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第24筆 青の希望
ルーリリリ、と朝の陽光に鳥がさえずる。
オオルリが卵から孵った四羽の雛たちに、せっせと餌を運んでいる。
「準備は良いかい?」
セイザンがミズハに尋ねた。
約束の期限。
オオルリの卵は、今朝すべて孵化した。
「はい」
真っ直ぐに、ミズハはセイザンを見る。彼の後ろに立つリットが、片目をつぶって見せた。
ミズハが机の前に座る。白い洋紙に、羽根ペン。インク壺。それらを前にして、深呼吸する。
ルーリリリ、とオオルリが鳴く。
「では、ミズハ三級宮廷書記官。花の飾り文字から」
「はい」
セイザンの言葉に、ミズハは羽根ペンの先をインク壺に浸した。余分なインクは縁で落とす。
白い洋紙に、ペン先が触れる。
書く。
窓の外。瑠璃色の鳥が鳴いている。
終。