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亡き人  作者: あしゅ
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亡き人 31

「あっ! マジシャン!」

 

校門前でスピリチュアル・長崎とバッタリ会った山口。

ひとめで “例の霊能者” だとわかった。

 

「おまえ、引っ越しただろう!

 てか、ゼロさん祓ったのか?」

 

初対面の挨拶もせず、いきなり本題に入る山口だったが

スピリチュアル・長崎は、即座にその流れを理解した。

「きみはあの霊の知り合いかね?」

 

「仲間だよ!

 ゼロさんをどうしたんだよ

 長野が心配して、夜も眠れずフラフラなんだよ!」

 

「す・・・すまん

 私もそのようなつもりではなかったのだ。」

 

スピリチュアル・長崎の話によると

石川が言ってた正にあの日、ゼロとここでバッタリ会ったと言う。

「水晶が、ここらへんを示していてな・・・。」

 

スピリチュアル・長崎は、根に持って

失職でヒマこいてたのもあって

ゼロを必死で探していたのであった。

 

 

「やっと見つけたぞーーー

 ここで会ったが100年目

 恨み晴らさでおくべきかーーーっ!」

 

「クラウザーさんか!

 てか、おめえも大概しつこいなあ。」

 

さっさと逃げようとしたゼロだったが

スピリチュアル・長崎の相変わらずの九字切りの早さに

ついつい見とれてしまう。

 

「臨める兵ども 闘う者ども 前に在れ!

 列をなして 陣を作り 皆ゆかん!」

 

「おおおっ! 格好良いーーーーーーー!!!」

パチパチパチパチと本気の拍手をするゼロに

スピリチュアル・長崎は、バカにされたような気分になった。

 

 

ゴオッと風が巻き起こるが、ゼロに異変はない。

「く、くそっ、こやつ、何者だ?」

 

スピリチュアル・長崎は、ヤケになって

次々に知ってる呪文を繰り出していった。

 

 

「あっ!!!」

 

ゼロが悲鳴を上げ、突然消えた。

 

予期せぬ事態に、スピリチュアル・長崎も

式札を構えたまま、しばらく呆然としていた。

 

 

「はい、おとうさん、ちょっとこっちに来てくれるー?」

ヌッと横から顔を出したのは警官2名。

 

妙な男が紙をバラ撒いて叫んでいる、と

近隣住民から通報があったのだ。

 

「おとうさん、何やってるのー?

 ダメだよー、ここ、大学の前なんだよー?

 若い子たち、恐がっちゃうでしょー?

 ちょっと署まで来てもらえるかなー?」

 

 

スピリチュアル・長崎にとって

真の敵は、警察官であった。

 

 


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