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(23)#面倒くさい客が来てました③

「ベロニカ姉さん、どう?美味しいかな?」


 ダンが何か言いたげな視線を向けているが、無視してベロニカ姉さんに尋ねる。


「美味しいよ。いつのまにかこんな美味しい料理が作れるようになったんだな」


 ベロニカ姉さんは、城とは違う穏やかな笑顔で答えてくれた。


「おう、美味い、美味い。特にこの肉料理とスープの味付けは絶品だな」


 下品な食べ方をしながらロベルトが会話に入ってきた。


「汚いな。お前はダン殿のように品良く食べれないのか」


 ベロニカ姉さんが呆れた顔でロベルトを叱る。


「馬鹿、騎士がちまちま食べてどうする。いつ敵が来てもいいように素早く食べる訓練をしておかねば」

「騎士なら、時と場所を選べと言っているんだ」

「お前はいつも堅苦しいんだよ」

「そうだ。ベロニカさん、頼みごとって何ですか?」


 2人の口喧嘩がヒートアップする前に、気を遣ってダンが話題を変えてきた。


「コホン。ダン殿に王からの依頼を伝えるよう言われて来ました」

「王様からの依頼ですか?」

「ええ。国境のダンジョンで異常に魔物が発生していると報告がありまして」

「それならダンじゃなくて、辺境の警備隊や俺達フリーパークの騎士を行かせればいいんじゃないか?」


 さっきと打って変わって、真剣な顔つきになったロベルトが訊いた。

 

「下手に国が動いて隣国と摩擦を起こしたくないそうよ」

「王様らしくないお考えだな」

「ええ。王様はあんたに行かせようとしたけど、大臣がダン殿にって言い出したのよ」

「あの狸親父が言いそうなことだ」


 国にとって都合の良い異世界人のダンに、危険な任務を押しつけたってとこだろうなと私も思った。


「僕はかまいませんよ」

「お前はお人好しだな」


 あまり面白くないという感じの顔をしたロベルトの言葉に、不本意だが私も大いに同意していた。


「すみません。何か必要ならこちらで調達しますので」


 ベロニカ姉さんはすまなそうに頭を下げた。


「いいえ、気にしないでください。僕も助かることですから」

「では、詳しい内容は食事の後で説明します」

「わかりました」

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