表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/37

(2)#ダンと呼ぶことにしました

「1名様ご宿泊でーす」


 私はテンションが上がり、つい大きな声が出てしまった。

 

「いらっしゃい兄ちゃん。こいつに捕まったか」


 マスターは私の様子に気付き、ニヤニヤして男に話し掛ける。


「はい。有無を言わさずに」

「何だよ。困ってそうだったから連れて来てやったのに」

 

 ため息混じりに男が返事をしたことになぜかイラッとしてしまい、私は感情を顔に出してしまった。


「セーラ。兄ちゃんを部屋へ案内してくれ」

「ほーい。客室は2階だよ」


 マスターに言われ、私は首の後ろに両腕を組んで歩き出した。


「そういえば。あんた、名前なんていうの?」


 普段は訊かないが、気付くと私は男の名前を訊いていた。

 

「ボンダダンです」


 男の名前は聞き慣れないものだった。

 

「ええと、面倒くさいからダンでいいよな」

「別にいいけど」


 間があったが、ダンは呼び名をすんなりと受け入れた。



「お疲れさん。もう帰っていいぞ」


 ダンを部屋に案内して1階に戻ると、マスターが声を掛けてきた。


「うん。さっきの客をダリアの所に案内するついでに帰るよ」

「そんなにあの兄ちゃんが気に入ったのか?」


 そう言うマスターはニヒヒと笑っている。


「うるさいよ。別にそんなんじゃねえし。異世界人に親切にしただけだし」

「親切はいいことだよ。ヒヒヒ」


 慌てて早口になった私を見て、マスターはさらにニンマリと笑って言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ