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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

路地裏の先に

このシチュエーションにリアルであったら絶対怖いって言ってるのに全然理解されない

とある日の午後のこと。

一人の男が町を歩いていた。

今日は空は曇りがかかり、空気がどんよりとしている。

出かけるには最適の天気とは言い難かった。


用事も住んで、家路につくために町を歩いているときだった。

遠くの道で見知った顔が歩いているのを見かけた。

よくよく見てみると、同じ職場の同僚だった。

同僚といってもそこまで親しいわけではなかった。

顔見知りといったところだ。


同僚は一人ではなく女性と並んで歩いていた。

デート中だろうか。


偶然に驚きつつも同僚を見ていると、何やら様子がおかしかった。

二人してしきりに辺りを気にしている。

そして人だかりが少なくなるタイミングになると、こそこそと隠れるように路地裏へと進んでいった。


そんな二人の様子が気になった男は、二人の後をつけるように路地裏を目指した。

プライベートを盗み見るのは悪い気はしたが、好奇心のほうが勝った。


路地裏にたどり着きこっそりと中を覗き見る。

二人の姿は見えない。

奥のほうにいるのだろうか。

男は路地裏の中へと足を踏み入れた。

日光の当たらないこの道は薄暗く、静かだ。

ある程度進んだところで、どこかから音が聞こえた。

今いるところからではよく聞こえず、わずかな音を頼りに、歩を進める。

やがて音は大きくなり輪郭を帯びていく。


最初は水滴のたれる音かと思っていたが違うようだった。

これは、何かを咀嚼する音だ。


不信に思いながらも音のするほうへと近づく。

好奇心と同時に言いようのない不安が全身を駆け巡る。


とある通路に差し掛かった時だった。

曲がり角から音がする。

間違いなくここに何かがある。


音を立てないようにそっと近づき、通路の中をのぞく。


そこには同僚と女性がいた。

辺りを赤黒い血で濡らしながら。

二人してしゃがみながら、何かを食べていた。


その異様な光景に思わず声を出しそうになるのを必死にこらえ、二人を見る。

二人の視線の先になにかが横たわっていた。

二人の身体が邪魔してよく見えないが、それは奇妙な姿をしていた。

頭は鹿のような形をしており、わずかに見えた下半身は魚のような、トカゲのような姿をしていた。

おおよそ普通の動物とは思えない。


そんな死体の肉を二人は手づかみで一心不乱にむさぼっていた。


強烈な吐き気を覚えつつ、男はその場から離れると逃げるように家まで帰っていった。



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