プロローグ:繋がりは産まれる前から
様々なモノや形、現象といったことには名前が付けられる。
この胸に抱いた感情も、そうだと知っている。
けど、そんな安易なモノなのかと疑問を抱いてしまう。
だって、産まれた時から一緒にいる。
むしろ母親のお腹にいる時からだと考えると、これは運命といっても過言じゃない。
そんな星の下に生まれたのだ。
だから切っても切れない縁で繋がり、これからも変わらないであろう。
今後学院を卒業して、別々の大学に入学したとしても。今となっては一八歳以上が成人扱いで大人という括りにされたとて、どこか会社に勤めて社会人の仲間入りを果たそうともだ。
色褪せるどころか、むしろこの感情は強まっているかもしれない。
だけど、家族なのだ。
しかも姉妹ともなれば、仲が良いという認識されるだけ。
それ以上の感情を秘めているなんて、世間どころか相手にだって知られでもしたら……。
考えただけでゾッとしてしまう。
例え世間から拒まれようとも、もしかしたら相手側は寛容で受け入れてくれるかもしれない。
なんて、淡い希望くらいは抱かせてほしい。
決して公にするどころか、墓場まで持っていくつもりでいる。
まあ、バレない程度に想いを伝えたって罰は当たらないだろう。
じゃなきゃこの気持ちに拍車がかかるどころか、気が狂ってしまう。
そのために手を変え、品を変えていく必要もある。
どうにか好意がバレないギリギリのラインを内々で探り、考えていくのも楽しい。
さてさて、今日もどう過ごしていこうか。