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(16)#異世界人の彼氏が出来ました

「隣、座るぞ」


 ちょっと距離を空け、ダンはあぐらをかいて私の隣に座った。


「まず、俺が好きなのはお前だけだ」


 ダンは普段は言わない殺し文句みたいな恥ずかしいセリフを口にしだした。

 

「・・・・・・」


 私は黙ってダンが先を話すのを待つ。


「次に、あの写真はいいねの為に協力してもらっただけで俺の趣味じゃない」

「・・・・・・」


 変わらず私は黙ったままだったが、ダンはかまわず話を続けた。


「確かにベロニカさんはキレイだ」

「開き直りかよ」


 私は思わずツッコんでしまったが、ダンはそのまま話を進める。


「そこら辺の男と同じで美人は好きだ」

「何が言いたいんだよ」


 グダグダな言い訳を話してたかと思ったら、ダンは膝立ちして私を無理矢理抱きしめた。


「バカ、離せよ」

「離さない」


 バタバタする私をさらにダンは力強く抱きしめる。


「お前の両親が見ている前で誓うよ」


 ダンの無茶苦茶な態度に、私は抵抗するのをやめて黙った。


「セーラ、愛してる」

「わ、私も」

 

 恥ずかしさで茹でダコみたいに真っ赤になりながら返事をする。


「え?何て?」


 ちゃんと聞こえたくせに、意地悪な感じでダンは訊き返してきた。


「だ、か、ら、愛してるって言ってるだろ」


 嬉しさを隠すように私は怒鳴った。

 

「じゃあ、撮るぞ」

「バカ、撮るなよ」


 ダンは恥ずかしがる私を無視して、自撮り君を呼び出して写真を撮った。


「彼女出来ましたっと」

「何やってるんだよ。やめろ、バカ」

「やめませーん」


 私達は他人から見たら馬鹿みたいに、しばらく走り回っていた。

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