


 私の返事を聞いたダンはスマホを取り出し、テーブルや店内を撮影し始めた。


 そういえば最後にダンジョンに行ったのって親父が死ぬちょっと前だったな。


 ダンに話したせいか、ふと冒険者として親父と旅をしていたことを思い出した。


「ほーい。お待たせ」


 ダリアが元気良く熱々の湯気に包まれた鉄板を2つ持って来て、私とダンの前に置いた。


「ここのステーキはあっちの世界でも通用しますよ」


 ダンが目をキラキラさせながらダリアに言った。


「ありがとね。さあ、冷めないうちに食べな」


 ダリアは嬉しそうな顔で私とダンに食べるように促す。


「はい。いただきます」

「いただきます」


 ダンに続いて私も手を合わせてステーキを食べ始めた。


 この異世界の挨拶も、ダンと食べるようになってから私も自然とするようになっていた。

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