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(24)#vsバットハンター①

「うーん。魔法原石の反応はあまりないな」


 ダンがアプリで周囲を調べたが、ダンジョンには魔法原石の反応がほとんどなかった。


「ベロニカ姉さんの話だと、金目的で入った冒険者が魔族にやられたんでしょ」


 拍子抜けした私は、思いっきりガッカリした顔でダンに訊いた。

 

「そう言ってたけど」


 夕食の後、ギルドから被害報告があったことや、王様がベロニカ姉さんに命令を出した経緯を聞いたダンが翌日にダンジョンへ行くというので、私も同行していた。


「ふぁぁあ。魔族と戦えると思ってマスターに休みもらったのに」


 完全に気が抜けた私は、あくびをしながら言った。


「こらこら、だらけるんじゃないよ。魔族がいないか確認しないといけないんだから」

「はいはい。ダンは本当に心配性なんだから」


 落ち着きがないダンを他所に私は、ヨイショと反動をつけて軽く跳んで立ち上がった。


「とりあえず奥へ行ってみよう」



「やっぱり反応ないな」


 ダンジョンの最下層に着いてもアプリに反応はなく、来る途中に現れたモンスターも雑魚ばかりで魔族の気配は全く感じられなかった。


「このダンジョンからいなくなったのかな」

「ダン、あぶない」

「うわっ」


 ダンがスマホをしまって歩き出そうとしたとき、何かが近い付いたのに気づいた私は体当たりをして突き飛ばした。


「イテテテ」

「ダン・・・・・・大丈夫か?」

「俺は大丈夫だ。セーラ、血が、止めないと」


 私の左胸から大量の血が流れていることに、ダンは動揺していた。


「これくらい大丈夫だから」


 ダンを落ち着かせようと強がってみたが、体がみるみる熱くなるのを感じる。

 

「動くな。《ヒール》」


 ダンが魔法で必死に止血はしたが、出血が多いせいか寒気が止まらい。


「《ホーリーバリア》」


 ダンは私を囲むように結界を展開してから、スマホのカメラで攻撃があった方向を物陰から撮影した。


「こいつはコウモリか?」


 画像には逆さまにぶら下がっているコウモリ型の魔族が写っていた。


「シェアアア」


 闇の中からダンの位置を正確に狙って攻撃が飛んできた。


「くそ、こっちは何も見えないのに。どうしたら」

「シェアアア」


 コウモリ魔族は考える間を与えないように攻撃を止めることなく続けた。

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