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15/37

(15)#キレちゃいました

「セーラ、待てって」


 階段を走るように降りる私を慌ててダンが追いかけてくる。


「うるさい。この女たらし」


 頭に血が上った私は、ダンの言葉を無視して小走りで進み続けた。


「セーラどうした?そんなおっかない顔して」


 カウンターの席に座って帳簿をつけていたマスターが、驚いた様子で訊いてきた。


「おはよう」


 腰の調子とかいろいろ訊きたかったが、怒りと気恥ずかしさで頭がいっぱいだった私は、挨拶だけしてマスターの前を通り過ぎた。


「おい、セーラ。イタタタ」


 後ろからマスターの心配する声が聞こえたが、私は無視して宿屋を出た。


 勢いで外に出たものの、私はあてもなく歩き続けた。


 

 ふと気づくと、両親の墓がある墓地に来ていた。


 と言っても、母親については私を産んですぐ死んだらしいので、どんな人だったかは親父から聞かされたことしか知らない。

 

「親父、久しぶり」


 私はあぐらをかいて座り、墓に向かって話し掛ける。


「実はさ、好きな奴が出来たんだ」


 意地を張ってダンには好きな素振りは見せないようにしていたが、最初から私は惹かれていたんだろう。


「そいつも私のこと好きだって言ったくせにさ、ベロニカ姉さんの写真を隠してたんだよ」


 ちょっと半泣きになりながら、ぶつぶつと物言わぬ親父に話し続けた。


「わかってるよ。ガキみたいなこと言ってるって。でもさ、ムカつくもんはムカつくし」


 アーーーと叫び私は草むらに寝転んび、しばらく私は眠りについた。


 

「セーラ」

 

 寝て落ち着きを取り戻し体育座りに姿勢を変えて座っていた私に、誰に聞いたかわからないがたどり着いたダンが声を掛けてきた。


「何だよ。女たらし」

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